転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。
また新たに評価をつけてくださった方、ありがとうございます。しかも今回は、☆10・・・!もう嬉しくて何回も見ちゃいます。笑
お気に入り・感想をくださった方も、ありがとうございます。どれも執筆の励みになるので、感謝しかありません。本当にありがとうございます。


初出勤

 

 

「・・・さーや?」

「あ、ごめんなさい!私、つい・・・」

「あ、いや、それはいいんだ。そのさーやさん、って?」

「さーやはパン屋の子なんです!」

もしかして、と思った俺は彼女に問いかける。

 

「パン屋って、商店街にある『やまぶきベーカリー』のこと?」

「知ってるんですか!?」

「あ、ああ・・・昨日行ったばかりだしね」

いや、だから近いよ!ホント近い!個人的に役得だけど、恥ずかしいから離れて!身をのりだす彼女から距離を取るように、のけ反る。

 

「だから、先輩からはさーやと同じ匂いがするんですね〜」

「あー、かもね───────ってなんで俺が先輩だって・・・」

流してたけど冷静に考えたら、この子嗅覚すごすぎない?臭ってたらどうしよう・・・

 

「え?だって1年生の教室じゃ先輩見たことありませんし・・・」

「あー、なるほどね。それだったら俺が2年って分かるか。・・・1年の教室ってことは君は・・・」

「はい!1年の戸山香澄です!よろしくお願いします!」

「うん、よろしく。知ってるかもしれないけど、俺は2年の神崎良哉。・・・ところで、戸山さんはなんで体操服なの?部活に入ってるとか?」

授業は終わってるのに、彼女は体操服を着ており少し気になっていたのだ。

 

「そういうわけじゃないんですけど・・・実は私、キラキラドキドキを探してるんです」

「キ、キラキラドキドキ?」

急に神妙な表情になる彼女に、問いかける。

 

「・・・はい。昔、家族でキャンプに行った時にあっちゃん・・・妹と満点の星空を見たんです。その時に、星の鼓動を感じたんです」

「星の鼓動・・・?」

「はい!キラキラドキドキって!」

「それと同じものを探してて、いろんな部活動をまわってる、ってことか」

「はい!」

やっと話がつながった。・・・しかし、星の鼓動か・・・。世の中不思議なこともあるもんだなぁ、と思っていると、遠くから戸山さんを呼ぶ声が聞こえる。

 

「あ、私もう行かないと!すいません、先輩。またお話しましょうね!」

「え、あ、うん。・・・探してるもの、見つかるといいね」

「・・・!ありがとうございます!」

それだけ言うと、戸山さんは声の方へ駆けていった。

 

あ、やばい!バイト遅れる!!

 

 


 

 

「げほっ、ごほっ!・・・なんとか間に合った」

だいぶ急いだお陰か、少し余裕をもって到着できた。

 

(初出勤で遅刻はシャレにならない・・・って面接の日もこんな感じだったな)

内心苦笑し、『CiRCLE』に立ち入る。

 

「いらっしゃ─────────あ、神崎くん。待ってたよ」

「え、俺時間、間違えました?」

少し不安に思いながら訊くと、月島さんは首を横に振る。

 

「ううん、お客さんの入りがあんまりよくなくてね・・・。ぶっちゃけると暇してたんだ」

それはぶっちゃけすぎでは、と思わなくもないが、スタジオが並ぶ廊下に目を向けると、ほとんどの扉が開かれていた。

(あながち、というかホントに暇だったんだ・・・)

 

「よし!とりあえず、神崎くんのエプロン事務所の机に用意してるから、取りに行ってくれる?着替えは事務所でしてくれて構わないから」

「分かりました」

俺は受付を通り抜け、事務所へと入る。

 

(えーと・・・お、あったあった。名札もある。)

事務所に入って、正面のテーブルに袋に包まれたエプロンとピン付きの名札が置かれていたので、取り出し着替える。名札もつけばっちり、と鏡で確認してから、事務所をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか似合うね〜」

「いや、それほどでも・・・」

褒められて嬉しい気持ちもあるのだが、有り体にいえばエプロンを身に着けただけなので正直複雑だ。

 

「それじゃ、早速仕事をお願いしたいんだけど・・・。うーん、まずは掃除からにしよっか。掃除用具は事務所にあるから、それを使ってね。最初はモップがけからしてもらおうかな」

「了解です」

俺はもう一度、事務所に向かいモップがけに必要なものを取り出し、作業にとりかかるためフロアに向かった。

 

 


 

 

(思ったよりも広いんだな)

フロアに到着し、周りを確認する。見たところ、地下もあるようだし結構大変そうだ。腹を括り、さあやるぞ、と意気込んだところで一人の少女が来店する。長い銀髪に淡黄色の瞳、さらにリサと同じく灰色の制服に身を包んだ彼女はカウンターまで足を運び、予約していた湊友希那です、と受付を始めていた。

 

(ん?今の名前・・・友希那、ってもしかして・・・いや、そうだとしてもバイト中だしどうにもできないか。そもそも本人かどうかも分からないわけだし)

自身の今の立場ではどうすることもできない、と思った俺は再び仕事にとりかかった。彼女がこちらを見ていることに気づかずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふう、終わった〜!・・・掃除が意外と大変だったな)

掃除を終えた俺は、受付の仕事の手ほどきも受けた。掃除を終えたあとは、ずっとまりなさんと一緒に、受付とレジ業務だったけど・・・それなりにしゃべってたけど、よかったのか?・・・まあ、そのおかげかまりなさんと仲良くなることができて、下の名前で呼ぶようにまでなったんだけど。

 

(あの子は・・・まだ、出てきてないな)

湊友希那。やはり少し気になる。もしかしたら、彼女はリサの話に出てきた幼馴染かもしれないのだ。こんなことになるならフルネームを聞いておけばよかった、と少し後悔する。・・・かといって、何ができるわけでもないのだが。

 

(にしても、長いな・・・もうかれこれ3時間ぐらいはいるんじゃ・・・?確かボーカルをしてるんだっけか)

俺がバイトに入った時間と同じぐらいだったので、およそそれぐらいは経過している。少し心配していると、彼女が使用していたスタジオの扉が開かれ、姿を見せる。とても、長時間歌っていたとは思えない様子だ。

 

「ご利用ありがとうございます。お会計は900円になります」

一時間300円という破格の安さでありながら、あまり『CiRCLE』が利用されないのはなぜなのだろうか。まあ、楽器レンタルをするとそのかぎりではないのだが、それにしても謎だ・・・。『CiRCLE』の謎に迫っている最中も、まりなさんに見守られ接客を行う。

 

「これでお願いします」

「はい、では1000円お預かり致しましたので、100円のお返しになります」

「ありがとう。・・・ねえ、あなた」

「──────────?なんでしょう?」

「なにか楽器をやっていたりしない?」

「・・・はえ?」

 

思わず、マヌケな声が出てしまった。

 




以前から名前だけは出てましたが、ようやくその姿をあらわにしました。・・・やっと出せたぁ、と思う反面、やはり口調などの不安は拭えませんね。キャラあるあるだと信じたい。(切実)

それでは、次回までしばしお待ちを。
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