【本編完結】君へ捧げる物語~北宇治高校文芸同好会へようこそ~   作:小林司

55 / 129

今回も他者視点のお話になります。

滝野先生が大活躍(?)するお話です。

(現時点で)私史上最長のお話ですので、お楽しみいただけると嬉しいです。





     ホール練習

 

吹奏楽部ホール練習当日。

 

俺は朝早くから生徒の家の玄関に立っている。

 

インターホンを鳴らすと、すぐに返事があった。

 

『はい』

 

「北宇治高校の滝野(たきの)と申します。はるかさんいらっしゃいますか?」

 

そういえば、金山(かなやま)のことを名前で呼ぶのは初めてだな。

 

「お待たせしました」

 

すぐに身支度を終えている金山が出てきた。

 

「おはよう。それじゃあ、行こうか」

 

これから金山と行くのは、レンタカー店だ。

 

 

 

事の経緯を簡単に説明すると。

 

傘木(かさぎ)の好意でホールを終日借りることが出来た』

 

『俺が大型免許を持っているので、トラックさえ借りれば、楽器運搬が自校で行える』

 

というわけで、当初予定よりホール練習の時間が長くなった。

 

 

 

免許を持っていても、トラックは所有していないので、まずは借りに行く。

 

「滝野先生。よく承諾しましたね。今日は日曜日なのに」

 

今日は7月第1日曜日。

 

昨日は学校があったので、1日だけの貴重な休日だ。

 

「意外か? 俺が休日に吹部を手伝うのが」

 

「なんと言いますか……。意外です」

 

失礼な。

 

「俺だって吹部には全国に行ってもらいたいからな。出来ることは協力するさ」

 

「滝野先生らしいですね」

 

「俺らしいって何だよ」

 

「部顧問でもないのに、休日返上して働くなんて」

 

「それ、褒めてるのか?」

 

「そう取っていただいて構いませんよ」

 

何だろう。

 

金山に褒められても、あまり嬉しくないんだけど……。

 

「あ、一応俺も部活の顧問だぞ」

 

「えっ? 何部ですか?」

 

お前が知らなくてどうする……。

 

「内緒。お、着いたぞ」

 

レンタカー店に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。ありがとうございます。12時間まで同一料金ですから、20時半迄に返却お願いします」

 

「どうも。あ、領収書は返却時に発行してもらえますよね?」

 

「はい。その際にお渡しします。当店でお預かりする車はありますか?」

 

「一台お願いします」

 

手続きを済ませ、車両まで案内してもらった。

 

「行ってらっしゃいませ」

 

「ありがとうございます」

 

レンタカー店を出発する。

 

「さて、学校へ戻ろうか」

 

学校へ向け、来た道を走る。

 

「そういえば、ホール予約は傘木さんがやってますよね?」

 

「ああ」

 

「楽器運搬は滝野先生が行うと」

 

「だな」

 

「部員はどうやってホールに行くんですか?」

 

そういえば聞いていないな。

 

「楽器運搬係は、一旦学校に集合してから、ホール行きますよね」

 

「あー。言いたいこと分かった。どうするんだろうな?」

 

まあ、先生方のことだ。ちゃんと考えてあるんだろう。

 

「それと、練習前にホールでやる事があるの、知ってますか?」

 

ああ。あの件か。

 

「聞いてるよ。まあ、俺はオブザーバーだけどな」

 

学校に到着。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集まっているのは、楽器運搬係の男子部員と、滝先生、松本先生、園田(そのだ)先生と傘木、高坂(こうさか)坂部(さかべ)さんだ。

 

「滝先生、他の部員は?」

 

「現地集合です。運搬係は我々の車に分乗して行きます」

 

なるほど。金山が疑問に思っていたことは解決した。

 

「それじゃあ積み込みを開始しましょう」

 

楽器はすでに校舎内から出してあったので、運搬係が順に積み込んでゆく。

 

 

 

人数が多いとあっという間だ。

 

積み込みが終わると、運搬係の部員は、先生方の車に分乗してホールへ向かう。

 

このトラックは三人乗りなので、俺も金山の他にもう一人誰かを乗せるのだろう。

 

……と思ったのだが。

 

「滝野先生、トラックありがとうございます」

 

「休日のお手伝い感謝します」

 

「あー。まあ、俺が吹部に協力出来ることはこれぐらいですから……」

 

金山は園田先生に拉致られてしまい、坂部さんと高坂を乗せている。

 

何でこうなるの……?

