正直に言って、シグマは驚いていた。碓氷明は幼い頃のトラウマにより、高所恐怖所になっていると神父から聞き及んでいた。だからこの遥か高所から宙ぶらりんにされた状態で、無理にシグマの手を振り払って落下を選ぶことなどありえないと思っていた。
だが――その予想を裏切って、詠唱の直後に明は魔力をこめてシグマの手を振り払ったのだ!
「――!?」
漆黒の闇の中に、明の身体が躍る。もしやセイバーが追いついてきたのかと思ったが、その姿はどこにも見当たらない。重力に従い自由落下する明の身体を追い求めるべく、シグマは船の縁に足をかけ、己も闇へと身を投げた。
「……元々私は巫女だから、戦うのには向いてないのよねぇ」
シグマは少々不機嫌そうに呟いた。魔術刻印は死んだからといって消滅するものではないため、最悪明は死体でも用を成せないこともない。無論生体の方が都合がいいことには変わらないが――体があればそれでよいと口早に重力操作の詠唱を紡いだ。
「
空気抵抗を受けて落下の中にあるシグマに、下から重力に逆らって黒い弾丸が連続して襲い掛かってきた。北欧の呪いであるガンド――呪いの密度が濃すぎて物理的破壊力を持った弾丸が夜にまぎれて、殺意と共に打ち上げられている。シグマは瞠目したが――決して慌てることなく自らも同じく呪いを放ち相殺する。
火薬もなく光も硝煙もなく、ひたすらに黒い弾丸が交わされる銃撃戦。
妙である。この状況で碓氷明は、魔術を狂うことなく操れている。精神の乱れた状態で魔術を操り失敗すれば、それこそ死に直結するにも拘らず。違和感を懐きながら轟、と風を切って高速で落下するシグマは懐から数枚の呪符を取り出す。血液でしたためられた黄金比の五芒星と呪言が彼女の魔力で暗い光を宿す。
「我は此れ、天帝の使者なり。執持しむる所の金刀は不祥を滅せしむ。此の刀は凡常の刀に非ず、百練の鋼なり――急急如律令――刀禁呪!」
詠唱が成るや、襲い来るガンドはシグマの手前一メートル程度の位置で急に軌道を変えて逸れた。
刀禁呪はもともと道教から生じた呪いであり、呪文や刀を用いて邪気や敵兵の侵入を防ぐ術である。日本の陰陽師は、呪文や礼装(刀)とともに
シグマのかつての贄となった者の一人に陰陽師がおり、彼は結界術の達人だった。結界自体で殴る――移動要塞となった己そのもので、物理的に相手を壊す力を持っていた。
こうなれば最早重力操作の魔術など不要――重力加速で時速二百キロにまで至ったシグマだが強固な結界に包まれた状態で美玖川の河原へと激突した。隕石が落下してきたかのごとく、シグマという要塞は河原の地面を抉り取り激しい土煙を巻き上げた。
小規模なクレーターの中央で微笑む彼女は、目的の女が己と同じく、五体満足で存在していることを感じ取り笑った。
「……ったた」
シグマの豪快な着地で巻き起こった煙幕の中目をこらしながら、明はしびれる足を叩いた。彼女が上空から河原へと激突するまでに行ったことは、単純な重力操作につきる。
敵もさるもので、一瞬の躊躇いもなく明の後を追って船から飛び降りてきた。その最中、空中落下にあって見たモノは陰陽術――しかも、観る限り一成よりもはるかに高度な術だった。
しかし彼女は間違いなく大本を明と同じくする、北欧由来の魔術師のはず。
地上に足を降ろした二人の魔術師の視線が交錯し、妙齢の魔術師――シグマは訝しげに明を見据えた。
「……いつの間に、変わったの?」
流石に鋭い。明は唇を舐めて、その問いには答えずに聞き返した。
「よくわからないけど、それがあなたの封印指定のいわれなのかな」
シグマは答えない。既にその唇は新たな呪術を刻んでいる。「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!来れ四神守護せし霊獣!」
「――!!」
