どうも、なぁくどはるです。
いつの間にやら、お気に入りが120人を突破していました。評価を上げてくださった方もいらっしゃいましたし、もうなにがなんだか・・・。とりあえず、皆様いつもありがとうございます。新しくお越しいただいた方も、ありがとうございます。ホント、何度感謝しても足りないくらいです。
「・・・落ち着いた?」
「え、ええ・・・・・・そ、その・・・あ、ありがとう」
彼女は頬を染めて、上目遣いでこちらを見やる。・・・え、ちょっと待って。白鷺さん可愛すぎない?これが素の白鷺さんなのかは判断がつかないが、普段よりも余程女の子らしいというか・・・とにかく、すっげぇ可愛い。
「え、あ、いや、ど、どういたしまして?」
「ふふ、どうして神崎くんが謝るのよ」
えー、可愛すぎるんですけどー。普段の彼女も表情こそ変わるが、やはりどこか一線引いたようなところを感じた。しかし、今の白鷺さんは心の底がそのまま表に出てきてるような感じだ。それぐらい、今の彼女は自然体だと思った。
「・・・それで、私の話、聞いてくれるのよね?」
「・・・もちろん。俺にそれが解消できるかは分からないけど、それでも白鷺さんの力になりたいんだ」
「・・・ありがとう」
微笑む彼女は芸能人であるとか関係なく、とても綺麗だと思った。
「・・・実は私、パスパレをやめようと思っていたの」
「思っていた・・・?」
「ええ。あんなことが起きてしまったし、これ以上あそこにいても私にはなんのメリットもないと思ったから。・・・・・・幻滅したかしら?」
「いや、まったく?白鷺さんの危機管理能力はすごい、って思ってたからね。今更そんなことで白鷺さんに幻滅したりしないよ」
彼女は少し目を見開いてから、発言する。
「・・・あなたって本当に変わってるわね。普通こんなこと聞かされたら、幻滅したり軽蔑したりすると思うのだけど・・・」
「そう・・・なのかな?」
「特に、私のような上辺だけはしっかりしているタイプだと尚更ね」
「いやでも、白鷺さんがそういうのを頭で理解してても、心では納得してないって知ってるから」
「──────────!・・・そういえば、そんなことも言ったかしら」
あの時白鷺さんは確かに言った。それが最善だと思うけど、お客さんに嘘をつくなんて本当は快く思っていない、と。・・・そう、白鷺さんは何も心に血が通っていない機械ではない。考えた結果、それが最善だと判断したならそれがたとえどんなものだとしても自身の判断に従うが、必ずしも心まで納得しているわけではないのだ。
「・・・・・・花音が気に入るのも分かる気がするわ」
「ん、なんか言った?」
「いえ、なんでもないわ」
白鷺さんに何か言われた気がするが、小声だったので聞きとれなかった。・・・なんでもないって言ってるし、大したことではないだろうと思い、彼女の話に耳を傾ける。
「・・・話がそれてしまったわね。・・・そして、挽回の策を考えていた私に活動休止が言い渡された」
(これは彩の話にもあったな・・・)
「尚更ここにいる意味はない、と思ったわ。さらに活動休止が言い渡された私は同じタイミングで『あの記事』を目撃して、一刻も早くここを離れようと、スタッフさんに脱退を申し出たの。そしたら・・・」
「そしたら・・・?」
「・・・パスパレのメンバーでない方のことまで面倒は見きれない、と言われたわ」
そうきたか・・・。あのライブの後、ネット上でパスパレを非難する記事が相次いだ。その中にはもちろん、メンバーに対するものも存在した。とりわけ、元々ネームバリューもあった白鷺さんはそれが顕著だった。それも加味して脱退を申し出たのだろうが・・・そう言われてしまっては白鷺さんに取れる選択肢なんて実質ひとつしかないだろう。
