Twitterの方でも言いましたが500も勲章を集まるとは骨が折れそうです、どうにかイベントも遂行しつつリアルの方も上手いこと事が運べばいいんですけどね...
自分語りもあれなんで、本編をどうぞ
「トグサ…お前生きていたのか」
「何十年ぶりでしょうかね…お久しぶりです本当に。」
「お前、すこし老けたな」
「そりゃまぁ、少佐のように全身義体化ってわけじゃないですから」
「あ、あの~少佐こちらの方は?」
カリーナは薄々目の前にいる男と少佐との関係は気づいていたが聞かずにはいられなかった、若さという好奇心の塊が彼女の背中を押した。
「あぁ、こいつは私の元部下でトグサって言うんだ」
「どうも初めまして、えーと…」
「カリーナですわ、トグサさん」
「あぁ、君がカリーナさんか。お噂はかねがね」
「有名人なのか?カリンは」
「まぁグリフィンの中じゃそこそこ知られてますよ“金の亡者”“産湯を金で済ませた女”とか」
「酷い言われようですわ…」
「それでトグサ、いきなりお前が私のもとに来たのも驚きだが…どうしてお前が指揮官を?」
「まぁ色々とありましてね、元公安なんて肩書で生きていられるのはこう言う職業だけってことですよ…思い出話に花を咲かせたいのはやまやまですが少佐に一つお土産がありまして」
「お土産?」
「えぇ、これなんですが…」
トグサがそう言ってポケットに手を伸ばした時、卓上の電話がなった。すまない、と一言いい素子が電話に出る
「こちらS09地区戦線基地指令室…ヘリアンか、どうしたんだ?なにハンター?そっちで急に必要になったから今すぐ持っていけと?…了解、今から出るから1時間はかかるぞ。それじゃ」
電話を切り素子はバツが悪そうな顔でトグサの方を向いた
「すまないトグサ、今から出なくてはいけなくなった」
「ヘリアンってウチの上官でしょ?上官の命令じゃしょうがないっすよ。しかし少佐そんな人とパイプがあるんですか」
「まぁな、じゃあすまないが行ってくる。トグサ、機会があれば食事でもしながらゆっくり話そう」
「その前に戦場でお会いするかもしれませんよ?」
「なら好都合だ、食費が浮く。それとカリン、放送で奴を司令室に呼び出してくれ」
「了解です」
「奴って?」
「すぐ分かるさ、それじゃよろしく頼んだぞ」
こうしてトグサは一人残され広い室内に待たされる、しばらくしてドアが開かれて懐かしい声が聞こえる
「おい、素子。なんだ用って…お前」
「バトー…お前もここに」
「トグサ、お前いつの間にグリフィンの人間になっていたのか」
「いやまぁそうなんだが、そういうお前もグリフィンの…」
「いや、俺は違うんだ…いやまぁ安い報酬で協力してるからある意味じゃグリフィンの人間なのかねぇ」
「旦那も生きていて良かったよ」
「とか言って、俺が死んでいるなんて思いもしなかっただろ」
「まぁな、あんたと少佐が死ぬなんてことは天地がひっくり返ってもありえねぇよ」
「どうだ、再開を祝して一杯」
「おいおいお互い勤務中だろ?」
「じゃあ飯食べるか、食ってないんだろ?」
「まぁな、ちょうど昼時か…食堂にでも行くか?」
「いや、食堂もいいがいいところがある」
「いいところ?」
「ついてくれば分かるさ」
※
「…コロッケそば一つ」
「かけ、熱いところを頼む」
へい、と一言だけ言い老人が動く
『…S09地区戦線基地から1kmほど離れた地点にまさか立ち食いそばがあるなんてな…いや本当なんでこんなところにあるんだよ日本じゃないだろここ』
『寒いところがあれば人は温かさを求める、寒いのと飢えが合わさると人間死にたくなる』
『…それがこんなところに立ち食いそばがある理由?答えになってないと思うけど…』
『トグサ、細かいことを気にしてはいけない…おっとすまねぇネギ抜きで頼む』
