長話もアレなんで本編をお楽しみください!
新たな戦争の駒として作られた機械、「戦術人形」が義体化が進んだ時代に生きる人間によって作られ人間と人形の見分けがつかなくなってもその事に関して恐れを抱く程知能は進化してない近未来…
AD2062 3月5日
巨大ビルの一室の中で二人の男が向かい合って座っていた。一人の男は狡猾な笑みを浮かべていた、やがてその男性が口を開き
「…つまり、この花火を私にくれると、アレクセイさん」
アレクセイと呼ばれたロシア人系男性の両手には巨大な銃が握られていた、この銃は旧ロシア地区で製作された新型兵器でリボルバー式のロケットランチャーと言うおおよそ人間には扱えない代物だった
「あぁそうだ、朴さん。おたくはこのバケモノ銃で戦果を上げ出世コースへ、そしておたくは私に新型戦術人形をよこし、祖国の技術レベルを高めることが出来る。晴れて私も出世出来るわけだ、さぁそれではそこにあるキャリーバッグをこちらへ渡してもらうか」
「祖国ねぇ…今じゃロシアなんて国は過去の遺物なんだが、まぁいいさ今渡してやる」
朴がバックを取ろうとしたその時、部屋のドアが勢いよく開いた
「動かないで!」
そい言いながら入ってきたのは3人組の少女であった
「何だ貴様!何者だ!」
アレクセイは手に持っていたマカロフを少女に向けた
「私はZas M21、ここで銃器に関する不法取引が行われていると情報を聞いてお邪魔させて頂いたわ」
「不法取引だと、何かの間違いだ!それにツァスタバは貴様が持ってる銃の名前だろう本名を言わんか本名を!」
「アレクセイさん、あれは人間じゃない。人形だ!あの3人組全員!」
「何だと!」
アレクセイの驚愕する顔をよそにもう2体の人形がバックを開け中身を確認していた
「どう?ブツはあった?vector」
vectorと呼ばれた人形はzagの方を振り向いて首を縦に振った、彼女は人形を抱えていた
「ねーねーもう一体あったよzas!」
「よくやったわスコーピオン」
zas M21はスコーピオンの頭を撫でると男達の方へ向いた
「S-ACRにVSK-94…どれもこれもIOP社の最新の戦術人形で民間用にデチューンされた慰安用のそっくり人形も出回ってないのにどうして貴方方が持っているのかしら。知ってる?軍事用品の無許可での売買は違法なのよ」
「そ…それは」
アレクセイが言いかけるもzasに銃口を押し付けられ閉口してしまう
「黙りなさい、私が聞きたいのは貴方じゃなくてその隣の男よ。そっちの男の方がよ〜く知ってるから。そうよね?s16地区担当の指揮官、朴淨悅さん?」
「確かに私は指揮官だ、だがこれは断じて不法取引などではない。ロシアでの軍事会社、メカノイド・クークラ社との合法取引だ、IOP社、勿論グリフォンからの許可済みだぞ」
「なら、その許可書を見せてくれないかしら指揮官さん」
「vector、書類は今私の部屋にあるんだよ。明朝そちらへ渡そう」
「そんな言い訳通用すると本気で思ってるのか?」
vectorは銃口を突きつけながら朴へと近づく
「どのみちこの事が嘘だろうと本当だろうと君達人形には関係のない事だ、拘束したければ君達こそ書類を持ってくるんだな。誰の差し金は知らんが無礼千万だ、雇い主によく言っておけよ」
行きましょう、とだけ言い朴はアレクセイを連れて退出しようとしたその時だった
突如、窓ガラスが割れた音が聞こえたと思いきやそれに続いてピン、ピンと軽い音が聞こえた。
「うっ…」
と朴が呻くやいなや突如彼の体が爆ぜた、辺り一面に朴だった肉片や内臓が散らばり真っ白だった床は今や赤く染まり元の色が分からなくなってる
「…!貴様ら!」
目の前で一人の人間がいきなり死んだのだ、半狂乱になったアレクセイは自身が持ってきた新兵器をzas達に向け発砲しようとした
