Ghost in the Doll   作:恵美押勝

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どーも恵美押勝です。お久しぶりです、長いこと色んなところで遊んでいたため投稿が遅れました。その間春田や9のねんどろいどを買ったり同人誌を買ったりと色んな物が買えて楽しかったです(小並感)
長話もアレなんで、本編をどうぞ


Mission1.チップ 〜着任そして出撃〜

AD2062 5月5日

SO9地区指令室…

素子が書類作業に勤しんでいる中ドア向かいの廊下から鼻歌混じりのご機嫌な足音が聞こえてきた。時計を目にすると午前9時を指している、そろそろだなと思い素子は椅子から立ち上がりコーヒーメーカーが置いてあるスペースへと歩く。ポットには既にコーヒーが入っており彼女は紙コップに黒々とした液体を注いだ、コーヒーの豊かな香りが部屋の中の空気を満たす。そしてもう一個紙コップを取ろうとしたその時足音が止まりドアが勢いよく開かれた

「おっはようございまーす!少佐!」

快活な少女の声と共に我らが後方幕僚、カリーナがその姿を現した

「おはようカリーナ、朝から元気ね」

「嫌ですわ少佐、おばあちゃんが孫に話すようなこと言って。あれ、でも少佐って第三次世界大戦前から生きてるんでしたよね?…てことはやっぱりおばあ…」

「あら、女性の年齢を聞くのはご法度よ?コーヒーあげようと思ったけどやめようかしら」

素子がわざとらしい声で空の紙コップを握りつぶそうとするとカリーナは慌てて訂正した。

「それでいいのよ」

素子は微笑みながら紙コップにコーヒーを注ぎカリーナへと渡した。受け取ったコーヒーを飲みながら彼女は話し始めた

「そう言えば少佐がこの間IOP社に頼んだ新人形が届きましたわよ」

「お、遂に来たわね。確かライフルの…」

素子が手元にある資料を手に取ろうとした時、ノックが聞こえた

「失礼します、少佐。スプリングフィールドです」

「春さんか、入りなさい」

ドアが開き、スプリングフィールドが中に入ってくる。彼女の隣にはもう一人いてチラチラと素子の方に目をやっている

「紹介したしますわ、彼女は新しな戦力として加わるライフルの…」

「私の名前はワルサーWA2000。指揮官、私の足を引っ張ったら、承知しないわよ。」

「随分高飛車な娘ね、私は草薙素子。よろしくWA2000…それとこれからは指揮官じゃなくて少佐って呼んでくれないかしら。そっちの方が慣れてるから…」

「いいけど、何でよ」

「前の職場じゃそう呼ばれてたのよ、指揮官なんて言われるとどうもむず痒くてね」

「分かったわ“少佐”…それで、私はこれからどうしたらいい?案内ならいいわよ。既に電脳の中にあるから」

「あらそう、なら早速出撃してもらおうかしら」

「いきなり?まぁ構わないわよ。それでどんな任務なの?」

「難しい任務じゃないわ、ここから70kmほど離れた場所に鉄血の小規模基地があるの。んまぁ基地と言っても廃村を利用した簡易的基地なんだけどね。で、今回その基地の掃討を私達SO9地区が担当することになったの。で、貴方には援護してほしいのよ」

「…Jaegerが居るのね」

「ご名答、前に偵察隊を出したら奴の姿が確認できた。」

「スナイパーにはスナイパーで叩くと言う理屈は常識だけどそれなら春田だけでもいいんじゃないの?」

「ところがそうもいかないのよね…春さん」

素子が呼ぶとスプリングフィールドはボードに写真をはっつけた

「これは?」

「基地の写真です、どうやらあの基地は戦力の半数以上がJaegerなんです」

「半数以上が!?どう言う基地なのよそこ…」

「最初はJaegerを生産して性能テストを測る場所だったらしいのよ。工場の跡地があったからな、潰した理由は分からないけど。ともかくそれであの基地は半数以上が奴が居るんだ」

「となると、そりゃ春田だけじゃ対応出来ないわね…」

「そういうこと、上手く使ってあげるから2時まで春さんの作戦報告書をダウンロードしてラーニングして置きなさい」

そう言って素子は机にフロッピーディスクとヘッドホン型の読み取り機械を置きWAに渡した

「これは?」

「春さんが着任してから昨日まで出撃した戦闘をデータ化したものよ、ハードの性能が良くてもソフトがしっかり学んでなきゃハードが泣くわよ?それじゃ2時15分にヘリポートでまた会いしましょう」

そう言うと素子は立ち上がり部屋から出ようとする

「どこ行くのよ?」

「衣装室」

「衣装室…って?どっか出かけるの?」

「そうよ」

と、短く返事をすると素子は壁にかけてあった鍵を取り部屋を出て行った。

残ったWA達もまた部屋から出て彼女らの部屋へ向かう、どうやら彼女らは同じ部屋に配属されたらしい

部屋に入るやいなやWAがスプリングフィールドの方を向き口を開いた

「勤務中に外出だなんて...ここの指揮官はどうなのよ。ただでさへ全身義体で驚いているのに調子狂うわ」

「あら、少佐が全身義体だってこと知ってたの?」

「それぐらいスキャンすれば余裕で分かるわよ、私は狙撃用に開発されたんだもの。アイセンサー周りは他のとは違うんだから」

そう誇らしげに言うとスプリングフィールドはクスリと笑いながらWAの頭に読み取り機械を装着させた。突然つけられて一瞬驚いた表情を見せる彼女だがラーニングのためにすぐスリープモードに入ってしまった。

 

