最近俺ガイルの二次創作を読んでてごちうさと俺ガイルのクロスオーバーにハマりまして、色々とと読みふけってましたね。(関係ないことです)
それではどうぞ!
ーピンポーン
学校が休みの土曜日。リビングのソファで本を読んでいると、玄関の呼び鈴が鳴り響いた。
「はい、どちら様で?」
『こんにちは八幡君。遊びに来ました』
「有栖か、待っててくれ。今開けるから」
やってきたのは有栖のようだ。昨日メールで来ることがわかっていたので玄関に行って招き入れた。
「お邪魔します」
「おう」
ふと、有栖の頭のベレー帽に目がいく。このベレー帽は有栖の誕生日に俺がプレゼントした物で、毎日のように被ってくれている。気に入って使われているのを見ると、なんとも嬉しいものだ。
「どうしたんですか、そんなに見つめて?」
「いや、そのベレー帽気に入ってくれてるんだな、って思ってな」
「ふふっ。ええ、それはもう手放せないくらい気に入ってますよ。なにせ、八幡君からの初めてのプレゼントなのですから」
嬉しそうに微笑んでくる有栖に思わずドキッとしたが、必死に顔に出ないようにする。顔が少し熱いが、赤くなってないことを祈ろう。
「それで、今日は何するんだ?」
玄関からリビングに案内し、紅茶とお菓子を用意してから今日の訪問の理由を尋ねる。大体予想はついていて、多分ゲームに関することだろう。そう結論を出しながらソファに座る。
「そうですね。unknownとしての実力もだいぶ高まっていて、未だに無敗。そろそろもっと難しいゲームもしようかと思っています。まぁ、他にも目的はありますが後でいいでしょう」
unknown。これは俺と有栖のゲームアカウント名だ。ノーゲーム・ノーライフにハマった有栖が空白の真似をするためにゲームを始めたのだ。一人ではなく俺と二人でするあたり余程再現度にこだわっているようである。そして言ったとおりに未だに無敗。まさにリアル『 』である。
「難しいゲーム、ね……」
頭の中で数多くあるゲームを思い浮かべ、その中からさらに難しいゲームを厳選していく。
「そうだな……。Dead by Daylightなんてどうだ?」
「Dead by Daylight?」
「おう、通称デドバ。前に非対称型対戦ゲームの第5人格をやっただろ?あれの元ネタでさらに難しいゲームだ」
「ほう、それは面白そうですね」
「なら、次はデドバだな。……それはそうとして有栖さんや、ちょっと近くないですか?」
「そうですか?私はそうとは思いませんけど?」
最近、有栖との距離感がやたらと近い。この前だってゲームをしていたら椅子がないという理由をつけ、俺の膝の上に座ってきた。今だって、俺の膝の上に横座りしていて、有栖の柔らかい感触が服越しに伝わってきて色々とヤバい。
それをしている本人は可愛らしくキョトンと首を傾げながら、何言ってるの?みたいな顔をしてくる。近くに、というか俺の膝の上に座っているからか、有栖の柔らかい感触と女の子の甘くいい匂いがしてきてドキドキしてしまう。
「まってろ、PCにダウンロードするから。机にある物は食ってていいぞ」
前はゲームをしていたからゲームに集中して意識を逸らしていたが、今は意識をそらすものがない。このままだと理性が持たないので有栖を膝から下ろして、リビングのソファに座らせてから部屋に戻る。戦略的撤退だ。有栖は名残惜しそうな顔をしていたのに心がいたんだが、俺の理性のためだ。
自室に入り、机の上のPCを開けば多くファイルのアイコンが並んでいる。
その中でふと、一つのアイコンに目がいった。ファイル名は“写真”と書かれている。懐かしく感じクリック、すると数枚の写真が並んでいて出てくる。写っているのは表情の固くキョドっている俺とイタズラっ子っぽい表情の有栖の2人だけ。これは有栖と会ったばかりの頃、いきなり近づかれて撮られた写真だ。
そっと、無意識に写真に写る有栖の顔を指で触れてしまう。触れてしまった後にちょっとした恥ずかしさが湧いてきて、でも、有栖から指を離そうとは思わなかった。
「俺、どれだけ有栖の事が好きなんだよ……」
初めはなんだコイツと思っていたけど、気がつけばたった数ヶ月で大切な存在になっていた。
丁寧な言葉遣いとは裏腹に冷酷で攻撃的だが、身内と判断した者には甘く優しかったり、身長が低い事がコンプレックスで身長を伸ばすために努力しているのが可愛かったり、いつもはちょっとSっ気だけど、たまに攻めてみるとMっ気になるのが愛らしかったり。知らず知らずに有栖に惹かれていった。
有栖がいない日常なんて思い浮かばなくて、いなくなってしまえばきっと、俺は心に穴が空いてしまうだろう。
「……今は告白なんて、する勇気がでないな」
最近の有栖の行動を見ていて、両思いである事は勘違いじゃないことぐらいわかる。でも、それでも告白という大切な事に躊躇している。
もし、振られたらどうする?
振られたら関係が崩れるか?
そうなったら、今の幸せはなくなる?