空間がゆがみ、そこから現れた巨大な白い獣を見たとき、明はさすがにわが目を疑った。見た目は鋭い牙と爪をもつ巨大なホワイトタイガーである。
行っていることは使い魔の召喚だが、呼ばれたものが並ではない。四神相応の地を守護し、安倍晴明の式神十二天将として数えられた霊獣――白虎。
十二天将とはもともと陰陽道の
方角の吉凶と星に込められてきた概念にカタチを与えたものであるがゆえに、彼らは動く概念武装といってよい。否、持つ概念がなんであれそれ自体が日本においてさえ千五百年を超える神秘を帯びた概念である白虎の具現は、およそ大抵の魔術を打消し噛み砕く。
神秘はより古い神秘に打ち消される――かつて大陰陽師安倍清明はこの十二天将を自在に、かつ同時に使いこなしたという。それには及ばずとも、陰陽術でこれほどの召喚を可能とするとは――。
「……!!」
獰猛な牙と爪が、隙を与えることなく明に一直線に襲い掛かってくる。明は舌打ちをすると、しかし素早く詠唱を紡いだ。
「
詠唱の直後に、明の真ん前に展開されたのは分厚いが実質質量のない影の盾。魔術を分解して平面世界へ飲み込む黒い炎――しかし、千五百年前から守護の概念としてあり続けた白虎の前にはあっさりと、盾のほうが突き崩される。
四肢の獣はあっという間に明まで接近し、その爪牙は女の肉を易々と食い千切ろうとする。月光に煌めく刃のごとき爪が触れる刹那――明の姿が、まるで蜃気楼のように消えた。
驚いたのは白虎とシグマのほうだった。白虎の爪は勢いのままに明がいるはずの場所を切裂いたが、
幻覚・暗示の類にかかるシグマではない。ただ姿を消しているだけならば、白虎がすぐに嗅ぎ付ける。可能性としての空間転移は、魔法に近い大魔術であり詠唱もなしにできるモノではない。
だが――その時とっさに今立つ場所を離れたのは、シグマに少なからず虚数魔術についての知識があったからである。身を翻し、白虎の隣へと移動した瞬間にそれは起きた。
「!?――まさか」
「
須臾、気配も形もなかった碓氷明が突如としてシグマの上空十五メートルに姿を現し――既に詠唱を終えて放たれた影魔術は、まっすぐにかつてシグマが立っていた場所に直撃し空気を闇で焼きつくしていた。すぐさまシグマを外したと知った明の姿は、瞬く間に消え失せた。
「虚数空間――」
シグマは早々にこの姿が消えるカラクリを見抜いたが――それをまさか、碓氷明がするとは思わなかった。それに仮にするような性格だったとしても、力量的に不足していればそれまでである。そして神父から聞いた限りでは、碓氷明の虚数魔術はそこまでの成長を果たしていないはずだった。
しかし、地上で姿を見せた碓氷明の姿は同じに見えたが――髪の毛が伸びていた。
(……あれは、今の明ちゃんじゃないわね――)
シグマはぬるりと口の端を舐めた――決して焦ったのではなかった。むしろ良いものを見た、と言わんばかりに。
まず、碓氷明が消えて現れたのは空間転移である。より正確に言えば、虚数空間を通過することによる範囲を限った空間転移であり時間旅行だ。
虚数自体は五大元素と同じく太古からあるものだが、架空元素・虚数が虚数と呼びならわされるようになったのは、魔術の歴史的にはごく最近のことである。数学の世界における虚数の発見とその類似性からそう呼称されるようになった。
数学における虚数とは、二乗してマイナスとなる数のことである。プラスとプラスを掛ければプラス、マイナスとマイナスを掛ければプラスとなるため、二乗してマイナスになる数はこの世には存在しない。
ならばなぜ虚数というものが生まれたか――それは、答えのない問題に答えを出すためである。虚数があると仮定することで成り立っている方程式、理論は山のように存在する。とどのつまり、虚数とはあると非常に便利で威力のある道具である。
そして魔術における虚数とは、平面世界とも呼ばれる虚数空間にアクセスする力である。
