ストライクウィッチーズ 君の明日は   作:桜子道 晴幸

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今回は完全なるIFストーリーです。稚拙な設定ですが楽しんでいただけたらと思います。


第三話 儚い

501基地では、今日も普段通り過ごしていた日常と普段通り戦闘に出撃する日々を過ごしていた。出撃のブリーフィングではミーナと戦闘隊長の坂本が指揮を執る。

 

 

 

 「敵ネウロイはガリアからこの基地に向かって進行中。ローテで行きます。出撃準備!」

 

 「ペリーヌはゆうの二番機に入れ!」

 

 「ペリーヌ中尉がですか?逆ではないんですか?」

 

 

 

 いつもはだれかの二番機に入るように指示されるというより、ほとんど二番機を務めていたため、その逆になることに驚いた勇が坂本に質問する。

 

 

 

 「ペリーヌにもお前から学ぶことがあるはずだ。しっかりとペリーヌに学ばせてくれ!」

 

 「そんな…了解です。」

 

 

 

 命令である以上、勇が無下にできるわけもなく小隊長としてペリーヌを率いることになった。ペリーヌはあれから少しずつ仲良くなり、今では互いを尊敬する間柄だった。すると、そこにバルクホルンがやって来た。

 

 

 

 「気にするな。ゆうはいつも通りやればいい。」

 

 「心配してくれてありがとう、トゥルーデ。まあ、みんながいるからそこまで不安じゃないよ。」

 

 

 

 そういうと、にこりと微笑みバルクホルンは離れていく。ペリーヌの方を見るとやや緊張気味にこちらを見ていた。

 

 

 

 「ああ…ここは一つ後ろをお願いします。」

 

 「分かりましたわ!」

 

 

 

 出撃して間もなくネウロイを発見し、突撃にかかる。坂本を戦闘指揮官とし、バリバリと敵の装甲を削る。ここでの勇の役割は敵の狙いを集中させないための遊撃任務だった。いつもは二番機の位置でだれかをサポートするが、今回は指揮官機として、その役割を十全に果たそうとペリーヌの動向にも注意しつつ空を駆け回った。周りにいる攻撃隊のシャーリーもその腕を認める一人だ。

 

 

 

 「さすがだなぁ。いつもと違う役割でもしっかりとやることやってんなぁ。」

 

 「私だってやってるもん!」

 

 

元から勇を知り、戦闘を指揮する坂本と姉のバルクホルンもいつもと違う役割でも十全に与えられた任務をこなす勇に感心していた。

 

 

 

 「やるじゃないか!」

 

 「ふっ、いい動きだ。だが、肝心のペリーヌは…おっと?」

 

 

 

 勇は縦横無尽に切れのある機動でネウロイの周りを攻めているが、ペリーヌがやや遅れ気味というよりは確実についていくので精一杯といった感じだった。しかし、戦闘中であることからそこまでのカバーはできず、ペリーヌは歯痒さを感じていた。

 

 

 (はぁ、はぁ…早い!これが坂本少佐も認める勇中尉の力ですの?!)

 

 

 

 勇の評価は、外から見れば地味で一番機の引っ付き虫程度であり、撃墜数もそこまで多くないが、坂本だけではなく、一緒に行動したことのあるものなら勇の評価は「信頼で言えばまず、勇。抜き身もまた鋭利な勇士」と言われる程には卓越したエースだった。それもそのはずであり、歴戦の扶桑海事変からの古強者であり、激戦のカールスラント撤退戦を生き残り、スーパーエースのバルクホルンから射撃を習い、坂本やミーナも念を押す状況判断能力とハルトマンやエイラも口を揃えて危険に真っ先に突っ込めるだけの胆力があるとの太鼓判の評価を得ている。それを一番機にしたらどうなるか。ペリーヌはそれを身を持って体感していた。

 

 

 

 「ペリーヌ中尉、まずはしっかりついて来て下さい。射撃をしようとしてはいけません。」

 

 「で、でも!」

 

 「必ず好機が来ます。その時は自ずと撃てるとわかりますから、その時は全力でお願いします。」

 

 

 

 ペリーヌはこの言葉で、とにかく勇に食らいつくことに専念した。周りを見て、的確にネウロイの攻撃を集中させるように仕向けた攻撃を同時に行う場馴れにペリーヌは驚嘆し、それを自分のものにしようと踏ん張る。そして、ハルトマンが勇の作った隙を突いて一撃離脱を仕掛けるとコアが露出。その隙を逃さず勇も射撃を開始する。ペリーヌも続くが、後方からの攻撃に気付き、勇をカバーする。

 

 

 

 「後ろから来ますわ!」

 

 「頼みます!」

 

 

 

 ペリーヌはしっかりと勇の背中を守り、全員での攻撃がコアに命中し、戦闘は終了した。

 帰還後、ミーナから慰労の言葉をもらい各自解散となると、ペリーヌは勇から声をかけられる。

 

 

 

