転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。

紗夜さん誕生日ガチャ終了まで、もう10連できそうなのでそこに全てをかけます。もうガチです、超真剣。



水族館デート?と雨の中差し出された傘

 

 

千聖との練習もそれなりにこなして、問題なく演奏できるレベルにまでなったそんな週末のある日。俺は駅前にいた。

 

(それにしても遅いな、花音・・・)

そう今日は以前約束した、花音と水族館へ行く日なのだ。あれから俺は千聖との練習や『CiRCLE』でのアルバイト、花音もアルバイトや家の所用などで、幾日か期間が空いてしまったが無事この日を迎えることができた。しかし、10時に駅前に待ち合わせだったはずの花音が一向に姿を見せないのだ。もう約束の時間を15分ばかり過ぎている。さすがに心配になった俺は、花音に連絡をとることにした。少しの待機音の後、ガチャ、という音が耳に入る。

 

「お、繋がった。もしもし、花音?良哉だけど──────────」

「ご、ごめんなさい!じ、時間過ぎてるのに、私・・・」

開口一番大声で謝罪され驚いてしまうが、とりあえず状況確認が先だ、と思い花音に現状を訊く。

 

「いや、大丈夫だよ。それより、なにかあったの?」

「そ、その・・・道に・・・迷っちゃって・・・」

(花音の方向音痴ってそんなになの・・・!?)

以前の怪奇現象はもちろん記憶にあったが、今日は花音の行きつけの水族館に行く、という話だった。だから、さすがに大丈夫だろうとタカをくくっていたのだが・・・

 

「・・・分かった。とりあえず、迎えに行くよ。周りに何がある?」

こっちに来てからまだ日が浅いが、どこに何があるのかはそれなりには分かってきたので大丈夫だろう。最悪人に訊こう、と思って花音の説明を聞きながら足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とにかく、無事見つかってよかったよ」

「ふ、ふぇぇ、ご、ごめんね?」

「俺は全然大丈夫。・・・それより、これから向かう水族館ってなにか有名な動物はいるの?」

合流できたはいいが、電車に乗り込んでからも先程のことを気にしてずっと落ち込んでいる花音が少しでも気にしなくて済むように、話題をふる。

 

「えーとね、ペンギンとかカワウソに、あとはクラゲとか!」

「そ、そうなんだ。結構種類が多いんだな」

整った顔をズイッ、とこちらに近づけながら、最後にやたらと京藤色の瞳を輝かせ、クラゲの名前を告げた。そのテンションの上がりように、思わず身を引いてしまう。

 

「あ、ごめんね・・・!」

我に返った花音が恥ずかしそうに、離れる。

 

「ううん、俺は気にしてないよ。・・・花音ってクラゲ、好きなの?」

気にしてない、と告げた瞬間、ムッとなった花音だが、直ぐに表情を崩しながら答えてくれる。

 

「うん、そうなんだ。あのふわふわゆらゆらしてる感じが可愛くて。それにね──────────」

俺にはイマイチその魅力が伝わってこないが、花音はクラゲに対してものすごい愛情を抱いているのだろう。今もなお、クラゲについての想いを熱弁してくれている花音の表情は、およそ他人に見せられるものではない。それぐらいクラゲのことを話している彼女は幸せそうな顔をしていた。そんな花音の熱弁も途中に電車が停車する。どうやら、目的の駅に着いたようだ。

 

「それでね・・・」

「続きは、向かう途中で聞くよ」

苦笑いしながら花音に告げると、ふ、ふぇぇ・・・と言って俯いてしまった。

 

 


 

 

「あの、その、ごめんね?私・・・」

「はい、ストップ。今日はまだ花音に謝られてる気しかしないよ。細かいことは置いておいて、案内、よろしくね?俺、ここに来たの初めてだし・・・」

「あ・・・・・・うん!任せて!」

合流してから落ち込み具合がすごかった花音だが、ようやく笑顔になってくれた。やっぱり笑っててくれた方が俺も楽しくなるし、そっちのほうがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お金を払い整理券を購入し、入館した俺たちはまず大水槽の前にいた。そこでは小さい魚やエイなどがともに泳ぎ回っている。

 

(はー・・・こりゃすごい)

下の砂や石は白くなっており、ところどころにサンゴも配置されている。水槽の水は透き通っており、そこに泳いでいる魚も相まってさながら南国の海のようだ。ふと、隣から袖が引かれる。

 

「わぁ・・・!やっぱりすごく綺麗だよ、良哉くん!」

「ホント、水族館なんて久しく来てなかったけどこんなに綺麗なんだなぁ・・・」

あんまりはしゃぐと怪我するかもしれないよ、と軽く花音を窘めながら先へ進んでいく。

 

(にしても、休日だけあってすごい人だなぁ・・・花音とはぐれないようにしないと)

そんなことを考えていると、隣を歩く花音からある提案をされる。

 

「ね、ねぇ、良哉くん・・・」

「ん?」

「えと、その・・・・・・手、つないでもいい?」

「・・・・・・はい!?」

「嫌なら・・・いいんだけど・・・でも、はぐれちゃうと大変だし・・・」

え、手をつなぐ?誰と誰が?俺が?花音と?いやでも、それは・・・。確かに花音の言うことも一理あるとは思うけど・・・。そんな葛藤をしていると、花音が不安そうな瞳で訴えてくる。

 

「・・・・・・ダメ、かな?」

(・・・そんな風に言われたら、断れないよなぁ)

