捨て子だった茨木童子は床屋の夫妻に拾われた。そして客の額を剃っている時に誤って傷つけてしまい、その血を舐め病み付きになってしまったことから、本格的に鬼と変化したという。
本当の親はわからない。もしかしたら酒呑童子と同じように、何かの幻想種と人間の混血であったのかもしれない。
彼も一人きりだった。親には気味悪がられ捨てられるのも、正直あまり気にしていないかった。気味悪がるのもわかる。彼自身から見ても、己は他の人間とはあまりにも異質だったのだから。
――ま、しょうがねーか。
特に一人になっても苦しいとは思わなかった。大勢の中にいても、仲間と思える者がいなければ一人なのは変わらない。つまり、特に変化はなかった。
彼の世界が変わったのは、丹波山にて一人の女を見たときだった。見た瞬間に、あれは自分と同じものだとわかった。その気持ちを、彼は死んでも忘れない。
それからは楽しかった。女と共に鬼に限らず各地の魑魅魍魎共に声をかけ、大江山を住処にとって日夜飲めや歌えの大騒ぎ。食べたいものは食べたいだけ、飲みたいものは飲みたいだけ。
その乱行を据えかねた人間たちにより討伐の憂き目にあった時、彼は一人あの神経を犯す毒酒をあまり飲んでいなかった。人間を疑っていたからではなく、例えいつもは貪り食う相手であっても、此度は客人として迎えると決めた首領の意をくんだ為だ。
茨木童子もやりたい放題をするが、四天王と首領は輪をかけて酷い。仮にも客人の前なのだから、酒をあおってあまりにも粗相をするなら自分が止める役割だと定めていた。
だから、人間たちが神威を笠にその正体を現した時、毒で身動きをとれない仲間とは違い、彼は逃げる程度の力を有していたのだ。
しかし、彼は逃げようなどとは小指の爪赤ほども考えていなかった。仲間たちが傷ついているのを黙って見過ごせず、一人逃げるのではなく動ける自分が敵を殺そうと思った。たとえ相手が神威の加護を得た、勝ちがたい敵であっても。
だが、結局彼はそうしなかった。考えを変えた理由は、首を切られる我らが首領の姿を見た時だ。彼女は、今まさに自分の命が消え失せようとする其の時、未だ動ける茨木童子に対して、助けを求めなかった。
茨木童子に伝えられたのは、ただ一言。
「逃げろ」と。
己が命絶えようとする時に、自分の身ではなく、この茨木童子を気に掛けた。皆が楽しいと自分も楽しいと、あっけらかんと言う首領は今わの際でも変わらなかった。
そういうやつだから、他の仲間もついてきたと、彼は知っている。
ゆえに、茨木童子は逃げた。他の仲間が討たれるのを見捨てて、一人で逃げた。例え他の誰から「我が身惜しさに仲間を見捨てた」と思われようが、彼にとっては何よりも大切な仲間の願いを裏切る方こそ重罪であった。
その願いを聞き届ける為に、例え一人きりに戻ろうと生き残ることを決めた。
だから後悔はしていない。それでも、やはりあの時、共に討たれるべきだったとも考えた。一人生き残ってしまったから、討伐の四天王を一人で殺そうとも思った。
特に、同じ鬼でありながら詐術を弄した足柄山の鬼は許し難かった。
それでも、彼は知っていた。誰を殺しても、茨木童子にとってただ一人の頭であり初めての仲間は二度と帰ってこない。
仮に彼女がいなくとも、鬼たちで寄り集まって騒ぐのはとても楽しい。だから自分が音頭をとって再び魑魅魍魎共をまとめ上げることも考えたが、あまりうまくいく想像ができなかった。
自分には彼女ほど仲間を引き付ける力はなく、それに「あの酒呑童子が殺された」という事実は、ある種の見せしめの効果を以て魔性たちに知れ渡っていたからだ。
なに、一人きりには慣れている。大江山で仲間を糾合する前はずっと一人だったのだから――茨木童子に寂しさはあったが、それでも何とかなるだろうと思っていた。
「一人だとつまらないな」
夢のような時。あの大江山は、まさしく茨木童子にとっての桃源郷。もう二度と手に入らず、失われてしまった理想郷。今はもう、その輝かしい時を胸に収めて生きていくことしかない。
