比企谷君と坂柳さん   作:東雲 那音

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三話〜。





チキチキってなに?

「こんにちは、お兄ちゃんの妹の比企谷小町です!」

 

「こんにちは。坂柳有栖といいます」

 

俺の前には最愛の妹である小町と魔女こと坂柳が対峙している。坂柳はニコニコと余裕?の表情で小町を見つめ、ついでに威圧?のようなものを出している。小町は小町で笑顔だが目の奥で坂柳を観察している。そしてこちらも威圧?のようなものを出している。お互い笑顔の筈なのにここだけ温度が低いのは何故だろうか?というか坂柳はなんで小町に威圧を放っているのだろうか?

 

「いや〜、有栖さんお人形さんみたいで可愛いです!肌も白いし髪色も綺麗ですね」

 

「ふふっ、ありがとうございます。そちらも随分と可愛らしいですよ?目もクリクリとしてて元気ですし、活発な女の子で羨ましいです。私は体が不自由なので」

 

「そうですか?いやはや、そう言ってくれると小町も嬉しいです!」

 

まずはお互いを褒め合う。二人ともまずは見た目から攻めていく。何を攻めてるんだろ?あれか?私の方が可愛い!とかか?

 

「そういえば、兄にお勉強を教えてくれたそうですね。兄も喜んでいましたよ」

 

「そうですか。比企谷君は元々頭が良かったようなので知識をどんどん吸収していって教えがいがあって、こちらも楽しかったです」

 

その後も十分ほど二人の会話は続いた。最初は腹の探り合いのような会話でマウントを取り合っている感じるだったが、いつの間にか二人は会話を楽しんでおり友達のように見えてきた。俺、空気な気がしてきた。

 

「それにしても比企谷君に妹がいるなんて驚きました。なぜ教えてくれなかったのですか?」

 

ぼーっと二人の会話を聞きながら眺めていると、ふと坂柳が俺に話をふってきた。どうやら俺が一言も妹がいると言っていなかったので小町の存在に驚いていたようだ。

 

「……聞かれなかったからな」

 

「ほー、そうですか……」

 

坂柳は俺を何故かジト目で見てくる。何その目。マジでやめて!それに発せられた言葉にはなにか不安を感じる。数秒ジト目で見てきたが、急になにか面白いことを思いついたような表情になりニッコリと俺を見てくる。俺の背中は何故か冷や汗が流れる。いったい何を企んでいるんだ?

 

「比企谷君……いえ、お二人は兄妹でしたね。同じ苗字なので呼び方を変えましょう」

 

坂柳は今日イチの飛び切りの笑顔で

 

「これからは八幡君と呼ぶことにしますね」

 

俺の名前を呼んだ。

 

名前を呼ばれることくらいどうでもない。俺はさっきの嫌な予感が外れたのかとほっと一息着いたが、まだ終わってなどいなかった。魔女からは逃れられない!

 

「八幡君、私だけが名前を呼ぶのは不公平ですし、私の事も名前で呼んでください」

 

マジでやめて欲しい。

 

ぼっちである俺に女の子を名前で呼べとか難題だ。しかもそれが美少女となると難易度がグンと上がる。というか恥ずかしい。

 

「い、いや、ふ、不公平じゃないと思うぞ?呼び方なんて人それぞれだし俺は坂柳って呼ぶ方がしっくりくる」

 

「そうですか……、苗字呼びの方がしっくりくるということは、そこまで私たちは仲良くなっていなかったんですね……」

 

「べ、別に名前呼びしてれば仲がいいって訳じゃないと俺は思うぞ?」

 

「慰めなくていいです。私がかってに仲良くなったと思っていたのが悪いのですから……。友達が出来たと思って喜んでいた自分が恥ずかしい……」

 

坂柳は悲しそうな目で下を向きながら目の端にじんわりと涙を浮かべている。何この罪悪感。小町も「何悲しませてんの!」って目で俺を見てくる。

 

「ち、違う!俺はお前を友達だと思ってる!で、でも名前を呼ぶのが恥ずかしいというか……」

 

「名前を呼ぶのが恥ずかしい、ですか?」

 

「俺にとっては名前呼びは小町以外にしたことないんだよ。初めて名前を呼ぶ相手がお前みたいな可愛い女子とかハードルが高いんだ」

 

「か、かか、可愛い……!そ、そうですか。分かりました、では今はそのままでいいです」

 

「悪いな。いつか必ず名前で呼ぶから」

 

「は、はい」

 

(揶揄おうと思ったら思わぬ不意打ちを受けてしまいました……。面と向かって可愛いと言われたのは初めてですね。恥ずかしいです……)

 

坂柳はどうやら気を取り直したようだ。約束もしたし、今は無理だが、いつか必ずこいつのことを名前で呼ぼう。

 

それに、坂柳がさっき、友達が出来て喜んでいた。この言葉に俺の奥にある本物を求める気持ちが膨れ上がった。坂柳となら本物を見つけられる。俺はそう期待した。

 

 

 

 

 

 

 

「ドンドンパフパフ〜!第一回、チキチキお兄ちゃん強化計画〜!」

 

あれから三人で紅茶やコーヒー、お菓子を準備してプチパーティーしていると、小町がいきなり意味のわからないことを言い出した。なに、お兄ちゃん強化計画って?