 

「滝野先生は学生時代はトランペットを?」

 

坂部さんから話が振られる。

 

「はい。あまり上手くはないですけど」

 

謙遜(けんそん)を。私が居なかったら、先輩……滝野先生もソロパート十分狙えましたよ」

 

「謙遜してねぇよ。というか高坂、お前こそ謙遜しろよ。仮にも先輩相手だろう」

 

「事実ですから」

 

相変わらずだな、高坂は。

 

「だな」

 

でも、その通りなんだよね……。

 

「否定しないんですね」

 

「坂部さんも高坂の演奏技術はご存知でしょう?」

 

高校の時からプロ級の腕を持っている。

 

「確かに。彼女は全国から引っ張りだこですからね」

 

「でも、滝野先生が上手いのも事実ですよ」

 

「上手かった、が正しいな。もう何年も吹いてない」

 

実は、時々松本先生にお願いして、学校のトランペットを吹かせて貰っている。

 

とはいえ、練習時間が格段に短いので、あの頃のような演奏は出来ない。

 

毎日必死に練習していた頃が懐かしい……。

 

おっと、曲がるところを間違えるとこだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホールに到着したら、まずはトラックから楽器を降ろすところから。

 

「皆さんも楽器降ろすのを手伝ってください。あ、加納(かのう)さんと小牧(こまき)さんは、再オーディションの準備を進めてください」

 

滝先生が、先に到着していた部員たちに指示を出す。

 

「サックス・フルートは各自自分の持ってって! そうしないと次が降ろせないから」

 

「このバリサク誰の? 取り()えず置くよ!」

 

「あ、それ私の」

 

野間(のま)の指示で楽器が降ろされてゆく。

 

俺はこれが終わったら、トラックを駐車場へ移動する仕事が待っている。

 

だから、積み卸しは免除してもらえた。

 

しかし、終わるまでが暇だ……。

 

運転席で、終わるのを待つ。

 

手伝えって? そう申し出たら、男子部員(金山含む)全員に、断られてしまった。

 

『先生に手伝わさせたら、楽器運搬係の恥です。お願いだから座っててください』だってさ。

 

まあ、女子が大半を占める吹奏楽部に()ける、男子部員の立場は、痛いほど知っているからね。

 

 

 

「お?」

 

窓ガラスが叩かれている。

 

「何か?」

 

窓を開ける。

 

堀田(ほりた)だ。一体どうしたのだろう。

 

沙也(さや)、見てませんか?」

 

加納?

 

「見てないよ。再オーディションの準備に行ったんじゃないか?」

 

「ですよね……。見てないからちょっと心配になりました」

 

「まあ、誰か一緒に居るだろ。言い出しっぺの新川(あらかわ)辺りが」

 

「ですよね……」

 

「気になるんなら、高坂に聞いてみな」

 

「高坂先生に?」

 

「高坂も同じような経験があるんだよ。この場合の小牧と同じ立場で。だから、どの辺りに居るか、見当つくんじゃないか?」

 

俺はあの時、どちらを選ぶことも出来なかった。酷く後悔した。

 

だから、勝手な願いだが、今の部員たちには、同じ様に後悔して欲しくない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

積み卸しが終わったようだ。

 

野間から指示があったので、トラックを駐車場に移動させる。

 

このホールは、府大会に使われたこともある所だ。

 

だから、駐車場も広い。

 

それなのに、大型駐車場は一番遠いところにある。

 

いくら車が少ないとは言え、横着するわけにもいかないから、遠い駐車場までトラックを移動させ、ホールへ向かう。

 

「あれ? 滝先生こんな所で何やってるんですか?」

 

会場とは程遠い駐車場周辺を、滝先生が歩いていた。

 

「あ、滝野先生。助かりました。迷ってしまいまして……」

 

あー。

 

「こっちですよ」

 

保護した(?)滝先生と、ホールへ向かう。

 

滝先生は誰も乗せずに来たのか。

 

だろうな。でなきゃ迷えない。

 

「滝野先生。今日はありがとうございます」

 

「いえ。俺に協力出来ることは何でも言ってください。と言ったところで、これぐらいしか出来ませんけれど……」

 

「本当に助かりました。私としたことが、トラックの手配を失念してまして、危うく楽器が運べなくなるところでした」

 

おいおい。とんでもないミスを……。

 

それで俺に白羽(しらは)の矢が立ったと。

 

「でも、そのお陰でトラックの時間に制約が無くなった分、ホール練習の時間を延ばせましたね」

 

これは傘木(かさぎ)の協力だが。

 

「はい。貴重な練習機会ですからね」

 

話しているうちに、ホールに辿り着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホールに入ると、既に準備が整っていた。

 

ステージ上には楽器が並べられている。

 

「すいません、迷ってしまいました。準備は万全ですね」

 

観客席に座っている部員に、ステージに昇った滝先生が問いかける。

 

「はい。完了しています」

 

返事をしたのは堀田(ほりた)だ。

 

本来、統括は部長である加納(かのう)の役目だが、再オーディションがあるため副部長が務めている。

 

