スパロボ世界でエヴァンゲリオン   作:テムテムLvMAX

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再会

 穏やかな時間が流れる土曜の昼下がり、いつものような日常を享受する今日この頃。

 ミサトの借りるマンションの一室の更に個室に四人の男が居た。狭いが文句を言うなとシンジが釘を刺しているので誰も文句は言わないが、端から見ているだけでも狭い。ドモン・カッシュ、シュウ・シラカワ、そして天海 護の三人がそれぞれ別の理由でシンジの元を訪れた。

 

 この三人とシンジの関係性を少し整理する。

 ドモンカッシュはシンジの兄弟子である、同じ師を持つ近しい間柄と言えるだろう。シンジも何度も世話になっている頼れる兄貴分であり、目指す目標だ。

 

 シュウシラカワとは過去の大戦で敵の作戦に嵌まり時間を遡り異世界ラ・ギアスに迷いこんだ時の仲だ、シュウは現在シンジより年上だが出会った時は同い年と言う少々複雑な関係性だが同年代のように軽口を叩く事は普通だ。

 

 天海護は過去GGGの作戦に何度か参加したシンジが獅子王凱から年が近いからと紹介されてから仲良くなった、因みにシンジもGGG特別隊員枠に入っていたりする。天海護は獅子王凱、つまり勇者の後継者としてGGGの勇者ロボ軍団を率いている。その獅子王凱は現在行方不明である、噂では宇宙の彼方へ消えたとも時間を越えてしまったとも言われている。

 

 

「えーと三人は何か用があって来た訳ですが、まずドモン兄さんからどうぞ」

 

「なに、兄弟子が弟弟子の顔を久しぶりに見に来ただけだ。師匠に久々にしごかれていると聞いて様子を見に来たのさ」

 

「僕はシンジが日本に居るって聞いて会いに来た、あんまりいい噂は聞かないからね、ネルフ。ちょっと心配してる」

 

「私は地上世界を案内してもらおうと訪れたまで、シンジが暇な時でいいので地上探訪に行きませんか? と言うお誘いですよ」

 

「ふむふむ……つまりみんな暇人だな?」

 

「「「その通り!」」一緒にされては困りますがまぁおおむねそうだと言えるでしょう」

 

「シュウは一言多い」

 

「フッ」

 

 

 この三人暇だからと集まったのだ、皆大人であり組織に属する(シュウを除く)社会人である。それも有事に出動する事もある立場である、そう簡単に休みを与えられる訳ではないので暇な時間は貴重なのだ。なぜそれを皆有効活用しないんだと言う疑問を飲みこみシンジはこのメンツで外食しようと提案した。暇なので皆了承した。

 

 

「ではどこへ行きますか?」

 

「そうだな~、俺もこの辺りにそう詳しい訳じゃ無いが……海の見える海岸沿いの店とかどう? 前に見つけて行きたいなぁと思ってた所なんだ、海鮮珍味が売りだそうだ」

 

「良いでしょう、ラ・ギアスにない食べ物には興味があります。では早速ワームホールを開きますよ、座標はありますか?」

 

「えーと、ここだ」

 

 

 シンジたちは海岸沿いの海の家風の店へ向かった、そこはランチタイムを過ぎて適度に空きがある、どこにでも座れそうだがドモンの提案でテーブル席に四人で座った。その席は天井から床まで大きなガラスが嵌め込まれていてその向こうには朽ちたビル郡が生えていた、今だ残る大戦の傷跡に少ししんみりとした雰囲気が流れる。

 

 

「俺は海鮮珍味盛り合わせ月光蝶マックススペシャルを頼む」

 

「俺は普通にシーフードピッツァ、サイズのジェイダーってなんだ? ……取り敢えずこれで。それとビールも……と言いたいが論文がまだだったか、酒はなしだ。レインに怒られる」

 

「では私は……む、この明石っくパスターを頼みますか……しかしこの店のネーミングは何なのだ」

 

「んじゃ僕は……ヒュッケパインソフト一つ!」

 

 

 各々が個性的なメニューを頼み料理が運ばれてくるまでの間、それぞれが思い出話をポツポツと話し出した。そのどれもが何かしらシンジに関わりのある内容だった。それもそうだ、そもそもシンジを中心に集まったメンバーなのだから。

 