虚数空間は時間・空間ともに物質界から切り離された場所であり、物質界のものは虚数術者の加工なしに存在することはできず、逆もまた然り。
普通に生きる者が全く触れることがなく、時間空間共に切り離されたという「異界」である。明がよく使用している「影」は、この空間から引きずり出した物質界にありえない炎である。
今の明はその「虚数空間」から何かを引きずり出すのではなく、自分自身を投げ入れているのだ。
簡単に言うが、魔術師からしてもこれはめったになしうる魔術ではない。虚数空間は物質界ではない。すなわちそこに自分を投げ込むことは、一度自分を物質として殺し幽体として構成することに他ならない。そして帰還する際も幽体を物質に再構成する――つまり生物として再生し、再びこの世に生まれるという強固なイメージを以て魔術行使をしなければならない。魔術とは死を観念することである以上、後者のイメージの難度は遥かに高い。
さらに帰還する際の座標を虚数空間から正確に観測できる術がなければ、深海や土の中に帰還してしまう危険性もあり、さらには帰ってくることすらできず虚数の檻に閉じ込められたままになってしまう。
要するに影を出すよりもはるかに高難度の魔術であり、先ほどまでの碓氷明では絶対に使えるはずのないモノであったのだ。ならば考えられることはひとつ。
あれは碓氷明でありながら、先ほどまでの碓氷明ではない。
しかしそれを把握したとしても、
(――虚数空間にアクセスできるのは、虚数の使い手だけなのよね)
今のシグマには、虚数空間にアクセスする手が存在しない。それでも先ほどの明の動き、シグマを狙ってきたことを見れば考えはわかる。
千年クラスの魔術ですら食い破る白虎を真っ向から相手取らなくても、使い魔の主であるシグマ自体を倒せば白虎は勝手に消える。
碓氷明は虚数空間から帰ってくる。先程は上空に姿を現した――上空にしておけば、多少の座標のズレがあったとしても問題はない。そして虚数空間に身を置いたまま、この物質界に影響を与えることはできないため――絶対に碓氷明の魔術は帰還後、物質界にて詠唱というステップを踏むことになる。
「白虎!上空に注意なさい!!」
獰猛な咆哮を上げて、霊獣はシグマの指差した空へと向かって体をもたげた。と同時に予想通り――上空に碓氷明が現れたのだ。白虎は飢えた獣の獰猛さで高く跳躍し、女の体を食い破るべく吼え立てた。明は目を見張り、素早く詠唱した。
「
体を宙に浮かしたまま展開される黒い盾だが、それは白虎の爪にて一閃のうちに食い破られた。しかし、それと同時に遥か下――河原から
「
白虎の巨体に、黒の大砲が打ち放たれる。フィンの大砲は、虎の体に激突して黒煙を噴き上げるも――神秘の塊である獣にダメージを与えることはできなかった。しかし虎の呼気と牙を至近距離で感じるまでに至っていた髪の長い明は――くすりと微笑み、シグマを指さした。
途端、シグマの体は頽れていた。
「っ――!!」
*
虚数空間と物質界は死と生と同様に表裏一体の世界でありながら、決して交わらぬ世界である。生者が死者をどうにもできないように、死者が生者をどうにもできないように、虚数空間から物質界に魔術を放つことはできない。物質界に戻った明が、礼装ナイフ『黒刃影像』だけ虚数空間を通じて移動させ、シグマの体内に帰還させた結果である。(自分という生物を虚数空間で動かすより、無生物であるナイフのほうが圧倒的に操りやすい。)
幸いだったことは刀禁呪が対外は強固に護っていたのだが、体内そのものは対象外だったことだ。こればかりはやってみなければわからなかった。
「座標設定に不安があったこと、見抜かれてたなぁ」
