比企谷君と坂柳さん   作:東雲 那音

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久々の投稿!
社会人として一歩を踏み出した作者です。
今回は有栖は出ません。

それと、有栖は『魔王』から『女王』に変えます


綺麗な一色の花は嫌われる

四月の半ばの夜。俺は今、近くのコンビニから家に帰っている。なんでかって?理由はコンビニプリンを食べたくなったからだよ。だってコンビニプリンめっちゃ上手いじゃん。

 

警察に報道されるぞだって?見つからなきゃ問題ない!

 

俺は無事に中学に転校をはたした。小町の『お兄ちゃん強化計画!』のおかげで印象は悪くなかった。むしろ『イケメンきたー!』と女子が喜んでたくらいだ。ちなみに有栖とはクラス同じな。

 

そしてなんと、友達が有栖以外にも出来た!

 

名前は東雲那音。明るい茶髪で情報を集めることが好きな男子だ。今いる中学では情報屋と呼ばれている。学校の生徒からお金と引き換えに情報を売っているようで、情報の重要性により値段も変わるそうである。俺は買ってないけど。

 

初めてあった時は俺から情報を聞き出そうとしてきて、それに気づいて指摘すると『君面白い!』と言われた。それから色々話すようになり、お互いがマッ缶が大好きということがきっかけで友達になった。まさか俺がこんな簡単に友達と認めるようになろうとは。有栖と出会って変わったのかもしれない。

 

それと、俺はなんか学校で有名人になってしまった。理由は有栖だ。

 

有栖は学校では基本的に一人、孤高の存在として周りの人が近づきにくい雰囲気をしているそうだ(那音情報)。そんな孤高の女王に転校してきて初日に有栖と仲良くしている俺にクラスのみんなが驚いた。

 

好奇心に駆り出された女子は有栖に質問攻め。男子は俺にと大変だっな。そこから噂が次第に学校全体に広がっていった。しかも有栖が「比企谷くんとはどういう関係!」と聞かれ

 

『私の初めてを貰った人です』

 

と誤解を招く発言。その言葉に女子は「キャーっ!」と黄色い声を上げながらワイワイして、男子は血涙を流すカオスな状況へとなった。あっ、ちゃんと誤解は解いたぞ?解くのに半日かかったけど。

 

本当に初日は大変だった……。

 

「ん?」

 

街灯のつく歩道を歩いていると、一人の少女が目に入った。普段なら気にもしないが、彼女は『総武』の制服を着ている。ここは東京であって千葉では無い。それに時間は11時過ぎだ。こんな時間に総武の生徒がここにいるのはいくらなんでもおかしい。それに足取りもフラフラとおぼつかないようで今にも倒れそうである。

 

「おい、お前大丈夫か?」

 

「……気にしないでください」

 

心配して声をかけてみるも、返ってきたのは気にするなという言葉。声には覇気がなく、なにかを諦めてしまったかのようだ。俺は彼女が放っておけず、また声をかける。

 

「そういう訳にもいかん。お前、総武中の生徒だろ?」

 

「な、なんで……」

 

「制服見りゃわかる。俺も総武中だったしな」

 

「あなたは、高校生なんですか?」

 

「いいや、中三だ。今年転校したんだよ」

 

「なら、先輩ですね」

 

そう言って彼女は、力なく笑った。

 

 

 

▲▼▲▼

 

 

 

「それで、なんで千葉じゃなくて東京にいるんだ?」

 

俺はこのままでは警察に見つかって補導されかねないので、仕方なく家に招いた。仕方なくだ。重要だから二回いったぞ。本当に仕方なくだ(三回目)。名前は一色いろはと言うらしい。

 

「私…学校でいじめられてるんです……」

 

「いじめ、ね……」

 

俺もいじめられてたからな。一色がどれだけ辛かったかは完全には分からないが少しは理解できる。俺の場合は返り討ちにしたけど。

 

「は、い……。最近、いじめが酷くなってきて……。耐えきれなくなっちゃったんです……。それで、もう嫌になって…電車でいじめる奴らがいない遠くに行きたくなって……」

 

「それで千葉から東京に来たと……」

 

「……」

 

無言で頷く一色を見て、なんとも言えない気持ちが襲ってくる。

 

それから一色のいじめられた経緯を聞いた。

 

 

 

 

〜〜

 

私は自分で言うのもなんだけど美少女だ。周りの男子は私のことを下心を含んだ目でみてくるし外側しか見ない。そんな連中のことなんかどうでもよかった。

 

小学生高学年のとき、私の運命を変えるある出来事が起きた。

 

朝学校に着くと下駄箱にラブレターがあった。差出人は不明で『昼休みに屋上に来てください』とかかれていて、近くにいた友達ははやし立ててくる。ラブレターをもらっても、今はだれとも付き合う気はないし、この人もどうせ外側しか見ないで好きになったんだろうと嬉しくも思わない。

 

昼休み、私ははやし立てる友達に急かされて屋上に向かった。友達は階段に息を潜めて隠れ、私は待っている男子生徒の元に行く。いたのは友達の一人が好きな男子。その男子は私を見て「可愛い君が好きです。付き合ってください!」と行ってきた。

 

(あぁ、やっぱり……)

 

