転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。

お気に入り150人突破となりました。さらに、新たに評価の方もいただきました。本当にありがとうございます。これからも精進して参りますので、よろしくお願いします。


雨上がりには・・・

 

「はい。とりあえず、タオルとあったかい飲み物」

「ごめんなさい。ありがとう、良哉」

「ありがとう、良哉くん」

びしょびしょの千聖と彩を濡れない場所に移動させて、駅の中にあったコンビニでタオルと温かい飲み物を手渡す。

 

「このお金は後日返すから・・・」

「あ・・・良哉くん、私も・・・」

「いいよ、お金なんて。それより、ここまでしたんだから風邪ひかないでよ?」

「・・・ええ、気をつけるわ」

「・・・うん、本当にありがとう」

少し顔を赤らめながら、礼を言う2人。・・・花音、顔が怖いよ。隣にいる笑顔が怖い花音にビクビクしつつ、2人に訊ねた。

 

「・・・で、成果はどれくらいだったの?」

「それは・・・」

「・・・・・・」

2人して黙り込んでしまう。やはり、あまり結果は芳しくなかったのだろう。あんな記事を出されてしまえば、仕方ないとは思うが・・・

 

「・・・ふむ。・・・ところで、千聖はなんでこんなことを?」

「そ、それは私も気になってた・・・。・・・千聖ちゃん、どうして?」

「・・・・・・あなたを知りたいと思ったの」

「私を・・・?」

「私にはあなたが分からない。なぜここまでできるのか、その行動力はどこからくるものなのか」

まあ、確かに彩の行動力はすごいよな。とりあえずやるしかないって感じだし。

 

「私にはこれしかできないから・・・。日菜ちゃんみたいに何でもできるわけじゃない。麻弥ちゃんみたいにドラムを叩いたり機械に詳しいわけじゃないし、イヴちゃんみたいにモデルをやってたわけじゃない。・・・千聖ちゃんみたいに冷静に周りを見てみんなをフォローできるわけでもない。頑張るしか、私にはできないから・・・」

なるほど・・・。確かに、彩は器用なタイプじゃないだろう。しかし、何もないわけじゃない、と俺は思う。彼女には彼女にしかない『色』があるだろう。

 

「・・・なるほど。彩ちゃんって不器用なのね」

「えぇ!?ひどいよ、千聖ちゃん・・・。まあ、その通りなんだけど・・・」

「・・・そして、己の信じたものに対して愚直なまでに頑張れる人」

そうだよな。彩は大切なもののために、どれだけだって頑張れる素敵な人間だと思う。

 

「──────────!ち、千聖ちゃん・・・」

「今日の出来事で少し、あなたのことが分かった気がするわ。・・・それがあなたらしさ、なのね」

「そう・・・なのかも。もしこれが『私らしさ』なんだとしたら、それを大切にしたい。そうして、『私らしいアイドル』になりたい。・・・後悔するのは嫌だから」

「いいんじゃないか、彩らしいアイドル。少なくとも、俺は自分を偽ってアイドルをしている彩より、そっちの方が断然見たいし、応援したいって思う」

「・・・良哉くん」

そうして、泣きそうになる彩。

 

「なんで泣きそうになるんだよ!?」

「だ、だってぇ〜・・・」

そんなふうに騒いでいたら千聖が近くにやって来て、小声で問うてきた。

 

「・・・・・・ねえ、良哉。私にも『私らしさ』見つかるかしら?」

「見つかるよ。・・・もし困っても、花音も俺もいる、でしょ?」

「・・・そうね、その通りだわ」

 

噛みしめるように目を閉じて笑みを浮かべる千聖を見て、俺と花音は静かに笑いあった。

 

雨はもう、止んでいた。

 

 


 

 

あの後、一度事務所に戻らなければならないということで、去っていった2人を見送り、今は花音と2人で歩いていた。

 

「千聖ちゃんも彩ちゃんも大丈夫かな?2人ともすごく濡れてたし・・・」

「うーん、どうだろう。事務所に戻ってすぐに乾かしたりできてるなら大丈夫かもしれないけど・・・」

こればっかりは2人が体調を崩していないことを祈るしかない。

 

「あ、ここまででいいよ。ありがとう、良哉くん」

「おっけ。今日はホントに楽しかったよ、ありがとう」

「・・・うん、私も楽しかったよ。また、ね?」

「うん。気をつけて」

そう告げると、ありがとう。と優しい笑顔で答えて、分かれ道を進んでいく花音。陽が落ちるまであと少しといったところだが、人通りも少なからずあるし大丈夫だろう。一応、花音の姿が見えなくなるまで見送ってから俺も帰路についた。そして帰宅した俺は、ネット上に取り上げられていた『とある記事』に目を通したあと、風呂と食事を済ませ、就寝の準備をしてから床についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週明け、今日は仕事の方もなかったのか隣の席に着席している千聖に声をかける。

 

「おはよう。ネット、すごいことになってるね」

「ええ、おはよう。・・・昨日のあれを見てくれて、ありがたいことに心に留めてくれた人がいた、ということね」

「分かりにくいけど見てくれてる人はどこかに必ずいて、気にかけてくれる人もいるってことか」

「・・・ホント、世の中ってよくできてるわね」

「・・・間違いない」

今回の一件はつくづくそう思う。『Pastel*Palettes』は一度ドン底に落ちてしまったが、紆余曲折を経てバラバラにならず、現状に落ち着いている。まさに神の思し召しなのではないか、とすら思える出来事だった。

 

「とりあえず、これでライブの方は大丈夫そうなの?」

「ええ、なんとか。あとは私たちが今度こそ、ファンの方たちの期待を裏切らないようにできるかどうかにかかっているわ」

「それなら問題ないんじゃない?」

「・・・どうして、そう思うの?」

「確かに、当日好意的な反応ばかりじゃないかもしれない。でも、みんな今度こそ自分たちの力で成功させるって決めたんでしょ?その気持ちがあれば千聖たちなら問題ない、と俺は思うよ」

「──────────あなたってホント、不思議な人だわ。でも確かにそうね。そう、決めたのだもの。何があってもやり遂げてみせるわ」

 

そう言って不敵に笑う千聖は、カッコよかった。

 

 


 

 

そして迎えたセカンドライブ当日。以前雨の中で千聖にもらったチケットで、俺はライブ会場に足を運んでいた。さまざまなアイドルが登場し、とうとう『Pastel*Palettes』の出番が訪れた。彩による曲フリで早速一曲目に入る。

 

(練習、したんだな・・・)

彩の音は外れてるし、ギターは1人で走ってるし、キーボードはもっと全体の音を整えないといけない。・・・けど、そんなチグハグな音がまだ未完成な『Pastel*Palettes』を表しているようだった。それがキチンと伝わっていたのか、誰かが演奏中にヤジをとばしたりなどはなかった。お客さんにからかわれた彩を千聖がフォローする光景は見られたが。しかし最後には、多くのお客さんが『Pastel*Palettes』へ声援を送っていた。それはきっと彼女たち一人ひとりが、このライブにたどり着くまでに諦めなかったからこそ、生まれた結末なのだろう。

 

そんな『Pastel*Palettes』らしいライブは大成功、という形で幕をおろした。

 




締め方ムズいぞ・・・。マジでうまく書けねぇ・・・。不満に思われた方はすみません。これが私の全力です・・・。

それでは、次回までしばしお待ちを。
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