3人で初めての─────
──ダンジョン
この大陸のみならず、世界のあちらこちらに「出現」する、地下へと続く迷宮型の洞窟、根本的にこのダンジョンと言うのは常識から離れたものだった。
先程「出現」と言ったが、本当にその場に現れるのである、何の前触れもなく、気付けばそこにあるのだ。
次にモンスターである、何故かダンジョン一つ一つに沸いてくるモンスターはそのダンジョンに「役付けられたコンセプト」(「髑髏」なら文字通り「頭蓋骨」を象る)によって決められており、弱いモンスターしか出てこないダンジョンもあれば魔境か!?と疑うレベルで強いモンスターしか出てこないダンジョンもある。
また、お約束と言われる宝箱などは置いてはいない、代わりにこのダンジョン、外とは違い倒したモンスターの一部を戦利品として、倒した時、何時までも残らないで薄くなっていき、最後には消えるのだ。
ただ、稀に全くそのモンスターに全く関係ないアイテムを落とす時があるらしい。
ストルから10km程離れた森の奥、そびえ立つ山の麓に存在するダンジョンは見た目高さ200m程しかない、小規模の山である。
──Cランクダンジョン「髑髏」
ここ最近出現したダンジョンであり、ストルの街に居る冒険者の半分近くは頻繁にとまでは行かないがここに潜っている。調査依頼による報酬が美味しいのも一つの理由だが、討伐したモンスターのドロップアイテムをそのまま自分の物に出来ると言うのと。
「ダンジョンコア?」
「はい、ダンジョンを支えていると言われている、ダンジョンの魔力結晶····らしいです」
森の中にて馬車の荷台に揺られながら、レイグはこの世界においてのダンジョンの在り方をダリアとカーラの2人から聞いていた。
概ね、レイグの前居た世界と何ら変わらないみたいだったので、なら大丈夫かな、と思ったのだが「ダンジョンコア」と言う聞きなれない単語に眉を潜めた。
「ダンジョンコア」、ダンジョン内のモンスターの「生成、複製、回収」全てを補っている魔力が「固形化」した物らしく、その魔力量の凄まじさは未だ計り知れない。
「一番深い所にあるんだろ?」
「はい、ですがストル近くのダンジョンは出現 したのが最近なのか余り調査は進んでないって聞きましたね。」
深さはダンジョン毎に違い、ランクの低い高いに応じて変わるわけではない。例えばEランクのダンジョンが地下5階だったらSランクのダンジョンは地下50階、と言うわけでは無いのだ。
レイグは自分がこっちに来る前に見たダンジョンを思い出した。
様々なモンスターがいた、獣だったり、異形だったり、それこそ龍だったり。
恐らく最下層と思わしき、ただただ広い空間、端が随分と遠く感じた。ただ思い返すと最下層に居るはずのガーディアン的な存在がなかった気がする。
今思うと、どこかきな臭かったな····と苦笑いをこぼすレイグ、ダリアとカーラは?を浮かべた。
「ダンジョンコア、見てみたい、あわよくば手に取りたい!」
「そ、そんなテンション上がるほどのものか?」
揺れる馬車の荷台の上、いきなり立ち上がったカーラにレイグは若干引きながら見上げた。
「テンションあげあげ!まずダンジョンコア自体が出回る事がない!価値が高すぎて仮に手に入れたとしても逆に怖くなって、ギルド経由で王宮か王都のギルドに贈ってしまうの、それ以前にダンジョンコアを守るガーディアンが強くて並みの冒険者では手に入らないレベル!そんなダンジョンコアがこの手に触れたらと思うと」
確かにカーラの言うとおりダンジョンのガーディアンは強い、Eランクダンジョンなんか、本当にEランクでもガーディアンに手も足も出ずに殺されてしまうだろう。
そのぐらいダンジョンのランクに応じて、そこのガーディアンはずば抜けて強い。
「落ち着きなさい、ほら深呼吸して」
「すぅ········はぁ·······」
「うん、1+1は?」
「ダンジョン!!」
「うん、オッケー」
「いやいやいやいやいや」
等とふざなけながら、森の中間地点までやってきた。
御者の話によると、ここ最近はモンスターの襲撃もなく比較的安全に御者の他に軽い運び屋等の仕事が出来て助かっているとのこと。
前までこの森は割と植物系統のモンスターが生息していたらしいのだが、ダンジョンが出来てから何故かその数を減らしていったと言う。
「ダンジョンが関係してるって事なのか?」
「そこまではわかんねえが···」