 「最後はありがとうございました。助かりました。」

 

 「いえ、私はなにも…」

 

 

 

 そう謙遜するが、至って自分は活躍していないため本心からの謙遜だった。しかし、勇はしっかりと誉める。

 

 

 

 「いえ、しっかりと一番機の後に続いて役割を全うできるのは、一番機にとってなによりありがたいんです。経験の差でしょうからこれからしっかり頑張っていきましょう。」

 

 

 

 ペリーヌは勇が本当に必要が故に呼ばれたのだと確信した。勇ほど、四方から必要とされ引き抜かれようとした存在はいないそうだ。スーパーエースのハルトマンやバルクホルン、エイラや坂本など名だたるエースを差し置いて欲される存在とは安心であった。それほどに勇の戦闘スタイルは確立され、洗練された一つの武器だったのだ。しかし、これが運命のいたずらを仕掛ける要因にもなっていた。司令室にて、ミーナが大きくため息をつく。

 

 

 

 「はあ…ここまで執拗だったとはね…」

 

 「今度はどうしたんだ?」

 

 

 

バルクホルンが疲れが溜まっているミーナを気遣う。

 

 

 

 「はあ、バルクホルン大尉、勇中尉を連れてきてもらえる?」

 

 「了解した。」

 

 

 

 勇はルッキーニとの遊びに連れ回されており、バルクホルンに呼ばれるとすぐさま司令室に駆けつけた。

 

 

 

 「ミーナ中佐、ただいま到着しました。」

 

 「ありがとう。連合司令部からの通達で今度発動するネーデルランド反抗作戦に勇中尉、あなたが指名されました。」

 

 「なっ!」

 

 

 

 勇だけでなくその場にいた全員が驚きを隠せなかった。ネーデルランドは今なおネウロイの手中にあり、常套手段では勝ち目はないと分かっているからだった。

 

 

 

 「それはどういうことだミーナ!なぜ、ゆうなんだ!」

 

 「落ち着いて。連合司令部からは必要な人材を指名されているのよ。」

 

 

ネーデルランドはカールスラントの北に位置する国で、現在ネウロイに占領中の地域である。バルクホルンはカールスラントでも北東部に位置する生まれで、ネーデルランドにはただならぬ思い入れがあった。

 

 

 

 「なぜ私じゃないんだ!カールスラントは目と鼻の先なんだ!私の方が適任じゃないか!」

 

 

 

 カールスラントを奪還したいバルクホルンの強い思いを聞いてもなおミーナが首を振ることはなかった。

 

 

 

 「バルクホルン大尉のように故郷を取り戻したい同士がいるのは分かっているわ。でも、そういうウィッチこそ命令を無視しがちだということも分かっているの。だから、勇中尉なのよ。」

 

 「では、一人で行かせるのか?」

 

 

 

 坂本の質問は、501基地からの派遣は一人だけなのかということだが、普通は部隊を二分するような救援要請が入る。

 

 

 

 「いいえ、今回は作戦指揮に私も同行します。基地の運営と戦闘は坂本少佐とバルクホルン大尉に任せるつもりです。」

 

 

 

 納得がいかないとばかりに、ミーナに詰め寄り抗議するバルクホルンを抑えながら勇も考えを巡らせる。

 

 

 

 「どうして私なんでしょうか?」

 

 「坂本少佐と行ったガリア救援作戦が原因ね。」

 

 

 

 実質二人で解放してしまった敵地奪還の功績から、政治の過激派を煽ってしまうことになったため、その立役者たる勇を使命してきたのだという。坂本もその思惑に気づいており、疑問を呈する。

 

 

 

 「それなら私が使命されてもおかしくはないんじゃないか?」

 

 「当初その案もあったようだけど、最終的には勇中尉のみを使命することなったわ。まあ、勇中尉の少ない手柄と大きい功績にすがりたい連中の思惑でしょうけどね。」

 

 「なら尚更ゆうは連れていくべきじゃない!もし、他の基地に取られたらどうするんだ!」

 

 

 

 バルクホルンは勇を取られまいと噛みつくが、勇もおそらくの検討はついていた。反抗作戦を行い、勇が不時着でもすればそのまま基地に留め置き、なんとでも言い訳ができるという算段だった。それほどまでに勇の功績が手の届く光だという証明でもあった。

 

 

 

 「そういうことなら、ゆうに手柄を上げさせればいいじゃないか!ゆうは他がおいそれと持っていけるような器じゃない!大切な仲間なんだぞ!」

 

 

 

 勇の姉のような存在として、勇を手放すような事態は避けたかった。さらに、自分がいないような状態で持っていかれたら寝覚めも悪い。バルクホルンは必至に抗議したが、司令部からの要請ということもあり受け入れられなかった。渋々と不満を垂れながらバルクホルンは退出する。残った三人でため息が漏れる。

 

 

 

 「ごめんなさい、あなたを守れなくて。」

 

