憑依物語   作:そりゃないわ

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#前回のあらすじ


実は私···着痩せするタイプなん↑です↓


11話『大成、怒る』

それらの視線を無視して進み、ギルドの入口までやって来た俺とダリア

 

何も言わない俺には相変わらずの嘲笑、遂にはダリアに向けて不躾な視線まで寄越すようになった。

 

「ダリア、大丈夫か?」

 

「·······」

 

顔を険しくして黙り込んでるダリア、良く見ると顔色が少し悪い。

 

「(そうだった、元々ダリアは「そういう」目的で捕えられた奴隷だった)」

 

つい最近までダリアが置かれてた環境を思い出し後悔する

 

正直この世界の俺の境遇を軽く見ていた。

 

「ダリア、今日は」

 

「おいレイグ、誰だよこの女ァ?」

 

休んどけ、と言おうとして後ろから声をかけられた。せめて野暮用が終わるまで待っとけや!と内心愚痴を言って後ろを振り向く。

 

ガタイの良い男が2人、ニタニタと笑っていてその視線はダリアの全身に向けられていた。

 

ビクッと震えるダリア。

 

俺はスッとダリアを背に隠すようにして、男2人の前にたった。

 

男達の顔が醜く、気に食わないと歪むのが分かった。

 

「おい、てめえ誰に向かってそんな目向けてんだ?」

 

「あれじゃね?あの雑魚門番が昨日ギルドで騒いでた記憶喪失、それで俺達に対する態度も全部忘れたんじゃね?」

 

 

──本当はあまりこの世界の俺の事情にそこまで干渉するきなんて無かった。元はと言えばこの世界の俺の自業自得が招いた事態だ、それが全てじゃないとしても。

 

いずれ俺はこの世界から消えようとしている。

 

その時、周りが変わっていてこの世界の俺は順応出来るだろうか。

 

この世界の俺の周りの再構築はこの世界の俺がすべきと考えていた。その為ならこの程度の悪意、どうとでもとおもった。

 

とっとと情報を集めて、この世界の俺の魂にこの体突っ返して、消える

 

「じゃぁもっかい教えてやんねぇとな」

 

「お前は俺達先輩冒険者のサウンドバックってな!」

 

「ついでにそこの女も貰ってくぜ?こんな上等な女お前にゃ勿体ねぇ」

 

 

 

 

だが、ダリアは関係ないだろう。

 

離さないようにダリアの手をしっかり握る、柔らかい掌は汗でじっとりと濡れていた。

 

「っ····レイグ····様?」

 

 

何で彼女がこんなに青褪めて震えなきゃならない?それは違うだろ、これはこの世界の俺のせいでも誰のせいでも無い

 

俺の責任だ。

 

「ここじゃ人目がある、やんならそこのギルドの裏で良いだろう?」

 

そう言って俺はギルドの脇に広がる道に顎をしゃくって示す。

 

「あ?テメェ誰────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいから着いてこい

 

 

自然と声に殺気がこもってしまう、昔から俺は仲間の事になると直ぐキレる悪い癖があるとアリスや仲間からも言われてきた。

 

だが無理だ、治せる自信が無い

 

悪いなアリス、と心の中で呟き、ダリアの手を引いて歩き出す。

 

男達は俺の殺気にビクッとしていたが、やがて怒鳴りながら後を追ってきた。

 

他の冒険者達の興味津々の視線を感じながら、俺達4人はギルドの裏に向かった。

 

「··············」

 

 

興味深い視線とはまた別の、まるで観察するような視線を感じながら。

 

 

 

ーーーーーー

 

ギルドの脇を歩き続けると人目に付かなそうな割りと広い空間に行き着いた。

 

「あの·····レイグ様、わ、私····」

 

申し訳ないと思ってるのだろう、声が震えている。

 

もう一度強く握り締めて安心させるように俺自身の心も安定させてから「何も心配すんな」と言って。

 

 

後ろから蹴り飛ばそうとした男の足を受け流して、腹に一発入れてやった。

 

腹に拳がめり込み男が鈍く呻いた。

 

「っぶ!?」

 

「!?」

 

更に、伸ばしきった男の足を抱え込み地面に着いているもう片方の足を足刀で素早く払って浮いた男の足を抱え込んだまま一回転して、そのままもう一人の男に向けて投げる。

 

 

「うぉわあ!?」

 

「ちょ!?」

 

支えきれずに倒れる2人の男を鼻で笑ってやる

 

「どうしたセンパイ?俺にサウンドバックってのを教えてくれるんじゃなかったのか?不意打ちして、返し技食らってて、教えられるのか?」

 

「て、テメェ調子に···」

 

「グダグダ言う前に教えてくれよ、駆け出しなんざに不意打ちして失敗して、地面に寝っ転がってる様でどうやって俺がテメェらのサウンドバックにしてくれるんだ?」

 

倒れている2人がみるみる顔を赤くして震えを大きくしている。

 

一人が口を開いた。

 

「それぐらいにしとけ?俺達はここらのチンピラを束ねてるCランクの冒険者だ、お前もそこの女も表歩けなくなるぞ?」

 

へぇ、凄いな

 

口を開かなくなった俺を見て口を分かりやすく歪ませた男2人は立ち上がって俺の方に歩いてきた。

 

「第一生意気何だよ、半年間ろくに成長すら出来なかったクソザコが何を開き直ったか知らねえが、俺達に歯向かおうなんてな!」

 

「今回は聞き分けの良かったテメェに免じて、女渡すだけで勘弁してやるよ、安心しろって!ちゃんと満足させてやるからよ!」

 

そう言ってギャハハ!と汚く笑う2人を見て俺はつまらなそうな表情をして見せた。

 

2人は立ち止まり、苛立ったように俺を見下ろした。

 

全身に魔力を循環させつつ、口を開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、喋んな腐る」

 

「じゃあ望み通りに殺してやるよぉ!」

 

青筋を浮かべて殴りかかってきた男の拳を受け止めて、男の顔を殴り飛ばした。

 

多分「大成の器」の+補正もあったのだろう男は簡単に顔面をグチャグチャにして吹っ飛んだ。

 

道端に置かれてた木箱に突っ込んで破砕音を撒き散らす

 

もう一人の男が凍りついたように固まった、その男に近づいて見上げてやる。

 

「おら呼んでこいよチンピラ集団」

 

「え、あ······」

 

冷や汗を流しながら男は吹き飛んだ仲間と、俺の顔を何度も見比べている。

 

「じ、実はさっきのは、は、はったりで·····」

 

だろうな、ランクCってのも嘘だろう、あの奴隷商人の手下達ですらまだまともな動きかたをしていた。

 

第一こいつらには人を率いるような才覚は全くない。

 

チンピラだろうと何だろうと一組織を築いてる代表ってのは、普通の荒くれ者とは違う·····それこそ──

 

そこで俺は男から視線を切って俺達が通ってきた道へ視線を移す、と同時に循環させた魔力を止めた

 

「え?」と俺男が俺の視線を追って振り返って、声無き悲鳴を上げた。

 

いつの間にか、一人の男が立っていた、黒い革スボンにシンプルな白いシャツを羽織ったその男は険しい顔をしてたった一言

 

「そこまでだ」

 

──それこそこういう奴だろう。

 

 

 





一体最後の男はダレナンダー
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