虚数空間から帰ってこれないような下手はしないが、半径十五メートル程度の誤差はまだ発生してしまう。髪の長い碓氷明は、嘆息しながら眼下の人間だったものを眺めていた。かつてシグマ・アスガードだったものは、その痕跡を失った。シグマは倒した――だが、その死骸を見る彼女の眼は険しかった。
「別の魔術師を操っていたのかな……」
先程までシグマ・アスガードだった魔術師の肉体は、もうシグマの特徴を持っていなかった。美しい金髪に碧眼は見る影もなく、豊満な肉体もどこへいったのか原型すらない別人だった。少々ケースは違うが、似たようなことが最近あった――ハルカ・エーデルフェルトという男は最初から最後までシグマの手の中だった。
つまりハルカ以外にも、この女魔術師に捕えられ利用された魔術師がいたということだ。聖杯戦争に参加しようとしてスタートラインにさえ立てなかった人物か……。
(――これは、今日の昼間に会ったシグマでさえも本人かどうか)
体についた土を払って、明は再び原型を失ったシグマを眺めた。シグマ・アスガード――彼女の封印指定たる理由を考えていたが、これまでの戦いを経てそれなりに考察はできてきた。だが、それによって希望が見いだせたかと言えば頷けない。
(示現流、陰陽術、ガンド、それに高度な洗脳術。洗脳はともかくどれもこれもバラバラの魔術基盤を持つ魔術で統一性がない。にもかかわらず、シグマはどれも高い精度で使いこなしている。通常、これだけ一貫性のない魔術を一人で修めることはできないし、できても大したレベルにまで持っていけない器用貧乏に終わるから魔術使いでもなければやりはしない。それでも、あらゆる魔術を収集し修めるとすれば)
それは、そういう起源か魔術特性を持ち得たからこそしているのだ。とすれば一代限りであることにも納得がいき、希少であれば魔術協会は保存に取り組むだろう。
シグマ・アスガードは何らかの手を使い「魔術」と名のつくものすべてを修めようとしている。自分にこだわるのは、「虚数」という稀有な魔術属性のためであろう――と、明は冷静にあたりをつけた。
魔術の研究の結晶は魔術刻印である。一子相伝で伝えられる研究結果は、実の子に受け継がせても結局は他人の臓器も同然である。ゆえに移植には長い時間がかかり苦痛を伴ううえに、周期が合わなければ体調を崩すこともある。そもそも刻印は系統の後継者にしか力を貸さない――ゆえに、自分がもっぱらとする魔術系統以外の刻印は奪っても役には立たない。
もしそれを全く関係なく奪える特質を持っているとしたら。いかなる魔術基盤の魔術も呪術も、刻印を奪い刻み続ける――どう考えても並の魔術師の所業ではない。
いかなる他人の血肉も苦痛もすべて受け入れる器。広く空にして、何色にも染まる者。
虚の魔術師。しかし、その想像は碓氷の大本の魔術と矛盾しない。体質が特異だとしても――虚であることは、神落としを旨とする北欧の巫女ヴォルヴァにとっては利点しかないのだ。もちろん、巫女という魔術師としては利点のみというだけで、人間としてどうかという話は計算の埒外にある。
――虚ならば。それを埋めるには、外から持ってくるしかないのだ。
考察はここまでである。明は長い髪を風になびかせながら――なんでもないかのように振り返る。その視線の先には、自分と全く同じ姿の――違いは髪の長さだけの――碓氷明が立っている。こちらの長い髪の碓氷明が余裕の笑みを浮かべているのにひきかえ、肩までの髪の明は唇をかみしめていた。
「にしても
びくりと、何を恐れているのか短い髪の明は震えた。さらに追い立てるように、長い髪の明はあてつけるように声高に述べる。
「まあしょうがないか。
未来を考えたことのなかった人間が、いきなり土壇場で最高の自分を想像しろといっても限界がある。それを思えば、むしろこれだけの出力が出せたことをは褒められるべきかのかもしれないと、長い髪の明は思ってはいた。だがそんな優しい言葉を、この自分相手にかける気にはならなかった。
