最高の選手を目指して!   作:銅英雄

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仏契大学野球部は(色々な部分が)そっくりな人が多いです。

仏契大学の入学式。新1年生が入ってくる訳だが、野球部の方には何人の部員が入ってくるのか……と、朱里は考えていた。

 

「朱里ちゃん、そろそろ入学式が終わるわよ」

 

「そうだね……」

 

朱里のルームメイトの上杉が朱里に声を掛ける。

 

「いよいよね。私達の後輩が野球部に入ってくる……!」

 

「それもそうだけど、その前に1年生が2人この部屋に来るんだよね……」

 

この仏契大学の寮は運動部寮と文化部寮に別れ、入部希望が運動部か文化部かによって、入寮先が決まる。

 

「そういえばそうだったわね。この部屋に来る1年生が運動部に入るのは決まっているけれど、野球部に勧誘した方が良いのかしら……?」

 

「無理強いは良くないけど、出来る事ならば野球部に入ってほしいよね」

 

朱里と上杉は新しく出来る後輩には是非とも野球に入ってほしいと願う。

 

 

コンコン。

 

 

ノックの音……。1年生達が来たようだ?

 

「「どうぞ」」

 

朱里と上杉が同時に入室の許可を与えた。

 

 

ガチャッ!

 

 

「…………」

 

入ってきたのは育ちの良さそうな女の子だった。少女は緊張しているのか、無言だ……。

 

「え、えっと……。今日からこの部屋の住人になる子だよね?」

 

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ?」

 

朱里と上杉は緊張しているであろう後輩に優しく話し掛ける。そして後輩はついに口を開いた。

 

「は、初めまして!桜坂しずくです!今日から1年間お世話になります!」

 

「「!?」」

 

少女……桜坂しずくの自己紹介に朱里と上杉は硬直した。

 

「う、うん……」

 

「い、1年間よろしくね?」

 

「はい!まだまだ未熟者ではありますが、先輩達に負けないように頑張ります!」

 

(この桜坂さんは……)

 

(これは驚いたわ……)

 

(武田さんに……)

 

(ヨミに……)

 

((声がそっくりだもの!!))

 

朱里と上杉の思考が一致したであろう瞬間だった。桜坂しずくという少女はかつて早川朱里と同じ高校のチームメイトであり、上杉真深の従姉妹であり、今や2人と同じ大学野球部のチームメイトである武田詠深と声が瓜二つと言っても過言じゃないのだから……。

 

(しずくちゃん……。ヨミと顔合わせしたらどうなるのかしら?)

 

(どうかな……。武田さんは意識しないと思うけど、周りは絶対に驚くと思う)

 

朱里と上杉は桜坂を置いて、ヒソヒソと話し始める。この後に起こるだろう展開を想像しているのかも……。

 

「あの、私を見てどうしたんですか先輩方?」

 

「い、いや、なんでもないよ」

 

「これから1年間はルームメイトとなるのだから、余り堅苦しくしなくても大丈夫よ」

 

「はい。ありがとうございます!」

 

 

コンコン。

 

 

3人の軽い紹介が終わった後、ノックの音が響く。

 

「「どうぞ」」

 

 

ガチャッ!

 

 

「…………」

 

(ま、また無言なのね……)

 

(緊張してるのかな?でも今入ってきた子は私と何度か面識があるし……)

 

再び無言で入ってきた少女に上級生2人は戸惑いを見せる。しかし朱里は少女と面識があるので、上杉よりも早く気を取り直す。

 

「璃奈さん!?」

 

「しずくちゃんもこの部屋だったんだ……。1年間よろしく」

 

「う、うん。ちょっとビックリしたけど、璃奈さんがいるのは心強いかも……。こっちこそよろしく!」

 

璃奈と呼ばれる彼女は桜坂と話をしていた。どうやらこの2人は知り合いのようだ。

 

「と、とりあえずルームメイト4人が揃ったし、改めて自己紹介しない?」

 

「そうね……」

 

「良いと思います!」

 

「異論ない」

 

朱里の提案に3人は賛成し、自己紹介の時間が始まる。

 

「えっと……。じゃあ言い出しっぺの私からだね。野球部2年生の早川朱里だよ。1年間よろしくね」

 

「次は私ね。同じく野球部2年生の上杉真深です。1年間という短い期間だけれど、ルームメイトの皆と仲良くやっていきたいと思っているわ」

 

上級生2人の紹介を簡潔に済ませ、次は1年生の2人。

 

「自己紹介は先程しましたが、改めて……。1年生の桜坂しずくです。先輩方、それに璃奈さん、1年間よろしくお願いします」

 

「同じく1年生の天王寺璃奈。表情を作るのが苦手だけど、こんな私で良かったら……仲良くしてください」

 

(天王寺……!?まさか朱里ちゃんが先程言っていた天王寺先輩の……!?)

 

4人の紹介が終わった後……。

 

「朱里さん、久し振り」

 

「久し振りだね璃奈さん。私がシニアを卒業して以来だから……5年振りくらい?」

 

「お姉ちゃんから朱里さんの事は度々聞いてた。楽しそうに野球してるようで何より」

 

「あの人から何を聞いているのか……」

 

天王寺璃奈という少女は朱里達と色々あった天王寺の妹(のような存在)だ。

 

「璃奈さんは朱里先輩を知ってるの?」

 

「何度か会った事があるくらい。でも朱里さんは私に親身になってくれた」

 

「いや、それは言い過ぎじゃ……」

 

「そんな事ない」

 

「そ、即答……」

 

「朱里ちゃんは優しくて、面倒見が良いものね」

 

「う、上杉さんまで……!?」

 

「そうなんですか?朱里先輩はとても良い人なんですね!」

 

「うん。良い人」

 

「ええ。とても優しいわ」

 

「も、もう止めて……///」

 

3人が朱里を褒め、朱里が恥ずかしがるという展開が10分に渡り続いた。

 

「んんっ……!それで桜坂さんと璃奈さんは部活どうするの?この寮にいるって事は運動部に入るのは決まってるみたいだけど……」

 

「私は野球部に入る。お姉ちゃんからもそうしてほしいって言われてるし」

 

「そっか……。あの人は元気にしてる?」

 

「元気だけど、コソコソと何か暗躍してる」

 

「何やってるのあの人……」

 

「しずくちゃんは?」

 

「私も野球部に入ります。高校でも野球部だったし、それに……この大学にいるある先輩にはお世話になりましたので……」

 

「お世話?」

 

「しずくちゃんは極度の球技音痴だった。でも野球だけは著しい成長を見せた。私もその人に興味がある」

 

「な、成程……?」

 

1年生2人は野球部に入るようだ。朱里と上杉は可愛い後輩が出来たと同時に強力なライバルが出現したと思い、やる気を上げた。

 

(あとどれくらいの月日を費やせば、武田さんと桜坂さんの声に慣れるかな?去年の上杉さんと桜内さんの例もあるし、その時と同じって考えたら、1ヶ月は掛かりそう……)

 

(後ろから声を掛けられたら、しずくちゃんとヨミを間違えそうだわ。気を付けましょう……)

 

朱里と上杉はまた別のところに気を付けようと決心し、やる気を出した。

(0)アンケート埋まらなかったので、投稿延期……。次回の投稿3月15日予定(少し投稿頻度を上げるかも?))は……?締め切りは投稿予定日の3日前

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