「馬鹿!こんな所で撃ったらお前も…!」
スコーピオンが言い終わる前にzasはグリップで彼の頭を叩き気絶させた
「騒ぐ暇があったら動きなさい、スコーピオン」
そう言いながらzasは血塗れになった床をものともせず窓辺へと近づき下を覗いた、それに続きvectorとスコーピオンも下を覗いた
「zas凄かったね、一瞬で炸薬弾をあいつに撃ち込むなんで!でも大胆だねぇ、殺害許可までは出てなかったでしょ?」
「あれを撃ったのは彼女じゃないわ、私でもない」
「…?じゃ誰なのvector」
「じっと覗き込んでご覧なさない」
スコーピオンが言われた通りじっと見ると何やら景色がもやつき生態的なパーツが見えた
「…!人の目だ!光学迷彩を使ってる人がいる!じゃ、あれが朴を撃った…!」
「そうよスコーピオン、あれが私達の指揮官。元日本国公安所属…草薙素子よ」
スコーピオンの目に映った素子は彼女に向かって不適に微笑むとおもむろに手を目にかざしいよいよ消えてしまった。
後日…so9地区基地・指令室
上品な家具が醸し出す雰囲気の中、この地区の指揮官草薙素子はそこに居た。彼女は副官であるスプリングフィールドに昨夜の3人を呼び出すように頼みこちらへ来る間新聞を読んでいた
「グリフィン指揮官、旧露製武器を密輸入か。尚当該指揮官は同じくグリフィンの人間により殺害され死亡…か」
そこには昨夜の出来事が盛大に書かれており素子はそれに表情を変えることもなく読み終えるとクズ籠へと捨てた、と同時に部屋のノックが鳴る
「失礼します、ZasM21.vector.スコーピオン3名入ります」
「入っていいわよ」
短く返事をすると3人は足並みを揃えて素子の前へ出た
「まずは3人とも、ご苦労様。貴方達の活躍で少しは世の中が綺麗になったわ」
「まさか他の指揮官を殺すことになるなんてねぇ、アタシ鉄血だけを相手にすると思ってたから驚いたよ」
「そんなものよスコーピオン、同胞を相手にするなんて事私にもあったわ」
「え!少佐って元公安なんだよね!?公安って殺し合いとかもするの!?」
「全てがそうとは言わないけどまぁ私が所属していた部署は特別だったから…」
「そんなことより少佐、朴淨悅の殺害許可は出ていたの?私達があのビルへ向かうときには出れなかったはずなんだけど…」
「私が貴方達が出た後、クルーガーにお願いしたのよ、『ここでアイツを殺さなきゃIOP社との関係だけでなくグリフィンと言う組織自体の存在が危うくなる』って言ってね」
「社長に直談判ですか」
「えぇ、そしたら彼ニヤニヤしてこう言ったのよ『君ならそう言うと思った。我が社に裏切り者は必要ない』って」
「あの社長も随分恐ろしい事を言うのね…でも新聞に大きく載っていたけどそれはいいの?」
「むしろその方がいいのよvector」
「?」
「新聞に載る事でグリフィンには自浄作用が働いていると世間に認知させると共に今後他の指揮官への警告をする事が出来るの」
「成る程…」
「しかしあの朴って指揮官も馬鹿な男ね、あんなバケモノ銃を手にしても意味ないのに」
「私達人形には烙印システムがあるからね…」
スコーピオンが言う烙印システムとは簡単に言えば自身の名前と同じ銃の性能を100%引き出せるシステム、と言うものだ。逆に言えばスコーピオンがvectorを使用しても恐らく一発も敵に当たる事はないだろう、それだけ烙印システムと言うのは戦術人形において重要なシステムなのだ
「あの男、左腕だけ義体化していたけどそれじゃあの銃は使えないわ。ロシアの男みたいに両腕を義体化させるぐらいのことをしないとね」
素子はそう言いながら自身の手を見つめた。
彼女の名前は草薙素子、元日本国公安9課所属の全身義体化した女である