比企谷君と坂柳さん   作:東雲 那音

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久しぶりですね!
今回は小町が登場する回です。


K・M・T!!

このマンションに引っ越してきて約三ヶ月、季節は春に近づき暖かくなってきている。そんな心地いい時期、快晴の空の下で俺は自宅で掃除をしていた。理由はもちろん、小町が来るからだ。

 

小町に最後にあったのは2ヶ月前、千葉から東京に来るのは大変なことや受験もあってお正月以降会えなかったのだ。受験は海浜中学校を受験して無事合格。電話でその報告が聞けた時は俺も喜んだ。小町は嬉しくて泣いてたし俺ももらい泣きしてしまった。

 

合格したことで小町が久しぶりに会いたいと言い出し、断ることもないので承諾した。可愛い妹からのお願いを断るなんて俺には無理だ。

 

「ふぅ、掃除はこれくらいでいいか」

 

部屋は常日頃からそうじしているのでそこまで大掃除はしなくていい。特に最近はあいつが来るようになったせいで、掃除にはより一層気を使うようになったしな。

 

あいつとはもちろん坂柳のことだ。初めてあった時に連絡先を交換(ほぼ強制的に)してから話すようになった。坂柳は先天性心疾患を患っていて、運動が出来ないがその分……いや、それ以上に頭がとにかく良い。頭がいいと言っても勉強ができるだけでは無い。坂柳を一言で表すなら『天才』これ以外の言葉はない。……いやあったわ、あいつ魔女だわ。分かりやすく言うなら雪ノ下さんが運動出来なくなった代わりに頭脳がもっと進化したみたいなものだ。しかもそこにS属性を付け足している。まさに魔女だな。

 

俺は何故か坂柳に目を付けられてしまい、電話で呼び出されたりするようになり暇つぶしの玩具にされている。なんで目を付けられたんだろうか……。

 

まあでも、いいこともある。俺は学校に通うことになるまで自分で勉強しないといけないのだが、坂柳にノートを見せてもらいながら勉強させてもらっている。どうやら坂柳は俺が通うことになる中学に通っているようで、それを知った坂柳が勉強を教えると提案したのだ。俺は坂柳に勉強を教えて貰ったおかげで苦手だった理系が克服出来た。それに加え、文系もよく分かるようになり苦手科目が無くなった。

 

坂柳は教えるのが上手いから頭に入りやすい。最近では俺の家で二人で勉強なんかもやっている。男女二人っきりの空間になるから坂柳がからかってくるのが難点だけど。最初は家にあげることすら拒んだけど玄関の前で泣きながらまちます。なんて言われたら入れるしかなくなるわ。

 

しかも来る度に坂柳の私物が少しずつ増えてる気がする。最初は一緒にやろうと言ってチェスを持ってきたんだが、そこから紅茶を俺ん家でも飲めるようにとティーカップと高そうな茶葉と増えていき、この前なんて服(下着も含む)まで持ってきたんだぞ?おかしいだろ。理由を聞いたら、この前雨が降った時に雨宿りと濡れた体を温めるために風呂を貸した。その時に着替えの服が男用しかないし、このようなことがまたあるかもしれない、だとか。さすがに服はと思いやんわりと断ってみたが却下(涙目の上目遣いで「ダメ、ですか?」と言われて、耐えきれずOKした。)された。

 

坂柳とはなんだかんだいって仲は良好だと思う。坂柳から遊ばれることはあっても暴言を吐かないから居心地がいい。奉仕部にいた時よりも安心というかいて心地良く感じるのだ。あっ、別にMじゃないからな?

 

それに坂柳のおかげで新しい趣味も増えたし。新しい趣味とはチェスのことで、進められたことから始めた。チェスは奥が深く一人でもできるし、坂柳とやればいろいろな手で攻めてきて面白い。始めたばかりの時はコテンパンにやられてたが、今では勝率は半々と言ったところ。坂柳から珍しく褒められたっけか。その後にぼそっと『比企谷君は私と同じかもしれませんね』と言われたな。何が同じなのかはわからんけど。

 

「っと、そろそろ小町が来る時間だな」

 

時計を見れば昼の12時、小町がやってくる予定時刻だ。

 

―ピンポーン

 

「はーい。どちら様ですか?」

 

『お兄ちゃん、小町が来たよー』

 

インターホンが鳴り響き、モニターを確認すれば小町が立っている。俺とお揃いのちょこんと生えたアホ毛にクリクリとした目、活発そうな整った可愛い顔。俺の妹だな。小町マジ天使、略してK・M・T!

