転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。
お気に入りが130、とんで140超えてました・・・。本当に一瞬でしたが、日間ランキングも12位でしたし・・・。さらには、新たに評価をくださった方もいらっしゃいますし・・・。最近はキャパオーバーする出来事が多すぎて、リアクションとれずに『無』になります。笑
皆様、いつも私の作品を支えてくださってありがとうございます。


本当の彼女は年相応

 

 

千聖の悩みを聞かせてもらったあと、予鈴とともに教室に戻った。とりあえず、演奏技術の向上のための日程は千聖のスケジュール次第となった。

 

「あ、千聖ちゃん!良哉くんも」

教室に入ると花音に出迎えられたので、今回の件に際して俺のワガママを聞いてもらったので、ありがとう、花音、と礼をすると、笑顔を返してくれる。

 

「花音・・・あの、その・・・私・・・」

「・・・ううん、大丈夫だよ、千聖ちゃん。これからは頼ってくれるんだよね?」

「・・・ええ、もちろん・・・!」

千聖はこれからも独りで悩んだり、苦しんだりするのかもしれない。でも、きっと最後には花音や俺を頼ってくれる。2人が笑いあっている光景を見ると、そう思えた。

 

 


 

 

「ストップ。そこ、少しズレたよ」

「・・・やっぱりうまくいかないものね」

「最初はそんなもんさ。むしろ、始めたばかりにしては筋がいいよ」

「本当?ありがとう」

あれから数日後、早速練習の機会が訪れた。場所は『CiRCLE』だ。料金もお財布に優しいので、場所に迷っていた千聖に紹介した。スタジオに入って早速腕前を見せてもらうが、本当に楽器経験はないらしく、基礎の基礎から指導していた。

 

「キリもいい感じだし、ちょっと休憩しようか」

「・・・ふう、慣れないことをしているせいか体力の消耗が思ったより激しいわ」

千聖はあまり疲れを見せるタイプではないが、やはりそれなりに疲れていたようだ。

 

「意外にベース重たかったりするしね。・・・にしても、初ライブの時にも思ったけどベースの色、千聖にピッタリだな」

「そ、そうかしら?」

褒められたのが嬉しかったのか少し頬を染めながら、首を傾げる千聖だが、千聖の髪色やあの時の衣装も相まって本当にピッタリだと思う。俺の気のせいかもしれないが、あの一件以来、千聖に自然な表情が増えたように思う。さっきの反応も以前の千聖なら微笑みながら、受け流されていただろう。それを鑑みて、もし俺の気のせいではないのなら嬉しい限りだ。

 

「・・・そういえば、他のメンバーってどんな子たちなんだ?」

「どうしたの、急に?」

「いや、ふと気になってさ。なんか知り合いに似てる子もいたし」

あのライブを思い返しながら、千聖に伝える。・・・あの時は気のせいだと思ったけど、今思い返しても紗夜に似てるんだよなぁ・・・あのギターの子。

 

「・・・よく分からないけれど、そうね、まず彩ちゃんのことは知っているとして・・・。ギターの子は『氷川日菜』ちゃん。オーディションでギター担当に抜擢された、と聞いているわ。本人はそれまで楽器経験がなかったらしいのだけど、弾いてみたら合格できたって・・・」

(『氷川日菜』ときてそのエピソード・・・十中八九、紗夜の話にあった妹の日菜さんだな。・・・あれだけ大々的に記事とか出ちゃうと紗夜の目にもはいってるよなぁ。・・・大丈夫だろうか?)

考え込んだままの俺を怪訝に思ったのか、千聖が呼びかけてくる。

 

「ちょっと、良哉。どうしたのよ、急に黙り込んでしまって・・・」

「あ、ああ、ごめん。少し気になることがあってね・・・。それで、他のメンバーの子は?」

「──────────?・・・まあ、いいわ。ドラムは元々スタジオミュージシャンだった『大和麻弥』ちゃん。結成当初、パスパレにドラマーがいなかったことは話したでしょう?」

お昼の時にそんな話を聞いたのを覚えていたので、首肯する。

 

「実は彼女は正式なメンバーではなかったの。代わりが見つかるまでの代役だったのだけど・・・」

ぶっちゃけ本番での腕前は見事だったし、最初からあの子でよかったのでは、と思わなくもないが・・・

 

「私は彼女こそが『Pastel*Palettes』のドラマーに相応しいと思って、スタッフさんに進言したの。メガネに隠れて分かりにくかったけれど、美人な子だと思ったから」

(そういえば、演奏中はメガネつけなかったな・・・。確かに美人だったし)

そんなことを考えていると、千聖から冷たい視線がとんでくる。

 

「え、えーと、千聖さん?いかがされましたか?」

「・・・いえ、なんでもないけれど?」

(そのわりには、めっちゃ不機嫌そうなんだけど・・・)

マズいと思った俺は、慌てて続きを促す。

 

「そ、それで最後のメンバーは?確か、キーボードの子だろ?」

「・・・はあ。彼女は『若宮イヴ』ちゃん。お父様は日本人の方で、お母様がフィンランドの方だと聞いているわ。要するに、ハーフってことね。パスパレと並行してモデルもやっているそうよ」

「へぇ・・・千聖と同じで大変そうな子だなぁ」

「わ、私は好きでやっていることだもの。それほど大変だと思ったことはないわ」

若干照れながら、心境を語ってくれる千聖。

 

「そこにベースの千聖と、ボーカルの彩を合わせた5人が『Pastel*Palettes』ってことか」

「そういうことになるわね」

少し長話がすぎてしまったようだ。休憩にはいってから、それなりの時間が経過していた。

 

「・・・もうこんな時間か。そろそろ続きやるか」

「・・・本当ね。では、お願いするわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「練習に付き合ってくれて本当にありがとう。今日一日ですごく上達できた気がするわ」

あの後時間めいっぱい練習して、まりなさんに礼を言い『CiRCLE』を後にしていた。現在は千聖を近くまで送っている最中だ。

 

「いや、ほとんど千聖自身の力だよ。俺は教えてただけだし」

「あなたの教え方が良かったのよ。そんなに謙遜せず、他人からのお礼は素直に受け取っておきなさい」

「・・・そっか。じゃあ、千聖の言う通り、素直に受け取っておくよ」

そう伝えて、満足そうに頷く千聖の横顔を見る。

 

(力になれてるみたいでよかった)

いくら『Afterglow』のみんなへの指導経験があるとはいえ、不安は少なからずあった。しかし、その心配は千聖の顔を見ると、杞憂だったようだ。

 

「・・・その、良哉。次の予定なのだけれど・・・」

「うん?」

千聖の不安げな表情を不思議に思いつつ、聞き返す。

 

「この日はどうかしら・・・?」

「ちょっと待ってね・・・・・・うん、大丈夫」

予定を確認した俺は、千聖に了承の意を返す。すると千聖は、ぱあっと、表情を明るくさせる。

 

「よかった・・・!じゃあ、次の練習はこの日でお願いね」

「了解。楽しみにしてるよ」

「──────────!ええ、私も楽しみにしてるわ♪」

 

そう言った千聖の顔は、花が綻ぶような笑顔だった。

 




千聖回続きすぎじゃない?と思われた方、申し訳ございません・・・!次あたりから、またストーリーに迫っていく予定なのでどうか、どうか・・・!

それでは、次回までしばしお待ちを。
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