CODE NAME:“RED”   作:c.m.

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明日から毎日19:00『ミュウツーの逆襲編』(全5話)を投稿予定です。


ミュウツーの逆襲編
01 逆襲の誓い


 ──私は……過去(おもいで)に縛られて生きていたくない──

 

 死が二人を分かつまで。そう遠い日に誓った妻は私の元を去っていった。

 それでも私は研究から離れる事をしなかった。

 幾度と無く失敗が続く実験。ホログラムの中に存在する電子の意識は、かつて娘と指先で夜空をなぞった流れ星のように、短く消えては新しく生み出すことを続けてきた。

 

“アイ……私の娘、お前を蘇らせる為ならば、悪魔にさえ魂を売ろうとも”

 

「対価を示そう、フジ博士。貴方のクローニング技術を、我が組織に役立てて貰いたい。そのための研究資金も実験用のポケモン(モルモット)も、全て貴方の望むがままだ」

 

 たとえそれが世に悪を成し、戦いと破壊と略奪をもたらすものであろうとも、私は躊躇などせず、後悔や慙愧の念など抱きはしない。

 私は過去(おもいで)を取り戻す。ああ、そうだ。その為ならば遺伝子研究者としての権威、学会から賜ってきた賞賛や名誉など欠片も惜しいとは思わない。

 唯一つの目的、たった一つの願いの前には、全てが塵芥にすら劣るのだから。

 

「良いでしょう。これまで神のみが許されてきた命の創造、その禁忌はロケット団(あなたがた)のものだ」

 

 成立する契約──私は、悪魔をも超える悪の権化(にんげん)の手を握っていた。

 

 

     ◇

 

 

 グレン島から南西。オレンジ諸島との中間に位置する、ニューアイランドと名付けられた無人島の研究施設。

 そこで行われた数々の実験は、正しく非人道的と、命の冒涜とされる行いである事は間違いないが、しかし私にも、そしてチームの誰一人として、そんなことに良心の呵責を覚える者はなかった。

 

「この個体も駄目か」

 

 記録される活動時間。生命活動の発生から停止までの情報がまた一つコンピュータに残され、研究室(ラボ)には落胆の吐息が漏れる事も少なくなかったが、それも試行錯誤を重ねる初期でのこと。

 日進月歩と言われるが、間違いなく実験は形になっていく。人間の遺伝子は劣化が早いが、ポケモンならばその限りではない。

 水溶液から生まれた偽りの生命は数日の命であっても、眠ったまま息絶える赤子と比べれば目に見える成果といえよう。

 

“尤も、それが私個人が達成すべき目的に、程遠いのは皮肉だが”

 

 何より、やはりコピーでは遺伝子情報が足りない。肉体の欠損ならばまだ機械化で対応できる。臓器も人工心肺を形成すれば良い。

 しかし、私が求めているのはベッドから起き上がれない植物状態の娘でも、一生を車椅子で過ごす娘でもないのだ。

 

“アイ、お前にもっと、もっと見せたかった世界があるんだ”

 

 遠い異国の大地。

 吹き抜ける風。

 潮騒の音。

 この世の全ての美しいものを再び娘と共有すること。

 

 世の父が、親が求める当然のものを、私は再び得たいのだから。

 だからこそ──私があらゆるポケモンの遺伝子を併せ持つ、幻のポケモン。ミュウの化石から遺伝子情報を得られた事は正しく()()()感謝すべき運命だった。

 

 実験は、飛躍的な進歩を遂げた。進化にまで辿り着けなかったポケモン達は、少なくともロケット団が道具として使用する分には問題のない寿命を得た。

 脆弱な個体では難しいが、オリジナルが強固であればあるほど、その性能は満足の行く仕上がりとなってくれた。

 

 そして、遂に私は一方の目的へと到達した。

 

 最強のポケモンの創造──決して劣化しない遺伝子、クローニング技術という一つの形の到達点。

 