「・・・分かったよ。確かに花音の言う通り、はぐれたりしたら大変だもんな。だから・・・絶対離さないように、な?」

「──────────!うん!」

それから俺たちはたくさんの種類の魚たちを見て回った。サメだったりクジラだったり、ペンギンやアシカなども見た。しかし、アクシデントが一つだけ起こった。花音がクラゲの水槽の前から動く気配がないのだ。まさか、立ち止まって1時間もそこから動かないとは・・・。そんなハプニングもありつつ、13時を少し回ったところでお昼にしよう、ということで俺たちは水族館を後にし、近くの喫茶店に足を運んだ。

 

「うーん・・・!いっぱい見たなぁ・・・!」

「うん!クラゲ、可愛かったなぁ・・・」

水族館のクラゲを思い出しているのか、うっとりした顔で呟く花音。

 

(ホント、あの調子だと丸一日いられるんじゃないか?)

内心苦笑していると、注文の品が運ばれてくる。店員さんにお礼を伝えて、2人揃っていただきます、と言ってから水族館の感想を述べながら料理を食べ始める。

 

「俺的にはペンギンが──────────」

「私はやっぱりクラゲが──────────」

 

お行儀はよろしくないかもしれないが、久しぶりの水族館の感想を花音と分かち合いたかったのだ。彼女も同じ気持ちのようでよかった。

 

そこにあったのは、周りから見れば間違いなくカップルだと思われる絵であったことを記しておく。

 

 


 

 

感想をお互いに伝え合いながら、食事を終えてからゆっくりしていると、外からザーザー、という音が聞こえてくる。

 

「それで──────────ん、雨か。今日は降らないと思ってたんだけど・・・」

「ってことは、良哉くん傘持ってきてないの?」

首を縦に振り、花音に返事をする。

 

「じゃ、じゃあ、私の傘に入る?私、折りたたみ傘持ってきてるし、それに駅まではすぐだし・・・」

「・・・・・・いいの?」

「うん、良哉くんなら大丈夫だよ」

走って帰る、というのも無理だろうし、花音さえいいなら入れてもらう方がいいか・・・

 

「・・・じゃあ、お願いするよ、花音」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やばい、心臓の音しか聞こえない・・・)

お会計を行い、店を出た俺たちはひとつの傘を2人で使用していた。つまり、相合傘というわけなのだが・・・。しかし、折りたたみ傘ということもあり、密着度が半端ない。腕と腕は正直重なってるレベルだ。最初はこれはまずい、と思ったので俺の半身を外に出すような形で傘をさしていたのだが、花音に咎められ現在の状況に落ち着いた。なので、粗相のないように気をつけてはいるが、時間の問題かもしれない。心配になり、花音の方を見るが、俯いているので表情は窺えない。早く着いてくれ・・・!と願っていると、ようやく駅に到着した。

 

「あ、ありがと、花音・・・」

「う、ううん、大丈夫・・・」

お互い恥ずかしくなって、顔をそらしてしまう。

 

「・・・とりあえず、いこっか」

「う、うん・・・」

電車に乗り込んだ時は気まずい雰囲気が残ったままだったが、降りる頃にはあまり気にならなくなっていた。

 

「今日はありがとう、良哉くん。良哉くんのおかげで楽しかったよ」

「こちらこそ、楽しかったよ。花音にいろいろ教えてもらいながら回れてよかった」

「あの、その・・・」

「──────────?」

「・・・・・・ま、また、私と水族館に行ってくれますか?」

花音の不安げな表情と唐突の敬語に戸惑ってしまうが、俺はハッキリと伝えた。

 

「・・・もちろん。俺の方からお願いしたいくらいだよ」

微笑いながらそう言うと、花音も笑顔で応えてくれた。

 

「よかったら近くまで──────────」

花音を近くまで送っていこうと、提案しようとした矢先、駅前の広場の方から雨にかき消されがちだが、確かに聞き覚えのある声が耳に入ってきた。

 

「──────────?良哉くん?」

「ごめん、花音。傘、もうちょっとだけ借りていい?」

俺の顔から何かを悟ったのか、うん、いいよ。と優しい笑顔で許しをくれる。

 

「ありがとう。悪いけど、ちょっとだけ待っててくれ」

「うん。いってらっしゃい」

「──────────!・・・いってきます!」

花音の優しさには本当に頭が下がる。勝手をする俺に対しても、笑顔で見送ってくれる。ありがとう、花音。と心の中でお礼を言い、声の方へ駆けていった。

 

 


 

 

「お願いします!私たち『Pastel*Palettes』の演奏を聴きにきてください!」

「お願いします!」

もうどれだけ、声を張り続けたか分からない。彩ちゃんも私もびしょびしょだし、声も枯れてきている。けれど、立ち止まってくれる人は、いない。あとどれだけ頑張れば・・・と心が折れそうになっていると、雨が止んだ。

 

「え・・・?」

しかし、厳密には雨が止んだわけではなく、誰かに傘を差し出されたようだ。その人物を確認しようと振り返って思わず涙がこぼれそうになる。彩ちゃんもその人物を見て、驚いている。

 

「・・・どうして、あなたは・・・!」

「・・・たまたまだよ。それより、チケット1枚もらっていい?」

 

私に傘を差し出してくれたのは、そう言って笑う良哉だった。

 




めっちゃ頑張ったぜ・・・!過去一の文字数・・・。てか、イチャイチャって難しすぎるよ。シリアスもイチャイチャも書けないってあと私に残されたものは・・・?そんなことを考えながら書いた今話でした。

それでは、次回までしばしお待ちを。
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