 「いえ、ミーナ中佐には日頃からお世話になっていますから恩返しだと思って頑張りますよ。」

 

 

勇は自分を救ってくれた恩人のためにミーナの申し出に応じる。

 

 

 

 「そういってもらえると助かるわ。でも、確かにトゥルーデの言った手柄を立てさせることを怠った私にも責任があるのよね…」

 

 

 

 隊長として、勇を部隊に率いれるためにあえて勇の撃墜数を減らして報告して過去があり、それが今回は裏目に出てしまったことになるとミーナは自責を感じていた。

 

 

 

 「命令である以上仕方ないさ。まあ、勇はどこにいっても信頼は厚い!活躍して自分の価値を高めてくるといいさ!はっはっは!」

 

 「そう簡単ならいいのよね…」

 

 「ははは…」

 

 

 

 同行にさらにもう一人選ぶ必要があり、カールスラント以外のもので戦闘経験が豊富な者を選ぶとなると、シャーリーが選ばれた。エイラも候補に上がったのだが、サーニャがいるため動こうとはしなかった。しかし、年齢的には古豪が選ばれ、不足はなかった。

 出撃当日、ルッキーニがシャーリーとの別れを惜しみ、バルクホルンが勇との別れを惜しんで出発する。今回の作戦はネーデルランドへの橋頭堡を築くべく行われる作戦であるため、既存のルートではユニットによっては燃料が不足するため空母での出撃となった。北海から出撃し、ネーデルランド上空で制空戦闘と地上支援が求められる重要な任務だった。空母では、ミーナは指揮官として作戦説明に呼ばれたためシャーリーと艦内を探索した。

 

 

 

 「やっぱり海軍の艦は設備もいいし、飯も旨いな!」

 

 「リベリオンの海兵隊とは一緒にならなかったんですか?」

 

 

シャーリーと二人きりになるのも珍しかったが、陽気なシャーリーといてきまづくなることはなかった。

 

 

 

 「あー何回か会った気もするけど飯に集中してて気にならなかったな!あ、でも!一人で空母の飛行機を全部ぶっ壊したってやつの話なら聞いたことあるぞ!」

 

 「それは…うちだったらしばかれてます…」

 

 

 

 噴飯ものだが、さすがは物量の国だと感心した。しかし、シャーリーは勘がいい。今回の件について話を振ってきた。

 

 

 

 「なあ、ゆうはどこかに引き抜かれるのか?」

 

 「え、いやその予定はないですよ。」

 

 

シャーリーには話していない内容だったが、面倒見のいいシャーリーは今回の作戦の裏の目的に勘づいたようだった。

 

 

 

 「ルッキーニが心配してたよ。遊び相手にいつも引っ張っられていくお兄さんが消えたら本当に泣くぞ?」

 

 

 

 シャーリーはルッキーニの姉のような存在であり、おおらかで包み込む包容力に富んでいた。そして、案外隊員のことをよく見ている観察力に優れている。

 

 

 

 「ゆうはさ、あのつんけんしてるペリーヌとも上手くやってるし、もの静かなサーニャとエイラもお前を頼りにしてる。ハルトマンや坂本少佐も口を揃えて信頼できるって言うし、あの強面バルクホルンなんかはお気に入りだ。私だって、ゆうがいるといないじゃ大違いさ。」

 

 「過分な評価ですよ。でも、悪い気はしないですね。」

 

 

勇は気恥ずかしくなり、敢えて調子に乗ってみた。シャーリーには冗談が通じるのだ。バルクホルンではこうはいかない。試しに気取ってみたら、分厚い教練用の教科書の角で叩かれたこともあったのはいい思い出である。

 

 

 「言うようになったなぁこのこの!…それにミーナ中佐もたぶんゆうを手放さないというより、申し訳なくてついてきたんだと私は思うよ。」

 

 

 

 シャーリーはよく人を見ているものだと思った。実は勇もそう感じており、極力ミーナには明るく接していた。501は温かく、これまでのことを考えると破格の待遇に勇はしばしば困惑するほどの幸福感に包まれていた。だからこそ、自分のために困る人がいないことが勇の目指す目標だった。それもシャーリーは見抜いていたのかもしれない。沈黙のあとミーナが戻り、シャーリーは艦内の探索を続けると言い、席を外した。ミーナがため息をついて面倒な作戦会議の内容を話し終えるとミーナも沈黙してしまった。

 

 

 

 「…ミーナ中佐、さっきシャーリーと話してましたが、私はどこにも移るつもりはありませんよ。」

 

 「・・・ふふ、私もそうはさせないわ。」

 

 

どことなく真剣な様子の口調の勇と、突然の核心に迫る内容に一瞬の戸惑いを見せたが、ミーナはすぐに笑顔で返して見せた。そして、そんなミーナを安心させるべく、勇もミーナに決意表明する。

 

 

 「昔の自分ならすぐさま迷惑をかけないように移動の手はずを整えたかもしれませんが、501には返しきれない恩があります。それを返すまではどこにも行きません。」

 