 

「今開けるから待ってろ」

 

『はいはーい』

 

玄関で鍵を開けて小町を招き入れる。久々の再開に嬉しく感じるが立ちっぱなしなのも行けないので中で話そう。

 

「お兄ちゃん久しぶり、元気にしてた?」

 

「おう、元気だったのが小町とあってもっと元気になったぞ!」

 

「うんうん、そう言って貰えると小町的にポイント高いよ」

 

二ヶ月ぶりに会う小町は少し成長していて、背もわずかだが伸びている。小町の成長が見れてお兄ちゃん嬉しいよ。

 

「もうお昼だから、今日は久しぶりに小町がご飯つくってあげるね」

 

「それは楽しみだな」

 

「お兄ちゃんは何が食べたい?」

 

「小町の手料理ならなんでも美味いけど……。そうだな、じゃあチャーハンにしてくれ。手軽で簡単だしな」

 

「分かった〜」

 

小町は俺がいつも使っているエプロンをつけてキッチンにたった。一人暮らしをするようになって、小学生レベルの家事がレベルアップしたおかげで今の俺は凝った料理も作れるようになった。俺の料理は結構美味しいらしく、たまに坂柳が食事にくる。俺は日頃勉強を教えて貰っているお礼として振舞ったのが原因で来るようになったんだよなぁ。ご飯を食べる姿は可愛いんだよなぁあいつ。

 

「お兄ちゃん〜、机拭いて食器並べて〜」

 

「了解〜」

 

小町はルンルン♪と鼻歌混じりにご飯を作っている。懐かしいな、小町がご飯を作る姿。前はほぼ毎日見ていたけど、今はそれがないからな。

 

「はい、出来上がり〜!ささっ、早く食べよお兄ちゃん!」

 

「おう。いただきます」

 

「召し上がれ!」

 

「うん、やっぱり小町の飯は美味いわ」

 

「ふふっ、ありがとうお兄ちゃん」

 

この後、俺と小町は雑談をしながら昼食を楽しんだ。食べた後に小町が汗をかいたからと風呂に入り、一人でソファに座ってマッ缶を飲みながらテレビを見ている。小町が風呂から戻ってきて、俺の隣に座った。このまま緩やかな時間が流れるかと思いきや、小町が爆弾を投下する。

 

「それでお兄ちゃん、食器棚にティーカップがあったけどあれは何かな?それに高そうな紅茶の茶葉もあったよ?」

 

「ぶぅっ!……ごほっ、けほっ」

 

「いきなり吹き出してどうしたの?もしかしなにか隠してる?」

 

「い、いや、お兄ちゃん最近紅茶にハマりまして……」

 

「ふ〜ん。……じゃあ、お風呂場にあった女性用の服は?」

 

「……」

 

「……」

 

「……全て話します」

 

「よろしい」

 

俺は小町に坂柳の事について話した。引っ越してきて直ぐに出会ったこと、勉強を教えて貰っていること、性格はSだが悪いやつでは無いこと。小町は話を黙って最後まで聞いてくれた。

 

「お兄ちゃん、もう、傷つかないようにね。小町もお兄ちゃんを守るから」

 

「ありがとな小町」

 

「でも、小町はその坂柳さんをまだ信用していません!だから会って話してから小町は判断するからね?」

 

「おう、そうしてくれ」

 

―ピンポーン

 

「お兄ちゃん、誰か来たみたいだよ?」

 

「そうみたいだな。俺何かネットで頼んでたか?」

 

何か頼んだ覚えはないんだが……。マッ缶はこの前届いたばかりだしいったい誰だ?モニターを確認すると、そこにはあいつがいた。

 

そう、坂柳だ。

 

「……どうしたんだ坂柳?」

 

『来る、と先程メールを送りましたよ?』

 

「そうだったか?……ぁ、マジだ。気づかなかったわ、すまん」

 

『別にかまいません。それよりも立ちっぱなしも辛いので入れて貰えないでしょうか?』

 

今は小町が来ている。小町と坂柳を合わせるのは別にいい。しかし小町と久しぶりにあったのだ。二人っきりで家族団欒していたい。でも、坂柳からのメールに気づかなかったのは俺のミスで坂柳は悪くない。しかも、動きづらいにもかかわらずわざわざここまで来てくれているのに帰すのも悪い気がする。

 

俺はため息を着きながら坂柳を家に招き入れた。

 

「あぁわかった。今開ける」

 

「お邪魔します」

 

最愛の妹と魔女の会合が今、起きようとしていた。




小町は天使、坂柳有栖は魔女。
ほんとは坂柳有栖は魔王にしたかったけど、魔王ははるのんなので魔女にしました。他にいいのがなかったんだもん!
あと、戸塚も天使。トツカエルだ!戸塚可愛い、略してトツカワ!

今後の流れはどれがいい?

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