スパロボ世界でエヴァンゲリオン   作:テムテムLvMAX

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いきなり一言:ゲンドウ

Q 読者の皆様に何か一言お願いします

A 入退院を繰り返すだけが私ではない、あとシンジは自重を覚えてくれ、以上だ。


セカンドさんあれこれ

 セカンドチルドレン、式波・アスカ・ラングレー。ゲンドウの計画修正の第一号になる、その筈が修正どころかシンジ二号だった。

 

 先日大西洋沖にて大規模な爆発とそれに伴う津波が発生した、エヴァ単独でそれらを引き起こしたとミサトから聞いたゲンドウはゼーレにこっぴどく詰め寄られ嫌になった。

 現実逃避にユイ人形と戯れるが冬月のツッコミがゲンドウの精神を容赦なく抉っていく。

 ゼーレはゼーレでついにシンジ個人を本格的に手の内に収める為だけにある計画を立てている、しかしそれは先の話だ。

 

 

「どこで狂った……」

 

「最初からじゃないのか?」

 

「この世界が悪い」

 

「ふはは、お前がもう少し大人に、父親になれば良かったんだ、不器用な奴だよ君は」

 

「ユイは諦めない、何としてもシンジには頑張ってもらわねば」

 

「そろそろ諦めたまえよ、その気になったら私が力になる」

 

 

 冬月はゲンドウを嫌いになれないし見捨てられない、不器用な奴だと知っているからこそ、不器用なりに妻を取り戻そうと頑張っていることを応援したくなっても仕方無い、冬月はそんな思いでゲンドウを支えていた。近頃はゼーレに責任擦り付け計画、『ゼーレブレイク計画』の草案制作中だ。

 

 ユイを諦めない姿勢は関心するがいかんせん手段が悪い、ゲンドウは直接か回りくどいの二極の手段しかない。学者肌だから人間の感情を論理に当てはめ機械的に処理しようとする癖がある、しかしもとからバグ(感情 )のある(人間 )など計算するだけ無駄なのだ。

 

 

「おやおや……聞いてことより悪化してますねぇ」

 

「加持か、例のモノは?」

 

「司令のご指示通りに持ってきましたよ、『アダム』と『ネブカドネザルの鍵』です。骨が折れましたよ……ほら、腕がぷらんぷらん」

 

「言わせておけ、これさえあれば良い。あとは私が『神』となりユイを復活させるだけだ。それとその冗談は……冗談じゃないのか?」

 

「『神』なることは簡単でしょうが……ゼーレやネルフをよく思わない組織も敵対することになります、時期を誤らないで下さいよ。あとこれマジ折れです、使徒討伐の余波で戦闘機が墜ちて命からがらここまで来たんですよ」

 

「……治療費は出しておく、腕を直してこい、あと報酬を上乗せしておく」

 

「助かります」

 

 

 ゲンドウはリョウジに同情したのか報酬を上乗せした、危険手当と合わせて相当な額になるとリョウジは内心ニヤニヤとしていた、だがスパイとは使い道があっても時間がない稼業なので意味が無いのでは? 冬月は思った。

 

 マダオとおっさんとおじいさんの三人は仲良くシンジの愚痴を言い合ってから解散した。ゲンドウは息子を道具のように扱うが内心はそうではない、でも(ゲンドウから見て)放蕩息子の文句は言わせて欲しいと思っていた。

 若干スッキリしたゲンドウは受け取ったモノを大事にしまっておく、今のところ最後の切り札として使う予定だ。

 

 冬月とリョウジが去った後にレイが来た、ゲンドウは淡々と用件を聞く。

 

 

「さて……レイ、なんのようだ」

 

「碇司令、シンジが会いたがっています」

 

「認められん、却下だ」

 

 

 訪問者レイの要求はシンジと会う事だった、ゲンドウは今更父親面するつもりも必要も感じない、シンジは捨て、用があったから呼んだだけのこと。こんなゲスと会いたいと言われてもこちらから願い下げだ。

 第一レイがシンジを大事に思うからここに来たのであってシンジ本人からの言葉じゃないことも大きい。

 

 ゲンドウにはユイが全てだ、だがユイの全てはシンジだった、そのシンジは親を求めている。

 碇一家はギリギリ家族として成り立っていた、だが破綻した。だからバラバラになってしまった。

 

