撃てない?生けないな。
朝起きると胸がムカムカしていた。
一度寝たのに、胃にはアルコールが残っている感じがする。
上体を起こせば頭が鈍く痛む。
完全に二日酔いだった。
「気持ち悪りぃ」
「気持ち悪い」
気持ち悪いのデュエットだ。
どうやらチルノも二日酔いに苦しんでいるようだ。
彼女は子供みたいな体躯だが、酒は飲んでも大丈夫だったのだろうか。
「水汲んでくるよ。」
「・・・うん、助かる。」
水を汲みに台所まで行くと早苗さんが朝食の準備をしていた。
幻想郷と言えど自分は未成年なので、と昨日の宴会には参加していなかった。
それだと幻想郷での未成年の飲酒は許されているのだろうか?
「おはようございます。お二方は朝食を召し上がられますか?」
「折角なので頂きます。お腹に何か入れた方が良さそうなので。射命丸さんは食べないんですか?」
「射命丸さんは既に帰られたようですね。食事の準備が出来たらお呼びします。」
射命丸さんとは昨日のことがあったので気まずかった。
正直助かった。命の恩人にこんな事を言ってはいけないのだが。
部屋に戻り二人で水を飲む。
「はぁー」
「はぁー」
ちょっと回復。
その後は朝食を頂き、帰る運びとなった。
ちなみに焼き魚を召し上がる神様二柱に、二日酔いの様子は見受けられなかった。
アルコールは何処へ消えた?
「本当にお世話になりました。泊めて貰った上に食事までご馳走になりまして。何もお返しできないのが心苦しいです。」
「気にする事はない。妖怪助けも重要な仕事の一つだからな。欲を言えば家の神社を信仰してくれれば万々歳だが。」
「神奈子はこんな時までセールストーク?まぁ、また酒でも持って遊びにおいで。」
昨日と同じく山の麓までは徒歩で移動。
神社の三人は揃って見送ってくれた。
二日酔いが気に掛かるが、我が家に戻り早速弾幕の練習に取りかかる
事になった。
「飛んでる時は妖力を上手く使えてると思うから、すぐ撃てるようになると思うよ。いきなり弾幕は無理だと思うから、一つだけ弾を作ってみて。妖力を目の前にまとめる感じで。」
妖力をまとめる感じ。
50センチほど前の空間に妖力をまとめてみる。
まとめてみる。
まとめてみる。・・・まとめてみる。
勿論何も起こるはずがない。
そもそも妖力って何処を意識すればいいんだ?
自然と体に力が入ってしまう。
「目が血走ってる。こわっ!!」
うるせー
しばらく続けてみたが、やっぱり何も起こらない。
「やっぱり分からん。もう少し分かりやすく!」
「じゃあ・・飛んでいるときの力をまとめる感じでやってみて。」
確かに最近よく飛ぶ練習もしているので、イメージしやすいかも知れない。
改めて50センチほど前の空間に飛ぶときのイメージをまとめてみる。
すると、どうだろう。
体が浮かんで50センチほど前に移動したではないか。
「何してんの?」
「これでも真面目にやってるんだ・・・」
しばらく空中での移動を繰り返す。
力の入れ方のイメージはしやすいのだが、何かが違う気がする。
「夢仁はどういうイメージの弾幕を撃とうとしてるの?」
この彼女の場つなぎの雑談が突破口になった。
「そうだね。どうせならチルノみたいなキラキラした奴が良いな。綺麗だし。」
「ん?・・そっか!それだから駄目なんだ。」
チルノは納得したように手を打った。
何故人は疑問が解けたりすると手を打つのだろうか。
妖精だけど。
「夢仁はあたいの弾幕しか見てないからそれを想像しちゃうんだ。折角正体が分かったんだから、それをイメージして力をまとめてみて。」
自分の正体か。
あの悪夢を想像すればいいのだろうか。
正直気が進まない。
50センチほど前にその夢を想像してみた。
50センチほど前にぼろ布の様な物を纏った小人が出現し、空中を浮遊していた。
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猿夢には使い魔がいる。
悪夢の列車内で繰り広げられる惨殺ショーは、放送している俺自身ではなく使い魔の小人によって執行される。
コツを掴んだ俺は小人の数を5人まで増やすことが出来るようになった。
「ねぇ、これどうやって使うつもりなの?」
「弾幕だしもっと数を増やしてぶつけるとかかな?」
「えっ?まだ増やそうとしてたの?勘弁してよ。」
確かにお世辞にも可愛いとは言えないこいつらが、うじゃうじゃ居たらなおキモい。
しかし、5発なんかじゃとても弾幕にはならない。
せいぜい散弾銃だろうか。
「良く知らないんだけど、猿夢のお話に弾幕に使えそうなヒントは無いの?」
猿夢に出てくる印象的なフレーズといえば「活け作り」「えぐり出し」「挽肉」だろう。
どれも美しさを求める弾幕には程遠いが、弾幕として撃ってみれば変わるかも知れない。
弾幕を撃つ前はスペルカードを宣言するんだっけか。
まだスペルカードは作って無いが、宣言だけしてみる。
「活け作り!!」
「いけづくり?」
なんだか注文してるみたいだ。
へいっ!活け作り一丁!みたいな
すると5人の小人たちは狼狽えだした。
先程までフワフワ浮いてるだけだったので、新しいアクションだ。
しばらくすると集合し何やら会議を始めた。
何を企んでるんだ?
その内一人が他三人に取り押さえられた。
捕まった小人は嫌がっている。
「ねぇ何してんの?」
「ちょっとヤバいかも。」
残った一人が捕まえた小人を刃物のような物で解体を始める。
小人がけたたましい悲鳴をあげた。
体からは次々と内蔵が取り出され、血塗れの臓器が散らばっていく。
小人は耳が痛くなるほどの大声で悲鳴をあげ続けている。
辺りに鉄の様な強烈な異臭が広がる。
チルノは惨劇の途中から耳を塞ぎ顔を伏せてしまった。
血や肉片が降り注ぎ、俺は呆けて見上げることしか出来ない。
夢でよく見た惨殺ショーは淡々と終了し、今は何も残っていない。
まさか今のが弾幕か?
流石に駄目だろう。
仕事忙しいです。
ただ書いていたいです。