無職転生 - SSでも本気だす -   作:イルキ

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第14章 青年期 日常編
第百四十一話「誕生会」の後のお話。(本文約7,000字)


泥沼vs守護術師フィッツ 前編

ここは食堂。

今は昼休みで食堂が一番賑やかな時間帯だ。

学校の食堂はメニューが固定されがちだが、

それはこのラノア魔法大学でも同じことだ。

 

ただ、メニューの数が多いからか、まだ俺は飽きていない。

あと数ヶ月で4年生になるし、もう飽きてくる頃だと思うけどね。

 

そんな俺の今日の昼食はシルフィが作ってくれた弁当だ。

シルフィは稀に、俺のために弁当を作ってくれる。

 

「そういえば、ボス」

 

シルフィの弁当を食べていると、リニアが口を開いた。

今、ここには俺以外の他にリニアとプルセナがいる。

 

「なんだ?」

「だいぶ前に、フィッツと戦ってボコボコにしたって聞いたんだけど本当かニャ?」

「あ、それ私も聞いたの」

 

ボコボコにって。

 

自分の妻をボコボコにするもんか。

もし、誰かがシルフィをボコボコにしたら、

そいつを地の果てまで追いかけて消し炭にしてやる。

 

コホン。

ともかく、そんな事をした覚えはない。

 

俺とシルフィが戦うのは夜のベッドの上だけだ。

俺が攻めで、シルフィが守りだ。

 

最近はシルフィも守りを崩さないようにと工夫してくるが、学習しているのはシルフィだけじゃない。

俺もシルフィの守りを崩そうと学習している。

そんな攻防があって、大抵は俺が勝つ。

気付くと、シルフィの息は絶え絶えになっているのだ。

 

さらに攻めると、今度はシルフィが「もうだめぇ」と声をあげてから、腰を痙攣させて……

って、いかんいかん。

 

あの夜を思い出すと、『発情の臭い』とやらが出てしまう。

あっ、俺は常に出てるらしいから気にする必要ないか。

 

だが、しかし。

夜のプロレスの駆け引きを、この2人は知らないはずだ。

 

じゃあ、いつの話だ?

あ、入試の時か。

 

「戦ったのは事実だが、ボコボコにはしてないぞ」

「でも手も足も出なかったって聞いたの」

「そうだったかなぁ」

 

確かあの時は、ジーナスの合図と同時に『乱魔(ディスタブ・マジック)』を使ってから、

魔術が出なくて驚くシルフィに『岩砲弾(いつもの)』を使って…。

 

あぁ、確かに。

手も足も出ないって表現は間違いじゃない。

 

「そうだよ、あの時のボクはルディ相手に何も出来なかったんだよ」

「あ、シル……フィッツ先輩」

 

フィッツ先輩ことシルフィが会話に参加してきた。

シルフィは家にいる時のような柔らかい服装じゃない。

サングラスをつけた凛々しいフィッツ先輩の格好をしている。

とても一児の母とは思えない凛々しさだ。

 

「隣、いいかな?」

「どうぞどうぞ」

「えへへ、ありがと」

 

シルフィは俺の隣に座ってきた。

するとシルフィが小声で話してきた。

 

「ルディ、その…今日のお弁当、どうかな…?」

 

今日最大の会話イベントがやってきた。

 

ここで冗談でも「美味しくない」と言えばシルフィは落ち込み、

「美味しい」と言えばシルフィは喜ぶだろう。

落ち込んで耳がシュンとなるシルフィも見たいが、

今日もありのままの感想を伝えよう。

 

「美味しいよ、シルフィ」

「やった! じゃあ、また次も作るね!ルディ!」

 

俺は小声で感想を伝えると、大声で返事が返ってきた。

一瞬だけシルフィの耳がピクピクと動いたように見えた。

なるほど、こういうこともあるのか。

今後の会話イベントのために、ちゃんと覚えておこう。

 

『目指せ、シルフィの好感度MAX作戦』だ。

もう結婚してるしMAXみたいなものか。

 