自分がいつどのような理由でこの世から消え失せたのか、あまり覚えていない。多分取るに足らぬ事で命を落としたのだろうが、彼に興味はなかった。
最終的に、茨木童子は。あの大江山を胸に抱き続けて、言い方を変えればそれにとらわれ続けて――それが無くなってしまったあとも、魂は大江山に残ったまま、一歩も前に進めなかったのだ。
「きっと、俺は」
丹波山で、
大江山で、
彼の愛した総大将は、今の茨木童子を望んで生き残らせたわけではないと、彼は知る。自分が亡きあとも面白おかしく生き続けてくれることを願っている。そういう意味では、茨木童子は顔を上げられない。
折角生きながらえさせてもらったのに、合わせる顔がないな、と思う。
「ごめんなお頭。でもな――」
だからもし、一つだけ願いが叶うならば、あの初めての仲間に生きてほしい。
彼女ならきっと、再び自分たちの世を作ってくれると信じたがゆえに。
「あんたがいないと、楽しくないんだ」
*
この山に散る桜は消え失せ、魑魅魍魎の気配も消える。上限の月が光る空は、一段と清々しく澄み渡っている。だが、山は一様にこの季節にありえない湿気と熱気に包まれていた。鬱蒼とした森に包まれていた山の姿は既にない。見渡す限りの木々は激流で押し流され、土石流となりそのまま上から下へと流れ落ち、木々を根こそぎ抜き去っていた。そして草の根一本も残さず浚い、この山は泥で塗り固めたようなモノに成り果てている。
そしてキャスターに向かって放たれた「
天叢雲剣。
本来、これは人を斬るための剣ではない。暴風の神である素戔嗚尊の力と氾濫する水神でもある八岐大蛇の力を、自らの魔力と神性で束ね挙げ増幅し、光に変換し刃となして敵を貫く――神霊の力を行使する為の剣。
行使者が素戔嗚命であれば、力は百パーセント光へと変換される。だが素戔嗚命ほどの神性を持たぬセイバーは暴風の力と氾濫する川の力を完全に変換できない――そして、変換できなかった力はどうなるか。
答えを言えば、どうにもならない。それは神威を帯びたむき出しの暴風であり氾濫する流れのままに、対象範囲を蹂躙する――――当のセイバーはその力が、完全に不意をつく形でアーチャーとアサシンを襲ったことを知る由もない。
如何な陣地で最強を誇ろうと、その基盤を破壊し尽くすものが対城宝具。その力は伝説に違わずキャスターの世界を崩壊させたのだが、セイバー当人も好調ではなかった。片膝をつき、片手で剣をついている。
セイバーの手に蛇行剣はない。いつもの白銀の草薙剣があるが、蒸気に覆われていない。明があの状態の為、宝具の発動をできるだけセイバーの貯蔵魔力だけで補おうとしたが、セイバーの手にも余る神剣は一度発動させれば魔力を容赦なく奪っていく。
サーヴァントを倒す方法は霊核を破壊するか、魔力切れを起こさせることだ。後者は主にマスターを殺すことによって成される。しかし宝具の開帳は程度の差こそあれ、使用者の魔力を大きく消費する。
宝具を開帳するからには相手は殺さなければならない、という鉄則は真名の露呈により弱点を晒してしまうということもあるが、同時に宝具を放った後は大きく魔力を削られた状態でもある。
つまりキャスターと激しい白兵戦を行い、対城宝具を放った今のセイバーの状態で大きなダメージを受けるのは危険である。セイバーは一面茶色になり視界の良くなった山を見渡した。
本撃は確かにキャスターを貫き殺した。激突の刹那に、まるでキャスターを護るかのように飛び出してきた彼女の眷属をセイバーは見ていた。だがキャスターの眷属ごとき羽虫も同然と、光はもろともに焼き殺したはずなのだが――
キャスターの姿が……その赤い霧を体中に燻らせる鬼の姿が、そこにあった。
「……ッ!」
宝具は間違いなくアレに直撃した。陣地もたった今無に帰した。今キャスターの姿があるは、陣地の残骸からなけなしの魔力をかき集めた末、彼女の強力な戦闘続行スキルがあるためにほかならない。
