ゾフィーに転生をしましたがウルトラ戦士たちが女性でした   作:桐野 ユウ

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ゾフィーとコスモス

M78星雲光の国にある一つの居酒屋、そこに二人のウルトラ戦士がいた。一人は我らのゾフィー隊長、そして彼と一緒に飲もうとしているのは青い髪に青いチャイナ服を着込んだような人物、慈愛の勇者「ウルトラウーマンコスモス」である。

 

彼女はかつて、フューチャーアースで、ウルトラウーマンゼロ、ウルトラウーマンダイナ、ウルトラ兄妹、そしてフューチャーアースの生き残りであるチームUと力を合わせて、バット星人率いる怪獣兵器軍団と戦い、平和を取り戻した人物である。彼女もコスモスペースから時々M78ワールドにある光の国へ来ることがある。

 

コスモスがゾフィーを誘った理由……それは、他のウルトラ姉妹達に頼まれたからである、ゾフィーとお酒を飲んで彼の好きな人を聞くために。コスモスもゾフィーの好きな人が気になっていたので承諾したのだ。

 

「すまないね、コスモス」

 

「お気になさらないでください。私からお願いしたことなので」

 

「そうだったね」

 

二人はビールをお願いして乾杯する。実はコスモスには音を拾うマイクがセットされており、ほかのウルトラウーマン達が聞けるようになっている。そして、すでに盗聴用の別室にはウーマンを始めウルトラ姉妹達が集まっており、彼女達はゾフィーの本音を聞けるのだ。

 

「まさかコスモスに頼むとはな・・・・・・」

 

「だけど皆も気になっていたでしょ?ゾフィーの本音を。」

 

ウーマンの言葉に全員が首を縦に振っている間、コスモスが話しかける。

 

「ところでゾフィーさん、ぶっちゃけ聞きますが・・・・・・もし姉妹と結婚をするとしたら誰なんですか?」

 

「姉妹とかい?」

 

「はい」

 

「ふーむ・・・・・・」

 

コスモスの質問に、ゾフィーはウーマン達を頭に浮かべてから一人のウルトラウーマンの名前を出す。

 

「もし結婚をするとしたらエースかな?」

 

「エースさんですか?」

 

一方で聞いていた部屋ではエースが立ちあがり顔を赤くしながらはわわわわとなっていた。

 

「エースは料理もほかの姉妹達よりも上手に作ってくれるし、部屋などを片付けてくれていそうと思ってね。なら結婚をするとしたらエースかなって」

 

「なるほど・・・・・・エースさん以外でしたら誰ですか?」

 

「エース以外か・・・・・・エイティ、ウーマンかな?」

 

「「!!」」

 

今度はウーマンとエイティが喜び、立ちあがる。その理由を聞いた。

 

「ウーマンはあれでも恥ずかしがり屋でな、だけど彼女の本当の意味ですごいのは冷静な判断で、買い物をしたりすることだ。エイティに関しては子どもができた時は先生として鍛えてくれそうだなと思ってね。何より彼女の紅茶は美味しいからな。」

 

「そうか・・・ゾフィーは私のことをそう思っていたのか・・・・・・うふふふふふふ」

 

「紅茶が美味しい……毎日淹れてもいいのですよ!!」

 

「私が一番、私が一番・・・・・・!」

 

選ばれた三人は笑顔を浮かべる中、コスモスとゾフィーは話を続けていた。

 

「ならウーマンさん達のいいところとかありませんか?私、ゼロやダイナ以外のウルトラ戦士と共闘をしたことがあまりなくて……」

 

「ふむ・・・・・・ならまずはウーマンだな、あの子は長女という立ち位置もあるからほかのみんなから頼られているのは私も知っている。だけど彼女も辛い時だってある。ほかの姉妹達につらいところを見せないために必死に努力をしているのを私は知っている。」

 

「・・・・・・ゾフィー。」

 

「セブンは心配をかける妹だと思っている。あの子は地球のことを誰よりも愛している。自分の体がボロボロになろうともあの子は守ろうと戦ってきた。ゴース星団との戦いの後、宇宙でさまよっていた彼女をウルトラクリニックに運んだ際にはマリーさんも驚いていたさ」

 

「・・・・・・気を付けます」

 

「ジャックは自分が何が得意なのかってのがわからなかったな。地球でも様々な怪獣と戦い、負けてきたが、それでも彼女は努力をして新たな技を取得して怪獣や宇宙人を打ち負かしてきた。あの子の本当の強さを私は知っている」

 

「ゾフィーお兄ちゃん・・・・・・」

 

「エースは怪獣よりも強い超獣と死闘を繰り広げた。彼女も地球を守るためにボロボロになりながらもヤプールと戦い勝利した。最後に子どもたちに残していったあの言葉・・・・・・今の子どもたちもそれを守っていると私は信じている」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「タロウは甘えん坊だ。私によく抱き付いてくる。だが彼女も今じゃ立派なウルトラ戦士に成長してくれた。筆頭教官として宇宙警備隊員を育てていくのも難しいことだ・・・・・・」

 

「えへへへへへ」

 

「レオは故郷を失って地球で過ごしていた。彼女は宇宙から迫りくる宇宙人と戦い負けたこともある。だがそれでもセブンとの訓練で彼女は戦士として立派になっていくのを私は見ることしかできなかった。地球だけじゃなくほかの場所でもババルウ星人の一味が暗躍していたからね。MACステーションが襲われたときも私は急いで向かったが助けることができなかった………」

 

「ゾフィー兄さん・・・・・・」

 