「それでは再オーディションを行います。加納さん」

 

「はい!」

 

小牧(こまき)さん」

 

「はい」

 

「ステージ上に来てください」

 

先生の指示で、二人がステージ上に登壇(とうだん)する。

 

入れ替わりに先生が降壇(こうだん)した。

 

「用意は出来ましたか? 加納さん」

 

その様子を、俺は観客席後ろの通路から眺めている。

 

「はい」

 

「小牧さんは」

 

「出来ました」

 

二人の表情は真剣だ。

 

加納は鋭い目つきが更に鋭くなっていて、一見(にら)まれているようにもみえる。

 

「それでは加納さん。お願いします」

 

加納がトランペットを構え、演奏を始める。

 

 

 

滝野(たきの) 純一(じゅんいち)先生だから、純ちゃん先生ってどう?』

 

『純ちゃん先生もトランペット吹いてたの!』

 

『純ちゃん先生、社会教えて……』

 

『これ、全国……名古屋のお土産です』

 

『今年こそ全国で金取るから見てね』

 

『関西、銀でした……』

 

『純ちゃん先生、私部長に指名されました!』

 

『今年が最後だから、絶対全国行きたい』

 

『先生、一年生の金山(かなやま)くんって知らない? 金山はるか、男の子だよ』

 

『清水さん知ってる? 清水 紅葉(くれは)ちゃん。フルートがめちゃくちゃ上手なの!』

 

演奏と共に、彼女との思い出が(よみがえ)って、走馬灯(そうまとう)のように駆け巡る。

 

そうか……加納も成長していたんだな。

 

元々トランペットは中学校に入ってから始めたらしく、あの時は、もしかしたらその当時の俺の方が上手かったかもしれない。

 

しかし、今の演奏はあの頃の彼女とはまるで違う。

 

人一倍努力家だから、オーディションよりも上手くなっているはずだ。仮に、オーディションが本調子でなかったのなら、尚更だ。

 

ここからは見えないが、滝先生の表情を見れば分かるだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「滝野先生?」

 

呼ばれて我に返る。

 

「えっ? あ、高坂(こうさか)か。どうした?」

 

いつのまにか、隣に高坂が立っていた。

 

「それは私の台詞(せりふ)です。先生泣いてますよ」

 

えっ?

 

指を目元に持っていくと、そこは濡れていた。

 

「いや、加納との思い出が蘇ってきて……」

 

俺がそう言って高坂が何を思ったかは分からない。

 

何か言おうと開いた口は、小牧の演奏が始まったために、そのまま閉じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……なんだこれ?

 

率直な感想がこれだ。

 

それ以上何が言えるだろう。

 

加納の演奏は上手い。完璧と言って良いだろう。

 

おそらく、高坂や滝先生も同じ事を言うだろう。

 

しかし、その完璧な演奏をはるかに凌ぐ演奏が、今ここにある。

 

この演奏だけなら、全国大会で金賞をとるのは容易(たやす)いだろう……。

 

 

 

 

 

「ありがとうございます」

 

小牧の演奏が終わった。

 

観客席は異様な空気に包まれている。

 

誰一人、何も言わない。息をすることすら忘れている人も、いるんじゃないだろうか。

 

俺は似たような光景を知っている。

 

そう。それは俺が二年生の時に見た、香織(かおり)先輩と高坂の再オーディションだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは皆さん。加納さんと小牧さんのどちらにソロを吹いてもらいたいか、拍手をしてください。拍手にて決定します」

 

ステージ上の二人は、共に無表情だ。しかし、真剣な顔なのは変わらない。

 

『ソロを吹いてもらいたい』か。(ずる)い言い方をする。

 

「加納さん」

 

真っ先に立ち上がって拍手をしているのは、新川(あらかわ)だ。

 

詳しい話は知らないが、今回の再オーディションのきっかけを作ったのは彼女らしい。

 

続いて十数人が拍手をした。

 

「はい。では、小牧さん」

 

今度は清水(しみず)が真っ先に立ち上がり、それに続いて野間(のま)布袋(ほてい)(ダブル)水野(みずの)が立ち上がって拍手をする。

 

立っていなくても、数十人の拍手が起こる。加納の時より多いのは明らかだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「加納さん。やはり、オーディションの時のあなたは本調子ではなかったようですね」

 

そうなのか?