キャスターは地を揺るがすような歩みでセイバーに向かってくるが、先ほどまでの果てしのない魔力はない。陣地の補助を失ったキャスターなら、今一度殺せば確実に殺せる。だが、どこか様子がおかしい――セイバーがそう思った時、鬼は耳を劈くような絶叫を上げた。
「……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
まるで断末魔のようなその叫びは、何故かセイバーの中に染みるものを感じさせながらも同時に肌を粟立たせた。手負いの獣が最後の力を振り絞って己の命さえ顧みず襲い掛かってくる姿にも似たキャスターは、まだその体を奮起させる。
「……!」
セイバーは剣を振り上げたが、一瞬間に合わずその拳をまともに食らってしまった。その上予想を上回る力に、セイバーの口に血の味が広がり、たまらず吐き出した。体勢を立て直す前にキャスターが迫り、サンドバッグを殴りつける様に拳を地面にたたき付け続ける。
まるで理性を失ったバーサーカーそのもののような凶悪な一撃一撃が降り注ぐ。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
セイバーは剣を盾の様に構えて降り注ぐ拳を耐える。隙を見て腹を蹴り飛ばそうとしたその時、セイバーに血が滴った。セイバー自身もこれまでの戦いで血を流しているが、今のは彼のものではない。キャスターの丸太のような腕から、大量の血が吹き出し――そして反射的にキャスターはセイバーの上から身をひるがえしていた。
キャスターの腕を貫いたのは、言わずもがなのランサーの槍だった。セイバーの宝具開帳のタイミングを知ったランサーは、すんでのところで足止めから離脱していた。
「セイバー、もちっとアレは加減できなんだか!」
そう軽口をたたくランサーだが、彼自身もキャスターの攻撃を受け続けた身だ。さらにセイバーの宝具に捲き込まれかけたため魔力が目に見えて削られている。
セイバーはすぐさま立ち上がり、距離を置いたキャスターの様子を伺う。キャスターは、微動だにしない。ついに動けないほどに力を使い果たしたのか、とマスターの明を気にかけ続けているセイバーは踵を返そうとした。だが、それは彼の直感によって止められた。
魔力の胎動。ランサーに胸を抉られたはずのキャスターは、その傷も癒えぬままに再び立ち上がったのだ。セイバーとランサーは同時に耳を劈く叫びを聞く。
「何ィ!?」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
確かにランサーの槍はキャスターの心臓を貫いたはずだ。それでも立ち上がれるということは、強力な戦闘続行の類のスキルの恩恵。だが今ここに至りキャスターを動かしているものは執念。なによりもキャスター自身の「戦う」という意思が現界を支えている。
その咆哮はまるで何かを悼んでいる、嘆いているようにも見えた。
おそらく攻撃を凌ぎ続けさえすればキャスターは消える。だが、対城宝具を放った今のセイバーにはそれすら難行である。それでもより苦しいのはキャスターの方、あれは風前の灯そのもの――そうセイバーが剣を構えたその時、ランサーが吼えた。
「今度は儂の番だ!」
三メートルの長大な槍を振り回し、ぴたりと止める。笹のような槍の穂先に、魔力が凝縮されていく。宝具の解放を予知し、セイバーは己が肉体を削るようにキャスターの猛攻をしのぐ。圧倒的魔力が槍に集中し、ランサーは口角を吊り上げる。
先程はキャスターを貫こうとも、結果を無に帰された必殺の宝具。されど今、セイバーの宝具という名の「台風」によって陣地を根こそぎ吹き飛ばされた今ならば――――
その必殺の槍が、本来の力を発揮する。
「掠れば死ぬぞ?………『
魔力が炸裂する。暴風の如き勢いで槍が空を駆けていく。幾多の戦場をランサーと共に駆けたその槍は、幾多の戦場において無双の名を謳う。
目にも映らぬ速度で放たれた槍は、セイバーを襲うキャスターの赤銅色の腕を貫いた。
それだけにとどまらず、槍が腕を貫くと同時に、キャスターの胸により巨大な空洞が空いた。その空洞からキャスターの向こう側の景色が見えるほどの大穴が穿たれたのだ。