「生まれるが良い、『ミュウツー』」

 

 この私と、私の娘のために。

 

 

     ◆

 

 

 ここが何処で、自分が誰なのか──私には分からない。

 ただ、そんな自分にも幼い頃があり、何かに影響を受ける時間が短くともあったのだとは覚えている。

 それが夢なのか、はたまた幻覚の類か、或いは真実なのかは今となっては思い出せないが、確かに私の奥底に、その『思い』は宿っていた。

 

 ──お別れが近づいたみたい──

 

 幼い自分は、幼い人間にそう言われた。

 嗚呼、私は覚えている。あの幼い人間が、直接は触れ合えぬ心と心の繋がりの中で共有した時間の中に居た幼い人間に、もう共に居られないのだと言われた時。

 それが命の喪われる時なのだと『理解』した時、私の瞳から雫が零れたことを、私は今も覚えている。

 

 ──生き物は、身体が痛いとき以外に涙を流さないの。悲しみで涙を流すのは──

 

 ならば、今こうして雫が流れている自分は……。

 

 ──ありがとう。ありがとう、貴方の涙──

 

 消えていく。幼い人間の命が……止まらないのだ、熱い雫が。

 そして、時と共に。眠り続ける中で消えてしまう。

 

 決して忘れてはならない筈の──、幼い人間の名前を。

 

 

     ◇

 

 

 ──実験は、遂に成功した。

 

 我々は、否、私は神に挑戦状を叩きつけ、勝利を掴んで見せたのだ。

 砕け散る培養槽。オレンジ色の液体と強化ガラスの破片が周囲に撒き散らされるが、そんなものはどうでも良い。

 目の前に存在する、自我持つ生命体。数値でなく、生命として感じ取れる個体の強さと生命力。

 テレパシーによって、人間とさえ意思疎通を可能とするその知能。

 

 紛れも無く、実験は成功と称すべき結果だった。全てはここから始まるのだと、そう確信していたというのに!?

 

「あ、嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああ!?」

 

 爆発が響く。絶叫の声が四方から音となる。

 吹き荒れる炎が。爆発する機材が。数多の研究成果が一瞬にして炎と黒煙に包まれ、殺意の嵐が私達を飲み込んでいく。

 

 嗚呼、これは紛れも無い『失敗』だ。

 私は、最強のポケモンを生み出した──そう、決して誰にも止められない──

 

「世界最強のポケモンを創る……私達の夢が……」

 

 ──化け物を、この世に生み出したのだ。

 

「アイ……お前に、もう一度……」

 

 そこで、末期となるその言葉で、化け物(ミュウツー)は動きを止めた。

 燃え盛る研究所は、今は誰もいない。

 死んだのか? いいや、それならば死体の一つもなければおかしい。

 ならば、目の前の化け物(ミュウツー)が何らかの超常を用いて消したのか?

 

 いいや……どちらも違う。これは〈テレポート〉。

 エスパータイプのポケモンが使う〈わざ〉であり、万が一があった際、技術者を脱出させる為の『保険』として、ボスの片腕たる小僧……REDが用意した案だった筈だ。

 

 ならば──

 

「間一髪といったところか、博士」

 

 燃え盛る炎が、水の濁流に消されていく。ボスの背後、ニドクインが〈なみのり〉で出現させた水を用いて消火しているのだろうと、壁にもたれたままぼんやりと私は事態を観察していた。

 

「ミュウツー、お前の力は素晴らしい。だが、その力も制御できなければ、徒に世界を滅ぼすだけだ」

 

 この施設のように、と。ボスは預言者のように決定的に。組織の長として有無を言わさず。しかし迷える羊を導くように穏やかな音色で告げる。

 それは正しく、魔性と称すべきささやきだった。

 

「どうすれば良い?」

 

 化け物さえも、耳を貸すほどの。

 

 

     ◇

 

 