「そんな話聞いたこと無いですね·····新種のダンジョンとかですかね?」
「だとすると他の冒険者達がダンジョンに集中するのも分かる」
そんな話をしている間にもやっと馬車は森の通路を進み木々の間を抜けて、件のダンジョンの全容を明らかになった。
軽く伐採でもしたのか、軽い広場になっていて、ダンジョンの入り口は高さ6m程あり、横幅は10人以上が余裕で横並びしてもまだ余裕はあるんじゃないかと思うぐらい広い。中に入るとすぐ下に降りる広い石造りの階段が待ち構えていた。カーラが目をキラキラさせている
入り口付近には御者と思わしき人が馬車を動かす馬を労ったり、同業者同士で話していたりしており。入り口には憲兵のような格好をした人が3人程立っており、恐らく検問的な役割の人達だろう。
荷台から降りたレイグ達は御者に礼を言って。入り口に向かった。
「ん?調査依頼か?」
「あぁ、依頼用紙もほら」
「········確かに確認した、あんたら初めて見るな一応言っとくけど虚偽報告だけは止めてくれよ?」
どこか揶揄するような感じがする台詞だが、顔は半分疲れているような感じだった。
調査依頼を受けた場合、ダンジョンから出てきた際、中で起きたこと、モンスター、出てきた最大数、最小数、又、その頻度等を細々と報告する義務がある。
しかもダンジョン依頼の大本が王都にあるギルド本部なので、これには国の重役も関わっているらしい。
「その感じだと·····」
「あぁ、いるんだよ、ちょっと前からそれっぽいことだけ書いてとんずらしちまうやつ」
と、どこか疲れたように言う憲兵に苦笑するレイグとダリア、カーラは「ねえ行こう?ダンジョンあるよ?」とばかりに無表情で入り口の真下まで行きレイグ達を見つめている。
取り敢えず無視して話を聞いてみると、そいつらは潜ってもいない階層の事を書いてみたり、実際に潜っても浅い階層の事しか書かないらしい、どうやら同一人物らしく。
特徴を聞いてみると、なんとつい最近絡んで来たばかりの元パーティーメンバー(笑)のディランと言う冒険者だったらしい。他の冒険者に聞いても「そいつらにはここまで潜る実力はない」と返されるとのこと。
「まあ、気を付けてくれや」
「わざわざありがとう」
焦れたのか床を転がり始めたカーラを見て溜め息を吐いたレイグ達に同情したのか憲兵は苦笑いして送り出してくれた。
いい人やぁ
「良いなぁ、男一人に可愛い女二人、ハーレムじゃねぇか」
後ろから、そんな会話が聞こえてくる内心レイグは「近くに居るのにそんな話をすんなよ」と苦笑する。ダリアはカーラを追いかけて先に行ってしまったらしく。
それを追いか───
「あぁ、俺も「賢者アリス様」みたいな可愛いパーティーメンバー欲しいなぁ!勇者様ばっかりずるいなぁ」
「───·······」
追いかけて、下へと降りていった。
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広がる岩造りの広間、正面から始まって左右に3本づつ広がる通路へと繋がる入り口と思わしき穴。「オオオオ····」と上の入り口から入り込む空気の流れが中で反響して、どこか荘厳な雰囲気を出していた。
感覚を研ぎ澄まし気配を探ると、バラけた位置に3~4人程の塊が止まっていたり、進んでいたりした。他の冒険者パーティーだろう。
先に着いていたダリアとカーラはどこかぼうっとした感じでこの空間内を見つめていた。
「(ダリアはCランクダンジョンは初めてって言ってたし、流石のカーラも固まっちゃうのは仕方ないか)」
そう当たりをつけて、少し鼓舞してやるかぐらいの気持ちで2人に声をかけようとして。
「 人 ! 生 ! 初 ! の ! ダンジョンダアァァァア !!!!!!! 」
「·····················」
「·····················」
顔を真っ赤に上気させて、その瞳を宝箱を見つけたトレジャーの如く輝かせ、ダンジョン内に響き渡る声で叫んだカーラを死んだ目でみるレイグとダリア
まずこのバカにダンジョンの常識を叩き込まなくてはいかないようだ。とレイグは青筋を浮かべ、ダリアは魔力を高めた。
カーラちゃんに問題です!
カーラ「何でも」
問1
貴方が今いる場所は?」
カーラ「ダンジョン!」
問2
2+2=?
カーラ「ダンジョン!」
問3
週刊少年ジ〇〇〇の三大原則 努力 友情 あと一つは?
カーラ「ダンジョン!!」
···············