雪の秋葉   作:雨後の筍

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どうも、お久しぶりです
冬に書こうと思ってて忘れてたものを今更投稿です


ラジ館前

雪が降っている。

これはまた珍しいことだ。

学校帰りに、少しだけカードショップにでも寄ろうかと思い立って僕は秋葉へと降り立った。

電車の中ではずっとスマホをいじっていたから気づかなかったけど、どうやら外では雪が降っていたらしい。

東京だけで考えても雪なんて本当に珍しいから、自然と気分が高揚してくる。

しかも、その上今降っているのは秋葉だ。

電気の街、秋葉原。

この街に雪が降っているというその事実だけでテンションが上がってしまう。

空を見上げる。

鉛色の空からはシンシンと雪が降り注いでいる。

少し歩みを進める。

角を曲がれば大通りでは人々が揃って空を見上げていた。

その光景におかしさを思えながら、僕はある種の感動を覚えた。

そろそろ夕方も終わり、夜になろうかというこの時間、これはその時間だからこその奇跡ではないだろうか。

大人も子供も、性別すらもなにも関係なくみんなが一斉に空を見る。

ここは今秋葉であって秋葉ではなかった。

この感動を伝える言葉が見つからないのは悔しいことだ。

でも、今ならとてもいい気分で秋葉を歩けるんじゃないか、僕はそう思った。

だって、ほら。

みんな空を眺めて笑みを浮かべているじゃないか。

この雪には温かみがある。

手のひらの上に落ちた雪は冷たいけれど、でも少しだけそこに温もりを残していくんだ。

ちょっと感傷的になっている自分に笑いながら僕は歩き出す。

まずは目的のカードショップかな。

そのあとそのへんでケバブでも買って雪をずっと眺めていようか。

幸い今日はそんなに寒くない。

ちょっとばかり、遅くなってもきっと大丈夫だろう。

ふふ、大通りの真ん中で母娘がはしゃいでる。

向こうでは中学生くらいのグループが騒いでるな。

みんな色めき立ってる。

この、どこか人工的でわざとらしい街並みに、幻想的な霜が降りる。

今日ここにいる人々はみんな幸運だ。

雨が降ればみんな傘をさすんだろうけど、誰も傘なんてさそうとしない。

みんなわかってるんだ。

こんなことは滅多にない、本当に特別なことなんだって。

今日は特別なスペシャルデーなんだって。

今の高揚した気分なら、ナンパだって出来る気がするよ。

そこを歩いている女の娘にでも声をかけてみようか……?

僕らしくないな。

でも、今日だけはそんな僕でもいい気がする。

降りしきる雪がそんな僕を肯定してくれる気がする。

さぁ、ノっていこう。

雰囲気に酔ってしまおう。

今日は特別な、特別な雪の秋葉原。

ここに新しい物語を紡ごうじゃないか。

 

「ちょっと、そこのお嬢さん。今日はこんなにも雪が綺麗ですから、一緒に雪見にお茶でもどうですか?」

 

 

 

 

――クスクス、クスクス




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それではそれでは
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