もし。そんなもしもを考えてしまい、恐怖に震え、未だに踏み出せない。俺は怖いのだ。この今の幸せが無くなるのが。
有栖がいて、小町がいて、那音がいて、いろはがいて、やっとこの欲しかった普通の幸せが手に入った。この中の一つでも欠ければ、俺はきっと……
「はぁ、やめだやめ。こんなこと考えてたらキリがない……」
嫌な考えを捨て、ファイルを閉じた。一呼吸置いてから有栖の待つリビングに向かうと、有栖は用意していたお菓子、その中のポッキーをポリポリと可愛らしく食べていた。写真を撮りたい欲求がでてきたが、無理やり押さえ込んで1人分スペースを開けて横に座る。
「ダウンロードしてきたから何時でも出来るぞ」
「ありがとうございます。……八幡君、ゲームをしましょう」
「ゲーム?」
「はい、ゲームです。この前、私が負けてしまいましたが、私は負けっぱなしは嫌なのでもう一度、ゲームしましょう」
この前のゲーム。きっと、先に目を逸らしたら負けのゲームのことだろう。あのことを思い出すと恥ずかしくなってきたがポーカーフェイスでそれを隠す。
「で、ゲームは何するんだ?」
「ちょうど、ここにポッキーがあります」
「そうだな……って、まさか!?」
「そうです。ポッキーゲームです!」
「ばっかじゃねーの!?」
なんであんなバカップルがやるようなゲームをしないといけないのか。というか恥ずかしくてしたくない。
「なっ、バカとは失礼な!いいですか?これも戦略です」
「戦略?一応聞いてやる」
「この前のゲームは私が目を瞑ってしまい負けてしまいました。ですがこのポッキーゲームは目を瞑っても負けにはなりません。これは両端から食べていって、恥ずかしさでポッキーを先に折った方が負けのゲーム」
「確かにゲームの内容はそうだな」
「この前のゲームは別に私は、そう私は!恥ずかしくなんてありませんでした。眼の乾燥に耐えきれなかったから負けたんです」
え?あれって眼の乾燥で閉じたの?良かったぁ〜!あれで流れでキスしてたら危なかったかもな。
「このポッキーゲームは眼の乾燥を気にする必要がないので私が勝てるというわけなのです」
「俺、やりたくないんだけど」
「おや?負けるのが怖いんですか?」
「いや、負けるの負けないの前に色々と問題が……」
「問題もなにも、私は負けっぱなしが嫌なんです。拒否権はなしです。さぁ始めますよ」
お互い顔を向きあい、有栖がポッキーを咥えて「んっ」と突き出してくる。そんな姿にドキドキしながら俺が反対側を咥えてからけ ゲームが始まった。
「んむっ、んむっ」
「ポリポリ」
有栖のポッキーを食べる音が何だかエロく感じてしまい集中出来ない。それでも少しずつ食べ進めていく。
だんだんとお互いの顔も近づいてきて、距離が数センチになっていく。有栖は頬をちょっぴり赤くしていて、それが余計に可愛く思えてくる。
3センチ……
2センチ……
1センチと距離が縮まり、俺は限界を超えそうな理性を押さえ込み羞恥心から有栖から顔を離そうとポッキーを折って、顔を離そうとした。
「んっ!?!?」
が、いつの間にか後ろに回されていた有栖の手に阻止されて離れられず、唇に柔らかい感触、そして暖かい温もりが広がる。
数秒ほど固まった思考を回転させ、何が起こったのかを理解する。
目の前にあるの有栖の顔で、唇に感じるのは有栖の唇。これはつまりキス。マウストゥーマウスである。
時間にして役十秒。短いけど長く感じたファーストキスは甘く蕩けてしまいそうで、麻薬のように依存してしまいそうになる。
「あ、有栖……」
「八幡くん……。私の好意から逃げないでくださいね?」
有栖はそう言うと、動けないでいる俺に再び唇を重ねてくる。何も考えられず、ずっとこうしていたいと思ってしまう快楽。間近で聞こえるちょっと息の上がって色っぽい有栖の吐息。
俺はなにも、出来なかった。
「八幡くん。私は貴方が好きです。今日はそれを言うためだけに来たんですよ?」
「俺、なんかが……?」
「そんなこと、言わないでください。私にとって八幡君は素敵な人なんです。他の女の子からも人気がありますし、それに最近だといろはさんが現れてからは取られるんじゃないかと、私は焦ってたんですよ?」
そっと、俺の胸に手を当て見つめてくる。目には嘘はなく、真剣に俺と向き合おうとしている。
「八幡君。私と付き合って、ください」
「おれ、でいいのか?」
「八幡君がいいんです。八幡君じゃなきゃ、ダメなんです」
「お、俺は……。有栖が、好きだ。本当は俺から告白したかった。でも、もし振られたらと思うと、怖くて、関係が崩れるんじゃないかって思って。踏み出せないで……」
言葉を続けようと、胸の内をさらけ出そうとすると俺を有栖は優しく抱きしめた。
「私をことを好きになってくれて嬉しいです。これは両思いですね。だから八幡君。……もう、もしもの事なんて気にしなくていいんですよ。私達は両思い。そんなもしもは起きませんから」
耳元で囁く有栖の言葉。その言葉にスっと心が軽くなっていく。
もう、もしもなんて起きない。俺は踏み出せなかった。でも、有栖のおかげ前に進むことは出来た。
「有栖、俺からもお願いだ。俺の、彼女になってくれ」
「はい、喜んで」
俺と有栖は、こうしてまた、互いの唇を重ね合った。
有栖と八幡をくっつけてハッピーエンド!シリアス回じゃないですよ?ハッピー回です。あっ、でも、ヒロインは増やしますよ?正妻は有栖で他は愛人?みたいな感じ。