 だがシンジは諦めていない、いつか家族として一緒になれることを。血の繋がりよりも思いで繋がる、繋がれる事が出来るのはシンジも間近で見てきて知っている。

 そんな思いを知ってか知らずかレイはゲンドウに尋ねた。

 

 

「碇司令、誰かといることは楽しいことよ。それが自分の息子ならなおさら楽しいはず」

 

「だが今はそうではない」

 

「おかしい、碇司令はシンジのお父さん。だからそんなことはないはず」

 

「血の繋がりは関係ない、父であることも関係ない」

 

「でもシンジは……」

 

「もう下がって良い」

 

「……失礼しました」

 

 

 ゲンドウは今のレイにユイを見た、ユイのクローンだからと言う安っぽい理由ではない。感情が芽生え己の思いを自覚するレイはもう別の人間、ユイにはならない。

 似ている、ユイが誰よりも愛した息子を思うその心が。レイの母性と言うと語弊はあるがそれに近いモノをシンジに向けている。

 

 それを見たゲンドウはレイと顔を会わせられなくなり、追い出すように退出させた。

 

 

「例えクローンでも、血がそうさせるのか……ユイ、お前はどこまでも親バカだな……」

 

 

 ゲンドウの呟きは無駄に広い執務室に消えた。

 

 

 

 ☆★☆★

 

 

 

 あの大西洋の戦いから数日、自重無しでぶっぱした必殺技の説明やアスカの歓迎会でドタバタした忙しい日々は終わり、チルドレンたちは穏やかな学校生活に戻った。

 

 今朝はレイお手製の弁当をお昼に一緒に食べようと誘われていた、シンジは友達もとい恋人(仮)のレイの弁当は楽しみにしていた、自分の為にと作ってくれた事への嬉しさは疲れを癒してくれた。クラスメイトの半数から嫉妬が凄いが気にするだけ損とケンスケが言っていたがその本人が一番キマった顔をしていた。

 

 

「はーい朝のホームルーム始めるわよ、その前に転校生の紹介です! 外国から来たからみんな優しくね?」

 

「「「えぇーっ!? マジですか! おっしゃー!」」」

 

「男の子かな? 女の子かな? 女の子だったら良いなぁ!」

 

「外国人のイケメン男子カモン!」

 

「はい静かにねー、黙らねぇと保健室送りすっぞ」

 

 

 クラス担任の女性教師が転校生の話題を出すとクラスは荒れた、悪い意味ではない、この所刺激が欲しかったクラスに新しいメンバーが増える、しかも外国人、もう好奇心が天元突破して騒がしくなってしまった。

 

 鶴の一声(元ヤン)で静かになると、先生は廊下にいる転校生に入室の合図を送るとピシッとした姿勢で入る、その動きは軍人のようなキビキビとした動きだった。スタイル抜群で可憐な女性……そう、アスカだった。

 

 

「紹介に預かりました、私は式波・アスカ・ラングレーです、『反転』これでよし」

 

「よろしくねー式波さん」

 

「よろしく式波ちゃん」

 

 

 朝から初対面のクラスメイトと教師相手にギアス発動する転校生がいるらしい、慣れた作業なのか流れるように意識を反転させ『気になる目立つ転校生』から『気にならない目立たない転校生』になった。もう騒がれる事はないだろう。レイとシンジは対象外だ。

 

 

「アスカ……? なんでここに?」

 

「シンジは覚えてないの? 歓迎会の時に言っていたわ、ここに来るって」

 

 

 シンジはアスカの来襲が想定外だったがレイが歓迎会の時には決まっていたと言う、話を聞かない癖が出てしまったようだ。

 しかし過ぎたことを気にしないのはシンジの得意とするところ、スパッと忘れてアスカを歓迎した。

 そのあとは流れでアスカに学校を紹介したり、逆にアスカから外国の学校の話を聞いたり……平和で普通な平凡とした時間が流れた。

 

 そして昼休み、学校の屋上でレイ、アスカ、シンジの三人で仲良く昼食タイムだ。レイの弁当は普通の家庭と変わらないもので、それがかえって外国人のアスカには新鮮に映った。

 

 

「今日はよく晴れたわね……きっといつもより美味しいわ」

 

「レイも人らしくなってきたな、うんうん」

 

