#前回のあらすじ
獲ったどおオオオオオオ!
───カタカタカタカタ
「ソレ」は揺れているモノ
───カタカタカタカタ
「ソレ」は揺れているモノを持つ者
───カタカタカタカタ
ある者は「ソレ」が着いた刃を振りかざし
───カタカタカタカタ
ある者は「ソレ」が妖しく光る杖を両の手に構えている。
────それらは一体なぁんだ?
「簡単な質問、上から順にワイト、ワイトデュラハン、スケルトンソルジャー、ワイトマージ
どやぁ」
「そういう事じゃねぇんだよ、この残念お嬢様ぁ!」
そう叫ぶレイグ達三人の後ろには骨達がその体である骨を揺らしまくりながら追いかけていた。
ーーーー
カーラが興奮で叫んだ直後、フロア内の至るところから此方に向かってくる気配を感じたレイグは、ダリアとカーラに率いてすぐさま移動を開始した。
先程いた広間でも良かったが、探知魔法を使っていたのか「左端の通路に抜けるぞ」と言ってそっちの道に入っていった。
その道は正解だったのか、モンスターとは遭遇せず若干ぐねぐねしていたが、一本道だった。
レイグが「あと少し走ればさっきより大きな広間に出る、頑張れ!」と言って二人を鼓舞する。それにダリアとカーラが少し苦しそうに頷いた。
─────カチッ
「「「·········カチッ?」」」
カーラの足下から何かを押すような音がいやに鮮明に聞こえた。その場の三人とも止まってしまった。
そして止まった直後、まるでタイミングを見計らったのかと思う程に。
───ガコンッ!
まるでスライドするかのように三人のすぐ横にある壁が一部上へと消えて言った。当然そこに現れるのはこの道の隣道、当然最初の広間へと集まっていくモンスター達がいた。
既に骸とは言えいきなり隣に獲物を見つけたら固まるようである。一瞬の沈黙の末、意外にも冷静だったダリアが「今日も天気が良いですね?」と、会釈して、レイグとカーラの掌を掴み。走り出した。
当然後ろから骨達が追いかけてくる、そして冒頭へと戻るのであった·····
ーーーー
「この先の広間で後ろの奴ら迎え撃つ、カーラ、ぶっつけ本番だが行けるか?」
「冒険者登録してこのかた今までソロで頑張ってきた私の力、甘くみない方が良い」
「それ、自虐ネタのつもりですか?」
魔法の詠唱をしながら器用に冷たい視線をぶつけるダリア、カーラは視線をさっとそらす。何故かデコピンで許してやろうかな、何て思うレイグだった。
一本道を抜けると、円形のレイグの言った通り最初の広間より幾らか広い空間へと三人は躍り出た、即座に中央を陣取る。
元々連携を取ることや、カーラの戦闘能力を計る為にここに来たのだ。今のこの状況、逆に取れば都合が良いかもしれない。
入ってきた道とは反対側の道の方にも警戒をしながら、カーラはパルチザンを構え、俺とダリアは魔法の準備をする。
そして
「フレイム·ランページ!」
「サンダーブラスト!」
わらわらと入り込んで来たモンスター達に、その魔法名の通り、乱打の如く上下から蹂躙する火炎の弾と突風の如く稲妻が降り注いだ。
声帯すら死んでいるモンスター達はその身を焼く業火と引き裂くような稲妻になすすべもなく一度に数十体のモンスターを灰塵へと返した。ドロップアイテムの事等お構いなしである。
「勿体無い!」と内心悲鳴を挙げながらも。その魔法の威力に驚愕を覚えたカーラはそれを表情には出さず、仲間の死にも反応を見せず、ただ敵を殺す事だけを考えたモンスター達の眼前へ、躍りこんだ。
「(凄い······スゴイスゴイ!体が軽い!)」
