憑依物語   作:そりゃないわ

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#前回のあらすじ

奴隷少女の名前はダリアちゃん☆




3話『大成、腹が減る』

「よし、ここら辺が丁度良いか?」

 

程よく木々や茂みなどに囲まれていて、パッと見では分からないであろう空間を見つけたレイグは一度その場に寝転び具合を確認する。

 

少々固いと思ったのか顔をしかめ

 

「·····むぅ、仕方ない」

 

今から落ち葉や小枝などを拾っていたらそれこそ明日に支障が出る

 

そう判断したレイグは、傍らに置いてあった武器である木の枝を使い地面を掘っていく。

 

スコップや鍬では無いため多少は手こずったが問題なく自分の身長分は掘って解した。

 

「·····腹へった」

 

静かに空腹を訴える腹に手をやり、腰にあるポーチから携帯食料を取りだそうとして

 

「そうだった、下山する途中で切らしたんだった」

 

そうタメ息をつくが、何もしなくては益々空腹に喘ぐだけと思い

 

辺りの気配を探る

 

「何もいない?················いやこの気配······」

 

 

辺りからは生物がいるような気配が全く無く、不審に思うレイグ、もう少し探ってみるとここから少し離れた場所に人の気配を感じる、がどうも様子がへんだ。

 

 

「追われているのか?」

 

 

顔を厳しい物に替えていきそちらに目を向ける。

 

「·····飯は後回しかぁ」

 

少し汚れてしまった木の枝の切っ先に付いた土を払い落とし、そちらの方向に駆け出そうとして。

 

レイグは地面を跳躍して進む「やつ」を見つけてしまった。

 

いつの間にいたのだろうか。

 

灰色のモコモコっとした毛皮に仔猫よりかは大きい体躯そして何より小さいにも関わらず丸々小太りしたその愛らしいボディ!

 

「あ·····あ····あぁ·····」

 

 

只の野ウサギだった

 

しかしレイグにとってはこれ以上ないご馳走だったし、何気にこう言った状況で頂く野ウサギの肉は美味である

 

「········」

 

今向かおうとしていた森の奥と野ウサギを見比べる。

 

もしかしたら勘違いかもしれない、と右側の悪魔が囁いた。

 

もし、勘違いじゃなかったら貴方は計り知れない罪悪感に苛まれる事になるでしょう、と左側の天使は囁いた。

 

「ぐぅ······」

 

 

ギュルルルルゥ、ついには自分の腹までが囁き始めた。

 

 

─────俺は!

 

 

 

腹に決めたレイグは野ウサギに身体を向ける、ビクッと反応していつでも逃げる準備をする野ウサギ

 

歯を食い縛り、ズビシィ!と効果音がなるぐらいの勢いで人差し指を野ウサギへと向けた。

 

「てめぇこらウサギちゃんごらよぉ!(ギュルル·····)てめぇここで待ってなかったらあれだかんな!(ギュルルル)

えっと····まってろよおぉぉぉぉ!!(グギュゴオォォォォ)」

 

「?」

 

こてんと、首を傾げる野ウサギから視線を振り切り駆け出すレイグ

 

野ウサギは「何やあれ」とばかりに鼻をピクピクさせてどこかに行ってしまった。

 

「(アリス、こうして今日も強い心を手に入れました、でも何だろうね、あの葛藤で何か大事なモノを失ってしまった気がするんだ、アハハ何だろうね一体)」

 

 

 

ーーーーーーー

 

「!動きが止まった」

 

気配がする方に向けて走りはじめて1~2分たった頃まるで追いかけっこのように動いていた気配が止まり一ヶ所に纏まった。

 

耳を澄まし足音をなるべくたてずに走る、少しでも拾える声に邪魔をしないように。

 

 

『──私が何をしたって言うのよ!』

 

「──────」

 

聞こえてきたのは多分少女の声、近付いている証拠だろう耳を澄まさなくても聞こえてきた

 

理不尽に抗う声、しかしどこか自棄になっている含みを感じる

 

