憑依物語   作:そりゃないわ

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短いです、今後はこのぐらいの文字数になります


1話『大成、現状を把握する』

これからの行動方針を決めたレイグは一先ず立ち上がり改めて身体の調子を確認する。

 

「足は問題無さそうだが、魔力が回復次第もう一度かけ直した方が言いかもな」

 

言いながらチクチク痛む自身の胸元を見て、眉をしかめる

 

「本来なら骨は自然治癒に任せたいが····こうも喋る度に痛みが来るのはウザいな」

 

足より先にまず胸の方が先だな、と決めて近くの村へ行くため歩をすすめ

 

「あ·····」

 

何かを思い出したレイグは固まったまま、頭を抱えた

 

そもそも、ここどこ状態だったのだ。物語ならばこういう状況でも慌てず何やかんやで近くの町を探し当てたり、もしくは前の持ち主の記憶が受け継がれて何食わぬ顔で町に戻るのだが·····

 

「······転生すれば良かったのかな?」

 

 

レイグの呟きは木々のざわめきと胸に走った痛みに変わった。

 

 

------

 

 

取り敢えずこの山なのか森なのか分からないところから出ればどうにかなるだろうと言う楽観的意見のもと、真っ直ぐ歩き始めた。

 

ん?ゴブリンが置いていった荷物?悪臭放つ履物を掴んだ時点で残りカスと呼べる程しか残って無かった魔力使って燃やしたよ

 

綺麗にな、スッキリしたよ、んで死ぬ程後悔したよ。

 

叫びたかったけど我慢したよ胸痛かったんだもん。

 

「······(ナイフで戦うよりは····か?)」

 

途中で見かけたそれなりの大きさでそれなりの重さの木の枝を拾った、止め刺すまで木の枝を使うことにした。

 

近くの岩に座り込み先程戦闘で使ったナイフで木の枝を削り形を整える。

 

「····しかしまぁ、さっきはそれなりって評価したが改めて使うとキチンと手入れされているじゃないか」

 

何度も研き直しているのか刃渡りが恐らく20cmあったものが15cmぐらいまで減っている。

 

「しかし剥ぎ取りナイフか、この紋章の彫り···こいつ冒険者だったのか」

 

ナイフの柄の部分に盾に剣を重ねたような彫りを見つけ

恐らく冒険者ギルドの支給物だろうと当たりを付ける。

 

懐かしいな、と自分とアリスが駆け出しの頃へと思いを馳せようとして

 

「っと、思い出に浸るのはマジで後にしないと、時間が分からんがまだ昼になったばかりっぽいな」

 

太陽が丁度真上に見えたので大体そのくらいだろう予想する。

 

「····よし、いい感じに整ったな、魔力も回復したっぽいし今のうち胸治しとこ」

 

そう呟きつつ、胸に癒しの魔法を施す。

 

「っし!行きますか·····ん?冒険者?」

 

いざ再出発とばかりに意気揚々と木の枝片手に歩き始めようとして冒険者のワードを思い出す。

 

こいつ冒険者なんだよな?だったら····

 

逸る気持ちを押さえつつレイグはポーチの中を漁る、必要最低限の救急用品や携帯食料の他、目当ての物を見つける。

 

「あったあった、冒険者カード」

 

そう、それは冒険者ならば誰でも持ってはいるがその重要性は命の次くらいには大事な物である。

 

レイグの世界では、冒険者カードを持った状態で(ステータス)と念じると自分の軽い個人情報、現在の能力の数値か、所有しているスキルの概要欄、そしてなんと

 

 

 

────地図も載っているのである!

 

「頼む、ご都合主義よ!此方の世界と同じ仕様であれ!合ってくださいお願いします!

 

 

───(ステータス!)」

 

 

すると冒険者カードの上に次々と文字が並べられていく。

 

 

「アリスゥゥウウ!やったぞ!俺は勝った!勝ったゾォおお!」

 

その場に跪き、カードを崇めるかのように頭より上に持っていき、へへー、と何回も頭をペコペコする、この男どうやら前の世界にプライドを置き去りにしてきたようだ。

 

しかしレイグは確認しようとカードを眺め、そして凍り付いた。

 

「················は?」

 

 

少しの沈黙の後に、やっと出た言葉はそんな気の抜けたような呆けた声。

 

冒険者カードにはこう出ていた

 

 

 

レイグ·アーバス 16 Lv3

 

 

攻 63

 

防 40

 

早 58

 

魔功 36

 

魔防 25

 

知 81

 

skill

大成の器(異界の英雄レイグ·アーバス)

 

#常時発動しています。

補正、レベルアップ時、全ステータスに+100

 

翻訳(new)

 

#現存する言葉全てを翻訳可能

 

 

 

 

 

 

 

「俺と·····同じ名前?」

 

 

ーーーーー

 

 

「分からん」

 

少し固まったが直ぐ切り替えて、考え始めるも2分立たないうちにぶん投げた。

 

「(まぁ、大体の予想はつくが)」

 

勿論、名前が同じだけっていうふざけた予想ではない、最初は正直パニックになりかけたが、冷静になると納得だ。

 

自分の魂がこの身体に馴染み「過ぎている」、普通元は違う肉体に全く違う魂が乗り移りその支配権を得たとしても、多少は元の身体とのズレが生じる筈じゃないか?

あくまでも予想に過ぎないが。自分の魂がこの身体に移って感じた違和感は身体能力の差と魔力の量だった、しかもすぐさま修正できたし、何より他は全てこの身体に順応している。

 

それこそ、修正した時の力加減だったり、思考、歩き方、呼吸の仕方、全てが最初から順応出来ていた。

 

 

 

───まさか

 

 

 

「この世界は、元の世界と似てるのか?」

 

 

それが本当かどうか、なるべく早く近くの町か村に辿り着きたい

 




ここはこうした方がいいよ、等の指摘、アドバイスがあると嬉しいですm(_ _)m
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