ただ、シルフィは王女の護衛という仕事もある。

作ってくれるのは嬉しいけど、

シルフィの無理のない範囲でお願いしたい。

 

「シルフィ、俺のために作ってくれるのは嬉しいけど仕事もあるんだから、無理しないようにね?」

「うん、わかってるよ。ルディ」

 

なんてゲームにありそうな会話していると、

リニアが「コホン」と咳払いをしてきた。

リニアもこういう咳払いをするんだな。

ちょっと意外だ。

 

「それで、やっぱり、ボスとフィッツが戦ってフィッツが負けたのは本当なんだニャ?」

「うん、あの時は訳もわからない魔術でボクの魔術を打ち消されて、手も足も出なかったよ」

「あの時はってことは、今はどうなんだニャ?」

 

シルフィは口に手を当てて、考えながら俺の顔を見てきた。

 

「どうだろう、ルディみたいな魔術師に会っても戦えるように努力はしてるけど」

 

シルフィは間をおいて続けた。

 

「でも、ルディには勝てないと思うな、ボク」

 

ここで言う「ルディみたいな魔術師」というのは、

乱魔(ディスタブ・マジック)』を使うような相手って事だと思う。

俺とシルフィは『乱魔(ディスタブ・マジック)』の特訓もやっているし、

俺もシルフィから魔術を学んでいる。

シルフィは俺と違って闘気を纏えるし、頭の回転も早い。

対人戦闘の経験はシルフィのほうがある。

正直、今戦ったら俺はシルフィに負けるかもしれない。

 

「ほうほう、そうなんだニャ」

「ふーんなの」

 

リニアとプルセナはお互いの顔を見てニヤニヤしていた。

あ、これ、何か企んでいる顔だ。

 

「えーと、ボス」

「私たちその戦い直接見れてないの。

 それで、ボスとフィッツの戦いを見たいと思っているの」

 

そういえば入試の時にこの2人はいなかったな。

あそこにいたのは4年生のはずだし。

 

って、おい、まさか。

 

 

「そこで、ボス、お願いがあるの」

「ボスとフィッツで模擬戦をやってほしいニャ!」

 

なっ、なんだってぇ!

 

 

ーーー

 

 

数日が経った。

俺は今、控え室にいる。

 

あの後、頭を下げ続けるリニアとプルセナに対し、

拒否し続ける俺とシルフィという図が出来た。

 

そこにアリエルとルークがやってきて、あの2人に味方した。

つまり、2対4だ。卑怯だ。

しかもあっちには生徒会長でアスラ王国の王女だ。

勝てるわけがない。

 

最後は俺とシルフィも折れて戦う事になった。

なんで自分の妻と戦わなきゃいけないんだ。

ちくしょう。

 

というか、この控え室。

こんなの学校にあった記憶がない。

 

まぁ、それも説明できる。

さっき、アリエルがお詫びとして色々話してくれた。

 

 

アリエル達の生徒会はジーナスに企画書を提出したらしい。

 

食堂で別れた後、アリエル達は模擬戦の日程、場所、ルール、何から何まで決めて、ジーナスに話したそうだ。

 

ジーナスは苦笑いして「良いでしょう」と言った後、また苦笑いした。

アリエル曰く、あれはノリノリな顔らしい。

ジーナスも止めてくれればよかったのに。

 

 

ふと、外を見てみる。

そこにはアリエル達の成果がひろがっていた。

 

グラウンドには体育館にあった聖級治癒魔法陣と同じものがあった。

むしろ、これのほうが大きい。

 

次に入場口に目が行った。

地面にはレッドカーペットが敷かれている。

その両脇には魔道具が置いてある。

なんでも人が通ると白い煙が出るらしい。

まるで格闘技の入場シーンだ。

レッドカーペットは、俺達が入場した後に、すぐ片付けられるそうだ。

この世界じゃ高給そうだもんな。

 

次に、グラウンドの周囲。

階段みたいな形をした観客席がある。

そこにはたくさんの教師と生徒がいる。

 

