ゾフィーに転生をしましたがウルトラ戦士たちが女性でした   作:桐野 ユウ

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ゾフィーの報告。

ウルトラクリニックにマントを羽織った二人の戦士がやってきた。大隊長を務めるウルトラの父とその補佐をするウルトラウーマンベルである。二人はゾフィーが入院している部屋の前でノックをしてから中に入る。

 

「入るわよ、ゾフィー」

 

「おい、ベリアル!まだゾフィーは良いと言っていない気が・・・・・・」

 

ベリアルことベルがゾフィーからの返答を待たずに中に入ったので、ケンもゾフィーも苦笑いをした。

 

「えっと大隊長に大隊長補佐」

 

「今は警備隊本部じゃない。普段通りで呼んでくれ」

 

「わかりました」

 

「何があった?ゼロからだいたいのことは聞いたが・・・・・・」

 

ゾフィーは怪獣墓場であったことを全て報告をした。突然のベムラー達の襲撃、ガッツ星人にとらわれたことなどもすべて話した。二人はゾフィーの話を聞いて考えていた。

 

「奴はお前を捕らえて何をしようとしたのか・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ベルは何かを考えたのか部屋を出ようとした。ケンは立ちあがり彼女に声をかける。

 

「ベリアル?」

 

「少しだけやることができたわ。悪いけどケン、ゾフィーを頼んだわよ」

 

ベルはウルトラクリニックを後にして、飛び立とうとしたがそこに二人のウルトラウーマンが現れる。

 

「どこに行く気だ、ベルの姐御」

 

「ゼロ、それにジード……」

 

ベルの前に現れたのはウルトラウーマンゼロとウルトラウーマンジードであった。

 

「ひどいよお母さん、一人で片付けようとするなんて」

 

「ったくあいつらだろ?おそらくもう一人のベリアルを蘇らせようとしてるんだろ?」

 

「その通りよ。そんなことになったらまたあの事件が起きてしまう。だからその前に止める!!」

 

「なら早く行った方がいいね」

 

「だな、ゾフィー隊長を痛めつけた礼をしないとな」

 

「全く……」

 

ベルは呆れるがすぐに真面目な顔になる。そして、三人は怪獣墓場の方へと飛びたった。一方で怪獣墓場には五人の宇宙人と一匹の怪獣がいた。メフィラス星人“魔導のスライ”、ヒッポリト星人“地獄のジャタール”、テンペラ―星人“極悪のヴィラ二アス”と相棒の暴君怪獣タイラント、グローザ星系人“氷結のグロッケン”、デスレ星雲人“炎上のデスローグ”である。

 

ダークネスファイブプラス一匹は、ウルトラウーマンベリアルの忠実なる部下である。ベリアルが滅んだ後、彼らは彼女を復活させるために暗躍をしていた。

 

「さて、いよいよですよ」

 

「おぉ、ついに陛下が復活される時が来た!!」

 

「うむ、その為に、マイナスエネルギーやこのデビルスプリンターを回収したのだからな!!」

 

「これでいよいよ俺達のボスが蘇るってもんだ!!」

 

「ぐおおおおおおお!!」

 

「さて最後の「そんなことさせると思っているのかしら!!」!!」

 

三つの光線が放たれて五人と一匹が回避すると、ウルトラウーマンベルとゼロ、ジードが着地をして彼らの前に現れる。

 

「やはり現れましたね。もう一人の陛下・・・・・・」

 

「えぇ、あんたたちのことだからもう一人の私を蘇らせると思ってね。ゾフィーを痛めつけたのもあいつの絶望するエネルギーを吸い取るためね?けどそれは失敗に終わったでしょ、スライ?」

 

「流石です。だから我々はほかの方法で復活させることにしたのですよ。それはあなたがかつてウルトラウーマンタロウと戦った際に生まれたものです」

 

「まさかデビルスプリンターのことか!!」

 

「その通り!俺達はこれを宇宙中から回収して陛下を復活させるためのエネルギーにしていたんだよ!!」

 

「そして今ここに陛下が復活する!!」

 

「みるがいい!!陛下が復活するのを!!」

 

全員が上の方を見るとアーマードダークネスが立っていた。ゼロはかつての戦いでベリアルに体を乗っ取られたことを思いだしたので舌打ちをする。

 

だがアーマードダークネスに光線が命中をする。全員がいったい誰がと見ているとM87光線の構えをしたゾフィーが現れた。

 

「「ゾフィー隊長!?」」

 

「ゾフィー・・・・・・」

 

「三人ともひどいな、黙って出ていくとは思ってもいませんでしたよ。あの悪魔を蘇らせないために動いたのはいいですが・・・・・・これ以上宇宙の乱れをほっとくわけにはいかない!!」

 

「ゾフィー、ガッツ星人ネクロマが復活させた怪獣たちとの戦いでボロボロになっていたはずですが・・・・・・」

 

「あんなもの傷のうちにも入らない!さぁ覚悟をするがいい!!」

 

ゾフィーは指をさすとダークネスファイブが笑いだす。

 

「「「「ふふふふふふっはっはっはっはっはっは!!」」」」

 

「何が可笑しい!!」

 

「遅かったのですよゾフィー、陛下は蘇りましたよ!!」

 

「何!?」

 

アーマードダークネスの頭部が取れて現れたのはレイブラッド星人に乗っ取られたベルの姿である。

 

「ふっふっふっふ、ようやく蘇ることができたわ・・・・・・」

 

「ッチ、成仏したと思ったらまた出て来やがって!」

 

「・・・・・・ベルさん、ジード、ゼロ・・・・・・あの悪魔は私が戦う。ほかをたのみたい」

 

「隊長・・・・・・」

 

「ゾフィー・・・・・・」

 

「あなたたちが決着をつけたいように、私も決着(ケリ)をつけないといけませんので・・・・・・お願いします!」

 

「わかったわ……その代わり、死ぬな。絶対に私達のところに帰ってきなさい。死んだら私が絶対に許さないわよ」

 

「はい!」

 

ゾフィーは飛び、アーマードダークネスを纏っているウルトラウーマンベリアルの前に立つ。

 

「ほう貴様が私と戦うのか。」

 

「・・・・・・あぁゼロ、ジード、そしてベルさんとの因縁を私が断つ!!覚悟をしろベリアル!!」

 

「来るがいい!!若造!!」

 

ゾフィーはウルトラブレスレットを変形させたウルトラランスを、ベリアルもダークネストライデントを構えた。




次回「決着をつけろ!ゾフィー対ベリアル」

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