改めて感じる身体能力の激変に興奮しながらも、即座に3度の突き、一秒の間に放たれた突きは全て「狂い無く」、骨兵達三体の核へと届かせた。
そこで終わらず、若干下がるくらいの感覚で身を捻りながらのバックステップ、事切れた骨兵からパルチザンの穂先が抜けると同時に身を捻った勢いで回転しながら一歩前へ、二歩目で槍の柄を持つ両手に力を込め直し
「セイッ!!」
三歩目で短く鋭い呼気と共に凪払った。
『───────』
声にならぬ悲鳴を挙げて、ガシャアっとその身を破壊されながら後ろに吹き飛ばされる骨兵に骨戦士、更にはワイトデュラハンまでもが吹き飛んだ。
ワイトやスケルトンソルジャークラスは大した事は無い、厄介なのはワイトデュラハンとワイトマージだ、別段何か厄介な能力等を持っている訳では無いが耐久性の強いワイトデュラハンと覚えてる魔法は少ないが一体一体、持ち合わせる魔法の種類が違う。
知識で分かっていたカーラはそれらが以前なら手に負えなかったが、今ならどうとでも出きる、体の底から沸き上がる全能感を覚えた所で、口の中で頬の裏側の肉を歯で噛んだ
「自惚れだけはしない」
その痛みを我慢して、更に一歩踏み出そうとして、レイグがカーラの槍を構えている方向と反対側にいる骨戦士3体を一気に核毎断ち切った。
流れるような剣技に一瞬見とれた、が気を持ち直してカーラは目の前の敵を葬っていく。
「雷《いかづち》よ」
レイグの声がカーラの耳に届く、上空に20以上の魔方陣が構成され、すぐさま身を怯ませるような「バヂヂヂ」という音が鳴り響いた。
「(凄い·······)」
思わず確認したカーラは驚愕に目を見開いた、レイグは今の一瞬でワイトマージの位置を把握して「同時に」全てを倒したのだ。
後ろから迫る剣をパルチザンの石つきをクイッと持ち上げて反らして、直ぐ様足で蹴り飛ばす。
「二人とも!!」
奮戦するレイグとカーラにダリアから声がかかる。意図を察したレイグとカーラはそれぞれ左右に飛び込むように跳躍。直後ダリアの魔法が火を吹いた。
「フレイム·ストーム!」
魔法を唱えた瞬間、ダリアの前に直径4mはある魔法陣が構成、そこから吹き出た炎、全てを焼き尽くす業火の奔流は全てを飲み込むかの如く、その言葉の通りレイグ達が相手していたモンスターを一瞬で飲み込んだ。
魔法を止めた後も、幾らか荒い息を吐きながら少しずつ整えようと吸って吐いてを繰り返す。
「(上級魔法まで使えんのかよ!?)」
「(じょ、上級魔法·····初めて見た·····)」
熱が残っているのか、陽炎が発生している道とダリアを見比べているカーラは驚愕の表情を浮かべていた。
一方、レイグは驚愕を覚えながらも、カーラへも驚愕の感情を寄せていた。
骨兵達を相手取りながらカーラの様子を見ていたレイグだが、凄まじい、の一言。余りにもレベルと技量がチグハグなのだ。
乱戦状態での立ち回り、恐らくこれ自体はカーラの才能と努力による賜物だろう、しかし技量、これは説明が付かない。
完成形に近いような感じがしたのだ、幾ら鍛練で槍の腕を上げたと言っても、一対一ならまだしも、こういった乱戦等では槍だけじゃなく他の武器でも発揮しづらい、ましてやカーラは槍、リーチが長い分逆に危険に陥りやすい。
「(·····予想外過ぎた、はっきり言って、指摘するポイントがあんま無い)」
と思っても仕方ない、とレイグは頭を振った。
まだモンスター達の襲撃の第二派が残っているのだ。
冒険者(ハンター)登録してこのかた今までソロで頑張ってきた私の力、甘くみない方が良い( ・`д・´)
ぅぐ(涙)