「……う、ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
まさに断末魔。異形の終わりに相応しい絶叫が山に轟く。黄色の髪を振り乱し、目と言う目から血を噴出して恥も外聞もなく身悶えるするキャスターに向かい、セイバーは地を飛んだ。
「さっさと死ねェ!!」
抜身の白い鋼が、その紅く太い首を斬り捨てた。末期の悲鳴にも眉ひとつ動かさず、蒸し暑い山に生ぬるい体液をまき散らさせる。
身軽にキャスターから距離を置いたランサーは、セイバーにちらりと目をやった。
「おや、お前は首級にこだわるとは思っておらなんだが」
「興味はない。しっかり殺しておかねばならないと思うだけだ」
ランサーの軽口に返した時、セイバーは俄かにパスから伝わる魔力が増したことに気づいた。慌てて後ろに振り返れば、こちらに歩いてくる一成とアサシンに背負われた明の姿があった。セイバーは思わず三人に駆け寄った。
「マスター!」
「……セイバー、お疲れ様」
セイバーの姿を確認すると、明は汚れた手を伸ばしたが、途中で力尽きて宙に手が落ちて目を閉じてしまった。セイバーはその手を取ると、温もりがあることを確認してひとまず胸を撫で下ろした。
明は元気とは言い難いが、魔力状態から危機的な状況を脱していることををセイバーは感じた。アサシンの気配も傍にあり、一成も無事であることからしてアーチャーは消えたのだろう。
「アーチャーに勝ったのか」
「……ああ」
アサシンたちもアサシンたちで激闘だったのだろう。一成は見るからに疲弊しており、アサシンも見た目は空元気しているが、感じる魔力がかなり弱くなっている。セイバーはとりあえず全員の顔を確認した。全員生きてキャスターとアーチャーを打倒することができた。
セイバーが胸をなでおろした時、ランサーが叫び、同時に彼は飛び出してその名槍を振るった。
「……!ふん!!」
なんと――首だけになったキャスターが襲い掛かってきたのだ。しかしその首はあえなく鋭い穂先によって薙がれ、赤黒い血液を撒いて地面に転がっていく。その後、ランサーによって再度槍がさらに突きさされ、動きを止められた。
元々人間の顔ではなかったが、槍で最早肉塊と成り果てたキャスターの首は、口かどこかわからない場所から朦朧と言葉を漏らした。
「……お前に、生きていて……」
誰に向けた言葉か、察せるものは一人もいなかった。キャスターがその言葉を届けたかった相手は、既にいない。
霊核を破壊しつくされた魔術師の英霊は、砂が宙に舞っていくように、消滅した。
*
キャスターとアーチャーは消滅した。それはセイバーや一成が確認している。そしてキリエの陣営に残るサーヴァントは、ランサーのみ。
ゆえにアサシンと一成、セイバーはランサーに目を向けた。元々ランサーはキャスター陣営に襲撃されて、嫌々マスターを裏切ることになったサーヴァントのはずである。
心底キャスターに従っているわけではないだろうが、令呪の縛りは確実にある。それが何故キャスター相手にセイバーと共に戦っているのか、アサシンと一成にはさっぱりわからない。そしてセイバーも突如姿を現したランサーが、何故共に戦うことになったのかわかっていないのだ。
疑いの眼差しを向けられて、ランサーはアサシンに背負われている明の具合の悪さを気にしながら言う。
「お前たちがここに来る隙をついて、ハルカが儂を奪還しにきたのよ。ハルカは心霊魔術とやらができるらしくてな」
しかしそのハルカ・エーデルフェルトの姿がない。同時にキリエの姿もない。セイバーたちは今だ疑わしげな視線を向けていたが、当のランサーも詳しいことはわからないのだ。
「……今宵は皆消耗している。今日はここで手打ちとしないか?」
ランサーはキャスターに敵対して共に戦っており、今も敵意は感じない。何より重傷のマスターをこれ以上ここに居させたくはないセイバーは、ランサーの提案に首肯する。
それを受けて、アーチャー戦で魔力を消耗した一成とアサシンも頷いた。
