【本編完結】君へ捧げる物語~北宇治高校文芸同好会へようこそ~ 作:小林司
打ち合わせが終わり、傘木さんの発案で、少し
話しながら歩いているが、当然のように話題は吹奏楽の話になっていた。
「堀田さんはユーフォ吹いているんだ……」
「はい。中学の頃からずっと。傘木さんは?」
「私はフルート。北宇治の吹部では、色々あったんだよね……。金山くんは……吹奏楽関係ないんだよね?」
話の流れで振られそうになった。
振られても困る。
「俺は吹奏楽の知識は殆ど無いです。今日も、みなさんの話聞いててチンプンカンプンでしたから」
苦笑い。
「だよね。文芸部だっけ? 同好会か……。何してるの?」
実は俺、小説家で今は次回作の執筆をしています。
……本当のことは言えない。
しかし、部活動として活動しないわけにもいかないので、ちゃんと形に残る活動をしている。その事を言おう。
「文化祭で出展する冊子用に、物語を書いてます」
「なるほどね。でも、そうなると吹奏楽部と接点有るのかな。いくら顧問の先生や部長が不在だからって、全く無関係の人を駆り出す訳にもいかないよね?」
そこ気になるのか……。
全く無関係と言いたい。言えるものなら。
「顧問の先生が、去年吹奏楽部の顧問だったので、なんというか……駆り出されました」
「園田先生だよね」
知ってるのか。
「園田先生をご存知ですか?」
「そりゃあ、一応OGだから。大会の成績とかは把握してるよ。去年も関西大会は観に行ったし……。今年こそ全国行けると良いね」
途中、言い
確か、去年は関西大会銀賞だったっけ。
傘木さんも似たような経験があるんだろう。
「大丈夫ですよ。高坂先生と坂部先生、
堀田先輩は力強くこう言った。
10年前、北宇治を全国大会金賞に導いた滝先生と松本先生。
それに高坂さんと坂部さんの指導が加われば、どの様な結果を残すだろうか……?
「付き合わせちゃってごめんね。送っていくよ」
傘木さんは、駅近くの駐車場に車を停めていた。
「こんな所に……?」
「あっちより駐車料金安いからね」
なるほど。
そう思うと、その高い駐車場に止めていた坂部さんとは、経済的な差が有るのだろうか? ……考え過ぎか。
料金を精算してから車に乗せてもらう。
なんとなく、傘木さんにぴったりと思う、スポーツタイプの軽自動車だ。
大阪万博のロゴ入りの白ナンバー。希望ナンバーを取得しているのか?
「堀田さん、家はどの辺り?」
「
宇治川の近く。
あの辺りだと、徒歩で40分位掛かるんじゃないか?
「えっと、
「行き過ぎです。本当に橋のすぐ北東ですよ」
「……だいたい分かったよ……」
本当に? 道に迷われても困るんだけど……。
「金山くんは?」
「北宇治高校までお願いします」
流石に休日に学校というのに疑問を抱いたようだ。
「学校? 家まで送ってくよ?」
「いえ、学校で大丈夫です」
「了解。それじゃあ先に堀田さんの家に寄ってから北宇治行こう」
誰も
『大阪万博のロゴ入り白ナンバー』。
そんなものありませんね……。
万博が2025年の予定なので、あり得るかな。と思って作りました。
そうなると、大阪の交通網は大きく変化しているかもしれませんね。
はるか 達には、あまり大阪へ行かないように言っておきます(笑)
22年5月18日追記、
なんと、大阪万博のロゴ入りナンバープレートの交付が決定したみたいです!
本当になってしまいました(汗)
今後、どうなるかが楽しみです。