 

今の滝先生は、何かを誤魔化すような言い方だったが。

 

「先生、分かってるんですよね?」

 

それに対し加納は、優しく、しかし(いさ)めるように問い掛ける。

 

「分かってますよ。今のはわざとです。でも、そう思うのも無理はないと思います。この短期間で見違えるような演奏になりましたね」

 

血の(にじ)むような努力をしてきたのだ。それこそ夜遅い時間まで、防音室で練習した程に。

 

俺が鍵閉め当番だった日に、一緒に22時位まで残ったことがある。あれ、教頭に見つかってないよな……。

 

まあいい。例え見つかっても、怒られるのは俺の役目だから。

 

「ありがとうございます」

 

お、顔が(ほころ)んだ。

 

「加納さん、あなたがソロを吹きますか?」

 

滝先生はやっぱり滝先生だ。

 

普通なら、『こんな意地悪な質問は無い』と思うだろうが、これが滝先生だと不思議と自然に思えてしまう。

 

あの時もそうだった。

 

しかし、あの質問があったために、香織先輩は後悔することなく、納得することが出来たのだ……。加納はどうだろう?

 

「私は吹きません。みんなが小牧さんを選んだっていうのもあるし、知っていると思うけど、私たちの目標は『全国大会金賞』です。そのためには、学年関係なく、上手い人に吹いてもらうべきです」

 

加納が小牧の方を向き、右手を差し出す。

 

「小牧さん。ソロをお願いします」

 

彼女はどこまでも優しい。

 

自らの負けを認め、目標である全国大会に出場し、金賞を受賞するため、最善と思われる選択をする……。

 

「はい。ありがとうございます」

 

小牧が差し出された手を取り、握手する。

 

「小牧さん、あなたがソロです。他の誰でもなく、あなたがソロを吹く。(よろ)しいですね」

 

滝先生の声。

 

「はい!」

 

小牧は正面を見て、たじろぐことなく、力強く返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソロパートの再オーディションが終わり、ホールでの練習が始まった。

 

時間に余裕があるため、途中に昼食を兼ねた休憩を挟む。

 

今はその休憩時間。

 

部員たちは、ホール内の観客席や、ロビーに出て、各々昼食を食べている。

 

「純ちゃん先生お疲れ」

 

「今日はありがとうございます」

 

何人かに声掛けられる。

 

「おお。ホールどうだった?」

 

一年生には初めてのホールだからな。

 

「やっぱり広いです。音ぜんぜん響きません~」

 

「当たり前だよ。当日は観客が入ると、音吸収するから尚響かない。まあ、頑張れ」

 

「先生~。吹いてよ」

 

「マッピ持ってこなかったから止めとく」

 

適当にあしらう。

 

さて、お目当ての人物は何処(いずこ)に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駐車場にあるトイレ。

 

日陰になっているところにベンチがある。

 

「ここにいたのか、新川(あらかわ)

 

新川(あらかわ) (つなぐ)。今回再オーディションのきっかけを作った人物だ。

 

ベンチに一人座っている。

 

「あ、純ちゃん先生……」

 

泣いていたのか、目が赤い。

 

「お疲れ。隣良いか?」

 

頷いたので、隣に腰掛ける。

 

「さて。俺に何か言うことあるか?」

 

不正の噂の情報源が誰か、目星はついている。

 

しかし、それを問い(ただ)すつもりはない。

 

言ってくれるのなら、言ってくれれば良い。言いたくなければそれでも構わない。

 

「ない。言うことはない。でも……」

 

「でも?」

 

「聞いて欲しいことならある」

 

「言ってみ」

 

「先生、私、間違ってたのかな? 先輩を(さら)し者にしちゃったのかな?」

 

「間違ってないよ。加納が言ってただろ。全国行くためには、学年関係なく、上手い人が吹くべきなんだよ。一人じゃ大会には出られない、吹奏楽は団体種目だ。だから、そのトップに立つソロを全員で決めるってのは、悪くないと思うけどな」

 

新川(あらかわ)に掛けてやれる、気のきいた言葉が見付からない……。

 

思ったことをそのまま口にした。

 

「……」

 

それに対して返事はない。

 

しかし、肩が重くなった。

 

見ると、新川(あらかわ)は俺の肩に顔を埋めていた。

 

反対の手を伸ばし、頭を撫でてやる。

 

「好きなだけ泣け。泣いてすっきりするなら、うんと泣け」

 

泣いて溜飲(りゅういん)が下げれるなら、これぐらいお安いご用だ。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ戻るか」

 

そろそろ休憩時間が終わる。

 

「うん。先行ってるね」

 

新川が立ち上がり、ホールへ戻ってゆく。

 

『頑張ってくれた加納先輩の為にも、全力で全国大会を目指す』

 

そういう決意のこもった表情だった。

 

見送り、俺も後追いでホールへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本番まで半月ほど、夏休みはもう目の前に迫っている。

これから、部員たちの夏が始まるのだ。

 

 

 





2回に分けて掲載する予定だったお話を1話に纏めたため、途中でルビ振りが不自然になっている部分があります。申し訳ありません。

滝野先生大活躍(?)でしたね。如何でしたか?


いよいよコンクール府大会に突入します。

これからもよろしくお願いいたします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。