だが、セイバーは一つだけ尋ねるべく話を続けた。
「キャスターのマスターはどこへ消えたのか知っているか」
「さっきから少し探してるんだけどいねーし」
一成は縁もあり、キリエの安否を気に掛けていた。そしてアーチャーの宝具の中にいる時、偶然視えてしまった不吉な映像は成立しなかったと信じたかった。
だが、ランサーの顔色は良くない。
「……キャスターのマスターの無事はわからん。だが、ハルカが連れ去ったのだ」
一成は息を呑んだ。マスターである以上、死の危険さえ伴うことは周知である。だが、連れ去るとは何の為に。一成はセイバーやアサシンの顔を見たが、彼らは一様に首を振った。キリエを殺すことは理解できるが、連れ去る意味は。
キリエの正体を知らぬ彼らは、首を傾げるだけだった。
「すまんな、アサシンのマスター」
「お前が謝る事じゃない」
サーヴァントが消えたのにマスターを殺すことについて一成は否定的だ。しかしそうではない状況でマスター殺しを否定しきることはできない。
たとえ一成がやりたくないとしても、他を非難できることではない。
重い沈黙が場を満たした。勝利した側であるのにもかかわらず、喜びはない。セイバーもアサシンもランサーも満身創痍で、明は重傷を負っている。
それでもセイバーはいつもと変わらない凛とした声で言う。
「なぜキャスターのマスターをここで殺さず、体を持ち帰った理由は、またお前と会いまみえるときマスターに聞けばいいだろう」
標高を低くし木々は消滅し、戦闘の傷跡深い山。生き物の死に絶えたような静寂の中、セイバーの一言が木霊した。
「帰るぞ」
キャスター
【真名】酒呑童子
【身長/体重】162CM/47kg(人間版)
305CM/158kg(鬼版)
【属性】混沌/悪
【イメージカラー】暗い赤
【マスター】 キリエスフィール・フォン・アインツベルン
【パラメータ】
筋力 D+++ 耐久 D+++ 敏捷 D++ 魔力 A 幸運 C+ 宝具 A+
(陣地内での戦い・宝具の使用如何により大幅補正がかかる)
【クラス別スキル】
陣地作成:A++
魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。
酒呑童子の場合”大江山”の如き拠点を築くことができる。
土地次第で完成した陣地が地脈から魔力を精製して得ることができる。また、前身が山の神でもあったため、山と同一となり異常を感知させずに結界を構築できる。(イメージ的には圏境みたいな)
道具作成:- 宝具による召喚能力を得た代償に、道具作成が失われている。
【個別スキル】
魔性:D
魔力を帯びた美貌で異性を誘惑する。ただし鬼の姿では効果が発揮されない。
対魔力スキルで回避可能。
(キャスターは男でも女でもないため、両方に効果がある)
戦闘続行:A
名称通り戦闘を続行する為の能力。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
神性:E-
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。酒呑童子は八岐大蛇の子で前身は伊吹山の神でもあり、鬼神としての信仰もあるが、魔物として現界しているためここまで退化している。
動物会話:B
動物と意思疎通を図ることができる。
かつて伊吹山に捨てられた時に、獣に育てられたことによるスキル。
【宝具】
『神の方便鬼の毒酒(しんべんきどくしゅ)』
ランク:B
レンジ:-- 最大補足 1人
種別:対人宝具
酒呑童子討伐の際、八幡・熊野・住吉の三神が頼光四天王に授けられた神の造りし酒。鬼種には神経をしびれさせ行動不能にする毒薬だが、人間が飲めば超人的な力を与える妙薬。宝具としては人間が飲めば並のサーヴァントレベルの筋力と耐久力を獲得し、一時的に自己回復力も向上させる。ただ、超人となる薬なのであまりに摂取しすぎると人としての自我を喪失する危険性がある。鬼種(酒呑童子)が摂取すると伝説通り、パラメータを二ランク下げる。