「・・・ずいぶん遠回しだけどパスパレをやめるな、ってことか」
首肯してから、続きを話し始める白鷺さん。
「・・・私に残された選択肢はひとつしかなかった。もう一度『Pastel*Palettes』として花開く、という選択肢しか・・・でも、私には楽器経験もないし、他のお仕事だってある。もちろん、できる限りは頑張るつもりだし、なんとかステージに立つ機会は得られたけれど正直このままじゃ可能性は・・・」
(ふむ・・・)
「それに彩ちゃんに言い過ぎてしまったこともあるし・・・」
この前の彩の話にもあった、努力が必ず夢を叶えてくれるわけではない、ってやつか。
「・・・彩のことは大丈夫だと思うよ。このあいだ元気になってくれたし」
「・・・どういうことかしら?なぜ、あなたが彩ちゃんのことを知っているの?それに今、彩って・・・」
あれぇぇ?急に温度が下がったような・・・
「え、いや、最近ちょくちょくお昼一緒に食べるんだよ。始まりは彩が暗い顔してたから声をかけたところから・・・だけど・・・」
白鷺さんの纏う雰囲気が怖すぎてしりすぼみになってしまう。
「・・・へぇ。彩っていうのは?」
「それは、お昼食べたりして仲良くなっていくうちに彩からそう・・・呼んで・・・ほしいって・・・言われて・・・」
怖い怖い!怖いよ!え、今って重めの話してたんじゃなかったっけ!?
「・・・・・・どうして私のことは名前じゃないのよ」
「え?」
「だから、どうして私のことは名前で呼ばないのよ!!」
うぇぇ!!?どうして、と申されましても・・・
「そもそも俺あんまり女の子を名前で呼ぶって得意じゃなくて・・・今呼んでる子たちも、そう呼んでほしいって言われたから呼んでるだけだし・・・」
「じゃあ、これからは私のことも名前で呼びなさい。それと、あなたのことはり、良哉って呼ぶから。いいわね?」
「え、えぇ・・・」
「い・い・わ・ね?」
「はい・・・」
なんで急にこんな話に・・・それなりにシリアスなムードだと思ったんだけどなぁ・・・
「・・・さっきはごめんなさい。少し取り乱してしまったわ」
「あ、いや、俺は大丈夫・・・」
少し・・・?と疑問に思わなくもなかったが、そこを掘り下げるとまずい気がしたので捨ておくことにした。
「・・・それで、彩ちゃんは大丈夫そうなのね?」
「うん。確かに最初は落ち込んでたけど、話したらスッキリしたのか最後には笑ってたよ」
「それならよかったわ・・・」
安堵した表情を見せる・・・千聖。何度経験してもこの恥ずかしさは慣れない。
「それと・・・」
「なにかしら?」
「さっき言ってた演奏技術云々の話だけど、なんとかなるかもしれない」
「──────────!・・・どういうことかしら?」
軽く目を見開いたあと、神妙な顔つきになる千聖にある提案をする。
「俺でよければ千聖に教えるよ」
「そう、じゃあお願いするわ」
「えぇ!?なんかあっさりすぎない!?俺、別に名のあるミュージシャンとかでもないんだけど・・・」
「良哉・・・はできないことは言わないだろうし、それに・・・」
まだ恥ずかしい部分があるのか、俺の名前を呼ぶ時は間を感じる。
「それに・・・?」
「あなたのことは信頼しているもの」
まったく、ズルいよなぁ・・・。笑顔でそんなことを言われたら張り切らないわけにはいかないだろう。千聖のために、できる限りのことをしよう、とこの時誓った。
千聖さんが若干キャラ崩壊してる気が・・・。こ、このくらいならセーフってことで・・・。
今回は自分の中で過去一難産でした。20いくらかの話数で何言ってんだかって話なんですけど。正直、書いてることブレブレだと思うのでこの回は書き直す可能性かなり高めです。もしそうなってしまったら、ごめんなさい。