 

 

 真っ直ぐな言葉にミーナも迷いを止め、作戦に集中した顔になった。

 

 

 

 「今回の作戦、私が思うに成功は難しいわ。敵の戦力が不明な以上、状況が悪化すれば即時撤退の許可も取ってあるわ。誰も失ったりしないわ!」

 

 

 

 硬い決意のもと出撃命令が下る。空母から出撃するとたくさんのウィッチたちが同時に空へかけ上る。艦砲射撃により沿岸場は砲撃され、その上で爆撃を加える手の入れようだった。そして、案の定敵の航空戦力が出現したところで勇たちの出番となる。

 

 

 「ウィッチ隊各員攻撃開始!」

 

 

 ミーナの一言で攻撃が開始され、初撃の勢いはまずまずだった。沿岸部に上陸した部隊も着々と準備を進め、あとは確保できるかどうかだった。しかし、ここで事態は急変する。カールスラントより急襲したとみられる大型ネウロイが確認され、ウィッチ隊員に負傷者が相次いだ。

 

 

 

 「負傷したウィッチは直ちに後退、防衛ラインを守りつつ、手の空いたもので攻撃を仕掛けます!勇中尉、シャーリーさん!」

 

 「おう!」

 

 「了解です。」

 

 

 

 三人は情報のあった空域に向かうと確かに大型ネウロイが地上を攻撃しながら進んでいた。

 

 

 

 「大型ネウロイを止めます!極力地上の支援も怠らないで!」

 

 

 

 三人で大型ネウロイに挑み、地上部隊の防衛陣地の確保のための時間を稼ぐ。防衛陣地といっても、ある程度の領域と非武装地域が必要でそれを確認できなければ仮に沿岸部を取れたとしてもそれは陣地足り得ない。しっかりと攻撃をしかけてくるネウロイには退場してもらう必要があった。

 

 

 

 「敵の外殻は想像以上に硬いわ!カールスラントの未知の個体よ!注意して!」

 

 「うわっ!こいつビームの威力が今までのと桁違いだ!」

 

 

 

 カールスラントのネウロイは想像以上に厄介で、三人がかりでもやっとの思いで外殻を削る。しかし、その間に悲劇は続く。

 

 

 

 「ミーナ中佐、陣地中央にて敵の主力が進行中!押されています!」

 

 「なんですって!?」

 

 

 

 敵の主力はこの大型ネウロイではなく、反対の正面から空と地上の両方で攻めてきていた。中央を押さえている部隊からは救援の要請がひっきりなしになり、戦線が延びきったところで叩かれるビフレスト作戦と同様の様相を呈していた。

 

 

 

 「どうしていつもネウロイは!」

 

 

 

 臍を噛む思いだが、目の前のネウロイを片付けないことには板挟みになる。しかし、勇は積極的に前に出ようとする。

 

 

 

 「ここは私がなんとかします!ミーナ中佐は中央へ戻り、指示を!」

 

 「だめよ!ここが持たないわ!」

 

 「ミーナ中佐にはやるべきことがあります!大丈夫!こいつならあと少しで倒せます!」

 

 

 

 

 いつになく軽口を叩く勇の言葉を信じていいのか不安になったが、シャーリーも同意し、行くように促してくれた。

 

 

 「隊長、ここは私とゆうに任せな!」

 

 「ありがとう…すぐに追い付いて!」

 

 「任せて下さい!」

 

 「ゆうもいれば死ぬこたないって!」

 

 

 

 笑顔で送り出され、ミーナは中央に戻るが、そこは戦線が突破されかかり、もはや限界だった。味方のウィッチもだいぶ疲弊し、地上では肖気も蔓延し始めていた。これでは全滅もあり得ると考え、即座に撤退を指示するよう司令部に進言する。

 

 

 

 「防衛線崩壊!司令部撤退の指示を!」

 

 「味方部隊の収容に時間がかかっている。それまで時間を稼げるか?」

 

 「そこまで時間はありません。どれくらい必要ですか?」

 

 「およそ1200」

 

 

 

 残り20分もの間耐久するのは不可能に近かった。味方は崩れ、負傷者の運搬で闘えるウィッチの方が少なかった。これでは最悪の結末を迎えかねない。最悪の未来は、作戦に完全失敗し、勇を取られることだった。これ以上死傷者を出すわけにもいかず、指揮官として判断を下す以外道はなかった。

 

 

 

 「ウィッチは所定の防衛ラインを放棄。最終防衛ラインで態勢を整えます!急いで!」

 

 「それでは地上部隊に影響が出かねない!危険だ!」

 

 「それ以外に活路はありません。速やかに行動を開始して下さい!」

 

 「了解した。武運を・・・」

 

 

 

 ギリギリの選択だが、これ以外取れる選択肢もなかった。残り10分となったが、一向に撤収の完了が見えてこない。特にウィッチ隊員の戻りが遅くやきもきしていると勇が帰ってきた。