仮にキャスターがバーサーカーで召喚されていた場合、この宝具を飲んでいれば理性を取り戻し魔力消費を抑えられる利点があるが、キャスターで呼ばれている為酒呑童子本人には無用の長物の酒。
『大江山百鬼夜行(おおえやまにようまよゆけ)』
ランク: B~A++
レンジ:1~100 最大補足 ――(陣地内)
種別:対軍宝具
妖魔を総べた鬼の首領としての宝具。鬼の状態に戻らないと宝具の使用ができない。
かつての部下である魑魅魍魎・怨霊・鬼の類を召喚し使役することができる。キャスターの魔力が持つ限り、眷属たちは殺されても何度でも蘇る。ただし、陣地外に眷属を出したり自分が出たりする場合、召喚した鬼たちは夜の間しか行動できず力もパラメータランクダウンする。また、一度解放すると夜の間は勝手にこの宝具を使用している状態になる(日の昇っている間は選択可能)。
陣地を山に設定する場合、キャスターは山を依代としてマスターが消失しても現界持続が可能。当戦争ではキリエの力も借りて結界を張り、大西山自体を巨大な魔術回路となし魔力を生成している。
【他開帳された宝具】
☆アサシン
『全ては天下の廻もの(よにぬすっとのたねはつきまじ)』
ランク:A++
レンジ:2~3 最大補足 1人
種別:対魔術宝具
天下の大盗賊・石川五右衛門の技術が宝具化したもの。同ランクまでの敵サーヴァントの宝具を盗むことができる。その宝具の使用法・持ち主の技量・伝説まで盗むので魔力と条件さえ整えば盗んだ宝具を使用することもできる。
但し盗めるのは『物体としての形があり』『持ち主がはっきりしている』ものに限る
(EX宝具・固有結界系の宝具は盗めない EX.アーチャーの『
盗むためには以下の条件を満たす必要がある。
①真名を看破している。②その宝具の発動をアサシンが目撃している。③アサシンの宝具開帳時、相手がアサシンの存在を認識していない。
ちなみに盗んだ宝具はアサシンの『
宝具の本質は「強奪」ではなく「所有権の書換え」。天下のものは全て回りもの、とするアサシンは財をかき集めるつもりはない。ただ、盗める宝具の数に限度はない。
☆セイバー
『全て呑込みし氾濫の神剣(あまのむらくも)』
ランク:A++
種別:対城宝具
レンジ:1~99 最大補足 1000~10000人
草薙剣が名を変える前の姿。草薙剣の性質は炎であるがこちらは水。通常時は草薙剣の炎で霧状になって草薙剣を覆い、真名秘匿の役に立っている。
天叢雲剣そのものはヤマトタケルの持ち物ではない。川の氾濫の化身である八岐大蛇の尾から造られた「天候を御し豊穣と破滅をもたらす剣」。それは人の意思の介在しない、神の神による神のための神造兵装であり素戔嗚尊の持ち物である。
セイバー曰く「これは借り物」だそうで、神霊ではない彼にはこの神剣を完全に使いこなすことができず、神剣を発動させるのみである。(スイッチのオンオフはできるが、強弱の調節ができない)
暴風・台風の神素戔嗚の力と氾濫する川の水神でもある八岐大蛇の力を、神性と自分の魔力により束ねて増幅し、光に変換し刃を放つ(とかいてビームと読む)。
ただし前述のようにオンオフしかできないため、上記の本撃とは別に束ね漏れた素戔嗚と八岐大蛇の力がそのままの姿――まさしく氾濫する河川と嵐、洪水となりレンジ内を破壊し尽くす。セイバーそのものの属性が炎であるため、噴出する膨大な水は熱湯となってレンジ内を蹂躙する。
草薙剣………三尺ないくらい(80CMくらい)。エクスカリバーより若干短い
天叢雲剣……四尺半くらい(130CMくらい)。デカい。セイバーの身長:160CM
天叢雲剣は儀礼用(ビーム用)のため、斬り合う剣ではないが斬り合いにも使える。刀身が蛇行しているため、斬った傷は荒れて癒え難いものになる。雰囲気フランベルジュ。
神剣ぶっぱ後のキャスターは真面目にやりあわなくてもセイバーとランサーは逃げまくっていればじきに消えた
セイバーがハァハァしているのは自分のダメージよりも明が死にかけてて魔力的なアレ