バトーの注文に老人はへい、と短く答えるだけだったが心なしか声が上ずっているようにトグサは聞こえた
と思ったところで注文した品物がカウンターに置かれる、二人はそれを手に取りバトーはこれでもかというぐらいの七味を振りかける
「「いただきます」」
トグサはまず汁をすする、ちょうど冷えてきたこの季節に熱い汁はありがたい。味も日本で食べたときと変わっていなかった
『しかしトグサ、立ち食いそばまで来てコロッケそばとは無粋なことをするもんだな。まだ若いか』
『旦那はシンプルなかけそば至上主義者か?だがコロッケそばは立ち食いそばの歴史の中じゃ黎明期からある伝統的な食べ物だぞ、無粋もないと思うんだが…旦那の電脳は硬いな』
『よせよ縁起でもない、そりゃおめぇ最後に見てもらったのは数年前だけどよ』
『というかそんな話をしにここに来たわけじゃないだろ?』
『あぁそうだ、トグサ。お前なんでグリフィンに居る』
『…日本国が北海道を除いて全滅して公安9課も解散したのは旦那も知ってるだろ?嫁と子供を引き連れて命辛々亡命してきたはいいが食い扶持がな…』
『こんな世界じゃ警察なんて組織はないから刑事としてのキャリアはいかせないし全身義体化してるわけじゃないから傭兵や軍人にもなれない…』
『あっという間に金は無くなり日雇いしていったがそれで家族を養えるわけがない。そんな中だったなグリフィンの求人を見たのは』
『それで応募して無事指揮官になれたと』
『それが大体5年位前の話だな…ようやく板についてきたってころだと思うよ』
『女房と子供は?元気にしてるのか?』
『元気にしてるよ、もっとも今は離婚してるから毎日会えるわけじゃないけどな』
『離婚?』
『あぁPMCとは言え戦に関わるんだ、家族がいたんじゃそれを人質にされて家族にも自分にもグリフィンにも不利益を被ることになるかもしれない。9課の時よりもやばいのに関わるんだ。家族は巻き込みたくない』
『相変わらず優男でやんの』
『バトーは?』
『まぁ傭兵とか賞金稼ぎとかやって今に至るわけさ』
『傭兵?賞金稼ぎ?傭兵はまだ分かるが賞金稼ぎってなんだよ』
『こんな末法の世の中じゃ軍はもちろんPMCでも拾えない量の事件が起きる。当然事件が起きてまともに取り扱うところもいない、そこで賞金稼ぎが居るわけだ。金と引き換えに依頼主の望みをかなえる。世の中の掃除も出来て俺の懐も温まる。中々いい仕事だぜ?』
そう言い終わる頃には二人の器は空っぽになっていた。席を立ちあがり暖簾をくぐる、体の中は暖かいが皮膚を木枯らしがくすぐる
「少佐もアンタも無事でよかった…それが知れただけでも俺は嬉しいよ。それじゃ残りの仕事もあるし帰るわ、旦那。傷だらけの副官に毒吐かれちまう」
「おう、頑張れよ。今度休暇取れたらこっちに来いよ、少佐と一杯やろうぜ」
「あんまり期待しないで楽しみにしておくよ…なんせここ9課以上にブラックだからな」
二人は互いに背を向き合い自分たちの帰る場所へと戻っていく。と、数歩歩いたところでトグサが待ってくれ、と叫ぶ
「どうした」
「いや、旦那が少佐と一緒に居るって分かったからこいつを渡そうと思って」
そういってトグサはポケットからUSBメモリを取り出す。
「これは?」
「少佐に渡す予定だったデータ、中には音声ファイルが入ってるんだけど興味深いのが入っていてな、少佐によろしく言っといてくれよ。絶対に食いつくはずだから。」
「分かった、渡しておこう」
「それじゃ今度こそお別れだな」
「あぁ、じゃあな…」
再び歩き出したトグサの体にまた木枯らしが体を撫でる、七味をかければ良かっただろうか
「でもあんな真っ赤になるまでかけるのはそれはそれで無粋だよな」
そう思いながら帰路に就くのであった