 

 

 

 「只今戻りました!」

 

 「途中で見つけたやつらも連れてきた!」

 

 

 

 よく見ると後ろには傷付いたウィッチがおり、前線まで命令が行き渡らなかったようだった。これもミーナの責任だと拳を握り混むが、時間が惜しかった。

 

 

 

 「負傷者を連れて直ちに空母へ帰投しなさい!残りは私が探します!地上部隊は撤収が終わりそうなので、あとはウィッチだけです!」

 

 「ダメです!ミーナ中佐!」

 

 

 

 ここで、勇が待ったをかける。ミーナが振り替えると勇が真剣な眼差しで止めにかかる。

 

 

 

 「ミーナ中佐にはミーナ中佐のすべきことがあります!」

 

 「ここは指揮官が率先して指示を出すべきです!残されたウィッチを救援に向かいます!」

 

 

ミーナは責任ある地位の者として、ウィッチを救い、当初の絶対目標である勇を守り切るというものを自分の中で確固たるものとしていた。しかし、勇はそれすらも反対する。

 

 

 「それなら私が向かいます!ミーナ中佐は現在残されている大部隊を率いて下さい!今この瞬間の指示で皆の運命が決まるのです!」

 

 

 

 勇の必死の説得に心が揺れる。確かに大方のウィッチは収容でき、残りは空母に帰還するだけだが、空母は移動しており、経験のあるものでなければ最悪燃料が切れて墜落する。そこには指揮官が必要であり、指揮官は安全な場所で適切な指示をしなければならない。しかし、ミーナのような現場を重視する指揮官からすれば受け入れられない逃亡であった。それに最悪の結末である勇が一人で行動することは避けたかった。ミーナは勇こそを引き留めるべく説得する。

 

 

 「あなたこそもう魔法力が限界よ!ここは余力のある私が…」

 

 「ミーナ隊長!あなたはまだ周りが見えていないんですか!?」

 

 

 

 胸ぐらを捕まれいつになく怒りを込めた力でミーナを睨む。勇の言葉はさらにミーナを迷わせる。

 

 

 

 「ミーナ隊長!今この場にいるウィッチを救えるのは隊長!あなただけだ!そして、これから救いに行くウィッチを救えるのは私だけだ!」

 

 

 

 強い怒気とおそらく真理である言葉に、隊長としてのミーナの立場を見直させる勇の言葉に、ついにミーナは折れた。

 

 

 

 「わかったわ…でも、必ず戻りなさい!約束は守るのが軍人よ!」

 

 「了解!シャーリー大尉、負傷者は任せます。あなたのスピードが頼りです。」

 

 「わかった…任せろ!」

 

 

 

 敬礼するとすぐさま反転し、戦火の激しい地域に突っ込んで行ってしまった。ミーナはそれから目を離すと振り返り指揮を執る。

 

 

 

 「撤退します!」

 

 

 

 勇は周囲を探索し、生存者がいないか確認する。すると、地上の建物から口笛が聞こえる。近づくと3人のウィッチがおり、一人は負傷していた。安心させるべく、比較的軽症な者に質問する。

 

 

 

 「既に撤退命令が出ています。今すぐ行きましょう!」

 

 「敵がこの先の通りに構えているから抜け出さないの!どうすれば!?」

 

 

 

 勇は自分が囮になると宣言し、報告通りネウロイを威嚇すると隙を作り、三人を逃がした。情報によるとあと二人の生存報告があり、2ブロック先にいるとのことだった。周囲を見渡すと確かにネウロイが殺気立っている箇所があり、そこに手榴弾をばらまいた。一気に殲滅し、確認すると一人の負傷したウィッチが必至に立て込もっていた。

 

 

 

 「もう大丈夫だ!帰ろう!」

 

 「もうダメかと…ふぇ…」

 

 「泣くのは生きて帰ってからだ!もう一人は?」

 

 

 

 首を横に振り、戦死したことが分かった。さらに確認すると脚に怪我をしており、ユニットも紛失していた。肩を貸し、退却しようとするとネウロイが集まり始めた。

 

 

 

 「もう…だめ…」

 

 「諦めるな!まだ生きてる!」

 

 

 

 この感覚を久しぶりに感じてしまった。熱い血が頭に上り、心だけが異常に冷たくなるこの現象を勇は一度経験している。ネウロイが集まり始め、自分の身も危ういこの状況は昔のあの時と状況が酷似していた。今すぐにでも、この命の灯火を消すことはできる。だが、今の勇は一歩を踏み出せる人間になっていた。

 

 

 

 「シールドだけでも張れるか?」

 

 「少しなら…」

 

 

 

 その言葉を聞き、ウィッチを担ぐと走りだし、エンジンをぶん回して逃げる。ネウロイが四方から追っ手を放ち、まさに四面楚歌の状況だが勇は最後の武器と弾薬をぶちまけることで対応する。少しは追っ手との距離は稼げ、軽くもなったがそれでも一人を背負っててはいずれ追い付かれてしまう。とにかく早く、前だけを向いてひたすらにエンジンを回し続けた。弾薬がなくなれば銃で殴り、それも壊れたらあとは刀で斬りかかる。無茶苦茶な戦いで、しがみつくウィッチの手にも力が入ってしまう。

 

 

 

 「いやぁぁぁ!落ちる!」ギュッ!

