多くのゲームパロが出てきます。あとガバ知識も出てきます。
誤字脱字などの報告は大歓迎します。
ゲームが上手いという言葉はゲーマーと一般人では意味が違ってくる。
例えばここにパズルゲームをやりこんでいる人間がいるとする。そこそこそのゲームをやっていた人間は具体的にどういうテクニックを使えているから凄い、等ということが分かる。
しかし何をしているか分からず、気持ち悪いと思う一部の人間もいる。プロゲーマーが存在し、活躍している今の時代でもゲームに関して暗いイメージを持つ人間はいるのだ。
この世には数多くのゲームが存在するが、その大半は複数の遊び方があり、自分に合った楽しみ方が出来る。
この俺こと柊貞夫は自他共に認めるゲーマーである。一時期プロだって目指したことがある。しかし安定した生活をしながらゲームをやるのが自分に一番合っていることを知っている。
はっきり言って俺の通っている高校は頭の悪い人間が多く通っている。まあ、俺もその頭の悪い人間の一人なんだけど。
放課後に友達とゲームをして夜中にもゲームをする。それが俺の日常だった。
you winの文字が画面に表示される。ボタンを連打し次のバトルをしようとする。
このゲームは対人で好きなキャラを選んでコマンド入力を駆使して戦うゲームであり、俺の得意とするジャンルの一つでもある。
「次は何にしようかな。レートも上がってランク1位も狙えそうだけど……」
キャラクター選択に迷っているとコンコンと部屋のドアが叩かれる音がする。
俺が返事するより先にドアが開けられた。
「兄ちゃん梨鉄貸してよ」
「待て。分かった。貸すからナチュラルに部屋に入らないでくれ」
俺はコントローラーを置くとびっしりと様々なゲームが詰まっている棚から梨鉄を取り出す。このゲームはいたってシンプルなルールのゲームであり、簡単に説明するとすごろくみたいなものだ。ゲームになった分、色々なイベントが起こるようになり、友達ともわいわいと楽しめるゲームになっている。
そしてドアを開けて妹の澪に渡す。
「友達が来ているのか?」
「そ。兄ちゃんは珍しく早く家に帰った割には友達連れてきてないいんだね」
「ゲーセンで遊ぶ予定だったけど一緒に遊ぶ友達の何人かが学校休んでたから今日は無しになったんだよ」
「ふーん。ま、ありがと」
「ん」
妹の澪はそれだけ言うと自室に戻って行った。恐らく妹が連れてきた友達とゲームするためだろう。
俺の妹は俺と違ってアクティブな人間で俗に言う陽キャだ。その中でも陰キャとも仲が良い陰陽師である。
妹は俺と違って優秀だ。しかしだからこそ同じ家族でも若干の心の距離を感ざるを得ない。一緒にゲームをしたのは3年ほど前だろう。
「ってキャラ選択の途中だった!」
走って先ほどまで座っていたゲーミングチェアに腰掛ける。戻った時にはもう手遅れでキャラ選択の画面には「おまかせ」と表示されていた。
「うわ。マジかよ……てか相手のレート低いな。こんなことあるのか?」
俺のこのゲームにおける対戦レートは2891だ。この数字は勝てば増え、負ければ減る。基本的には数字が近い相手とマッチングするのだが、今回の相手のレートは1700と本来当たるはずのない数値である。
この数字がどれだけのものかというと初期のレート値が1500なので少し練習を積んで勝ち始めた初心者レベルである。因みにこのゲームの世界ランキング一位のレートは2930なので上手くいけば俺はその数値を超え、ランキング1位になれることが出来る。
しかしこのゲームは格下に負けるとレートが多く減少するという仕様になっており、相手との差が1000以上離れているとなれば下手すれば俺のレートは100くらい減少するかもしれない。
まあ、ここまで離れていれば流石に負けないとは思うが。
「取り敢えず明らかにおかしいから相手の名前を覚えとこうか。んで、公式に問い合わせてみるか」
対戦が始まる。俺のキャラはモルトという二刀流を使う剣豪のキャラだった。対する相手、コノミの選んだキャラはーーーー
「は? なんだこのキャラ。『シグレ&ナギ』? こんなキャラ存在しないはずなんだけど。もしかしてアプデで増えたのか? いやいやそんな情報どこにもなかったぞ」
困惑してるうちに試合が始まった。最初は取り敢えず相手の行動が読めないので様子見と思い、近づいたり距離を取って遠距離攻撃を仕掛けたりする。
「うーん、なんか動きがCPUみたいだな……。公式が間違ってテストプレイをレート対戦でやってしまったのか? だとしたら結構な問題だけど」
このゲームは試合時間が一定時間を超えると訪れるサドンデスという相手に一度でも攻撃を当てると勝ちのルールの勝負に移行する。
