最高の選手を目指して!   作:銅英雄

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ベースボール・フェスティバルに向けて⑨

イニングは4回表。ここまで両チーム無得点な訳だけど……。

 

「ちょっと不味い展開になってきたね……」

 

「そうね……」

 

「だな……」

 

この硬直状態が余程不味いのか、私達は揃って呟く。

 

「展開は互角だから、そんな悲観的にならなくても良いと思うけどなぁ……」

 

武田さんがそう言うけど、さては事の深刻さを理解してないな?

 

「ヨミ……。良い?あかつき大学野球部は私達と同様に1、2年生しか試合に出てないのよ?」

 

「そうだねぇ。偶然にも私達と同じ状況だねぇ」

 

上杉さんが武田さんに状況を説明するけど、まだ疑問符を浮かべていた。もしかしてマウンドにいない時の武田さんって危機感ない?

 

「忘れてるかも知れないけれど、それに加えて相手は本来の守備位置で守っていないの。南さんは本職の投手じゃないのよ?」

 

「中々良い球投げるよねぇ」

 

「……その本職じゃない投手から私達は1点も取れていないの。この意味、わかる?」

 

「…………。それって不味いじゃん!?」

 

ようやく事態が飲み込めた武田さん。気付いてくれてなによりだよ……。

 

「それともう1つ問題があるな……」

 

「そうね……。大きな問題があるわ」

 

「ええっ!?まだあるの!?」

 

小浪君と上杉さんの発言に大きく驚く武田さん。実際にそれも加味すると、相当不味い状況に追い込まれてるんだよね私達……。

 

「南さんはここまでコースギリギリのストレートしか投げていない……。恐らく変化球を温存してるんだ」

 

「じゃ、じゃあ私達は変化球を縛ったの南さんから打ててないって事……?」

 

「まぁそうなるね」

 

実際に変化球を投げていない理由はわからない。守備練習も兼ねてるのかな?

 

「……とりあえずなんとか点を取らないとな」

 

私達の攻撃は9番の桜坂さんから。いつ南さんが降板するかわからないし、南さんから打てるだけ打っておきたいけど……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

遂に南さんが変化球を投げ始めた。大きく曲がるカーブだ。

 

「エグ……。しかもコースギリギリじゃないですか……」

 

初野が嘆きの声をあげる。実際にあのカーブはかなり厄介だね。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

9番の桜坂さん。そして……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

1番の三船さんまでもが3球三振。あっという間にツーアウトだ。

 

「あの、朱里先輩……」

 

「……多分私も初野と同じ事を思ってるよ」

 

初野は今の2人のやられ方を見て、どこか既視感を覚えたみたいだ。

 

「ですよねぇ。どう考えても、南さんの投げるカーブって……」

 

「まぁその通りだと思うよ。どう?打てそう?」

 

私は初野に問い掛ける。ここで南さんから打てるかどうかはかなり変わってきそうだから……。

 

「自信はない寄りなんですけどね……。まさか新越谷高校時代にコテンパンにされた事が活きるとは思ってもみなかったですよ」

 

「……多分ここが最大のチャンスだと思った方が良いよ」

 

「既にツーアウトからじゃないですかやだー」

 

発言とは裏腹に、初野は打ち気になっている。この打席の初野には期待出来そうだね……!

(0)アンケート埋まらなかったので、投稿延期……。次回の投稿3月15日予定(少し投稿頻度を上げるかも?))は……?締め切りは投稿予定日の3日前

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