悲報!レイグ(今の)生まれ故郷は糞田舎ww
レイグ「は?おい」
え?ちょ───!?(学習能力皆無
「塩漬けクエスト」
意味は様々あるようだが、よくある意味合いとしては依頼されたクエストの内容とその報酬金額に不満を持った冒険者が、金額を吊り上げようと放置しているクエストって言うのがある。
しかし、そんな物をギルドが放置している訳が····
「依頼達成報酬の額を上げられなくなったのか····?」
妥協案としてあるのは、ギルド職員が依頼主の元に足を運び「そちらで上げられるだけ報酬額を上げる」という提案をして、上げてもらい。
これ以上は厳しい、とギルド職員に情に訴えて交渉して貰うというのがある。
俺の質問に御者の男は、気まずげに視線を反らした。
ダリアが顔を険しくして口を挟んだ。
「ま、待ってください····依頼を出したのって····?」
そう、この塩漬けの「最悪」の落とし穴は放置された日数である。最初は作物が荒らされた、家畜が喰われた等の被害でも、日数がたてば経つほど。
「───2ヶ月じゃ」
そう言って話し掛けて来たのは一人の老人だった。
「そ、村長····」
「·····そなたらが、依頼を受けてくれたと言う?」
そう尋ねてくる村長の目は誰にも期待してない、人生に疲れた、そんなだった。
「あぁ、レイグ、Eランク冒険者だ」
「ダリア、Cランク冒険者よ」
俺達の自己紹介を聞くと村長はますます目に落胆の様子を見せて、背を向けようとした。
「村長、いくら何でもそれは····」
御者が村長のあまりな態度に咎めようと口を開き、横から延ばされた手のひらにビクッと驚いた。
御者が延びてきた方、俺を見ると、戸惑いの表情を浮かべていた。
「俺達は気にしてない」
「はい、ろくに挨拶も出来ないようなお爺さんとは違うので」
「訂正するよ、俺は気にしてない」
「レイグ様!?」
ーーーー
村長があんな様子なので、俺とダリアは御者と別れ、村の中を確認することにした。
「レイグ様?どうします?」
「·····この依頼か?」
「はい」
ダリアが固い表情で訊いてきた。
·····正直、2ヶ月も干されてしかもフォレストウルフとなると面倒臭いことになってる筈だ。
「フォレストウルフの勢力は拡大してると踏んで良い、幸いアイツらは臆病だし、火と見回りを切らさなければこの規模の村だったらまだ襲われる事はないと思う。」
「······Bランク····ですか」
「········」
ダリアが幾らか緊張した様子で呟いた。
普通なら降りるだろう、あまりにも身の丈があってない、フォレストウルフは単体は弱いもののその本領はチームプレイだ。それに奴らは何故か自分に有利な場所に誘い出すのが上手い
しかもクエスト受注受理した際、Cランククエスト扱いだから、当然報酬もそれ相当。
俺は別に報酬がどうだろうと気にならないが·····
黙っている俺達に怒声が叩きつけられる。
「帰れよ!冒険者!」
その怒声の主は幼かった、まだ10歳頃だろうか。小さい男の子は憎々し気に俺達を睨み付けた
「お前らが!お前らが弱い癖に!母さんの飯一杯食って!皆冒険者がいれば安心だって!なのに!」
言っている内容がメチャクチャだった。
でも余程俺達······いや、冒険者が憎いのか涙を浮かべ、それでも言葉を続けようと声を張り上げた
「この村は危険だからっと村長が言ってた!危険だから商人も旅の人も誰も寄ってこないって言ってた!魔物が一杯居るから狩りも出来なくなったって隣のおじさんが悲しんでた!お、お前らのせいで····俺の」
「··········」
ダリアが微かに震えているのが分かった。
周りの村の人達は、ざわめくが誰も男の子を止める者は居なかった。
「レン!何をやってるの!?」
レン───男の子の名前であろう言葉を叫ぶように、一人の女性がレンと呼ばれた男の子の前に飛び出した。
「っせぇ!」
レンは目を瞑ってそう叫ぶと、この場を走り去っていった。
女性は顔を悲しげに歪めて!ハッとしたように頭を下げてきた。
「ごめんなさい!息子が!」
土下座でも始まりそうな雰囲気で謝る女性、俺は女性を宥めて話を聞かせて貰う事にした。
「すいません、少し話を聞いても良いですか?」
女性は申し訳無さそうに了承して俺達をこの街の寄合所へと案内してくれた。
「·········」
ダリアは俯いたままだった。
ーーーーーーー
女性は先程の男の子、レンの母親らしい。
話を聞くとどうやらこの村は騙されたらしい。冒険者を騙る連中の悪質なイタズラらしかった。
依頼を出して3日目にそいつらが来たらしく、かなり偉ぶっていたらしい
「俺達はAAランク冒険者だ。この村が困っていると聞いてな」と言う言葉を信じきった村長含め村の住人は、出来る限りの最高の持て成しをしたと言う。
村の子供達、当然レンも瞳を輝かせてその偽物連中に冒険譚をせびっていたらしい。
偽物連中は夜になるとフォレストウルフは動きが鈍くなるんだと得意気に語り、剣を抜いて意気揚々と森に入っていき。
結局帰って来なかったらしい。
そして偽物連中の安否を気にしたレンの父親が森に探索しに行ったが、翌日還らぬ姿で見つかったらしい。
動く気配が全くない、物資物流、フォレストウルフ達の脅威、そしてレンの父親の死、戦う力が無い村人が何者にも期待できないのは当然といえば当然だった。
「······クズですね」
控えめに言って、何よりそんな奴らと同列扱いされるのが余計ムカつく。
「·····すいません、私の教育不足だったんです、あのこの暴言について許して上げて下さい、この通りです。」
そう言って頭を再び下げようとした母親を宥める
「·····受けます!」
「え?」
今まで、俯いて顔を強張らせていたダリアだったが、いきなり立ち上がって叫んだ。
「レイグ様受けましょう!この依頼!」
「覚悟は決まったのか?」
「いえ、悩んでました!この村を救ったら英雄扱いじゃないですか?」
「ん?······まぁ」
そう、なるのかな?
母親はポカンとしてダリアを見上げている。
「そしたら多分銅像が建つじゃないですか」
「建ちませんね」
「えぇ!?じゃあ私が悩んでた時間って·····」
お前はこの数分間のシリアス中に何を悩んでるんだよ。
「え?あ、あの····」
目をぱちくりさせる母親を尻目に俺とダリアは笑みで頷きあった。
「俺達の初見せ場だ」
「はい!」
その日の晩、レンの母親の叫び声が村中に響いた。
ダリアちゃんに質問です!
Q嫌いな人は?
ダリア「リーガル村にいる隣の家のクレイヴ君」
いや誰!?