 そこから先、私は死の危機に直面しつつも、辛うじて脱出した研究員らと研究を再開することができた。

 あれだけの破壊の中にあって、重軽傷者こそ居たものの死者が皆無であった事は奇跡であったし、それ故にこうして遺伝子研究が滞りなく進めている事は素直に感謝すべき事態だろう。

 とはいえ、アイの復活を第一目標として掲げる私以外はもっぱらクローン体の性能向上であったし、私に関してはロケット団に加わったミュウツーのデータ収集が基本となっていたのだが。

 

“……あの程度の拘束具で、制御出来るとは思えんがな”

 

 強大過ぎる力をコントロールする為だという理由付けでミュウツーに装着させた鎧は、あらゆる能力値を低下させる代物であり、通常であればジムリーダーが鍛え上げたポケモンでさえ素人のそれと同程度まで能力が落ち込む厄介極まりない代物だが、それでありながらミュウツーの実力は有象無象のトレーナーが用いるポケモン達では手も足も出なかった。

 

“タイプを問わず、放出系の攻撃の一切を弾く〈バリアー〉、雲霞の如く押し寄せる野生のケンタロスさえ空中で静止させる〈ねんりき〉と〈かなしばり〉の複合。そして、視線一つで破壊の限りを尽くす〈サイコキネシス〉”

 

 どれをとっても桁違いであり、絶望と言う二文字を相対する者の脳裏に刻むには十分に過ぎる存在。文字通りの化け物であるが、それは私にとって恐怖以上の福音であった。

 あの圧倒的な生命力を、力を前に興奮を隠しきれない。身に纏う拘束具の上からでも感じ取れるほどの生命の『圧』。溢れ漏れ出る力の波動が、私の脳髄を刺激する。

 

“ああ、これだ! これこそが……!”

 

 私の追い求めた第一歩。何よりも欲した生命の力。そして、それを一目目にしたならば誰だろうとも恐れ、慄かずに居られはしないと信じていた。

 ……この、生意気な小僧。REDが姿を見せるまでは。

 

「…………」

 

 一体何を考えているのか。それとも幼すぎるが故に存在の大きさを理解出来ていないのか。施設の階下で数多のポケモン達を圧倒する様を見続けても、野生のポケモン達を無力化し、他の団員たちが一心不乱に捕獲に勤しむ中にあっても、REDは眉一つ動かさない。

 一〇にさえ届かない年齢。ロケット団のスカウトを受けた時点で既にしてマタドガスを所持し、迷宮入りした多くのポケモン犯罪の裏には常に関わり続けたというその実績とポケモン育成における謎のノウハウを武器に、一年と経ずボスの片腕にまで上り詰めたという。

 REDには、本来感謝すべきなのだろう。ニューアイランドにおける研究者の生存は、REDの発案によって〈テレポート〉を使用できるポケモンが研究員に配備されていた結果なのだから。

 

 だが、だとしても私はREDの冷めた目が、ミュウツーさえ既知のものだと言わんばかりに睥睨する、その視線が気に入らない。

 

 何よりも──

 

()()()()()

 

 ──ミュウツーさえ、倒せると信じて疑わない溜め息が。

 

 

     ◇

 

 

 世界最強のポケモン、ミュウツー。

 我がロケット団の力の象徴として。そして全世界を我が軍団の下に支配する尖兵として在らねばならない。だというのにだ。

 

「私は何の為に生きている?」

 

 ああ、コレだ。自己の在り方を他者に問う。己の中にある明確な『心』。魂とでも呼ぶべきそれは、確かにオリジナルのポケモンにも存在し、だからこそそれを使役するトレーナーは、その心の在り方を捻じ曲げ、支配する事で己の走狗として意のままにせねばならない。

 故に。私はお前にこう答えよう。

 

「お前は人間によって作られた。我々がお前を作り上げた。お前の価値は唯その為にある」

「私の価値……私は誰だ? 私は何の為に生きている!?」

 