あぁ、あれはノルンだろうか。

背が小さいからかピョンピョン跳ねている。

というか前にいる人の身長が大きいな。

後でアリエルに特別席で見るようお願いしよう。

 

生徒会は……あっ、いた。

他の生徒とは違うところにいた。特別席だ。

 

特別席には、ジーナスと露骨なヘアアクセサリーが似合う男性がいた。

この男性の名前が思い出せないが、確か校長だったはずだ。

 

他にも高そうな衣服を着た人が数人座っていた。

この学校の人ではないのは見て分かる。

きっと、貴族か何かだろう。

 

ナナホシを含む特別生もそこに座っていた。

ナナホシは、やれやれという顔をしているが少し楽しそうだ。

 

そして、この控え室。

俺とシルフィの2人分を急遽建てたらしい。

長机が1個とイスが4つ置いてあるだけだが、控え室なんてこんなものだろう。

 

ルールは、実戦に近いものになった。

武器の持ち込みは杖のみで、即死級の魔法は使用禁止だそうだ。

まあ、それは当たり前だろう。

俺もシルフィにそんな魔法は使いたくない。

それ以外は特に制約はない。

 

勝利予想もされているみたいだ。

学校だから賭け事は行われていない。

予想のほうはというと、俺が勝つと予想している人が多いらしい。

熱烈なフィッツ先輩ファンは全てシルフィに投票したらしいが。

 

 

しかし、最初は手を抜いて4人を満足させればいいだろうと思っていたが、

ここまで大事にされてしまうと手を抜くのが悪い感じがする。

これもアリエルの策略だろうか。

 

生徒会の権力すげぇ、と思っていると我が神が控え室にやってきた。

 

ロキシーだ。

 

ロキシーはセコンドだ。

シルフィにはエリナリーゼがついている。

 

ともかく、俺はまだシルフィとは戦いたくない。

ロキシーに助けを求めることにした。

 

「ロキシー、助けてください」

「その、ルディ。ふ、頑張ってください。ふふ」

 

あ、だめだこれ。俺の顔を見て笑ってる。

俺は今、色々な感情が混ざった、複雑な顔をしているのだろう。

 

 

−−−

 

 

さて、少し考えよう。

 

シルフィは火魔術を除いた上級までの魔術は無詠唱で扱える。

火魔術は苦手らしく中級のはずだ。

あっ、この前、ロキシーのおかげで水魔術は聖級になったか。

 

対する俺は、ほとんどの魔術を無詠唱で使える。

ロキシーのおかげで水魔術は王級だ。

治癒と解毒の魔術は詠唱がないと出来ない。

 

もっとも、これは模擬戦で魔術師同士の1対1の戦いだ。

聖級や王級といった魔術は必要ないだろう。

それに、地面には聖級治癒術の魔法陣がある。

即死には気を付ける必要があるが、ケガの心配はしなくていいだろう。

 

そう考えると、俺とシルフィに魔術の差は殆どないのか。

 

だが、俺は戦闘が苦手だ。

対人戦闘なんて特に、だ。

シルフィは対人戦闘も経験済みだし頭の回転も早い。

 

俺の普段の戦い方は、

『泥沼』で敵の足を止めて、『岩砲弾(ストーンキャノン)』でフィニッシュだ。

それはシルフィも知っているはずだし何らかの対策をしてくるはずだ。

 

あと俺もシルフィも完成度は低いものの『乱魔(ディスタブ・マジック)』を使える。

やはり『乱魔(ディスタブ・マジック)』には警戒するべきだろう。

 

そういえば、シルフィはどうやって戦うんだ?

