どうも、なぁくどはるです。
なんかもうちょっとうまいこと書けたらなぁ、と思う今日この頃です。前回のお話が自分なりに納得いってませんし・・・。まあ、そのうち書き直したりするかもしれません。あれでよかった、と思ってくださる方には申し訳ありませんが・・・。
初お披露目ライブ
『Afterglow』のあのライブから数日が経過していた。蘭も無事にお父さんに認めてもらうことができたようだ。さらに蘭は、華道にも真剣に取り組むことを約束していた。もう逃げない、んだそうだ。・・・ホントカッコいいと思う。そして、現在も彼女たちへの指導は行っている。あんなライブができるならもう俺は不要だろう、と思ったのだが彼女たちの説得に折れ、今もまだ続いている形となっている。特に、蘭とひまりからはものすごい引き留められたことに驚いた。まあ、頼りにしてもらってる、と思うと嬉しくもあった。
(また、あの時みたいな思いはしないように気をつけないとな。・・・にしても、最高のライブだったなぁ)
つぐみの時のような失敗をしないように、と心がけながら、授業中にもかかわらず先日のライブを思い返してしまい、思わず心がアツくなる。蘭たちのアツい演奏、観客のレスポンスすべてが相まって本当にこれ以上ない、ってくらいの完成度だった。・・・まあ、それでも蘭たちは満足してなかったけど。ホント、意欲的でいい生徒だよ。そんなことを思っていると、授業の終了を知らせる鐘が鳴る。挨拶を行い、教室内に弛緩した空気が流れる。
「ふう〜、ようやく昼休みか」
「・・・それ、毎回言ってるわよ?」
「んー、つい言っちゃうんだよね。ほら、授業って楽しいものじゃないからさ。あくまで個人の感想だけど」
今日はお休みなのかお隣の白鷺さんは朝から登校していた。仕事があるから会える機会はそこまで多くないが、会えば話してくれるしお昼も花音も含めて3人で食べる。自惚れでなければ、そこらの生徒よりかは親しい間柄のはずだ。
「・・・ノーコメント、と言っておくわ。それじゃ、行きましょうか」
さすが芸能人。こういう些細な発言ひとつも気をつけているようだ。
「了解」
そう返事をし、花音とともに中庭に向かった。
「へぇ〜、ってことは、千聖ちゃんアイドルやるんだね」
「そりゃすごい。ってことは、女優の仕事とかは・・・」
「いいえ、やめないわ。両立できるように頑張るつもりよ」
「はあ〜、ただそうなると今より学園に来れなくなるんじゃないか?」
「・・・まあ、仕方ないでしょうね」
「そ、そんな・・・」
花音が残念がっているが、正直俺も同じ気持ちだ。お隣さんがいないというのは、案外寂しいものなのだ。
「ただ、今すぐ忙しくなるわけではないと思うわ。今度のステージも演奏はしなくていい、と言われたし」
「ん?ちょっと待ってくれ。演奏?なんか楽器でもやるのか?」
「ええ、私たちは『アイドルバンド』だもの」
「はい?『アイドルバンド』?それに、私たち?」
「ふぇぇ・・・ち、千聖ちゃん、私もよく分からないんだけど・・・」
花音の気持ちももっともだと思う。俺だって正直ちんぷんかんぷんだ。イマドキのアイドルは楽器も弾くのか。すごいな、アイドル。
「ええ、今は私を含めて4人ね。あとはドラムの子を探しているそうだけれど・・・」
「はぁーん・・・って、さっき『演奏しなくていい』って言わなかったか?」
「ええ。本番はプロの方の演奏を流すそうよ」
「えぇ!?それって大丈夫なの・・・?」
そうだな・・・。音源を流すってことはつまり、白鷺さんたちのライブを楽しみにしてくれていたお客さんに嘘をつくことになる。そんなことをして、もし口パクや当て振りがバレたらどうするのだろうか。・・・まあ、可能性は低いだろうが・・・。
「花音の心配も分かるけれど、ステージは2週間後なの。それまでに形にするのは難しい、と事務所は判断したのね。私もその意見に賛同したわ」
そう語る白鷺さんの顔は苦虫を噛み潰したようだった。
「・・・合理的に考えてそれがベストだと判断したが、心は納得してない、って感じか」
「──────────!・・・ええ、もちろん。私だってこんなの間違ってると思うわ。でも、そうした方がいいのも事実・・・」
「ち、千聖ちゃん・・・」
「なるほどな・・・」
白鷺さんの考えは間違ってないだろう。そして、彼女のリスクリターンの管理能力は大したものだ。おそらく、それは正しいのだろう。だが、俺は彼女のその考え方が、彼女自身を苦しめているように思えてならなかった。
俺は現在、アイドルバンド『Pastel*Palettes』の初お披露目ライブを観にきていた。先日のお昼休みの際に白鷺さんにチケットをいただいたのだ。あいにく、花音はバイトがあってこられなかったが。本人は、千聖ちゃんのお披露目姿見たかったなぁ、ととても残念がっていた。
(へぇ・・・結構お客さん入ってるんだな)
周りを見渡し、その人の多さにびっくりする。もしかしたら、宣伝でもしていたのだろうか。そんなことを考えていると、ついにその幕があがる。
(あれが白鷺さんのメンバーか。で、あの子が最後のメンバーってわけか。・・・彼女は叩くんだろうか。まあ、さすがにドラムで叩いてるフリはできないか)
ドラムを前にした光悦茶色の髪が肩口で切りそろえられている少女を見やる。そして銀髪を三つ編みにして、両肩から垂らしている少女。さらに、青緑色の髪の少女。
(紗夜に似てる・・・?確か妹がいるって言ってたような・・・。ま、さすがに気のせいか)
そして、白鷺さん。・・・緊張はしてなさそうだ。どちらかというと、センターの中紅色の髪の少女の方が心配だ。やはり緊張してるのだろうか、どこかソワソワした感じがあるように思う。そんな彼女が代表で挨拶をし、曲を紹介したあと演奏が始まる。
(うーん、やっぱり音楽やってると分かっちゃうもんだな)
ドラムの子はやはり本当に叩けるようで、素晴らしいスティックさばきだった。しかし、白鷺さん含めその他のメンバーは見る人が見れば分かるぐらい拙かった。
(まあ、そこまで目の肥えた人はいないだろうし、何も起きなければだい──────────)
ふと、音が止んだ。観客も初めは不思議がっていたが、いつまでも演奏を再開しないことが疑心を確信に変えたのだろう。徐々に怒りの声が飛び交う。
(原因は分からないけど、だいぶまずいんじゃないか、これ)
ボーカルの子が自体を把握して、なんとかしようとしているように見えるが、突然のアクシデントに声が出ないのか何もできないでいる。そんな中、白鷺さんが口を開く。
「皆様、大変申し訳ございません。機材トラブルのためこれ以上は演奏できなくなってしまいました。これからもステージに立たせていただく機会もございますと思うので、ぜひとも応援よろしくお願いします♪」
それだけ伝えると、彼女たちは舞台袖に移動する。
(ナイスフォローと言いたいけど、正直先は暗いな・・・)
『Pastel*Palettes』の初ライブはそんな暗雲立ちこめたまま幕をおろした。
いやあ、もうホントこのあたりのお話を書いてると、心が苦しくなってきますね。アイドルだからこその事情だったりが、リアルに表現されてて正直初めて読んだ時は、ちょっと無理かも・・・って思ったぐらいです。そんな話は置いておいて、シリアスはマジで早く終わらせたいので、頑張って書きます。
それでは、次回までしばしお待ちを。