【本編完結】君へ捧げる物語~北宇治高校文芸同好会へようこそ~   作:小林司

14 / 90

お気に入り登録、誤字報告 感謝します。

サンフェススタートです。




3……サンライズフェスティバル
3-1……練習の日々が始まるのです


 

早いもので、北宇治高校に入学してから1ヶ月が経とうとしている。

 

堀田(ほりた)先輩と嵐山(あらしやま)へ行った日から、文芸同好会(正確には、俺個人)は吹奏楽部との関わりが多くなった。

 

何故かというと、それは少しややこしい話だ。

 

事の発端は、俺と堀田先輩が嵐山へ行った日の翌々日の月曜日までさかのぼる……。

 

 

 

 

その言い出しっぺの住民が所属する町内会に、俺の家も含まれているから、そういった話は入学前から時折耳にしていたが、ここ数年学校の騒音に関する苦情が出ていた。

 

しかし、町内会内での話だけで、それが直接学校に入ることは無かったとか?

 

それが突然、声明となって学校に届けられたのだ。

 

 

『午前7時以前、午後6時以降の、大声を伴う掛け声・楽器演奏等の禁止』

 

月曜日の朝に届いたそれは、学校としては寝耳に水であっただろう……。

 

後で先生方から聞いた話だと、最初は臨時休校にして対策協議を行おうとしたらしい。

 

しかし、声明が届いた時には既に登校している生徒もいたことから、休校には出来ず、その日一日を自習にした。

 

そして、校内での協議で話が(まと)まり、それを町内会へ持ち込んだのが火曜日、声明に対する結論が纏まったのが木曜日。

 

この間、該当する野球部・サッカー部・合唱部・軽音楽部・吹奏楽部は、まともに練習できなかった模様……。

 

 

 

 声明の内容は受け入れ対応するが、急すぎるのでゴールデンウイーク明けまで待ってもらう。

 

 

つまり、連休明け5/6(木)から、早朝・夕方以降の練習が出来なくなる部がある。

 

学校の対応は、野球部・サッカー部はその時間の練習を止め、各自自主トレを行うことになった。

 

合唱部は、校舎内ならあまり響かないから問題なしとされ、軽音楽部も元々活動時間が長くないので何とかなったらしい。

 

一番影響を受けたのが吹奏楽部だ。

 

全国大会出場の強豪校だから、7時以前・18時以降の練習は毎日のように行われている。

 

つまり、これは練習時間の大幅な減少となるわけだ。

 

そんな緊急事態の解決策の一つに、文芸同好会部室である、図書館閉架書庫の防音室が利用されることになった。

 

しかし、防音室といっても、車椅子対応の大きい電話ボックスのようなもので狭い。5人入れば一杯になってしまう。

 

楽器を持ち込めば尚狭い。

 

そのため、時間制限を設け交代(予約制)で使うことになった。

 

しかも、その予約の管理を、何故か俺が担当する事に……。

 

時間管理なんて俺の仕事じゃないと思ったが、「これ、連休明けからお願い」と、予約管理表片手に堀田先輩と加納(かのう)先輩に頼まれれば、断れるわけがない……。

 

 

 

 

それからの日々は、吹奏楽部だけを見ると、連日猛練習だった。

 

土日・連休返上で、サンライズフェスティバル(以下、サンフェス)の練習を行っていた。

 

吹奏楽部は例年、新入部員が揃った頃に、サンフェスの曲の前に、何か一曲練習して、参加するか否かを決めていたらしいが、今年はそれを飛ばしている。

 

それ程今回の声明とその決定が影響している。

 

因みに、何故俺が『吹奏楽部だけを見て』いたかというと、図書館閉架書庫室の外で、毎日誰からしら吹奏楽部員が練習していて、窓から聞こえてくる音を意識せざるを得なかったからだ……。

 

 

 

 

時はあっという間に過ぎ去り、ゴールデンウイークも明けてしまった。

 

さあ、防音室での練習の日々が始まるのです。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。