比企谷君と坂柳さん   作:東雲 那音

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今後の流れはよう実ルートにしていきたいと思います。
今回は頑張って坂柳を可愛く書いています。自分にそこまで文才がないので期待はしないでください。、


坂柳有栖は可愛い

チキチキお兄ちゃん強化計画!を行ってイケメンになったその次の日。床に敷いた布団から起き上がりデジタル時計を確認すると、3月12日 6時00分を示している。隣の俺のベッドには小町がスヤスヤと寝息をたてながら眠っていた。全く、可愛いやつめ。

 

小町を起こさないように部屋を出てリビングにでる。小町は今日の昼前には帰る予定で、昼からは昨日、坂柳と遊ぶ約束をしている。何をするかはまだ聞いていないので一応、出かける準備もしておいた方がいいだろう。

 

俺は出かける準備をする前に朝食の準備をすることにした。小町にお兄ちゃんが家事がどれだけできるようになったかみせてやるぜ!

 

さて、朝食は何にしようか……。

 

朝食を何にするか悩み頭を回転させる。昨日、小町がフレンチトーストが食べたいと言っていたの思い出したのでフレンチトーストを作ることにした。

 

冷蔵庫を確認すればちゃんと材料は全てそろっているので早速調理に取りかかろうとすると……

 

―ピコ〜ン

 

スマホからメールが届いた。いったい誰からだろうか?と確認する必要は無い。このメールの差出人はもう既にわかっている。

 

スマホを開いてみれば、画面には『坂柳』の文字が表示してある。メールには、

 

『今日は朝からお邪魔してもよろしいでしょうか?

もし良ければ小町さんも一緒に朝食をとりたいです』

 

と送られてきている。これをみて、断っても意味ないだろうし、俺の家でご飯を食べるのはよくある事なので

 

『別にいいぞ』

 

と短く返信して、中断した朝食作りを再開した。

 

6枚入りの食パンを1枚を二つに切り、たまご、牛乳、砂糖、秘密の隠し味を混ぜた液体に浸して染みるまで待つ。秘密の隠し味は何かって?それは秘密だ。じゃなければ秘密も隠し味もなんでも無くなるからな。

 

待つこと十数分。

 

うん、しっかりと染みてるな。食パンを取り出しフライパンに並べて焼いていき、焦げ目が着いてきたらひっくり返す。作業を着々と進めていく。

 

「ふぁぁ〜。……おはようお兄ちゃん!」

 

あと少しで全ての作業が終わる頃に小町が起きてきた。寝癖がぴょこんと生えていて面白い。まだ眠いようで目を擦っている姿はまさに天使!

 

「おはよう小町。ご飯もうそろそろ出来るから顔洗ってこい」

 

「は〜い」

 

フレンチトーストは人数分出来たので机を拭いて皿を並べる。皿に盛り付けしていき、仕上げに粉砂糖を上からふりかけたら完成だ。

 

フレンチトーストだけでは彩りが寂しいので冷蔵庫からヨーグルトを取り出して白い容器を同様に人数分用意して入れていく。ナイフとフォーク、いちごにリンゴ、オレンジジャムを用意すれば朝食の準備は終わった。ちなみにジャムはヨーグルトが無糖なので味付けのためだ。

 

ーピンポーン

 

「お、意外と早かったな」

 

一応モニターを確認するとやはり、坂柳だったのでドアを開けて家に招き入れた。

 

「おはようございます、八幡君」

 

「おはようさん。朝食、もう出来てるぞ。手洗ってこい」

 

「はい。では、お邪魔しますね」

 

 

 

 

「「「いただきます」」」

 

「いやぁ〜、お兄ちゃんがここまで家事が上達していたとは、小町的にポイント高いよ!」

 

「はいはい、最後のがなかったらな」

 

「やはり八幡君のご飯は美味しいですね」

 

「うんうん。このフレンチトーストすごく美味しいよ!」

 

どうやらフレンチトーストはお気に召してくれたようだ。良かった、作ったかいがあったな。小町は美味しそうにもきゅもきゅと食べていて、坂柳は上品に頬が綻んでいて幸せそうにたべてる。まったく、こいつは本当に食べている時って可愛いよな。

 

「そういや坂柳、今日は遊ぶと言っても何するんだ?」

 

「そうですね。今日は3月12日日曜日、昨日行ったデパートに最近発行された私の読みたい本が発売されているかも知れません。比企谷君、今日は一緒にお出かけをしましょう」

 

「了解。じゃ、昼飯もそこで食うか」

 

「……そうですね」

 

何故か坂柳が悲しそうな目をして下を向いた。心做しか声も小さく聞こえたような気がする。

 

「どうした?」

 

「いいえ、なんでもありませんよ」

 

「そ、そうか?」

 

坂柳はそう言いつつもどこか不自然だ。なんだかソワソワしているようにすら見える。

 

「あっ、お兄ちゃん、小町そろそろ出るね。ごちそうさま、ご飯美味しかったよ!」

 

「おう。また来いよ」

 

「うん!じゃあね、お兄ちゃん、有栖さん!」

 

「はい、また会いましょう」

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ私たちも出ましょう」

 

「そうだな」

 

小町が帰ったあと、俺は食後に坂柳に紅茶を出して食器を洗った。紅茶は坂柳に色々と指導されたので淹れるのが上手くなっている。片付けも終わったので時間がくるまでチェスをして時間を潰していた。

 

家を出てデパートを目指す。坂柳の歩幅に合わせながらゆっくりと歩いていく。

 

