ゾフィーに転生をしましたがウルトラ戦士たちが女性でした   作:桐野 ユウ

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ゾフィーの帰還

とある惑星でゼラン星人の野望を打ち砕いたエースとゾフィー……その惑星でヤッた後に光の国へと帰還した。

 

隊長室へと行くと笑顔で座っている人物がいた──そう、我らのウルトラウーマンである。

 

「お・か・え・り・なさいませ、お兄様……」

 

黒い笑顔で迎えてくれた彼女に対して謝った後、仕事の引き継ぎをしてから自分の椅子に座り、今日の業務に取りかかる。

 

休日の間、アナタシアに襲われる形で致した後、エースともコトに及ぶことになったなんて……彼は頭を抱えたが、自分も承諾をしてしまったので仕方がないなとため息をついた。

 

(あの日を境に、彼女達から「遠慮」という言葉が消えた……もしかしなくても、私が原因…なんだろうな)

 

『やっとわかってきたじゃないか』

 

「……ベリアルさん、いきなり出てこないでくださいよ」

 

『いいじゃねーか、全員、狙っていたんだからよ、お前のことをずっと、な』

 

「自分でも驚いています。まさかニュージェネレーションや十勇士の戦士たちも私のことが好きだなんて・・・・・・正直に言えば、思ってもいませんでした」

 

ゾフィーはふと物思いに耽る。まずゼロと共にエタルガーを追っていたときにギンガやビクトリー達と出会ったことを。そして、似たような理由でエックス達と出会ったことも・・・・・・そこで、ゾフィーは、ゼロと異世界の旅をしていた時の接点に気づく。それから仕事の続きをしようとした時、扉が勢いよく開かれた。何事かとその方向を見やると、闖入者はウルトラウーマンタロウであった。

 

「・・・・・・タロウ、入ってくる時「ゾフィー兄さん!!」アッ、ハイ」

 

「エース姉さんを抱いたって本当!?」

 

「・・・・・・エースから聞いたのかい?」

 

「うん、顔を赤くしながらすごい笑顔でね!!」

 

タロウの言葉にゾフィーは苦笑いを浮かべた。

 

(エースの奴、まさか自慢したのか・・・・・・はぁ・・・・・・)

 

彼は心の中でそう呟いた後、先ほどから興奮状態のタロウの相手を始めた。これでは仕事が進まない…そう考えていると、彼女が突然宙にブラーンと浮かんだ。後ろでトレギアがタロウの首根っこを引っ掴んだからである。

 

「全く!お前がゾフィー隊長の仕事を邪魔してどうするんだ、タロウ!?」

 

「と、トレギアーーーだってーーー!」

 

「だっても取手もない!ほらさっさと自分の部屋に戻りなさい!あの書類、まだ出来てないんだろう!?」

 

「すっ、すぐにやってきまーす!!」

 

タロウは急いで部屋から出ていくが、慌て過ぎたのか、扉をそのまま破壊していった。扉に空いた穴を眺め、トレギアはため息を吐いてから、ゾフィーの方へ向き、頭を下げる。

 

「申し訳ありません、ゾフィー隊長。扉の修理代はタロウの給料から引いておきますので」

 

「あー…いいさ、トレギア。そろそろ扉を変えようと思っていたから丁度いい、かな?」

 

「全く、甘すぎですよあなたは……宇宙警備隊隊長としてそういうところはしっかりして頂かないと」

 

「わかっているさ。でも君達が支えてくれるからこそ、私は安心して戦うことができるんだからね」

 

「・・・・・・・・・」

 

ゾフィーの優しい顔を見たトレギアは顔面が真っ赤になってしまう。そして、「用事がありますので」と言い残して、部屋を後にした。すると、彼女と入れ替わる形で、ヒカリが入ってきた。

 

「どうしたんだこの扉?なかなかに前衛的になったな」

 

「あははははは・・・・・・タロウが先ほど、ね」

 

「あぁ、そういうことか。それはそれとして、聞いたぞ、“絶倫隊長”?」

 

「・・・・・・黙秘権を「そんなものがあるとでも?」すみませんでした」

 

「どんだけモテるんだよ、お前は!!」

 

「知らないよ!私にそんなことを言われても!!」

 

「……まぁいいさ、そういえばお前のブレスレット、汚れてないか?」

 

「・・・・・・そういえば最近は調整する時間もなかったな。面目ない」

 

「はぁ・・・・・・それなら私が調整をしておこう」

 

「いいのかい?」

 

「今、宇宙科学技術局(ウチ)は開店休業中なんでね」

 

ゾフィーが左手に嵌めていたウルトラブレスレットを渡すと、彼女は自分のラボに戻っていった。彼は左手を見ながら、「自分もジャックのことが言えないな」と苦笑し、仕事に取りかかることにした。

 

一方、TO-R惑星でのこと、交戦中のウルトラウーマンティガが苦戦していた。

 

「あぐ!!」

 

「ふっふっふっふ」

 

「ま、まさかお前が復活するなんて・・・・・・エタルガー!!」

 

ティガの前に現れたのは、かつて人とウルトラ戦士の絆を恐れ、ティガ達十勇士のうち七人を魔鏡の中に閉じ込めるもウルトラウーマンギンガビクトリーに倒された超時空魔神エタルガーだった。

 

「ふっはっはっはっは!!無駄な抵抗は止めろ、ウルトラウーマンティガ!他の連中は既に封印した!!」

 

どうやらダイナ,ガイア,コスモス,ネクサス,マックス,メビウス,ギンガ,ビクトリー,エックス,オーブ,ジード,ロッソ,ブル,タイガ,タイタス,フーマ,ゼットは捕まったようだ。

 

「皆を離せ!!ゼペリオン光線!!」

 

ティガが放ったゼペリオン光線がエタルガーに当たるも、エタルガーは腕で弾き、全身から放った赤い光弾で彼女の意識を刈り取る。

 

「が・・・あ・・・・・・!」

 

「ウルトラウーマンティガ!封印!!」

 

鏡が放たれてティガが封印されてしまう。そこに次元を超えてウルティメイトゼロが駆けつけた。

 

「く!!」

 

「遅かったな!ウルトラウーマンゼロ!」

 

「てめぇ・・・・・・エタルガー、蘇ったのか!!」

 

「ふっはっはっは!!君達ウルトラ戦士への復讐の為にね。だが私の目的(メインディッシュ)はもう君じゃない。宇宙警備隊隊長ゾフィーの命・・・・・・それが私の狙いだからね」

 

「ゾフィー隊長だと!?」

 

「さらばだ!!」

 

光弾をウルティメイトゼロにぶつけながら、彼は撤退した。ゼロはまた逃げられてしまったため膝をついているとセブンとレオが駆け寄る。

 

「ゼロ!!」

 

「お袋・・・・・・師匠・・・・・・!」

 

「ボロボロじゃない、何があったの?」

 

「復活したエタルガーの野郎にみんな封印されちまった……!」

 

「まさかメビウスとマックスが行方不明なのも……!」

 

「奴はこうも言ってた、狙いはゾフィー隊長の命だって…!」

 

「何だと!?」

 

セブンとレオは傷ついたゼロをウルトラクリニックへ運ぶために一度光の国へと戻ることにした。




次回「ゾフィーが狙われる。」

「エタルガーが私を・・・・・・」

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