「感情が薄いとかそういうレベルなのそれ? ……と言うかシンジとレイの距離近くない?」

 

「私はシンジの彼女になった、だからシンジといつも一緒」

 

「シンジまさか騙してまで……っ!」

 

「待ってくれ! 騙してなんていないぞ、嘘を吹き込んでもいない。これも全部ミサトって人のせいなんだよ、それを分かった上でお付き合いしてますよ、ちゃんと」

 

「あぁ……そう、あの人なら純真無垢なレイに色々吹き込んでも可笑しくないか」

 

 

 アスカはシンジが誰かと付き合っている事に内心は驚き、そして嫉妬していた。シンジはアスカの親友だ、アスカを認め友として対等な唯一の存在がアスカ以外に特別な感情を持っている、それに嫉妬してしまうのだ。しかしそれを表には出さない、出せばシンジを困らせる事はわかっていた。

 

 アスカの過去を振り返れば、何故そうなるかと言うのは納得出来るだろう。

 彼女の過去は別れの連続、それも守られるべき子供時代に守る親が続々と消えていった……アスカが物心ついた頃アスカの母はギアスがエヴァに及ぼす効果を確かめる実験の時に心を失い廃人に、父は母を治す方法を求め宇宙に向かったが戦争に巻き込まれ死亡したのだ。

 

 そして災いか幸運かアスカにはギアスとエヴァに適正があった、それが彼女をギリギリで世界に絶望させてくれなかった。

 ネルフに拾われなまじ一人にならないせいでストレスが溜まり、特に誰からも認められず誉められず来る日も来る日も検査実験検査実験検査実験…………ついに限界が来て自殺しようとして、忍者に拾われた。

 その忍者はアスカの師であり親であり目上の大人だった、アスカの為に行動し、アスカの為に叱り、アスカの為に誉めた。誰しもが当たり前に受けられる愛がそこにはあり、それが彼女を今を形作る元になっている。だが足りない、親でも師でも大人でも埋めれない部分があった。

 

 アスカは幼少の経験からいつも側に居てくれる誰かを欲している、具体的には恋人だろうか。

 だからこれは片思いなのだ、アスカはシンジとは友達以上になりたいと思っている。アスカを知ってアスカを認めて嫌とは言わないシンジに年相応に恋心を持っていた、叶うかは本人の努力次第だろう。

 

 

「よいしょっと」

 

「ちょ……近い、近くない?」

 

「友達なんだし良いじゃない?」

 

「肩が当たるくらい近いのはなんかチガウ」

 

 

 レイとシンジはミサトが仕組んだ暫定恋人同士、なら奪う隙はある。アスカの『シンジ落とし』作戦が実行に移された、エヴァとのシンクロ率を底上げするために心理学を学んだアスカはシンジをドキドキさせ続けいずれその気にさせるつもりだ。

 

 レイはこの作戦に気づいていない、アスカはチャンスと見た。異性になれていないシンジを落とすにはおさわりが有効と判断したアスカは更に肩に頭を乗せていく、ヒロインの座は貰った! アスカ渾身の笑みでレイを見ると

 

 

「ん」

 

「レイ?」

 

「友達とくっつくなら恋人もくっついていい、と、思う」

 

「そうか……両腕塞がったなぁ、まだ食べきって無いんだけどなぁ……」

 

 

 レイはアスカの真似をしていた、アスカは右肩でレイは左肩でシンメトリカルドッキング、シンジは(心が恥ずかしさで)死ぬ。アスカでいっぱいいっぱいなのにプラスレイで頭が沸騰していた。

 

 

「(この子っ! やるわね……流石シンジを落とそうってだけあるわ)」

 

 

 このまま昼休みが終わった、アスカがライバル心を燃やしてレイと張り合って離れず、そのレイはぽかぽか陽気に当てられぐっすり寝ていた。シンジはこのあとアスカとレイを除くクラスメイト全員からどっちが本命か問い詰められることになるが……それは別のお話。

 

 

 




アスカはシンジにほんのり片思い、どっちのヒロインに傾くかはお楽しみに。青春感出てるかなぁ・・・出てると良いなぁ、作者の青春はそんなの無かったから分かんないんだよなぁ

いきなり一言は作者の気分であったりなかったりします(なにせいきなりだから)
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