シルフィの戦い方を俺は知らない。

幼い頃に衝撃波を使った高速移動や、移動阻害を用いた戦闘方法は教えた事があるけど、昔の話だし。

 

対策ができないな。

 

とりあえず、魔術師同士の戦いは魔術を放って、

それをレジストしての繰り返しだ。

あとは、その時に考えよう。

 

「はあ」

 

俺はため息をついた。

 

ふと、ロキシーを見た。

俺が考え終わるのを待ってくれていたみたいだ。

いつもの眠そうな目をしているが、この目は真面目な時の目だ。

 

「ルディ、シルフィに勝てると思いますか?」

「…分かりません。正直、不安です」

「そうですか…」

 

ロキシーは少し間をおいて続けた。

 

「では、ルディに1つアドバイスをしましょう」

 

なんと、ロキシーがアドバイスしてくれるらしい。

こんなに嬉しい事はない。

嬉しすぎて、ラ○ァにも会いにいけそうだ。

 

「ルディは私やシルフィよりも魔力総量が上だと聞きました」

「はい…」

「そしてあの魔神ラプラスより上だと」

「えぇ、キシリカ様とバーディ様にもそう言われました」

「なら、魔術師同士の戦いで、先に魔力が無くなるのは誰だと思いますか?」

「…シルフィですね」

「その通りです」

 

なるほど。

 

俺はシルフィの魔術をレジストしているだけで、

シルフィは勝手に魔術を使えなくなるのか。

つまり、持久戦だ。

 

「ロキシー、ありがとうございます」

「いえ。今のルディを見て、私も何かアドバイスしないと不公平と感じましたので」

「不公平?」

「はい。先程、シルフィの控え室に行ってきましたが、エリナリーゼさんが熱心にルディ対策を教えていました」

 

あのエリナリーゼが熱心に俺の対策をか…。

 

「エリナリーゼさんはどんなアドバイスを?」

「分かりません。覗いただけですので。

 ですが、かなり熱意がありましたよ」

「そうですか…」

 

ロキシーの覗き癖はここでも発動するのか。

 

しかし、エリナリーゼがシルフィにアドバイスか。

エリナリーゼは熟練の戦士だ。

持久戦の作戦もお見通しじゃないだろうか。

 

いや、俺は神にアドバイスをもらった。

神を信じよう。

 

「ルディ」

「はい?」

「私は2人共応援したいですが、私はルディのセコンドであり妻です。

 同じ妻であるシルフィには申し訳ありませんが私は自分の夫を応援します」

「ロキシー…」

「勝てとは言いません。

 ですがルディ、頑張ってくださいね」

 

ロキシーが俺を応援してくれている。

嬉しくて涙が出そうだ。

 

……俺はシルフィに勝てるんだろうか

いや、勝つ必要はない。良い勝負をしよう。

 

「ルーデウス様、お時間です」

 

スタッフだろうか。

 

「それでは、ルディ。

 私は特別席から見ています。頑張ってください」

「はい!」

 

ロキシーに背中を押された気がした。

俺はその勢いのまま、スタッフの後を着いていった。

 

 

ーーー

 

 

スタッフの案内で入場口に来ると。

 

「あ、ルディ」

「シルフィ」

 

そこにはシルフィがいた。

いつもと雰囲気が違う気がする。

シルフィも俺も今は制服を着てない。

 

俺はシルフィが選んでくれた灰色のローブを着ている。

杖は、10歳から使っている『傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)』だ。

ぶっちゃけ、使っても使わなくても、そんなに変わらない。

だが今回は、大勢の観客がいるので、魔術師としての見栄えを良くするために持っておく。

すまんな、相棒(アクア・ハーティア)

 

シルフィはというと、あまり見たことがない服装をしていた。

いや、大きくは変わっていない。

制服だったものが別の服になっているだけだ。

杖は俺があげた初心者用の杖だ。

それにいつもと変わらず、緑色のマントとサングラスをつけている。

おそらく、パーフェクトフィッツ先輩だろう。

 

ん?  待てよ。

シルフィの装備は杖以外、魔力付与品(マジックアイテム)じゃなかったけか…?