誰もかも私をちゃんと見てくれない。見た目だけで擦り寄ってくる。彼が好きになったのは私の見た目であって私じゃない。私は落胆した気持ちを押さえ込んで、返事をした。付き合う気はないけど、彼は友達が好きな子なので適当に断っては友達の怒りを買ってしまうかもしれない。

 

「ごめんなさい、あなたとは付き合えない。私以外にきっと他にいい人がいるよ。もしかしたらあなたのことが好きな子が近くにいるかもよ?」

 

私は丁寧に告白を断った。彼はちょっと涙目で屋上を後にして、出ていった扉からは友達がこちらに向かってくる。しかし、友達の様子がおかしい。特に、さっきの男子の事が好きな子など泣いている

 

「××ちゃん?どうしたの?」

 

「あんたサイテー!」

 

「そうよ!××ちゃんが○○君のこと好きだって知ってたでしょ!」

 

なぜか友達が怒っている。××ちゃんが○○君を好きだったことは知っている。他にも理由はあったが××ちゃんのためにも断ったのだ。それに断った時にちゃんと友達のフォローまでした。私は友達が怒っている理由が分からない。

 

「どうせ○○君に色目使ったんでしょ!」

 

「ちょっと可愛いからって調子にのんないでよ!」

 

私は彼女達が怒る理由がこの時は分からなかった。ただ分かることは、もう彼女達が友達では無いということ。

 

それから次の日、私のいじめは始まった。初めては女子達が無視をするようになり、悪口も言われる。次第に物を隠されるようになった。私は何でこんなことするの。と女子達に話しかけるも相手にされない。

 

いじめはどんどん酷くなり、画鋲を椅子に置かれたりビンタされたりした。髪だってハサミで切られた。親には心配して欲しくなくて、必死に隠したけど、心はすり減っていく。

 

ある日、私はあることに気づいた。それは私の見た目に寄ってくる男子が近くにいると、女子は手を出してこないのだ。私はそれを利用した。

 

男子に可愛さを見せ、手玉にとり、常に私の近くに男子を置いた。するといじめは極端に減り、女子は手出ししにくくなったのだ。私は手に入れたのだ。これが私の自衛策だ。

 

それから中学生に上がり、ここでまた私の運命をいじめに戻すようなことが起きた。生徒会長に立候補されたのだ。ご丁寧に推薦人を30人も集めてだ。

 

私は生徒会になんてなりたくない。でも担任の先生は私の話も聞かずに1人で盛り上がって何もしてくれない。そんな時に平塚先生の話で奉仕部を知った。

 

私は現生徒会長の城廻先輩とどうになならないかとそこへ向かう。どうやら特別棟にあらしい。城廻先輩はちょっと用事で遅れるため、私は奉仕部の部室の前で待っていると、中から声が聞こえてきた。

 

「ねぇねぇゆきのん。ヒッキー転校したんだって!」

 

「まったく、私達に謝りもせずに逃げたのね」

 

「ほんとーだよ!ヒッキーマジでキモイ!」

 

比企谷とは誰だろうか。何となく最近噂で聞く『文実で実行委員長を泣かした』『修学旅行で告白の邪魔をした』と有名人なヒキタニさんを思い出す。でも、ヒキタニ?さんはなんでそんなことをしたのだろう?そんなことをすればどうなるかは誰にでも分かるはずだ。私はあったことも無いヒキタニさんが何故そんなことをしたか気になった。

 

しばらくして、城廻先輩が来たので奉仕部に相談をした。出た解決案が……

 

「私が生徒会長に立候補します。私が勝てば一色さんが生徒会長にならなくてすむわ」

 

と、私が選挙で負けることだった。負けるというのは癪だが、仕方の無いことなので受け入れることにした。

 

「なら私がゆきのんの応援演説するよ!」

 

「ありがとう由比ヶ浜さん。お願いするわ」

 

「うん、まかせて!」

 

そして選挙で私は雪ノ下先輩に惨敗した。

 

そう、惨敗だ。

 

圧倒的な差で票数を付けられ、雪ノ下先輩の人気がすごいことを実感していた私はこの時は気づいていなかった。私に降りかかる最悪を。

 

クラスの女子には選挙で負けたことをいい餌に散々罵倒され、男子は慰めの声をかけてくるけどクラスのカーストトップの女子が

 

「そんなに慰めたら逆に傷つくからそっとしといてあげよう」

 

といったのだ。その言葉で私を守るために近くに置いていた男子達がいなくなり、女子はまた私をいじめ始めた。

 

前よりも比べ物にならず、暴力を受けることもあったしバケツで汚水もかけられた。髪だって切られた。

 

「なん、で……。なんで!私が!こんな目に会わなくちゃ行けないんですか!私が何したって言うんですか!」

 

私の話を彼は黙って相槌をって聞いてくれる。彼女は次第に感情が抑えきれなくなり、溜まっていたものが溢れてくる。

 

「なんで……、なんで……っ!」

 

「なぁ、一色。いじめられる辛さは分かる。俺もいじめられてたからな。だからな、溜まってるものを全部だせ。今は泣いて泣いて、全部忘れられるくらいに吐き出せ」

 

その言葉で私の心の堤防は崩れさった。彼は優しく、私の頭を撫で続けてくれた。その手は暖かくて、優しかった。

 

 




どうでした?次もいつになるかは分かりませんが出しまーす。

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