カードゲームで支配できるような世界の主人公になってしまったのでメタデッキを組みます   作:さすらいのひまじん

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対戦よろしくお願いします。


第0話「マスターズ・オブ・ザ・ワールド!一挙放送スペシャル」

 「Master of the World」通称MoW。

 プレイヤー自身をゲームの中の駒「マスター」として扱い、相手マスターのライフを0にするか相手の山札がなくなれば勝ち、という何処かで聞いたことあるようなルールのTCGであるが、細かいルールやカードプールが異なるため、しっかりと差別化は取れていると言えよう。まぁ細かいルールもいろんなTCGのごちゃ混ぜのようなもんなのだが、閑話休題。

 このMoWはTCG業界の中ではまだまだ新顔で、ついこの間まで販促のためのTVアニメを放映していた。それが今見ている「マスターズ・オブ・ザ・ワールド」なのだが……

 

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『エンシェント、レジェンダリー、ギガントのカード。その全てを集めたマスターにはこの世界が与えられる』

 

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 うん、まぁ、カードゲームアニメなんだすまない。

 カードゲームアニメの世界では、カードゲームによって人は死ぬし、世界の命運を分けられるし、隙あらばバトルをするのが当たり前、とは誰の言葉だったか。このマスターズ・オブ・ザ・ワールドも例外なくその一つであった。

 

 エンシェント・スペルカード、レジェンダリー・ウェポンカード、ギガント・モンスターカード。これは現実のMoWにも存在する所謂レアカードというやつで、それぞれが切り札級の効果を持つ強力なカードになっている。

 アニメではそのレアカードを全て集めたものが世界の支配者になれる、という設定で、偶然レアカードをゲットしちゃった主人公がその戦いに巻き込まれる、というシナリオだ。あるあるですね。

 

 しかし、そんなよくある展開のこのアニメであるが、視聴者には「これMoW販促する気ある?」とか「アニメ世界ではMoWをやらないのが正解」とか言われているのである。現行で視聴している俺も例外なくその感想を得ていた。

 どうしてそんなことになっちゃったの?ときっと未視聴者は思うだろう。俺は見るまではそう思っていたから間違いない。そして見た今なら分かる。「このゲーム、勝っても負けても損しかねぇ」と……

 

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『オーホッホッホ!! これで私の勝ちですわね!そのレジェンダリーと共に、貴方の全てをいただきますわ!! せいぜいレアキラ団の奴隷として役立ちなさいな!』

『う、嘘だろ!?俺の『完全耐魔障壁』が破られるなんて!?そんなはずは……!? ぐわぁ!』

『モクズさん! そんな!?』

『フフフッ…… これでレアキラ団の世界征服がまた一歩進みましたわね!』

 

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 まず負けるとどうなるのかをお話しよう。アニメにおいてそれぞれのレアカードは各1枚しかないとはいえ、世界中の人々の手に渡っている。その全てを集めるとなると普通はうまくいくはずもない。しかし、それを解決する手法としてこの世界には「マスターズ・ルール」というものが存在する。その内容は、

 

 ・エンシェント、レジェンダリー、ギガントのいずれかを1枚以上持つマスターを『候補者』と呼ぶ。

 ・候補者同士のバトルの敗者は、勝者に自らが持つ全てを捧げなければならない。

 ・候補者は、候補者に挑まれたバトルを拒否してはいけない。

 

 というものだ。簡単にいえば強制参加のバトルに負ければ相手の奴隷になるということ。クソルールすぎる。この世界のこのルール考えたやつの精神状況おかしいよ……

 

 とはいえ、この時点では負けなければ良いだけなので、「勝てば良いだけやんけ」と思うだろう。途中まで見ていた俺はそう思っていたから間違いない。なんなら「勝てば女の奴隷が手に入るとか最高か?MoW極めるわ」まで思っていた。俺はクズだった。閑話休題。

 しかし、その考えは終盤の展開によって覆されることになる。

 

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『これで全部、揃ったのか……?』

『……っ!凄い!何か、力漲ってくるぞ!これが『ワールド・マスター』!』

 

『……ククッ、この時を、待って、いたのだ……!』

 

『えっ、この声は…… うわっ!?』

『ワールド・マスターの、力! 貰い、受けるぞ、ユウッ!!』

『そんな、まさか、ワールド・エンド・ドラゴン!? うわぁぁぁぁ!!』

 

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 主人公が一番初めに偶然手に入れたギガント・モンスターカード「ワールド・エンド・ドラゴン」。当然主人公のデッキのキーカードとして活躍し、ピンチの時は新たなカードを創造する(!?)など他のレアカードと別格の力でその窮地を救ってきた相棒ポジションであったのだが、なんと最後の最後で離反。というか元々誰でも良いからカードを集め切ったやつを乗っ取って、その名に相応しく世界を終わらせるのが目的であったとのこと。これによって主人公はその力と身体全てをW・E・Dに奪われることになる。

 

 これが勝っても得がない理由である。全部集め切れるまで負けたら奴隷になるバトルを永遠と挑まれ、全てに勝ったらカードに全部を奪われる。つまり参加した時点で全てを奪われる。やらないのが正解とはまさにその通りなのであった。

 

 ちなみにこの後の展開としては、主人公の幼馴染であるヒロイン、切札 愛花がレアカードを一枚も持っていないのに候補者になれるマスター、『シン・マスター』として覚醒し、主人公をW・E・Dから奪い返す……だけに飽き足らず、「マスターズ・ルール」に則り主人公のその全てを自分の所有物として、『シン・マスター』の力と奪った『ワールド・マスター』の力を使って主人公と彼女2人っきりの世界を創造。やたらと規模のでかいヤンデレ監禁エンドとなるのであった。(ヒロインもスタッフも)頭おかしいよ。

 

 そして今、俺はちょうどその部分を視聴していたのだが……

 

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ザザ

 

 ザ

 

  ザザ

 

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 さっきからやけに画像に乱れが生じている。

 前見た時にはこんな演出は無かったはずだ。再放送特有の追加演出か?

 おいおい、展開まで変わるのか?

 なんでヒロインがこっち向いて……

 

ザザザ

 

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-----   ザ

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 ザザ

 

「『この世界はどうだった?」』

「『気に入った?ううん、つまんなそうにしてたもんね」』

「『でも、お陰でだんだんわかってきたよ」』

「『次こそ、気に入ってくれると嬉しいな」』

 

「『クリエイト: ニューワールド」』

 

ザ   ザ

 

 そして

 

ザザ   ザザザ

 

 世界は

 

ザザザザザザザザ

 

 作り直され___

 

「『ハロー、ニューワールドってね♪」』

「『またね、ユウ♡」』

 

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

 

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