「初めまして、氷川紗夜と申します」
「初めまして、神崎良哉です」
お互いに自己紹介を終えたのを見計らった先生は、じゃあ、本題に入るわね、と前置きしてから語り始めた。
「氷川さんには彼に学園の案内をしてほしいの」
「な、なぜ私が?先生方のどなたかに手の空いている方はいらっしゃらないのですか?」
氷川さんは少し、驚きと戸惑いを含んだ声音で問うた。
「あいにく、どの先生方も明日以降の授業の準備やらなにやらで手が離せないみたいでね。それに生徒同士のコミュニケーションも大事だと思ったの」
「それはそうかもしれませんが・・・!」
(うーん、完全に空気だ)
なんだか、居づらさを感じて身動ぎしてしまう。
「どうにかお願いできないかしら、氷川さん?あなたなら成績優秀だし、生活態度も良好。安心して任せられるんだけど・・・」
「・・・分かりました。彼に学園を案内すればいいんですね?」
「うん、その通りよ。今日のところは大まかにで構わないわ。彼も学園で過ごすうちに学園内を把握できてくるでしょうし。・・・というわけで神崎君、これから彼女が学園を案内してくれるから彼女について行ってね」
そういうと、先生は自分のデスクに向かっていった。
「えっと、氷川さん・・・でいいのかな?」
「はい、構いません。私の方は神崎さんとお呼びしても?」
「うん、大丈夫。じゃあ、氷川さん。申し訳ないけどよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
お互いに再び挨拶を交わし、職員室をあとにした。
「そしてここが、男子トイレになります。男子トイレはまだ完成していないので、教員用のトイレを使用するようにお願いします」
「了解」
(この前まで女子校だったし、当然か。にしても、トイレの完成が間に合わないなんて共学の案ってそんなに急ピッチだったのかな)
「ひとまず、こんなものでしょうか」
ふと、氷川さんから声がかけられ、意識をそっちに戻す。ここまで、2年のフロアに始まり、1年と3年のフロア、図書室や授業で使用されると思しき教室など職員室でのやり取りから忙しそうだったけど、氷川さんはすごく丁寧に案内してくれた。
「考えつく場所は一通りご案内しましたが、何か質問はありますか?」
「うーん・・・今すぐ思いつくのはないかな。まあ、また分からないことがあったら氷川さんや先生に訊いてみるよ」
「ええ、時間がある時でしたらお答えします。」
この発言から職員室の段階から気になっていることを訊ねてみることした。
「氷川さん。学校のこととは関係ないんだけど、1つ訊いてもいい?」
「はい、構いませんが・・・」
「氷川さんってすごく忙しそうだけど、なにか部活とか入ってるの?それにさっき先生が、風紀委員の仕事とかなんとかって言ってたし」
「そうですね、風紀委員はもうご存知かもしれませんが、弓道部にも所属しています」
「へえ〜、氷川さんって多芸なんだね。その上、成績優秀で生活態度も良好だなんて漫画に出てくる優等生みたいだ」
そう伝えると、氷川さんは少し顔を赤らめて、
「そ、それは褒めすぎですっ」
そう言いつつも、満更でもなさそうな表情を浮かべた彼女は控えめに言ってもすっごく可愛かった。
「今日はありがとう、氷川さん。おかげでなんとかやっていけそうだよ」
彼女の説明は本当に分かりやすく、俺もすごく間取りを覚えるのが楽だった。
「お力になれたのならよかったです」
「あ、氷川さんさえよければなんだけど、連絡先を交換してもらえないかな?困った時にお願いしやすいし」
彼女は一瞬の逡巡の後、
「構いませんよ。これが私のアドレスと番号です」
「ありがとう。・・・で、これが俺のアドレスと番号だよ。これからもよろしく、氷川さん」
「こちらこそ、よろしくお願いします、神崎さん。」
氷川さんにそう言われた後、俺は少し可笑しくて笑ってしまった。
「・・・何かおかしなことでも?」
あ、やばい。違う、そうじゃないんだ。
「いや、似たような挨拶をさっきもしたなと思ってさ」
氷川さんは少し思い返しながら、少し笑みを浮かべて言った。
「確かに、そうですね」
そう笑った彼女の顔はすごく可愛かったことをここに記す。
氷川さんと別れて、学園をあとにした俺はバイトの面接先に向かっていた。
(12時20分・・・なんとか間に合いそうだ)
面接の段階から遅刻はシャレにならないので、とりあえずは一安心だ。そうして、すこし急ぎ足で目的地に向かっている俺の耳に、珍妙な鳴き声のようなものが聞こえてきた。
「ふ、ふぇぇ〜。ど、どうしよう〜」
(ふ、ふぇぇ〜???・・・特殊すぎないか?)
そう思い、声の方へ向かってみると、スカイブルーの髪をサイドテールにした氷川さんにも負けないくらいの美人な少女が目尻に涙をためながら、キョロキョロしていた。
(助けた方がいい・・・よな?)
見たところ、着ている制服はさっきまで氷川さんや同じクラスの子たちが着ていたものと同じようだった。そこから察するに、同じ学園の生徒なのだろう。しかし見ず知らずの、しかも男が話しかけたら状況が悪化しそうな予感がしたが、最悪自身の評価が落ちぶれるだけだと思い直し、思い切って声をかけた。
「あ、あの────」
「ひっ!?・・・な、何か用ですか?」
・・・少し心が軋んだような音がした。少女は単に人見知りなのか、男性が苦手なのかは分からないが目線を右往左往させながら話に応じてくれた。
「あ、いや、なんか困ってるみたいだったから声をかけたんだけど・・・」
「い、いえ、私は別に・・・って、その制服もしかして・・・」
少しは落ち着いてくれたみたいで、俺が着ている制服に気づいてくれた。
「えと、今日から花咲川学園に転校してきた、2年の神崎良哉です。」
「し、知ってる・・・よ?」
「え?」
きっとその時の俺の顔は相当マヌケだったと断言できる。
今回、会話がやたら多いです。会話と地の文の使い分けが分かんない・・・。
あと、口調とか語尾もめっちゃ難しい・・・!あるあるな気がしますけどこれホントにムズいです。バンドリのキャラは基本大好きなので、なるべく近づけてあげたいんですけど、これ難しいよ・・・。ホント無理だよ・・・。そして改行・・・。国語の成績が芳しくなかったためか改行のタイミングが分からない・・・。
もし、変に改行してて読みにくかったりしたら遠慮なく言っていただけると嬉しいです。