 

「えっと、お互い敵同士だけど、頑張ろうね?」

「あ、あぁ」

「ルディ、緊張してるの?」

「少し。こんな大事になってるとは思わなくてさ」

「ふふ、そっか」

 

シルフィは手を俺の頭に乗せて、撫でてくれた。

少し背伸びをしている。

 

「よしよし、お互い頑張ろうね、ルディ」

「ああ。ありがとう、シルフィ」

 

御礼を言うと、突然シルフィが俺に抱きついてきた。

 

「……ごめん、ボクもちょっと緊張してるんだ」

「じゃあ、俺と同じだな」

 

俺もシルフィを抱き締めた。

 

「ふふ、そうだね。

 ルディ、ちょっとこのままでお願い」

「ああ」

 

シルフィは少し震えているようだった。

 

「あのね、ルディ」

「なんだい?」

「ボク、この模擬戦でルディに本気で攻撃するけど、ルディの事、嫌いになったわけじゃないからね?」

 

シルフィは「本気で」という部分を強調して言った。

 

「ああ、俺もシルフィに攻撃するけど、嫌いになったわけじゃない」

「うん、大好きだよ、ルディ」

「大好きだよ、シルフィ」

 

俺とシルフィは抱き合ったまま、キスをした。

あぁ…シルフィの体と唇が柔らかいぜ。

それに良い匂いだ…。

だが、これから戦うせいか、興奮はしない。

普段ならもうここでベッドに連れ込んでる。

 

「それでは、これより選手の入場です!」

 

大音声で司会の声が聞こえた。

拡声器のような魔道具を使っているんだろうか。

 

キスをやめると、シルフィは俺の背中をポンッと叩いて離れた。

同時にシルフィの温もりが消えた。

性欲無しで抱き合えるのは滅多にないから、少し残念だ。

 

「じゃあ、ルディ。ボク、最初だから行くね」

 

そう言って、シルフィは入場して行った。

 

シルフィの入場はかっこよかった。

司会はシルフィの名前や経歴を紹介していった。

シルフィは、そんな司会を気にすることなく、

緑色のマントを風になびかせながら歩いた。

最後は自分の杖を片手に持ってポーズをとっていた。

観客の拍手も止まらず、シルフィもノリノリらしい。

 

俺はどうしようか。

考えていると俺の番になった。

 

そうだ。良い事を思いついた。

 

空が明かるいので魔術で雲を発生させて辺りを暗くした。

司会はそんなことお構いなしに俺の紹介をしていく。

俺も司会のことは気にせず歩いた。

そして、俺もシルフィと同じように杖を片手にポーズをとった。

 

すると、杖の先からヒューという音をたてながら、

一筋の光が空に上がった。

上まであがるとドンッと音をたててキレイな花が空に出来た。

 

花火だ。

 

俺の場合は拍手だけじゃなく、感嘆の声もあった。

 

 

いいぞ、俺もノッてきた。

 

 

ーーー

 

 

さて。

少し真面目になろう。

 

俺もシルフィも所定の位置についた。

魔術で発生させた雲はもうキレイに無くなっている。

俺とシルフィの間は40mくらいあるだろうか。

 

俺は杖の先端に巻いてある布をとった。

観客席からは「おぉ」なんて声が聞こえた気がした。

 

ふと、特別席のアリエルを見てみる。

アリエルは俺と目が合うと笑顔で返してきた。

 

あっ。

 

アリエルの狙いが分かった気がする。

しかし、ここまで来るともう後戻りは出来ない。

 

シルフィを見ると、手首をコキコキ鳴らしていた。

入試の時もあんな感じだった。

多分、シルフィのルーティーンだろう。

俺もストレッチをしておく。

 

そんなことより、シルフィの雰囲気だ。

あれが、シルフィの言っていた本気か?

いつもと違う。

明らかに夫に向けるものじゃない。

 

これは…殺気か……?

 

いや、違う。

そんな物騒なものじゃない。

 

あー、よく分からん。

 

 

 

とりあえず、シルフィがやる気なのはよく分かった。

 

なら、俺も頑張ろう。

 

 

 

 

「それでは、まもなくバトル開始です!」

 

「赤コーナー、守護術師フィッツ!」

「青コーナー、泥沼のルーデウス!」

 

「レディー!? ゴォーッ!!」

 

観客の歓声と共に、俺とシルフィの戦いが始まった。

 

 




次回は、戦闘シーンから始まります。
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