 シンジと三人は仲は良い、だが三人の間にはシンジ以外の繋がりは無く殆ど他人だったが一緒に飯を食うと言う行為はその三人の仲を深める切っ掛けになった。異世界の科学者、勇者の後継者、ガンダムファイトチャンプと本来ならあり得ない縁がここで結ばれたのだ。

 

 

「ふぁ~食った食った、ハチャメチャに多かったな……深海のゲテモノはもういいや」

 

「こっちもただのシーフードピッツァと嘗めてかかったが……直径200センチってでかすぎだろ! 俺だけ別の席だったぞ」

 

「クク……明石っくパスター中々良い味でした。しかし、何故かマサキがちらつく」

 

「ヒュッケパインソフト最高だった! いつの間にか消えたと思ったらまた増えてたけど……なんでだろ? 錯覚?」

 

 

 腹が満たされて満足して店を出たところでシンジの携帯が鳴った。それも普段の通知ではない緊急時専用、つまりネルフからの連絡が来たときの音だ。急いで電話に出るとミサトの大声がスピーカーに切り替えてないにも関わらず辺りに響いた。

 

 

『シンジ君! お休みのところ悪いけど使徒よ! 早く本部へ来てちょうだい!』

 

 

 ──ズゥゥゥン

 

 沖の方から地響きが伝わってきた、予兆も前兆も無しに唐突にだ。軽い地震程度には揺れた。店に居た客や店員は何事かと慌てるとそれに遅れて警報が町中に響き渡り避難指示が発令された。逃げ惑う人々、近くの警察署や消防署、自衛隊からも人が来て避難誘導をするがパニックはしばらく収まりそうに無い。

 シンジが海に目線をやればもう使徒らしき物体がこちらに近付いている、どうにも避難完了まで待ってくれそうにない。

 

 

『今から迎えを向かわせるから……って!? 使徒の真ん前じゃない!?』

 

「そうです。エヴァをここへ運んで下さい、それまで水際で止まるよう時間を稼ぎます!」

 

『バカ! 早く逃げなさい! いくらシンジ君でも何も無しに使徒に太刀打ちできるわけ無いでしょ! レイもアスカも今そっちに向かってる!』

 

「やらなきゃ避難が間に合わないんですよ!」

 

『自衛隊や連邦軍に任せておきなさい!』

 

 

 ミサトの気持ちも分かる、しかし今すぐに対応しなければ町が壊される。それだけではない、思い出も無くなるのだ。命あってこそだが命より大事なものも確かにある。シンジはそれを優先した、ミサトはそれより命を優先しただけだ。

 そして、ここにはシンジだけではない。頼れる仲間がいる。シンジから携帯をもぎ取り天海護は思いをぶつけた。

 

 

「僕、天海護って言います! 初めましてミサトさん、シンジが心配なのはわかります! でも守るために無茶は必要です! それに一人じゃない、僕たちが居ます! 可能性が1%でも最大限の努力と勇気があればなんとかなります! して見せます!」

 

『!? っ理屈に合わない子供の考えよ!』

 

「道理は突っぱねてあとは勇気で補えばいい! それにまだ俺は子供です! と言うわけでミサトさん、エヴァよろしくね?」ブツッ

 

 

 護から携帯を取り返したシンジはミサトの返事も聞かずに通信を切った。これはあとで絶対怒られるが今は必要な犠牲と割り切りポケットへしまう。

 

 

「さぁて、話には聞いていたが実際の使徒は初めてだ。シンジ、どうすればいい? バリアを張るんだってな」

 

「簡単な話おもいっきり殴ればいいんですよ、無敵バリアじゃないですから」

 

 

 いつものシンプルな答えにドモンは笑って答えた、それを聞いていたシュウも護もこんなときにも変わらないシンジらしさに頼もしさを感じた。

 

 シンジ以外は生の使徒を初めて見るがある程度情報は知っていた、使徒のような災害を完璧に隠蔽出来る筈がなくあらゆる英雄ひしめく日本でその様な事はできる筈もない。まだ民間レベルなら隠蔽出来ているが、それなりの組織にはそれなりの情報は流れていた。

 シュウは例外で単独でほぼすべての行為を行えるので、友たるシンジが何をしているのかと隅から隅まで調べあげている。

 

 

 

 ★☆☆★

 

 

 

『あのバカちん! 何が止めますだアホー!』

 

『落ち着いてアスカ、早く出撃して助ければいい』

 

『違うわレイ、そこで私を頼らない事に切れてるのよ』

 

「いやそこかいっ!」

 

 

 ──スッパァァン! 