 

「チキチキは大会などで使うのでは?」

 

「言うとこ違うだろ、チキチキよりもお兄ちゃん強化計画だろ!なにそれ?」

 

「よくぞ聞いてくれました!」

 

小町は胸をはってドヤ顔で説明を始める。

 

「お兄ちゃん強化計画とは、文字通りお兄ちゃんを強化します!」

 

「八幡君を強化するとは具体的に何をでしょうか?」

 

「確かに俺の何を強化するんだ?勉強なら苦手な理系も坂柳のおかげで克服できたし、運動もそこそこできるし家事も前よりはできるぞ?」

 

あれ?意外と俺って高スペックじゃね?

 

「強化するのはお兄ちゃんの見た目だよ!というわけで近くのデパートに行きます!」

 

 

 

というわけでやって参りましたデパート。今は服屋にいる。小町と坂柳は服を探してくると俺を置いて服を選びにいった。俺一人だとこんなリア充の巣窟のような場所は居心地が悪い。目が腐っているせいかさっきから女性の店員がこっちを警戒してみてくる。

 

「お兄ちゃん準備できたよ〜」

 

「お?やっと戻ってきたか」

 

小町と坂柳が服を持って歩いてきた。手には選んできたであろう服がある。どうやら二人でそれぞれ選んだようだ。

 

「まずは私のを先に試着してください」

 

「わかった」

 

坂柳に渡された服を手に試着室に入り服を着替える。これ本当に俺に似合うのか?俺が着るのじゃなくてイケメンとかが着るやつだろこれ。しかし坂柳が選んでくれたのだ。ちゃんと着よう。

 

「おわったぞ」

 

「おーお兄ちゃんまあまあ似合ってるね!」

 

「まあまあってなんだよ。てか、やっぱこれ俺が着るようなもんじゃないだろ」

 

「大丈夫です。ちゃんと似合っていますよ?」

 

「そうか?」

 

「そうです」

 

「そうだ忘れてた。お兄ちゃん、背中伸ばして猫背直して」

 

突然小町が猫背を直すようにいい、俺は黙って従う。俺は意外と高身長なので猫背を直せば背が高くなる。なんか世界が高くなったな。

 

「はい、次はこれつけて」

 

渡されたのは眼鏡。度が入っていない伊達メガネを受け取り俺はかけてみる。これでなにか変わるのだろうか?

 

「おぉ!お兄ちゃん、これは小町的にちょーポイント高いよ!」

 

「はぁ?」

 

「は、八幡君驚きました。眼鏡をかけるとイケメンになるんですね……」

 

何故か褒められる。イケメンになるとは一体なんのことだろうか。坂柳なんてちょっと頬が赤くなっている。

 

「こ、こちらをどうぞ」

 

考えていると、ちょうど店員が鏡を持ってきてくれた。何故か顔が赤い。というかこの店員さっきから俺を警戒していた人だ。小町も坂柳も鏡を見るように促すので鏡を覗いてみると

 

 

そこにはイケメンがいた。

 

 

「いや誰だよ!?」

 

思わず突っ込んでしまった。眼鏡をかけただけでここまで変わるものなのか?俺は眼鏡を外して鏡をみる。映っているのはいつもの目の腐った俺。眼鏡をかけて鏡をみる。映っているのは目の腐りのないイケメンな俺。

 

俺は目が腐ってなかったらめちゃくちゃイケメンだったようだ。眼鏡で目の腐りが隠されて元のイケメン面になったようだ。イケメンになったことに驚くべきか、目の腐りがイケメンを殺していたことに驚くべきか。

 

その後、テンションの高くなった小町と坂柳、あと何故かさっきの女性店員にあれこれ服を渡されて着せ替え人形にされた。俺は人形じゃないんだけど……。

 

結局服を6着購入して店をでた。出る時に小町に猫背を直すこととこれからは外出の時は眼鏡をかけることを義務付けされ、俺は従うことになった。ついでに言うと店を出た時は坂柳が最初に選んだ服を着て出た。

 

 

 

そして、帰り。

 

「ねぇ、君。私たちと遊ばない?」

 

「一緒にお茶しよ?」

 

不思議なことに逆ナン9回という意味不明な出来事が起きたのだった。

 

逆ナンされる度に小町は上機嫌に、坂柳は不機嫌になるという対象的なことがあり、坂柳に半強制的に明日は一緒に遊ぶことを約束されたのであった。




アンケートが均衡しているから、頑張って二つ共のルートをかいた方がいいのかな?

今後の流れはどれがいい?

  • ようこそ実力至上主義の教室へ
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