ゾフィーに転生をしましたがウルトラ戦士たちが女性でした   作:桐野 ユウ

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ゾフィーのお墓参り

宇宙警備隊本部──ウルトラウーマンメビウスは書類を持って隊長室の方へと向かっていた。報告書を隊長室にいるゾフィーに確認をしてもらうためである。

 

彼女が隊長室へと入ると、いたのはゾフィーではなかった。

 

「やぁメビウス」

 

「だ、大隊長!?」

 

ウルトラホーンを持つ宇宙警備隊大隊長を務めているウルトラの父ことウルトラマンケンがいたのでメビウスは驚いている。彼ははっはっはっはと笑いながらメビウスが持ってきた書類をもらい確認をしている。

 

「うむ確認させてもらったよメビウス、これは私が預かろう」

 

「あ、あの大隊長、ゾフィー兄さんは?」

 

「・・・・・・今日はゾフィーはお休みだ。だから私が代わりにここで指揮をしているのだよ」

 

「ゾフィー兄さんがお休みですか、珍しいですね」

 

「・・・・・・まぁな」

 

ケンはゾフィーがなぜ今日休んでいるのかは知っている、ヒカリ、そして、タロウまでのウルトラ姉妹達もゾフィーが休んでいる理由を知っている。

 

さてそのゾフィーはというと、ウルトラの国のある場所へと花をもってやってきていた。ここはウルトラの国の墓地である。

 

彼は目的の場所へとやってきてお水をかけてからお花などを入れ替えていた。ここにはゾフィーの父と母が眠っている場所でもある。

 

父はケンやベリアルの親友だったが、エンペラ星人が攻めてきたときに戦死、母の方は自分を産んでから亡くなっている。

 

「父さん、母さん、遅くなってすみません。宇宙警備隊隊長として着任をしてからあまり来れなくなったことをお詫びします。」

 

彼は、地球の作法に則り、線香に火をつけ、両手を合わせて黙とうをする。それから彼は立ちあがり墓地を後にする。

 

それからゾフィーは光の国を出て、かつて自身にM87光線の本当の意味を授けてくれた師匠にして養父ウォーリアンの墓、さらに地球の方へと行きサコミズ•シンゴが眠っている墓にもお墓参りをした。

 

(地球ではかなりの年数が経っているからな、メビウスが守ってきた地球も怪獣や宇宙人の出現率は減っているが、ひそかに動いている奴らがいる・・・・・・)

 

彼はそう思いながら、サコミズの墓を後にして、歩こうとした時に火球が飛んできたので回避する。前を向くと現れた宇宙人は舌打ちをする。

 

「流石宇宙警備隊隊長だけなことはあるな」

 

「貴様はメタル宇宙人ガルト星人・・・・・・!私の命が狙いか」

 

「そのとおりだゾフィー!!さぁいでよ!!ガイモス!!」

 

ガルト星人が指を鳴らすと妖邪剛獣ガイモスが現れた。ゾフィーは右手に装着している変身用のブレスレットを掲げてゾフィーへと変身をする。

 

ガイモスは現れたゾフィーに向かって進んでいく。

 

「シュワ!!」

 

ファイティングポーズをとり、ゾフィーはガイモスに突撃をしてタックルをお見舞いさせるが、ガイモスは強靭な体でゾフィーのタックルを受け止めるとそのまま彼をつかんで投げ飛ばした。

 

「ジュワ・・・・・・(なんて怪力をしている。確かあれは『平成ウルトラセブン』の怪獣でセブンを一度はダウンさせているほどの強敵だ)」

 

ゾフィーは前世の記憶でガイモスのことを思いだして再び立ちあがるとウルトラスラッシュを投げつける。

 

ガイモスはウルトラスラッシュを受け止めてそれを地面に叩きつける。

 

「無駄だゾフィー!そいつには貴様の技をインプットさせている。つまり貴様の技は効かないってことだ!!ふん!!」

 

ガルト星人も巨大化をして二対一の戦いになりゾフィーは構え直す。しかし彼は笑いだしたのでガルト星人に疑問符が浮かぶ。

 

「何が可笑しい!?」

 

「どうやら私は一人ではないってことだよ」

 

「なんだと!?」

 