2時10分

ラーニングから目覚めたらWAはスプリングフィールドと共にヘリポートへと来ていた。集合時間まであと5分はある、その間暇なのでWAはスプリングフィールドと話でもしようかと思ったがヘリコプターは既に起動状態に入っておりけたましい音を立てている為話どころではない。そこで彼女は通信ケーブルを自分の頸に差しスプリングフィールドにも差しこんだ。これにより電脳を使用したテレパシーのような事が可能になる

『そう言えば少佐、ヘリポートで会いましょうって言ってたわよね。見送りにでも来るの?』

『うーん違うわね、まぁ待っていれば分かりますよ』

『違う?違うって何よ?』

だがその質問は答えられることなくスプリングフィールドはケーブルを取り外してしまった。そんなことをしてる間に時刻は2時15分となっていた。

「お待たせ」

そう大人びた声が聞こえ振り向くと素子とZasM21とMDRとM1895が居た。

「あら、指揮官見送りありがとう...って何よその格好」

WAが驚くのも無理はない、素子はいつもの赤い制服ではなくベージュをベースにしたコンバットスーツを着用して前髪にはVRゴーグルのような代物が装着されているからだ

「ん?何って衣装室で着替えてきた格好だけど?」

「いやいや、まるっきり戦闘用の格好じゃない。まさか少佐も出撃するんじゃないでしょうね?」

「そのまさかよ」

「マジ...?」

「大マジよこの人は」

「もう何回も出撃してるんじゃよ、危ないと言うのに...」

「でも少佐私達と同じかそれ以上に強いからな、Ripper3人程度なら難なく一人で倒せてるぐらいの力があるよ。流石は全身義体と言うところかな...」

WAが驚きポカンとする中3人が素子の活躍を説明してくれたがおそらくそれは彼女の耳には入ってないだろう。何故なら彼女以外の人形がヘリに入っててもぼーっとそこに立ち尽くしていたのだから

「ボサっとするなWA!行くぞ!」

と素子に呼ばれてようやくWAはようやく意識を現実に戻し急いで乗るのであった

 

小1時間ほどヘリに揺られ素子らは目的地である基地から2kmほど手前にある地点へ着陸した

素子が双眼鏡を出し基地を確認する

(廃教会の上に3体、バリケード辺りにもまた3体か...やはり春さんだけじゃ無理ね)

そう思いながら彼女は双眼鏡を離し手を叩いた

「よし、ではこれから基地攻略作戦について説明する」

素子がそう言うと5体の人形は彼女の方を向き耳輪を傾けた

「WA2000はここから1km先にあるポイントで私から連絡があるまで待機。スプリングフィールドはWAから100mほど離れたポイントで待機。私とZasとMDRとM1895は基地から300m手前まで進むわよ。

「で、それから?」

「私が連絡した後にWA達は発砲を開始して。その後私達が突撃して廃村の何処かにあるメインコンピューターを探し当てそれを破壊するわ。そうすればここの基地に居る人形供は機能を停止する。何か質問は?」

「はいはい!」

「はい、MDR」

「メインコンピュータってどう探すつもりなの?小さな廃村とは言え探し出すには苦労するよ」

「心配しない、そのための私よ。適当な鉄血人形の死体の電脳にハックして位置を割り出すぐらいのこと雑作もないわ」

「成る程ね」

「他に質問は?」

と聞くと声が上がらなかった

「よし、行くぞ!」

号令をかけライフル組が二手に分かれ、素子らは直進する。そして10分経ったころ目標地点に到達した。3体の人形が伏せの体制になりMDRがリュックから大きな砂柄のシートを取り出した

「少佐は...必要ないか」

「えぇ、私にはこれがあるもの」

そう言い素子はゴーグルに触るとそこからビニールシートの様な物が見え彼女を覆う。すると先ほどまでそこに居たはずの彼女が見えなくなってしまった

「京レの隠れ蓑か...すごいのう、サーモグラフィーにも引っかからんわい」

『識別マーカーコードは43526awrよ、WAもスプリングフィールドも設定しておいて』

『了解』

『了解しました』

『それじゃ、派手に祝砲かましてやりなさい』

そう言って通信を切ると虚空を切る音が聞こえJaggerの頭が爆ぜる音が聞こえる...はずだった

『どうした二人とも?早く撃て』

『それが...!』

『指が動かないのよ!!』

『何だと!?お前らメンテしたんだろうな!?』

『指の故障じゃないです...これはプロテクトです!』

『私の電脳が、アイツらのことを人間だと認識してるのよ!!』

元来、ロボットと言うのは「ロボット三原則」と言うのがあり人間を攻撃してはいけないと言う決まりがある。戦術人形も例外ではなく人間を攻撃してはならないのだ、もし仮に人間に向かい発砲をしようとしても電脳がプロテクトをかけトリガーに力が入らないようにするのだ。(仮にナイフや打撃で攻撃しようとしても拳に力が入らなくなる)

『うわ、本当だ私の目もいかれてるわ。Jagger供が人間として認識されてる』

双眼鏡を放り投げながらMDRが呟いた

『どうする少佐?』

『作戦中止!全員撤退だ!』

号令をかけ撤退をする、素子は撤退しながら基地にヘリを要請した

30分程が経過してようやくヘリが来た。迎えに来たヘリのパイロットが余りにも早い帰還要請に疑問を持ち何か聞きたげな顔をしたが素子に睨まれ表情を無にした、上昇したヘリの窓から見える廃村を見ながら素子は苦虫を噛み潰したような顔で見えなくなるまで見たのであった

 

 

 

 

 

 

 

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