「エイティはマイナスエネルギーで活性化した怪獣や邪悪な宇宙人と戦う為に中学校の教師としての立場を捨てなければいけなかった。一番辛かったのは彼女かもしれないな・・・・・・許してくれとは言わない。」

 

「……ゾフィー兄さん」

 

「メビウスは…彼女が一番プレッシャーが高いかもしれないな。最初はルーキー戦士だった彼女も今ではウルトラ兄妹として、時には先輩として後輩の指導をするなど戦士として大きく成長した。そしてあのエンペラ星人を仲間たちと共に彼女は倒した。地球人との絆を大切にした戦士は彼女かもしれない。サコミズとの出会いは私にとっても大事なことだ。君もそうだろう、コスモス?」

 

「はい!」

 

「ゾフィー兄さん・・・・・・」

 

「最後はヒカリだな。あの子とは小さい時から同じ学校に通っていたからね。当時命の固定化を成功をさせてくれたから、ウーマンやファイタス、そして私もこうして助かっている。だが彼女は、惑星アーブがボガールによって滅ばされてから、復讐の鎧を纏い戦ってきた。私も隊長として辛かったよ。友達として彼女の悲しみを助けることができなかった。だから彼女が無事に光の国に戻ったときは嬉しかったさ」

 

「・・・・・・すまないゾフィー、復讐の鎧を纏っていた私は・・・・・・お前の前に現れることができなかった」

 

「ヒカリ・・・・・・」

 

「あいつがそんな思いをしていたなんて私は知らなかった。惑星アーブを滅ぼされてボガールを倒す為に私はかつての自分を捨てた。なのにあいつは私のことを親友と呼んでくれた。私は・・・・・・私は!!」

 

ヒカリは涙を流しながらゾフィーに「ごめんなさい」と呟いていた。メビウスは彼女の背中をさすった。さて場所を居酒屋に戻すと、酒が進んでいた。

 

「・・・・・・ふぅ・・・・・・」

 

「ゾフィーさん飲んでいますか?」

 

「あぁ、コスモス、飲んでいるよ。色々と長かったなと思ってね。」

 

「?」

 

「ウルトラウーマンベリアル、あの人は私にとって色々とお世話になった人なんだ。私の父が死んだ時、彼女の家でお世話になっていたんだよ」

 

「そんなことが・・・・・・」

 

「あぁ、だから彼女に恩を返す為に宇宙警備隊に入り共に戦えるのを楽しみにしていたんだ。だが・・・・・・彼女はプラズマスパークコアを触り光の国から追放された。そして次に現れた時はレイブラッド星人に乗っ取られた姿で光の国を破壊をしようとしていた。私は彼女を止めようと奮闘したがあしらわれてしまった。忘れもしないさ・・・・・・ゼロがアナザースペースで彼女を倒したことを知ったときはもう二度とあの人と共に戦えないんだと・・・・・・悲しかったさ。何もお礼もできないままあの人は旅立ってしまったからな」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

ベリアルことベルのことを話すゾフィーの声はいつもと違い寂しい声だった。ゾフィーにとって彼女は義母のような存在だ。だからこそゾフィーは悲しい思いが募っていた。

 

「だけどある日プラズマスパークコアを見ていると一つの影がそこにいた。私は敵対宇宙人が侵入したのかと思い、構えていた。そこにいたのはレイブラット星人に乗っ取られる前のベリアルさんだった。私は嬉しかった。こうしてまた彼女と共に戦えることに・・・・・・あの人がベルさんと名乗っても私にとってはウルトラウーマンベリアルさんだから」

 

「・・・・・・・・・ゾフィーさん。」

 

「ふふふ、すまないね。見っともないところをさらしてしまった・・・・・・私も本当は愚痴りたいと思っているさ。だけど一番上の長男として立っている以上、あの子達に弱いところを見せるわけにはいかないからね。まぁ今はお酒を飲んでいる影響かもしれないが」

 

そのままビールのお代わりを頼んで彼は飲んでいた。一方で話を聞いていたウルトラ姉妹達は先ほどのゾフィーの言葉について、思うところがあったようだ。

 

「・・・・・・私達、ゾフィーに頼ってばかりだったわね。」

 

「だな。ゾフィーの弱っている姿は見たことがないな。一番上に立つ長男として・・・・・・見せられない、か・・・・・・」

 

「ゾフィーお兄ちゃんらしいけど・・・・・・頼ってほしかったな・・・・・・」

 

「えぇ私もそう思いますジャック姉さん。ゾフィー兄さんは一人で抱えることが多いです。私達も何か力になることはないのでしょうか?」

 

全員で考えている中、ゾフィーは酒がさらに進んでいた。コスモスは心配になり、声をかけた。

 

「ゾフィーさん、その、大丈夫なんですか?そんなにお酒を飲んで」

 

「大丈夫だよ。明日は仕事が休みだからね・・・・・・君こそ大丈夫なのかい?」

 

「これでもお酒は強い方ですから。」

 

「そうか・・・・・・そういえば泊まる場所はあるのかい?」

 

「あ・・・・・・」

 

「なら私の家で二次会でもしようか?」

 

「ぜひ・・・・・・」

 

こうしてゾフィーに連れられたコスモスは彼の家に泊まることになった。それを聞いていた姉妹達は黒いオーラを纏う。明日になるのを楽しみにしていたが、ゾフィーが休みだとを忘れていたのだ。彼女達はうっぷんを晴らす為に宇宙で暴れているエイリアンや怪獣達に八つ当たりをするのであった。

 




次回「ゾフィーのウルトラ姉妹紹介」

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