上空から光線が放たれて二人のウルトラウーマンが着地をする。青い体にFカップ、右手にはナイトブレスを装着をしているウルトラウーマンヒカリ、もう一人は鎧を装着をして胸はヒカリと同じFカップの人物、ウルトラウーマンメロスである。

 

「ったくお前は何処に行っても人気者だな!?」

 

「全くよ!」

 

「すまないメロスにヒカリ、お前達が来てくれなかったらやられていたかもしれないな」

 

「なーに水臭いことを言ってるんだよ!?ほらさっさとやるわよ!!」

 

三人は構え直すと、ガルト星人は怒っていた。もう少しのところでゾフィーを倒せたので怒り心頭である。

 

「おのれおのれおのれ!!」

 

「悪いがこいつを倒させるわけにはいかない!!」

 

ヒカリはアーブギアを纏うとゾフィーも右手に何かを装着をしている。

 

「ゾフィー、それは一体?」

 

「まぁ見ておけコスモテクター!!」

 

彼は右手につけたスイッチを押すと彼自身に鎧が装着されていき、最後はヘルメットをかぶる。その姿は皆が知っているあの人である。

 

「アンドロメロス!!」

 

「それってコスモテクターじゃない!!なんでお前が!!」

 

「あぁこれか?二代目メロスの父が装着してたのをもらってね。アンドロ警備隊を作った時に彼女からもらったものだ。どうか父の分まで共に戦ってほしいとね。だから遠慮なくもらったよ」

 

三人が構え直すと、ガルト星人とガイモスも同じように構えている。

 

「こうなりゃ最後の決戦だ!!ドハデにいくぜいくぜいくぜ!!」

 

ガイモスをメロスとヒカリが引きうけてくれるので、ゾフィーはガルト星人の方へと行く。

 

ガイモスは二人に火球を放つがヒカリは右手のナイトブレスからナイトビームブレードを生成して火球を切り裂くと、メロスは両肩に装備されたレーザー砲を使う。

 

「アンドロレーザーN75!!」

 

放たれたレーザーがガイモスのボディに命中し、ヒカリがそのままダッシュをしてナイトビームブレードの一閃がガイモスのボディを斬りつけた。

 

「今よメロス!!」

 

「合わせろよ、ハカセ!!」

 

「ヒカリだ!!」

 

「レーザーショットアンドロメロス!!」

 

「ナイトシュート!!」

 

二人が放った光線がガイモスに命中して爆散する。一方でガルト星人と戦うアンドロメロスことゾフィー、ガルト星人が放つ蹴りをコスモテクターで防いでからアンドロパンチ、アンドロキックをお見舞いさせてダメージを与える。

 

「いてーなこの野郎・・・・・・これでもくらえ!!」

 

「コスモクロス!!」

 

両手甲に装備されているコスモクロスを投げつけてガルト星人が放った火球を相殺をすると、腰部のアンドロスポットからダブルサーベルを出して突撃し、ガルト星人のボディを斬りつける。

 

「お、おのれ・・・・・・ゾフィー!!」

 

「これで終わらせるぞ・・・・・・」

 

彼はコスモテクターを解除をしてゾフィーへと戻ると光エネルギーをためて構える。

 

「M87光線!!」

 

地球上で放つため威力を抑えているがそれでも怪獣を倒すことができるほどの出力のM87光線を放ちガルト星人に命中をする。

 

「ちょっと待ってこれってまじでやばいっていびゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

ガルト星人は爆発をした。だがゾフィーは膝をついた。

 

「「ゾフィー!!」」

 

二人は彼のところへ駆けつけると胸のカラータイマーが赤く点滅をしていた。彼女達はやれやれといいながらゾフィーを連れて宇宙へと飛び立ち、彼にエネルギーを分け与えた。

 

「すまない二人とも」

 

「全くよ」

 

「見張りじゃないけどよ。お前、自分が狙われてんの知ってんだろうが。さっきのガルト星人もよ」

 

「すまないね。だがサコミズのお墓だけはどうしても行きたかったからね。なにせ私が出会った地球人の友だから・・・・・・」

 

「「ゾフィー・・・・・・」」

 

「さぁ帰ろう」

 

ゾフィーは光の国の方角へと飛んで行くので二人のウルトラウーマンたちもゾフィーと共に飛んで行く。




次回「ゾフィーとベリアル」

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