時は20XX年、元号も令和へと移り変わった中、今となっては珍しい日本古来の屋敷があった。
そんな屋敷の中で未だ20歳にも満たない青年と、その目の前には日本人形のように綺麗な肌で青年を優しく見守る女性の姿があった。
「おはよう。今日もなかなかよい天気だね。雷牙」
「おはようございます。お館様に置かれましても御創建で何よりです。」
優しく微笑みかけ雷牙におはようのあいさつをするが、雷牙は対照的に膝をつきこうべを垂れて堅苦しいあいさつで返す。
がお館様はそれが気に入らないとばかりに頬を少し膨らませ抗議する。
「雷牙。2人きりの時は昔のようにしてといつも行っているじゃないか」
「いえ、そういう訳にも行きません。私だけとなると他の隊員達にも示しがつきませんので」
頑なにその抗議に応じない雷牙にお館様も少し呆れ気味に返す。
「はぁ……相変わらず頑固だね。まぁそれも君のいい所でもあるんだけれどもね。しかし君が一隊員などと蔑むことは無いだろう?ひいおじい様の時と比べて人数は減ったとはいえ歴代最強と名高い柱の君が……」
「大袈裟です」
「ふふふ。まぁいいさそんな事より今日呼んだのある特別な依頼を君に頼もうと思ってね。」
「特別な、ですか」
先程ののほほんとした空気は消え一気に真剣な表情をつくり本題を話し始めるお館様に雷牙も顔つきも真剣なものになる。
「ええ。これは日本政府。防衛省からの依頼です。」
「政府から……ですか。」
政府と聞いた瞬間雷牙は顔を強ばらせものすごく嫌そうな顔をする。
「……確かに君があの時の事を許せないのも分かる。私もあの時の事まだ許した訳では無いよ。
でもね今回の事はそんな事入ってられないし、これは君にしか出来ない事なんだ。どうにか受けてはくれないかい?」
雷牙は最初日本政府の名を聞いた時お館様には悪いが断ろうと思っていた。
だが、自分が心から敬愛するお館様にここまで言われれば、男として、柱として、何より我妻雷牙として受けない訳にはいかなくなった。
「わかりました。お館様の為この鳴柱。我妻雷牙 全身全霊をもって依頼を受けさせてもらいます。 では」
そういい雷牙は部屋を出ていってしまった。
「ふふふ。相変わらず真っ直ぐだな雷牙は依頼の内容を聞かずに行ってしまった。
でもそれが私の為だと思うとなんだかとても嬉しいな。」
顔を少し火照らせ子役の頃から応援する女優の出演するドラマが写ったテレビを見ながら微笑んだ。
お館様のその顔はどこか懐かしそうだったとかなかったとか……