【本編完結】君へ捧げる物語~北宇治高校文芸同好会へようこそ~ 作:小林司
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サンフェススタートです。
3-1……練習の日々が始まるのです
早いもので、北宇治高校に入学してから1ヶ月が経とうとしている。
何故かというと、それは少しややこしい話だ。
事の発端は、俺と堀田先輩が嵐山へ行った日の翌々日の月曜日までさかのぼる……。
その言い出しっぺの住民が所属する町内会に、俺の家も含まれているから、そういった話は入学前から時折耳にしていたが、ここ数年学校の騒音に関する苦情が出ていた。
しかし、町内会内での話だけで、それが直接学校に入ることは無かったとか?
それが突然、声明となって学校に届けられたのだ。
『午前7時以前、午後6時以降の、大声を伴う掛け声・楽器演奏等の禁止』
月曜日の朝に届いたそれは、学校としては寝耳に水であっただろう……。
後で先生方から聞いた話だと、最初は臨時休校にして対策協議を行おうとしたらしい。
しかし、声明が届いた時には既に登校している生徒もいたことから、休校には出来ず、その日一日を自習にした。
そして、校内での協議で話が
この間、該当する野球部・サッカー部・合唱部・軽音楽部・吹奏楽部は、まともに練習できなかった模様……。
声明の内容は受け入れ対応するが、急すぎるのでゴールデンウイーク明けまで待ってもらう。
つまり、連休明け5/6(木)から、早朝・夕方以降の練習が出来なくなる部がある。
学校の対応は、野球部・サッカー部はその時間の練習を止め、各自自主トレを行うことになった。
合唱部は、校舎内ならあまり響かないから問題なしとされ、軽音楽部も元々活動時間が長くないので何とかなったらしい。
一番影響を受けたのが吹奏楽部だ。
全国大会出場の強豪校だから、7時以前・18時以降の練習は毎日のように行われている。
つまり、これは練習時間の大幅な減少となるわけだ。
そんな緊急事態の解決策の一つに、文芸同好会部室である、図書館閉架書庫の防音室が利用されることになった。
しかし、防音室といっても、車椅子対応の大きい電話ボックスのようなもので狭い。5人入れば一杯になってしまう。
楽器を持ち込めば尚狭い。
そのため、時間制限を設け交代(予約制)で使うことになった。
しかも、その予約の管理を、何故か俺が担当する事に……。
時間管理なんて俺の仕事じゃないと思ったが、「これ、連休明けからお願い」と、予約管理表片手に堀田先輩と
それからの日々は、吹奏楽部だけを見ると、連日猛練習だった。
土日・連休返上で、サンライズフェスティバル(以下、サンフェス)の練習を行っていた。
吹奏楽部は例年、新入部員が揃った頃に、サンフェスの曲の前に、何か一曲練習して、参加するか否かを決めていたらしいが、今年はそれを飛ばしている。
それ程今回の声明とその決定が影響している。
因みに、何故俺が『吹奏楽部だけを見て』いたかというと、図書館閉架書庫室の外で、毎日誰からしら吹奏楽部員が練習していて、窓から聞こえてくる音を意識せざるを得なかったからだ……。
時はあっという間に過ぎ去り、ゴールデンウイークも明けてしまった。
さあ、防音室での練習の日々が始まるのです。