 

 「く、苦しい!」

 

 

 

 首が締まる形となり、ウィッチの力ともなればそれなりに意識も遠退いてしまう。しかし、それが幸いして、ネウロイの攻撃を間一髪でかわす。海洋に出たため、あとはひたすら超低空を飛行し、敵の攻撃をやり過ごすだけだった。敵の攻撃はいつ当たってもおかしくはなく、勇も必死の覚悟だった。しばらくして、酸欠と披露で意識が朦朧とし始めたころにはネウロイが追撃を止めていた。

 

 

 

 「起きて下さい!寝ちゃだめ!あそこに空母が!」

 

 「はっ!」

 

 

 

 目を覚まし、必至に思考を整理して眼を凝らすと遠くに空母があった。偶然とはいえ奇跡だった。しかし、そのあと少しが猛烈に辛く、魔法力もガス欠気味だった。それに妙にダルく、目も霞んできてしまった。

 

 

 

 (まずい…どうしてだ…)

 

 「はっ!怪我してます!脇をやられてます!」

 

 

 

 いつの間に撃たれていたのかわからないが、出血していたのに気付かないほど集中し、全力で稼働していたため多量の出血となってしまった。それでも最後の力を振り絞って空母の上空まで辿り着くと、そこにはミーナとシャーリーらが待っていた。

 

 

 

 「おーい!こっちだこっちー!」

 

 「よかった…」

 

 

 

 甲板に大勢の人間が集まり、勇たちを迎えに来た。しかし、もう着くというところで気が抜けてしまい、甲板までのスピードが足りず高度を落としてしまう。

 

 

 

 「勇中尉?!」

 

 「ゆう!?」

 

 

 

 しかし、甲板から見えなくなってすぐ、もう一度浮き上がり、弾むようにして着地をし、すぐに倒れこんでしまった。すぐに衛生兵が担架で運び、ミーナが横で話をかけ続ける。

 

 

 

 「ゆう!戻ってきたわね!あなたが助けたウィッチはみんな無事よ!だから、あなたも大丈夫!しっかりするのよ!」

 

 

 

 その言葉を聞いて安心して、勇は少し意識を手放した。

 目を覚ますと、白いシーツで囲われた部屋に寝かせられていることに気付き、身体を起こすとダルさで足下が覚束ないことに気付き、ゆっくりと辺りを見渡す。すると、他の床についていたウィッチや兵士がこちらに気付き、目を真ん丸にすると大きな声で叫び始めた。

 

 

 

 「おおい!英雄が目を覚ましたぞぉ!」

 

 「軍医さん!軍医さん早く!」

 

 

 

 軍医とミーナ、シャーリーが飛んで来て、勇の無事を確かめる。

 

 

 

 「よかった…本当に…」

 

 「ゆう!お前凄いぞ!やったな!」

 

 

 

 訳もわからずただぽかんとしていると、周りの兵士やウィッチたちから拍手が徐々に大きくなり、口笛などの喝采に場は包まれた。すると、奥から艦長が現れ、手を差し出す。

 

 

 

 「赤松勇中尉、貴官は本当によくやってくれた!感謝の念に絶えない!貴官のおかげで我々は全滅を免れた。ありがとう。本当にありがとう!」

 

 

 

 おまけに武功勲章や戦傷勲章、敢闘勲章などの勲章や表彰状が送られるだろうと盛大に祝われ、勇はパニックだった。いわく、勇は大型ネウロイを地面に追い落とすと刀で両断し、地上ネウロイ共々粉砕。そして、撤退の時間を稼ぎ、逃げ遅れたものを助けだし、その全員が無事であった。さらに、その撃墜、撃破数は数えただけでも撃墜15地上撃破22救出4人と華々しい結果だった。勇は居たたまれなくなりながらも感謝を受け取った。代わる代わる兵士や救出したウィッチやその上官からお礼を言われ、もはやスターのような扱いだった。

 

 

 

 「ふう…少しは休ましてほしいな。」

 

 「誰でもあの奇跡を目の当たりにしたらすがりたくなるものよ。」

 

 「最後の滑り込みなんか映画のワンシーンみたいだったもんな!」

 

 

 

 誉めちぎられているが、ミーナも勇も本質は分かっているからこそ喜べなかった。

 

 

 

 「何人失ったでしょうか。」

 

 「さあ、少なくともウィッチは6人戦死・行方不明、4人戦闘不能よ。結果としては戦力を徒に減らしたわ。」

 

 「失敗ですね。大失敗…」

 

