Ghost in the Doll   作:恵美押勝

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ど~も恵美押勝です。課題に追われに追われ書く時間が少なく普段よりも遅い投稿になってしまいました。いやしかし時の流れ早いものでもう6月も終わりかけています。7月になれば9のFigmaが出てくるのでそれが楽しみですね。
長話もアレなんで、本編をどうぞ。


Mission05.救出先までは何マイル?~踊るのは誰か?~

鉄血らの基地襲撃をどうにか堪え、SOPMODⅡ、AR15を救出しようと準備を進めていた素子達、一方そのころ廃墟ビル内の踊り場で一人残されたSOPは突如として後方からハスキーボイスの男性に声をかけられるのであった

「おい」

SOPはすぐさま立ち上がり銃を構えたまま後方へと体を向けた。しかしそこには誰もいなかった

「誰!そこにいるんでしょ!」

SOPはそこにいる何者かが光学迷彩を使ってるかもしれない、そう思って自身の眼を通常状態から赤外線モードに切り替えた。通常の人形ならばそのような機能はついてはいないが彼女は特別だ、あたりを見渡し確認するが映るのは壁だけであり人影なんてどこにも見当たらなかった。ひょっとして赤外線にも引っかからないタイプの光学迷彩か、彼女は訝しみ眼を通常モードに戻した。すると目の前には2m越えの大男が彼女に銃を突き付けているのが見えた、男が手に持っている銃はミニミ軽機関銃、まともに喰らえば軍用の身体を持つ彼女でさえボロ雑巾と化す。