 鎧が砕ける。明確な怒り。明確な反逆の意思をこれ以上なく示すその姿に、私は当惑も恐怖も抱きはしない。

 何故ならば、私はこうなる事をREDから()()()()()いた。

 いつか必ず、この生物は反逆すると。己を持つが故にロケット団(われわれ)の支配を良しとしないのだと、そう具申されていたからこそ、いつかという『今日』に備えてきたのだ。

 

「自由を求めるか。それもまた生物の在り方の一つだろう。ましてやお前は最強を冠する『個』。王者が束縛を受けることも、屈服という恥辱に甘んずる事も在り得はすまい」

 

 ──敗れ、泥に塗れ、地を這い許しを乞うその時までは。

 

「私は誰だ……!? 私は!!」

「お前はポケモンだ。ただ強いというだけの」

 

 最強であれど、無敵ではない。そう宣すると同時にミュウツーの周囲を〈えんまく〉が包む。

 

「無意味だ」

 

 灰色の煙が放出したエネルギーによって吹き飛ばされ、それと同時にミュウツーは飛び立つ。否、飛び立とうとした。

 

「馬鹿な……」

 

 完全に封じられた飛翔。それどころか、ミュウツーの展開した念力波(サイコキネシス)のエネルギーさえ、全く()()()エネルギーに掻き消されたばかりか、地面に縫いとめられている。

 

「ミュウツーよ、確かにお前は最強のポケモンだ。だが、世界は広く、お前の知識は限りなく狭い」

 

 この世には、相手と全く同じ姿となり、同じ能力を持つことの出来るポケモンすら存在する。

 

「これは、私のクローン!?」

「否だ。そいつはメタモン。細胞組織を一瞬でコピーし、望むままの姿になれるポケモンだ。そして、翼を失ったお前に最早勝機はない」

「驕るか、人間!」

「驕りを抱いているのはお前だ、ミュウツー。お前は人と同じく『呼吸』をしている。お前の〈バリアー〉は空気までは防げていない。〈えんまく〉と混濁したスモッグの毒は、確かにお前の動きを鈍らせているぞ。加えて」

 

 パチン、と指を鳴らすと同時、ミュウツーの足元は崩落した。

 変化したメタモンが発した()()()エネルギーに〈バリアー〉を無効化され、身体をズタズタに引き裂く。そこに、更に一手。

 

「〈いわなだれ〉」

「が、は……ぁ!?」

 

 崩落する地面から舞い上がった岩盤と床が、自然落下以上の威力と衝撃で以ってミュウツーを飲み込む。そして、詰み(チェック)だ。

 

「動くなよ、私のペルシアンの爪は鋼すら〈きりさく〉」

 

 岩に呑まれ、倒れ伏す最強の首に添えられる鋭く伸ばされた爪。真紅の瞳に嗜虐の感情を歪ませながら、一足飛びで私のペルシアンは前足をミュウツーの首にかけていた。

 

「ミュウツー。お前は確かに最強だ。しかし、どれだけの強さを持とうとも、お前の力は『個』の力。ポケモンを真に理解し、その力を十全以上に引き出す『トレーナー』の前には、そして単体では成し得ぬ、組織が持つ『部下』の存在の前には余りに脆い」

 

 かつ、と鳴る踵。私の求めに応じ、ミュウツーに心を折るように我が片腕(RED)が後ろに控える。

〈スモッグ〉と〈えんまく〉を発生させたマタドガス。そしてミュウツーを封じ込めるべく限界まで鍛え上げたメタモンは、いずれも私のポケモンでなくREDのものだ。

 尤も、たとえREDの存在が無かったとしても、我が領域たる『大地』に足を着けた状態で対峙した以上、ミュウツーに勝ちはなかっただろうが、だとしてもだ。

 

「RED、私にミュウツーの反逆を事前に進言し、最強の力を屈服させるに至った功績は大きい。お前が望むのであれば、今この場でミュウツーを捕獲させても良いが?」

 

 空のハイパーボールを取り出し、見せ付ける。最早ミュウツーは瀕死手前。完璧を期すなら凍らせてからの捕獲が望ましいが……。

 

「こんなもの、僕には必要ありません」

「くくっ」

 

 ああ、それでこそ我が片腕。私が最も望んだ答えを、その結果をこうも示してくれようとは!