 

レイグは身体に魔力を遠し循環させると同時に足を踏み込んで一気に加速した。

 

直ぐ様、男4人に女一人が見えた。

 

予想通り女の顔を掴み顔を近付けているのは奴隷商人だろう、女はボロボロの服を着ており奴隷商人の後ろにいるのは手下であろうか

 

「·····」

 

何か笑い方が異様にキモかったので顔面に一発蹴りをいれた

 

「ぶべっ!?」

 

「!?」

 

吹き飛ぶ奴隷商人にビクッとなった少女、そしてポカンとする手下であろう男達。

 

「な、何だ貴様はぁ!?」

 

パニック状態でレイグを見上げる奴隷商人、何やら首に引っ提げている紐を引っ張りモノクルを取り出す。

 

「(モノクル?····あぁ、「鑑定」付きのマジックアイテム)」

 

それを装着してる間に、俺は少女を確認する。

 

少女は寝転がったまま此方を呆然と見ていた、身体が幾らか痙攣している、雷属性の魔法でも喰らったのだろうか·······

 

微か匂うアンモニア臭、恐怖の余り漏らしてしまったのだろうと察した

 

「っくはははははははははははは!」

急に奴隷商人が笑いだした、恐らくレイグのレベルを見て笑ったのだろう

 

奴隷商人はかなり腫れた顔で此方を指差して声高々に叫んだ。

 

「何だ、びびらせやがって!レベル3の雑魚がよ!」

 

「·······」

 

それを聞いて笑い出す手下達、驚愕の表情に切り替える少女。

 

まぁ、当然の反応だな

 

「てかまだまだガキじゃねぇか、何でここにいるんだか、良くもまぁこんな低レベルで俺達に立ち向かおうと思ったもんだ!」

 

心底可笑しいとばかりに笑いながら喋る奴隷商人、喋り終えると同時に手下達がニヤニヤしながら腰のサーベルを抜いた。

 

「!」

 

レイグが「お?」という顔つきに代わり手下達を見る、正確にはその手に持つサーベル

 

奴隷商人は何を勘違いしたのか愉快とばかりに「もう遅い」と言った。

 

「言っとくがそいつらは元とはいえCランク冒険者だ、駆け出しのお前じゃ何もできずに殺されるのがオチよ!」

 

「へへっ!そういう事だガキ、変な正義感で関わるとろくな目に会わないんだぜ?」

 

「冥土の土産に良い勉強になったなぁおい!」

 

まるで此方を怖がらせたいのかドスの効いた声で話す手下達。

 

「アンタが誰か知らないけど、逃げて!私の事は良いから!」

 

まるで懇願するかのように逃げるように叫ぶ少女。

 

 

 

「────ふざけんな」

 

「え?」

 

レイグは一歩前に出て、不敵に笑い手下達を見下した。

 

その様子に手下達は顔から笑みを消す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Cランクで立ち止まって、逃げた腰抜けが何を偉そうに語ってんだ?グチグチご高説ほざく暇があるんなら殺しに来れば良いだろ?

 

負け犬野郎共が」

 

「てめえぇぇぇぇえええええ!!!!!」

 

 

言い終わるや同時に手下の一人が襲い掛かる、元Cランクと言っていたし、レベルも20程はあるのだろう中々素早い動きだ。

 

「────」

 

だが遅く見える、こればかりは俺の意識に代わったからなのかは分からんがこの身体でも行けると思った。

 

サーベルを振り上げている隙に、振り上げている腕とは反対側に入り込む

 

「死ねぇ!」

 

そうすることで手下はレイグに当てようと腕を反対側まで無理矢理振り切る、その時顔も若干前のめりになる。

 

レイグはその斬撃を一歩分後ろに下がる事で回避

 

 

────すると同時に持っている木の枝で若干下がっている顔の顎を鋭く突いた。

 

脳を揺さぶられたであろう手下は簡単にそのまま倒れた。

 

 

「は?」

 

 




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