 

 

 その言葉は空母の中に消えていった。この作戦は被害が少なく抑えられたが失敗以外の何物でもなかった。

 基地に帰ると噂を聞き付けた隊員たちの厚い洗練を受けた。バルクホルンは怪我を心配しつつも功績を誉めそやした。他の隊員も流石だと勇を慰めてくれていた。

 この件を機に、しばらくは勇への引き抜きは鳴りを潜め、勇は戦闘からは離れることになった。それでも記者などは華々しい功績を立てた勇の取材に赴き、出撃しないのなら取材を受けろと坂本に命令され渋々取材の波に揉まれる日々だった。

 

 

 

 「撃墜数が通算150機を越えたとの声もありますが本当なのでしょうか?!」

 

 「扶桑では個人の公式な撃墜記録を認めていないためお答えしかねます。」

 

 「ウィッチを4人も救出した赤松中尉にお聞きします!救出した時、何を感じましたか?」

 

 「生きていてくれて良かった。それと、助けられなかった者たちに申し訳ない気持ちで一杯でした。」

 

 

 

矢継ぎ早の質問に困惑しながらも、勇は思ったことを述べていく。しかし、一向に記者たちは華々しい戦果を尋ねるばかりで、勇は内心辟易していた。

 

 

 

 「空母まで辿り着くには相当危険な状態だったと話題ですが、最後まで粘れた秘訣はなんでしょうか?」

 

 「帰ること、約束したからです。」

 

 「それは恋人なのでしょうか?!」

 

 「仲間たちです。」

 

 「国民に向けて一言!」

 

 「大層なことは申せませんが…必ず勝つその日まで使命を全うする所存です。ですので、国民の皆さまには…」

 

 

 

 永遠と続く記者の質問は華々しい戦闘の記憶や、救出劇、英雄単など勇の心はすっかり疲れてしまい、以降見かねたミーナとバルクホルンにより終了させられた。そして、しばらくは出撃を控えることになった。

 

 

 

 「ゆう!見てくれ!」

 

 「なんだいトゥルーデ?」

 

 

休暇中の勇に子どもが褒めろとばかりに自慢げに物を提示するかのようにバルクホルンが訪れた。

 

 

 

 「カメラだ!これはカールスラント製のライカだ!記者たちを怒鳴ったら記念に貰った。だからゆうにやろう!」

 

 「そんなことしてたんだ…」

 

 

 久しぶりの休暇ではルッキーニに引っ張り回されたり、ハルトマンの部屋の掃除を手伝ったり、お風呂に入ったり、坂本と稽古をしたり、ペリーヌから茶葉をもらい、それをサーニャとエイラたちと嗜むなど充実した時間を過ごしていた。バルクホルンは実はその瞬間をカメラで収めており、自然体の勇を被写体にすることに成功していた。実はもうすぐ勇の誕生日であり、それに向けてバルクホルンは張り切っていた。

 

 

 

 「本当は私が撮ってやりたいとこだが、ゆうの物だからな!」

 

 「はいはい、じゃあ一緒に写ろうか?」

 

 

勇は呆れつつも、バルクホルンの行為が素直に嬉しく思い、二人で写真を撮ろうと提案する。

 

 

 

 「なっ!?いや、私はいい…」

 

 「遠慮しないで!ほら、姉さん。」

 

 「な、な、私は姉ではないぞ!」

 

 

 そう言いながらも満更ではない二人は揃って写真を撮った。いろいろとバルクホルンのポーズ指示が入り、何枚も撮らされたが緩やかな日常を勇も楽しんでいた。

 

 そして、このような事件があってから、勇だけに頼るのは良くないと考え、今回の迷惑料としてブリタニアから一人ウィッチの派遣を要請した。すると、政府は渋々出すことを決定し、これが501の最後の隊員となる。まだ兵学校を出たばかりの新人だが、射撃は上手く、血筋も良いことから配属が決定した。ブリタニア北部の訓練場から飛行機で最前線まで来るため、護衛にリハビリも兼ねて勇が選出された。というのは建前で、今日が勇の誕生日であり、その間に歓迎会と誕生会をやろうと決まり、なるべく基地から遠ざけることを提案してのだった。

 

 

 

 「今回も新たな仲間が加わるわ。迎えに行ってもらえるかしら?」

 

 「久々に空を飛ぶ気がします。了解です。」

 

 

ミーナにお願いされ、否応なく了承する。勇も久々に空を飛びたい気分だった。

 

 

 

 「可愛いからって手を出しちゃダメよ?トゥルーデに報告しますからね?」

 

 「しませんよ!」

 

 

 

 そんな軽口を叩きつつ、準備をしていると坂本が報告をしてくれる。

 

 

 

 「今日は天気も悪くないし、ネウロイが来る予報もない。まあ、最近は予報も当てにならないから護衛を出すわけだがな。よろしく頼む。」

 

 「ただの護衛ですよ。気楽に行けます。」

 