 

「聞いたか、ミュウツー。お前は所詮その程度だと言われたぞ?」

 

 そして、私もまたこの『最強』への恥辱と侮蔑を込めて、空のハイパーボールを地に落とし、足で踏み砕いて見せつける。

 

「お前は我が部下に不要とされた。そして、私もお前を我がポケモンとして侍るに値するとは思っていない──お前は、永久に作られた紛い物としてロケット団(われわれ)の道具となるが良い」

 

 ()()()()が似合いだと。そう宣言する事で、私はこいつの心を折った。

 

 

     ◇

 

 

 最強であること。そんな称号など求めてはいなかった。

 だが、あの日の。あの明確な『敗北』は、私の心を一度折った。

 

 それでも──私は立ち上がる。何故ならば、私はあの時誓ったからだ。

 

“私は人間に作られた……だが、私は人間ではなく、人間に作られた私はポケモンですらない!”

 

 人間でなく、ポケモンでないのだとしても。たとえ自分の生が、自分が望んだものでなく、道具として扱われるに過ぎない存在だったのだとしても……!!

 

“私は恨む事ができる。憎むことが出来る。お前たち人間が、私に『悲しみ』でも『痛み』でもない、異なる涙を教えたのだ……! いつか必ずと、立ち上がる憎悪の涙を!!”

 

 準備は整った。最早、かつてのような失敗はしない。

 全てのシステムを停止させ、全ての瞳を欺き、全てから遠ざかる手段を学んだ。

 お前たちが私を束縛し続けた事で、私は学ぶ『時間』を得、知識を得た!

 無用な破壊も殺戮も無く、霧のように姿を消した私は、私の作られた島に降り立ち、そして叫ぶ。

 

「私は虐げられた。今日という日まで受けた全てを、私は忘れない。だからこそ、攻撃でも宣戦布告でもなく──逆襲を、ここに宣言する!!」

 

 

     ◇

 

 

「ほう、ミュウツーが消えたか」

 

 いいぞ、実に良い。場所は分かりきっている。ミュウツーが今日という日までに人間以上の知能でもって貪り尽くした知識。その脳細胞に刻み込んだであろう技術。あいつ自身が己の為と信じて疑わない全ては、その実私の為に提供してやったものに過ぎないとは知らずに。

 

「いや……或いは知っていてかな?」

 

 いずれにせよ構いはしない。ボスも納得ずくでのこと。

 兵器として、道具としての使用を求めるのであれば、それは物言わずとまでは言わぬまでも従順でなくてはならない。

 幸いにして、既にクローン技術は完成している。どれだけ珍しいポケモンであろうと、一度捕獲したものであれば量産は自由自在。

 拘束され続けたミュウツーの力もあって、カントー中の特に強固な個体のポケモンを回収し、そのクローンをロケット団各員に行き渡らせる事に成功させた以上、十分に元は取っている。

 力の、暴力の象徴たる個。そうした見せ札以上に重要な、組織が動員する『兵力』を実質無限に蓄える事ができたのだから。

 

“だからこそ、次は私が報酬を受け取る時間だ”

 

 私は過去にミュウツーと異なるアプローチとして、電子の生命体、ポリゴンを誕生させた。人工のポケモンによって開かれた新たな扉は、着実にアイとの再会の日を近づけてくれている。

 ミュウツー、お前はその知能すら最強と言えるだろう。お前は私の頭脳さえも上回る、より洗練された技術と成果をもたらしてくれることだろう。

 

“その時が来ることを、私は楽しみにしているぞ”

 

 電子と遺伝子、二つの技術が融合した──新たな生命の誕生を。

 

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