ガルパの新イベは日菜ちゃんバナーでしたね。そして、箱イベっぽいあらすじ。楽しみです。
お気に入り、210突破ありがとうございます。
紗夜が飛び出した理由は、やはりあこちゃんの発言が絡んでいたようだ。前回は思わずあこちゃんに八つ当たりをしてしまう形になったようだが、後々考えると自分に非があることに気づき、今回はとりあえず一旦頭を冷やすことにしたようだ。しかし、それでも紗夜は自己嫌悪に囚われていた。
「やはり私は・・・日菜のことになると、ダメなんです。あの子を彷彿とさせられるだけでも、こんなになってしまう・・・。私は、やっぱりあの子の呪縛からは・・・」
顔を伏せる紗夜。
「・・・前にも言ったけど、俺は日菜ちゃんの『音』と紗夜の『音』、それぞれにいい部分があると思っている。そして、それに優劣はないと思う」
「・・・・・・」
いまだ顔をあげない紗夜。
「でも、俺は『紗夜』の音が好きだよ」
ようやく紗夜の青緑色の瞳があらわになる。
「日菜ちゃんの音でも、他の人が奏でる音でもない。他ならない『紗夜』の音だから好きなんだ。紗夜の音は正確だけど、決して単調なわけじゃない。紗夜が奏でる音のその中に確かに、『紗夜らしさ』を俺は感じる。一見冷たく感じるその音の中に、確かな『暖かさ』を感じるんだよ」
「・・・・・・でも、私にはただ」
「・・・自分では分かりにくいかもね。でも、いつか分かる日がくる。自分の音を好きになれる日が必ずくる。その日がくるまで・・・」
「──────────?」
「俺が紗夜に紗夜の『音』がこんなに素敵なんだって伝え続けるよ。・・・紗夜が分かるまでずっと、ね」
「──────────!・・・ふふっ、確かに、それなら分かるかもしれないわ。・・・・・・他ならぬ、あなたに言われるなら」
「でしょ?」
最後の方は小さくて聞き取れなかったが、前半部分は聞き取れたので返事をする。
「・・・そうだわ」
「──────────?」
「今度、私の練習に付き合ってくれないかしら?上手くできないフレーズがあって・・・」
「もちろん。喜んで付き合うよ」
そんな会話をしながら、どちらでもなく帰り道を歩き始めた。
「友希那の様子が変?」
紗夜のあの一件は、紗夜もあこちゃんもお互いに謝罪し、無事終わりを迎えた。しかし、数日後電話越しにリサから不穏な相談を受ける。
「うん・・・。なにか悩んでるみたいなんだケド・・・なんでもないって教えてくれないんだよね・・・」
リサの話によると、近頃友希那の様子がおかしいらしいのだが、本人は何も話してくれないようだ。
(・・・確かに最近の練習でもどこか、考え込んでいる様子はあった。でもてっきり、音楽のことだと思ってたんだけど・・・)
「・・・分かった。リサでもダメなら望み薄だけど、俺の方でも友希那にそれとなく探りをいれてみるよ」
「・・・アリガト、良哉☆それで、デートの件なんだケド・・・」
今その話をされるとは思ってもおらず、スマホを落としてしまいそうになる。
「うぇぇ!?あ、あの話本気だったの!?」
「あったりまえじゃーん☆で、良哉はいつ空いてるのー?」
「えっと・・・・・・今週末なら空いてる・・・けど・・・」
「じゃあ、そこで決まりだね☆駅前に10時に待ち合わせ、でどう?」
「り、了解・・・」
それじゃーあねー!と上機嫌なリサに通話を切られる。
え、これってマジなの?やばくない?今から緊張してるんだけど・・・。
リサからの電話から数日後、今日も今日とてRoseliaの練習をサポートするために『CiRCLE』を訪れていた。
(ていうか、ここんとこほぼ毎日『CiRCLE』に来てるんだけど・・・。シフトの日でもないのに・・・)
Roseliaが使用予定のスタジオの扉をノックしてから開ける。そこにはまだ、友希那しかいなかった。
「あれ?まだ友希那だけ?」
「ええ。もう少しで紗夜も来ると思うけれど・・・」
2人きりの今が、探りをいれるチャンスだと思い、友希那に声をかける。
「ねえ、友希那。最近、悩んでることとかない?」
「・・・なによ、急に。特にないわ」
一瞬反応があった。確かにリサの言う通り何かを隠している可能性大だ。
「いや、最近の友希那、休憩中とかよく考え込んでるように見えてさ。なにか悩みでもあるんじゃないかなーって」
「・・・・・・たとえ、あったとしてもあなたには関係ないわ」
うーん、何かを隠してることは間違いないんだが・・・。ホント、強情な人だ。
「・・・リサが心配してたよ」
「────!・・・そう。でも、本当に何もないから心配は不要よ」
このままでは埒が明かないと思い、核心に迫る。
「どうしてそこまで隠すんだ?」
「だから、何もないと──────────」
「短い付き合いだけど、友希那が嘘ついてるかついてないかくらい分かるよ。友希那は表情は変わらないけど、反応はするからね」
「・・・・・・」
押し黙ってしまう友希那。
「・・・で、何を隠してるんだ?あれだけ、心配してくれる人を蔑ろにしてまで隠さなきゃいけないことなのか?」
「・・・はあ。少し長くなるわよ」
「構わないよ。友希那のペースで、友希那の言葉で話してくれたらそれで」
俺が諦めないことを悟ったのか、話し始めてくれる友希那。
「実は、スカウトの話がきたの」
「──────────!」
「その人に言われたわ。ウチでメジャーデビューしてくれれば、『FUTURE WORLD FES.』に出場させてあげられる、と」
なるほど・・・。そりゃ、言えないわけだ。いや、でも言えないってことは・・・。嫌な予感を抱えたまま、友希那に問う。
「・・・もちろん、断ったんだよな?」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・なんで、何も言わないんだ?なあ、友希那!!!」
「──────────っ」
俺の大きな声に驚いたのか、それとも他の理由があるのか友希那は瞳を逸らす。
「なんで・・・じゃあ、『Roselia』のみんなはどうなるんだよ」
「・・・・・・」
「紗夜は友希那の理想の高さに共感して、『Roselia』に入ってくれた。あこちゃんは友希那に憧れて『Roselia』に入ってくれた。白金さんはみんなと、友希那と一緒に演奏したいって『Roselia』に入ってくれた。・・・リサは今度こそ友希那の傍で弾きたいって、それこそ指が傷だらけになるまで頑張ってるんだぞ?」
「・・・・・・っ」
「みんな多かれ少なかれ友希那に惹かれて『Roselia』に入ってくれたんだ。・・・そんなみんなを裏切るっていうのか?」
「──────────!わ、わた・・・しは・・・」
彼女の枯野色の瞳が揺れる。すると、スタジオの扉が開かれる。
「こんにちは、良哉くん、湊さ──────────きゃっ!」
紗夜が挨拶しながら、入ってくるがそんな紗夜を押しのけながら友希那はスタジオを飛び出してしまう。
「友希那!!!・・・紗夜、大丈夫?」
「え、ええ・・・。それより一体・・・?」
「ごめん!事情は後で説明する!」
「りょ、良哉くん!?・・・いったい、なんだと言うの?」
俺は飛び出してしまった友希那の後を追いかけるため、スタジオを後にした。
この人たち飛び出すの好きだな〜(遠い目)そして、またしてもストーリーねじ曲げ。原作に忠実じゃなきゃ嫌だ!って言う方は本当にごめんなさい。
それでは、次回までしばしお待ちを。