 

 

坂本なりに久々に空に出る勇を心配してくれているようだった。

 

 

 

 「出撃のときにゆうがいないと案外背中が寂しいもんだぞ?」

 

 

そう言う坂本に勇は、坂本のピッタリの二番機を探さないとと提案する。今回のウィッチもその視野に入れていた。

 

 

 

 「じゃあ、坂本さんの二番機を探さないとですね。きっと面白いウィッチになるんでしょうね。」

 

 「リバウの頃は一人、泣き通しだったぞ。」

 

 「それは手厳しい。」

 

 

 

 朗らかに笑いかけ、坂本も勇ならばと安心して送り出す。風に乗って目的地を目指す。合流地点はブリタニア中東部の海岸沿いである。風を感じて陽を浴びながら勇は飛ぶ。

 

 輸送機ではリネット・ビショップ曹長が一人壁に寄りかかっていた。

 

 

 (わたしなかんがあの501でやっていけるのかな…)

 

 

 訓練では固有魔法の能力を生かし、射撃では教官からお墨付きをもらったわけだが、先日の戦いでは多くのウィッチが傷付いたと聞く。さらに、これからリーネが向かうのは精鋭揃いの猛者集団、第501統合戦闘航空団である。それを考えると憂鬱で、空を見て気分を紛らわす。そうしていると、機長から喜色の声が上がる。

 

 

 「いい天気…」

 

 「おっ!リネット曹長、迎えが参りましたよ!」

 

 

 

 前方を見ると確かに人影が近づいてきた。そして、無線に通信が入る。

 

 

 

 「こちら第501統合戦闘航空団赤松勇中尉、そちらはリネット曹長で間違いないか?」

 

 「こちらラビット1、リネット曹長輸送機です。あの赤松中尉に迎えにきて頂けるとは光栄です。よろしくお願いします。」

 

 

 

 リーネも聞いたことがあった珍しい男性ウィッチの赤松中尉だった。いわく、歴然の古強者で、撃墜数は100機とも150機とも言われている本物のエースウィッチである。ネーデルランド反抗作戦では鬼神のごとき活躍をし、幾人もの命を救った英雄である。そんな人物が自分を迎えに来たと思うと恐縮してしまった。

 

 

 

 「こちら、リネット・ビショップ曹長です…よろしくお願いします…」

 

 「こちら赤松勇中尉です。こちらこそ歓迎します。」

 

 

 

 怖いと思っていた予想とは裏腹に優しい声音と丁寧な言葉遣いであることにおどろいた。そして、リーネのいる窓際に近づき挨拶をしている姿は軍人そのものだがどこか優しい感じがした。落ち着いて、会話の内容を考えたりしていると、機と副機長などは勇の英雄譚を披露していた。

 

 

 

 「赤松中尉はこれまで無敗のウィッチらしいぞ!前回の作戦もウィッチを救出したそうだし、さぞかしモテるんだろうな?」

 

 「若干17歳でここまでの武功を挙げるとは流石は501のウィッチですね。」

 

 

 

 機体の外では勇が並走し、時折周囲を見渡したりしている。こここらみればどこにでもいる普通の軍人で、どうも実感が湧かなかった。噂からどんな傑物がいるのかと怯えていたが、案外噂は噂なのかもしれないと、そう思っていると勇から通信が入る。

 

 

 

 「進路上に未確認機。他に航空機は飛んでいる情報はありますか?」

 

 「目がいいですね。ここはブリタニアですからね、同じ航路の航空機の情報なんてあったか?」

 

 「いや、聞いてませんね。」

 

 

機長も副機長も情報を照会するが、この空域に別の航空機が飛んでいるという予定は確認できなかった。しかし、勇はその返答を聞くと顔を引き締め、声音が変わる。

 

 

 

 「じゃあ、敵だ。」

 

 

 

 突然トーンが下がり、劇鉄を上げると外の勇の顔は軍人の顔になった。しかし、ブリタニア上空でのネウロイならば警告があり、それこそ間違いだと誰しもがそう考えた。しかし、勇は副機長の静止の声にも迷わず突っ込み始めた。

 

 

 

 「あっ!待って下さい!友軍の可能性も!」

 

 「いや、間違いない。ネウロイだ。」

 

 「分かった!進路変更!海に出るぞ!」

 

 

 

 地上に被害が出ないよう海上に逃げるが、一瞬で戦闘の緊張感に包まれ、リーネは震える。

 

 

 

 (どうして…ここにはネウロイなんかいないはずなのに!)

 

 

 

 窓の外を凝視すると、確かにネウロイだった。ゴマ粒のような点からネウロイを察知し、すぐさま攻撃に移る姿勢は流石の勇だとだれもが感じ、また彼ならばと安心していた。

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
勇の大活躍ぶりはもう映画化決定ですね!
さて、いよいよ次回を持ちまして最後の投稿になります。最後まで是非、ご覧になって行ってください!
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