初回の攻撃は打線が続き、9番の二宮でチェンジとなった。次の攻撃は再び1番の三船さんからになる。小浪君もヒットを打ってたし、試合ともなると切り替えが早い。ちなみに3点先制ね。
そして上級生チームの攻撃へ……。
「よろしくねー」
上級生チームの1番打者は近江先輩。璃奈さん、桜坂さん、三船さんと同じ高校だったらしく、3人にとっては高校に引き続き先輩に当たる。
ちなみにフルネームは近江彼方さん。苗字の方は『このえ』と読むらしく、名前に関しては特に私や上杉さんにとっては馴染み深いとかそういう次元の問題じゃない。名前そのものは珍しくはない筈なのに、あの人と……風薙彼方と同じ名前ってだけで身近な知り合いとしては思わず固まってしまったものだ。
そして近江先輩にはあかつき大学に通ってる妹がいるらしく、下の名前は遥だそうだ。こちらも名前としてはポピュラーな部類に当てはまるけど、姉妹がそれぞれ『彼方』と『遥』なんだから、私と上杉さんはそれを聞いて5度くらい驚いたのは記憶に新しい。
(そんな近江先輩と勝負だ……。全力でいかせてもらう!)
まずは私のリトル時代の決め球から……!
ズバンッ!
『ストライク!』
「わお。凄いシンカーだねぇ~」
少なくとも初見だってのに、近江先輩は動じた様子はない。なんか非道さんを見てる気分になるよね。まぁ近江先輩は非道さん程にそこ知れなさはないけども。
「右投げのアンダースロー……。本当にリトル時代の朱里先輩が帰ってきたんだ!」
「懐かしく思うよね……」
私のアンダースローに反応したのは初野と清本。この2人はリトル時代のチームメイトという事もあって、私の右肩のリハビリについては度々話していた。頻度で言えば武田さんや上杉さん依りも上だろう。
(でも今の私はそれだけじゃない。『リトル時代の早川朱里』、『シニア時代の早川朱里』、『新越谷高校野球部時代の早川朱里』……。それぞれの私の持ち球を全てこの右腕にインプットさせたんだ。その手数の多さは当時の比じゃないよ)
まぁ炎症しないように気を遣ってはいるけどね。次に投げるのはこれだ!
ズバンッ!
『ストライク!』
「今度はSFFかぁ~。朱里ちゃんは球種が多いね~」
「ありがとうございます。次の1球で三振にさせてもらいますね」
(うーむ。否定したいところではあるけど、朱里ちゃんの投げる球は1打席そこらじゃ打てないかな~。神童さんや大豪月さんクラスでようやく張り合えるレベルになりそうだよ)
3球目に投げるのは……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
私が偽ストレートと命名しているストレートに見せた変化球。その球の媒体数は10を越えるよ!
「ふむ……。この紅白戦は早川の復活戦と銘打っていたが、3年生が打つのは厳しいか?」
「そうだろうな。早川朱里はこの私と神童が認めた投手だ。そう簡単に打たれては興醒めだ!」
神童さんと大豪月さんがそんな話をしていた。私は2人に比べれば、きっとまだまだなんだろうな……。
「神童!今の内に準備を済ませておくぞ!」
「……そうだな。早川の勢いを止める意味合いでも、私達の出番はかなり早まるだろう」
神童さんと大豪月さんがアップを始めた。いくらなんでも早過ぎますよ?まだ打者1人抑えただけですよ?
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
これで三者連続三振!今のところは問題なさそうだ。
(でも3番は非道さんだったからな……)
非道さんの打撃スタイルは変わらず、1打席目は95%の確率で見逃し三振なのだ。それに人は不気味さを覚えるという……。
(早川ちゃんは張りきってるね~。でも修羅場を幾度となく潜り抜けた私と大豪月さん、あとは神童さんには何度も通用はしないよ~?)
「……っ!?」
な、なんか非道さんから寒気を感じたんだけど……?気のせいだよね?
(0)アンケート埋まらなかったので、投稿延期……。次回の投稿3月15日予定(少し投稿頻度を上げるかも?))は……?締め切りは投稿予定日の3日前
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