 

 

 広い司令室に反響するミサトの絶叫と床に叩き付けたバインダーの音、ゲンドウも冬月も今回はシンジがおかしくなったのだと思った。

 

 

 

「エヴァは使徒上陸予測ポイントに輸送完了しました、現在待機しています」

 

「よし、エヴァ出して!」

 

「待ってください! 住民の避難がまだです! これではエヴァは出せません!」

 

「はぁ自衛隊は何をしているの! 避難遅い!」

 

「今入った情報によるとどうやら住民達が避難を拒否しているようです! これでは自衛隊も巻き添えになりますよ……っ!」

 

 

 司令室でミサトは頭を抱えた、なぜ避難をしないのか? 命が惜しくないのか? 使徒は人の命なんて考えてくれない。人が蟻の命を考えないように。そのせいで忘れたかった忘れられないミサトの遠い記憶が仄かに刺激され呼び起こされる。

 

 ふと誰かがミサトの肩を叩いた、深い思考に陥っていたミサトはハッと後ろを振り向くと冬月がいた。普段は一番高いところからゲンドウの隣に居るのになぜ降りてきたのか、ミサトの疑問符が見えていたのか冬月は語りだした。

 

 

「不思議そうだな、まぁそうだろう。なぜ避難しないのかと言う君の疑問に答えてやれると思ってな、耄碌ジジイの言葉に少し耳を傾けてくれるだけでいい」

 

 

 冬月が言うには海岸沿いの町は過去の大戦から復興しつつある町だがその住民のほとんどは大戦で子供を失った者ばかりだと言う、戦争はいつも若者から死んでいくと冬月はため息をつく。

 ここからは私の想像だが……と付け加え「失った子供との思い出がある土地や町が二度も失われると言うのなら大人しくあの世にいこう、もう私達が生きていても帰ってこないのだから」と語った。

 

 

「そんな……」

 

「シンジ君は……あれはそう言う事も大戦で何度か経験したのだろう、だから守る。私にはそう思えるよ」

 

「シンジ君……貴方って子は……」

 

「使徒のエネルギー反応急速に増大! 狙いはエヴァのようです! ……ってあれ? 重力波検知! それに巨大な生体エネルギー反応も?! あとなんかGストーンの反応も近くにあるんですけどぉぉぉっ!?」

 

「何が起きてるの!?」

 

「現場の映像と音声来ました! モニターに出ます!」

 

 

 ミサトが冬月の話を聞いている間に現場では訳のわからない事が起きていた。ミサトの知る限りそんなことが出来る兵器はスーパーロボットだけだ、その兵器たちはほぼ全て超エネルギー規制法で取り上げて地球連邦軍がしまいこんでいる。

 なら誰が? その答えは司令室の巨大モニターに写っていた。

 

 

『超級! 覇王! 電影弾! うてぇぇぇいシンジっ!!!』

 

『はいぃぃぃっ!』

 

『動きは私が止めます。重力場展開、重力の檻に捕らわれなさい』

 

『Gストーンよ! 二人に力を! これが絶対勝利の力だ!』

 

 

 使徒が陸に上がろうとしている所を狙いシンジが何かを打ち出した、よく見たら人間の顔が見える。錯覚かな? 司令室の人間は目を擦った。

 それだけなら良かったが使徒の動きがなにかおかしい、まるで押さえ付けられたようにもがいている。あ、これか重力波。最後にGストーンの反応に関してはその物がそこに居た、なんで勇者がそこにいるんだ。遂にGGGがネルフに干渉するのかと見ていた職員たちはヒヤヒヤしていた。

 ヒヤヒヤしているうちに使徒はATフィールドを破られ大きく沖に飛んで行った。リツコは空いた顎が塞がらなかった。

 

 

『これどうなってるの?』

 

『さぁ? シンジだし』

 

 

 シンジ達の活躍により使徒は町に被害が出ない所まで遠ざけられたのでエヴァを向かわせることが出来た、第二ラウンド開始と言うところだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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