ある日の事。日課のランニングを終えて、どこかでごはんでも食べに行こうと思った矢先に……。
「あれ?鈴木じゃないか!」
「えっ……」
背後から声が聞こえたので、振り返る。そこには……。
「小浪!」
「よっ。2月以来か?」
俺と同じ赤とんぼ高校出身の小浪悟がいた。大学進学したと聞いてたが、この辺りの大学なのか?
(ご主人様の知り合いでマジ~ン?)
(……高校の頃のチームメイトだよ)
例によって、俺の背後には魔人が付きまとっている。何なの?俺の事が好きなの?
立ち話も何なので、場所を変える事に。近くのファミレスで食事中だ。
「プロの世界はどうだ?確か男女混合リーグだったよな?」
「まぁな。同期の選手は男子も女子も、俺より凄い奴ばっかりだよ」
特に佐藤君なんかは1軍で頭角を現してるし、雷轟さんや鋼さん、宮下さんだっていつ1軍に上がっても可笑しくない……。俺だけ遅れている感じだ。
「そうか……。俺が行ってる大学でも特に女子選手が凄くてな。どうやって集めたかは知らないけど、全国優勝経験者が何人もいたり、過去にアメリカで活躍してた奴だっている……。負けじと頑張っているが、ポテンシャルの差を感じてるよ」
小浪も似た境遇なんだな。まぁ流石に俺みたいに命が掛かってる訳じゃないだろうが……。
「俺も早いところ1軍に上がろうと躍起になってるよ。なんとしても今年中には上がらないとな……!」
「……俺が言うのもなんだが、余り焦り過ぎるなよ?それで怪我なんかしてしまったら元も子もない」
山崎さんと同じ事を言うな……。でも魔人の呪いが掛かってる以上は悠長にはしてられない。
「……それでも俺はなんとしてでも今年中に1軍に上がる。だからのんびりしてられないんだよ」
「なんだそれ……?まるで今年中に1軍に上がらなきゃ死んでしまうみたいな物言いだな」
実際死んじゃうんだよ!口には出せないけど!
「……まぁ良い。俺も大学野球で色々経験して、そっちに行くつもりだ。それまで辞めるなよ?」
「そっちこそ、女子しかいなくならないように頑張れよ?」
「……それは洒落にならないぞ」
「俺だって辞めたくないよ……」
互いの軽口が冗談では済まなくなりそうなので、この話を切り上げる事にした。うん、それが良いだろう。
話が盛り上がり、そろそろ帰る事に。小浪とはここでお別れとなる。
「……まぁ今日は会えて良かったよ」
「俺もだ。今度赤とんぼ高校野球部で同窓会でも開くか?」
「まぁその内にな。お互いに余裕ある状況じゃないだろう?」
「違いない」
「じゃあまたな」
「次に会う時はそれぞれ吉報を持ってこよう」
「ああ……」
かつてのチームメイトと軽口を叩き合い、ごはんを一緒に食べる……。高校時代では小遣いも碌にもらえなかったし、部の状況的にも余裕がなかったから、こういった日が嬉しく感じる……。
(また、こんな風に近況報告とか出来たら良いな……?)
しかしこの数ヶ月後に、小浪がいる仏契大学の男子部員が小浪悟1人だけになってしまう……という事態が発生するが、それはまた別の話……。
(0)アンケート埋まらなかったので、投稿延期……。次回の投稿3月15日予定(少し投稿頻度を上げるかも?))は……?締め切りは投稿予定日の3日前
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