最悪、このキャラはサドンデス最強と言われるキャラであるのでそれを狙うのもアリか。
このキャラはゲーム中一度だけほぼ回避不可能、しかしダメージ量は少ない技を出すことが出来る。それでいて上級者が使うと中々倒されずらいキャラなのでわざとサドンデス状態まで耐えて勝つ人間が多く、嫌われやすいキャラクターである。見た目は正統派な武士みたいでカッコいいんだけどね。
しかし相手の行動を見ているとどうもそこまで驚異となる技はないようだ。練習すればそこそこ戦えるんだろうけどCPUが使うと弱い典型的なキャラのようだ。
「この感じならサドンデスまで待つ必要もないかな」
俺は相手の隙の大きい技を見切るとそれに付け入りコンボを決める。そうして早々に撃墜をし、相手のストックを減らしていく。
「結局大したことなかったな。なんだったんだコイツ」
他作品のキャラクターを動かし、対戦することが醍醐味のゲームだが相手が使っているキャラクターは見たことがなかった。多くのゲームを網羅している俺にとってそれは珍しいことである。
「これで終わりっと」
最終的に見れば二度しか攻撃を食らっていない圧勝であった。カットインの後にyou winの文字が現れる。
はずだった。
直後、画面にyou winの文字の代わりに大量の0と1の数字が表示される。
「なんだこれ故障か? てかこの場合俺のレートはどうなるんだ!? もしかして負け扱いなのか!?」
あまり世界ランキングに執着心は無かったが世界ランキング1位には少しだけ憧れていた。ここで変なレートの下げ方をしてはたまったものではない。
色んなボタンを連打し、元の画面に治らないか試してみる。
「しょうがない……最後の手段だ。うおおおお治れえええ!!」
斜め30度の角度からゲームの本体が入っている場所へ手刀を繰り出す。このゲーム機は買い換えてまだそこまで時期が経ってないので故障はしてないはずだが……。今はとにかく画面が切り替わってくれればいい。俺のレートが保存されてくれればいいのだ。
「「あいた!」」
手刀が当たった直後痛みが走り、思わず声が出てしまった。当たった部分を眺めようとするとーーー
「わ~~~!!」
「グフぉ!」
画面から何かが飛び出してきて俺はその勢いでゲーミングチェアを吹き飛ばし、そのままベッドに飛ばされた。
「あいたたた……何が起こったんだ、、、ぁァ!?!?」
顔を上げた途端更に何かにぶつかった。再度ベッドに打ち付けられる後部。そして今度は頭を寝かせたまま目を開いた。
そこには真っ赤に燃える炎のような色の髪の女性がいた。俺を押し倒しているような状態だ。
「え、あ、あの」
上手く声が出ない。というかなんだこの状況。何故俺が女子に押し倒されている。そして何故画面から現れた。そして俺のレートは結局どうなったのか。
「えっ!? もしかして」
俺は一瞬で思考が切り替わり、目の前の女性を突き飛ばすとゲーム機の場所に戻る。「きゃん!」と犬のような声がしたがそれどころじゃない。
「えっと俺のデータは……」
画面が暗転してたので電源をつける。この機体は性能が良いので直ぐについた。そしてゲームを起動させる。
『どの設定でプレイしますか?』
このゲームを始めて最初に出てくる言葉が表示される。もしかして、もしかして、、、
「データが初期化されてるぅぅう!?!?」
叫んだ。心の底から。
「ど、どうしたの兄ちゃん。って何やってるの!?」
俺の大声を聞いて駆け付けた澪が目撃したのはディスプレイの前で項垂れる自分の兄と何故か壁に寄りかかっている赤髪のセーラー服を着た女性だった。
「というかその人誰!?」
「知らねえよ!!」
涙で顔を濡らした兄が振り向いて澪に言い放つ。澪はますます頭が混乱した。
「取り敢えず入るよ……?」
「好きにしてくれ……」
澪は兄の横を通ると赤髪の女性の前に立つ。
「えーと、その大丈夫ですか?」
そう言った瞬間の出来事だった。女が光ったかと思うとその体が「澪と重なった」
「あー、おほん。ボンジュールボーイ?」
疑問形だった。涙を流していた俺はその奇怪な光景に開いた口を塞ぐことが出来ない。
「何を……言ってるんだ? というか澪はどこにいった」
「えーと」
俺が言葉を途切らせながら聞くと赤髪の女はその場で5回転した。途端に閃光が走る。俺は光を遮るように顔に腕をかざす。そして腕をどかした時、そこには何故か髪の色がベージュ色になった妹がいた。
「??????」
「??????」
兄妹揃って困惑する。ゲーム機から聞こえてくるBGMだけが時の流れを感じさせた。
その場のノリでネタ考えているので定期更新は難しいですが頑張るぞい!