「八幡君、今日は小町が帰ってしまいましたが寂しくはありませんか?」

 

「確かに寂しいけど、別に大丈夫だ。また会えるしな」

 

「そうですか……。それにしても今日はいい天気ですね。空が晴れ渡っていて、とても綺麗です」

 

「そうだな。こんな日は窓際で昼寝したら気持ちいんだよな」

 

「おやおや、ナマケモノさんですね」

 

「うっせ、別にいいだろ」

 

そんなこんなで会話をしていれば、気づいたら昨日行ったデパートに着いた。休日なので昨日より多く、親子連れや学生など様々な人が集まっている。

 

「では、本屋に使いましょう」

 

「はいはい」

 

「ところで八幡君、知っていますか?」

 

「え?何をだよ?豆しば?」

 

「今日は熊本県のゆるキャラ くまモンの誕生日らしいですよ?」

 

「ゆるキャラって誕生日あったの!」

 

なにそれ、初めて知った。ということは他のゆるキャラにも誕生日があるのだろうか?例えばねばーるくんかバリィさんとか。いや、どうでもいいか。

 

「はい、私も実はつい最近知ったので、この知識を八幡君と共有しようかと思いまして」

 

「なにゆるキャラの誕生日の知識を共有って……。てかよく見つけたなその情報」

 

「……たまたまですよ」

 

「お前もしかしてゆるキャラ好きなの?」

 

そうだとしたらこいつ可愛いものとか好きなのか?部屋にぬいぐるみとか沢山置いてたりしてな。

 

「別にそうではありませんか」

 

「あ、そうなん……って、本屋着いたぞ」

 

「おや、本当ですね。では私は本を探してきますね」

 

「俺はちょっとトイレに。その後に俺も本探すわ」

 

「分かりました。では、12時にあちらのカフェで待ち合いましょう」

 

「へいへい」

 

さて、俺も目的を果たすとしますか。

 

 

 

 

 

 

12時

 

待ち合わせのカフェで俺はコーヒーを注文して坂柳を待っている。もちろんコーヒーには砂糖を大量に入れるのを欠かさない。糖尿病?なにそれ美味しの?

 

「お待たせしました」

 

「目当ての本はみつかったか?」

 

「はい、おかげさまで。ところで、先程は大変そうでしたね?」

 

「……なんのことだ?」

 

坂柳は鋭い目で俺を真っ直ぐに見ている。なにこの状況。俺何かした?

 

「眼鏡をかけるだけで人は変わるものですね」

 

「……そんなことないだろ。変わったと言っても見た目だけだ」

 

こいつもしかして、さっき逆ナンされてたの見てたのか?てか思ったけど、なんで逆ナンされたら不機嫌になるんだこいつ。なに、俺の事好きなの?ま、そんなわけないか。

 

「ご注文は何になさいますか?」

 

「アイスコーヒーをお願いいたします」

 

「かしこまりました」

 

坂柳は注文を済ませる。さっきから俺をちらっと見てはそらしモジモジしたりと落ち着きがない。

 

「坂柳、どうしたんだ?」

 

「い、いえ、なんでもありません」

 

「そうか?」

 

「は、はい」

 

んー。そういうがやはり落ち着きがない。本人が大丈夫というから大丈夫なんだろうが少し心配だな。あ、そうだ、忘れないうちにやることやらないとな。よし、や、やるぞ!覚悟を決めろ八幡!

 

「あ、あり、有栖!」

 

「ふぇ、っ!?な、なんでひょ、なんでしょうか?」

 

「え、えっと、その……だな」

 

「?」

 

「こ、これ、お前にやる。その、誕生日、おめでとう」

 

「……っ」

 

俺は隣に置いていた綺麗にラッピングされた袋を渡した。

 

今日は坂柳の誕生日なのだ。以前、坂柳に誕生日を教えられたのだ。教えてもらったからにはちゃんと祝ってやらないとな。それに昨日は恥ずかしいと言って逃げたが、ちゃんと名前を呼ぶ。有栖は俺の初めての友達だからな。

 

「あ、開けてもいいですか?」

 

「あ、あぁ」

 

有栖はゆっくりと、丁寧に包装をはがしていく。

 

「これは……」

 

中から出てきたのは、黒と白のシマシマのリボンの着いた黒いベレー帽。

 

「昨日、欲しそうに見てたから……」

 

実は昨日、帰り際に有栖が服屋でこのベレー帽を眺めていたのを偶然みてしまったのだ。それでまだ決めていなかった誕生日プレゼントをこれにしようと決めた。

 

「ありがとうございます八幡君。とても嬉しいです」

 

笑顔でそう言って貰えると、渡したかいがあるな。

 

「それに、名前もよんでくれましたね。今日はなんていい日なんでしょうか」

 

「喜んで貰えて何よりだ」

 

「か、被せてもらってもいいですか?」

 

「お、おう」

 

まあ、誕生日なんだし、これくらいは言うこと聞いてやってもいいか。俺はベレー帽を受けとって、頭に被せた。

 

「に、似合いますか?」

 

「す、すげー似合ってる」

 

「あ、ありがとう、ございます」

 

有栖は顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにはにかむ。何これ、めちゃくちゃ可愛いんだけど!まって、有栖ってここまで可愛かったっけ?小町に並ぶくらいの天使にみえてきたんだけど!?

 

「は、八幡君。このベレー帽、大事にしますね!」

 

今の有栖の笑顔は、今までで見てきたものよりも一番輝いていた。

 

 

 

 

(注文されたアイスコーヒー、持って行きずらい……っ!)




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