髪の短い明はなにか言い返したげにしていたが、口をもごもごさせるだけで言葉にはならなかった。長い髪の明とて、長く相手の話に付き合う気はない。事態は切迫している――というか、バラバラの戦いになってしまったせいでセイバーや一成たちがどういう状況か把握できていないのだ。
「
二人は同時に背後、美玖川の下流へと顔を向けた。アサシンの声であり彼は重傷のまま全速力で明たちに接近した。しかしすぐに明が二人いることに気付いたアサシンは、警戒して十メートル手前で足を止めた。
「……どういうこった?」
「訳は後で話す。ちょっと変な魔術使っただけだから」
アサシンはまだ警戒を解いていなかったが、場合が場合のため、そっと褞袍の中に入れていた一成を解放した。空中からまろびでた一成は当然の如く二人の明に目を剥いたが、長い髪の明がアサシンの時と同じ言葉を繰り返した。
「……とりあえず、大丈夫なんだな?」
「ちょっとややこしいことになってるだけ。平気だよ、ね?」
「……う、うん」
長い髪の明に話を振られ、短い髪の明は慌てて頷いた。長い髪の明はシグマの姿を失った死体を指さして示した。
「シグマ・アスガードは何とかしたんだけど……そもそも、やってきてたシグマは魔術師をのっとって使ってただけで、本体は全然違う場所にいるみたい」
「……マジかよ」
と、その時、その場にアサシンが崩れた。ランサーに霊核を貫かれたアサシンは、令呪一画を消費してなんとか崩壊を食い止めている状態である。蒼白な顔で息も切れ切れに一成をせかした。
「……オイ一成、さっさと用件言え。流石に持たねぇぞ……」
一成は苦しい顔をしながら、言葉を吐き出した。「……っ、碓氷、なんかキリエがやばい。碓氷の屋敷が襲われてる。俺はキリエを助けに行きたい」
「……それは知ってる。むしろ私からあなたに頼もうと思ったんだけど……一成、なんでそれを知ってるの」
管理者代行である明は、碓氷邸の結界が斬られたことを回路へのフィードバックという形で知ることができる。既に明は教会での戦いでそのフィードバックを受けていたのだが、ライダーの襲撃からの怒涛の流れでそれについて言及する暇がなかった。だから碓氷邸の危機を知っているのは明だけのはずなのだが、何故一成が知っているのか。
それを問うと、なぜか一成は妙に挙動不審になって「いろいろ知ったんだよ」とわけのわからない言い訳をした。後で問い詰めることは確定としても、今は時間が惜しい。
アサシンの「持たない」は、一成を碓氷邸に運びキリエ救出を完了するまで現界できるかわからない、という話だ。短い髪の明は、意を決して口を開いた。
「……一成とアサシンは急いで私の家に戻って、キリエを助けて。私はまだ行けない。セイバーがまだ戦っているから」
二人の明と一成たちはうなずきを交わした。アサシンは再び一成を宝具に収納すると踵を返して走りだし、霊体化した。
一成とアサシンを見送ったあと、二人の明は視線を交わした。短い髪の明はセイバーに己の無事を伝えようとしたのだが、伝えられなくなっていた。
今、つながっているパスが何らかの力でちぎられている。それがすなわち消滅を意味するわけではない。しかし魔力供給先を失ったサーヴァントは長時間の現界を維持できず、戦闘などいわずもがなである。間違いなく、セイバーは危機の直中にある。
セイバーを探さなければならないが、宛はない。おそらくこの美玖川周辺だが――その時、長い髪の明が嫌そうに短い髪の明に手を差し出した。
「私と一緒なら
短い髪の明は長い髪の明を心から信じているわけではないが――それでも、彼女の言うことが最善であることはわかる。その手を取り、二人は一瞬にして姿を消した。
日本への陰陽五行説輸入が約1500年前(天武天皇期)設定
虚数空間移動による空間転移時間旅行は頭に