「いつの間に…!でもどうやって!」

「その反応じゃ、俺の腕も衰えてないってことだな。銃を下ろせ」

「誰が下すか!」

彼女は大男に飛び掛かり格闘戦を行うとした、だが身長の低いのが災いしいとも簡単に掴まれてしまう

「無駄だ、大人しくしてろ…見たところ鉄血とだいぶ違うが…何者だ?」

「鉄血なワケないだろ私は…!」

怒りに任せ思わず自身の所属を言いそうになるがすんでのところでこらえる。

「私は?」

「…私はグリフィンの戦術人形だよ!」

「グリフィンだぁ?IOP社にお前のような人形がいた記憶はないが…」

「カタログが古かったんじゃないおじさん?私は数か月に作られたんだよ?」

「…それじゃあ一緒にいた奴も新型か?」

「…おじさんのぞき見してたの?」

「…こんなところ偵察なしで入り込むほど俺は馬鹿じゃねぇさ。それでお前らは仲良しこよしこんなところで何をしてたんだ」

「…鉄血をぶち殺すために決まってるでしょ」

SOPはとっさに噓をついた。男は怪訝な顔をしたがやがてSOPをゆっくりと地面に下した

「奇遇じゃねぇか、俺も鉄血をぶち殺そうとしてるのさ」

「え、おじさんも!?でも人間が何で…?軍は基本的に鉄血問題には介入してないしIOP社は男性の人形は作ってないはず…」

「軍?人形だ?」

「おじさん、正規軍の人じゃないの?」

「軍ねぇ、俺はそんなお堅いとこにはいねぇよ」

「それじゃ何者なの、私は答えたんだからおじさんも答えてよ」

「…俺はしがない賞金稼ぎさ」

「賞金稼ぎぃ?おじさん、噓言っちゃいけないよこの時代にそんな職業は…」

「あるのさ、こんな世の中だまともな職業だなんてほとんどありゃしねぇ」

そう言って男はスキットルを取出し煽るように飲んだ。口から離し大きく息をつく、その動作をSOPはじっと見ていた

「どうした、時代遅れの賞金稼ぎがそんなに珍しいか」

「ねぇおじさん。おじさんって本当に人間?全身のほとんどが生体金属で出来てるよ」

「…さぁな、一応は人間だと思うぜ。脳みそは新鮮な肉で出来てるからな」

「全身義体化か…」

「そういうお前が機械かどうか怪しいぜ。IOP社の人形は色々見てきたがお前のようにガ

キっぽいのは初めて見たぜ」

「ガキっぽいってまた言われた!私ってそんなに子供っぽいのかなぁ」

そう言ってSOPは笑いかけたが彼女は突如として真剣な顔になり男の方を向いた

「おじさん」

「あぁ聞こえてる、階段から何かが上がってきてる…5体ほどだな」

男は窓に駆け寄り下をのぞいた、そこにはRipperが10体ほどビルの入り口に集合している。

「多分連中の狙いは私だよ。…おじさん上へ逃げるなら今の内だよ」

「逃げる?冗談じゃねぇ今から来るのは俺の給料だ」

「じゃあ。決まり!おじさん後になって逃げないでよ?」

「ばーか、お前こそ逃げんなよ」

男がそう言いながら背中から剣を取るかのようにレミントンM870を取出しスライドさせる

「あれ、ミニミ使わないの?」

「こんな狭い場所で使えるか、跳弾して俺らもやられるのがオチだぞ」

「そっか。んじゃおじさん、先手は私に任せてもらっていい?」

「なにをするつもりだ?」

「ん~私の銃、ちょっと面白いのがついているんだよね」

「面白いもの?」

いよいよ足音がこちらにはっきり聞こえてきた。そしてRipperの顔たちが見えたその時

「ドーン!!!」

SOPは自身の銃に取り付けられている殺傷榴弾をぶっ放した。爆音が轟き辺りは煙に包まれる

「よし!これで確実に3体は殺せたでしょ!」

「…」

「ん?どうしたの?」

「お前な、あれで3体も殺せているわけないだろ。普通階段を責めるときには一人が先行して数秒おいてから残りが後に続くって形でな…」

「そりゃ人間ならそうするだろうけどさ…」

SOPは眼を赤外線モードに切り替えて白煙の中を見る。視線の先には3体Ripperが確かにバラバラになっているのが見えた。男もどうやらそのことを確認したようで啞然としている

「んなバカな」

「鉄血の人工知能ってそこまで賢くないからさ…せいぜい数で襲い掛かることしか出来ないんだよ。細かい命令を受けてないとさ。」

「そんなもんか…」

「それよりおじさん、あと二体そろそろ来るよ」

「わーってるよ」

そう言っている間に残りのRipper2体が顔を出す、悪運がいいのか爆風の影響を受けず五体満足でピンピンしている。男は動じることなくレミントンM870を発砲する、散弾した弾はRipper達の身体を貫く、男は腹部辺りを狙ったのか鉄血らの下半身は吹き飛びナメクジのように這いつくばっていた。SOPはそのような光景が好きならしく目を輝かせながらヘッドショットしてく。

「やっぱさ、鉄血らが醜く死んでいくってのはいいよね!こんな風にボロボロになって成す術なく殺されるってのは特にさ!」

「…お前人形のくせに趣味悪ぃな、それより残りの連中らが突入してくるんだ。上へ行くぞ」

「分かった!」

「その前にこいつを仕掛けておくか…」

男はジャケットのポケットから手榴弾とワイヤーを取出しワイヤーに引っかかるとピンが外れ爆発するようにトラップを仕掛けた

「よし行くぞ」

SOPらは階段を駆け上がる、このビルは4階建で彼女らが居た場所は2階である。最上階である4階まで上がり踊り場で待機する

彼女が窓から見下ろすと鉄血達が居なくなっていた、恐らく全員が突入したのだろう

「さーて面白くなってきた!」

「お前戦うの本当に好きだな。…俺も好きだけどな!」

男は初めてニカッと笑った。途端に下の方からドーンと言う音が聞こえ足がびりびりしてきた。どうやら罠に引っかかってくれたようだ。

 

「これで何人減ったかな?」

「奴らがお行儀よく並んで駆け上がってきてるなら4~5人死んでるだろうさ。さてそろそろ来るぞ!」

足音がかなさって聞こえてくる、5体ほどだろうか。SOPは今か今かとトリガーに指をかける。そしていよいよ、鉄血らが姿を現した。奴らはSOPらを発見次第銃口をこちらへと向けたが攻撃の隙など与えず彼女達は各々の銃を発砲した

SOPは久々に大量の鉄血兵を殺すことが出来るのでハイになっていた。笑いながら銃をぶっ放し的確に殺していく。子供の加逆性と機械の正確さ、それらが合わさった彼女は無敵といっても過言ではない。

男もまた戦いは好きだが彼女とは違ってハイになることはない。彼は殺すのが好きなのではなく純粋に戦うという行為が好きなのだ。

勝負は一瞬で終わった、狭い踊り場に上方からのショットガンやアサルトライフルの弾丸の雨、避けられるわけもなく一方的に蹂躙されあっという間に鉄屑と化した。

「もう終わり?つまんないの」

「ざっと2万ってところだなこりゃ、使った弾もそんなにないし久々にいい筋トレグッズが買えそうだ」

男は会談に座り込み、スキットルを取り出して残りを一気飲みした

「筋トレ?おじさん全身義体なのに?」

「擬態だからこそ、どれだけのことが出来るか見ておく必要があるんだぜ。それでお前さん、この後どうするつもりだ?」

「グリフィンから救出…いや回収しに来てくれるかここで待ってる」

「グリフィン…か、丁度いい。電話を借りたいし待たせてもらうとしよう」

「電話?通信機は?」

「ここへ侵入する途中でぶっ壊してな…」

「電脳通信は?」

「今回の依頼主は珍しい非電脳の人間だからな」

「分かった、それじゃ一緒に待とう!おじさん!」

「その、おじさんっていうのやめてくれないか。俺は年齢はそうかもしれんが体はそうじゃないだろ?」

「え、じゃあ何て呼べばいいの?」

「そうだな…じゃあついでだ、ここらで自己紹介といこうじゃねぇか。お前は?」

「私はM4SOPMODⅡ!おじさんは?」

「俺はバトー、バトーだ」

 

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