下記のご報告は以前にもお伝えさせていただいたのですが、念の為もう一度記載させていただきました。ぜひご一読のほど、よろしくお願いします。
【重要】
以前にも申し上げましたが、私事ながら4月からは忙しくなりそうなので更新頻度がこれまでのようにはいかなくなります。ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。
(どこだ、友希那・・・!)
『CiRCLE』を飛び出してから、近辺を探し回っているが一向に友希那の姿は見当たらない。このままじゃ、また・・・と思ったところで、『CiRCLE』から少しばかり離れた公園でベンチに座る見慣れた淡藤色髪の少女を発見する。
「友希那!!!」
「──────────!良哉、どうして・・・」
「やっと・・・見つけたぞ・・・」
息を切らしながら友希那に悪態をつく俺。
「・・・私を探していたの?」
「当たり前だろ。あんな話聞かされて、しかもそれから練習にも顔出さないし」
「・・・その、ごめん・・・なさい」
「謝らなくていいよ。・・・みんな待ってるし、帰ろう」
その言葉を聞き、少し目を見開く友希那。
「なぜ・・・?リサたちもスカウトの話は知っているのでしょう?それなのに・・・」
「・・・確かに俺も最初はそうだった。その話を聞いて、友希那が『Roselia』を裏切るんじゃないか、って」
「・・・・・・」
押し黙る友希那。
「・・・でも、そうじゃなかったんだ」
「・・・・・・?」
「確かに、友希那は音楽に関しちゃ一切の妥協はしないし、それでみんなに厳しくあたったりもする」
顔を伏せる友希那に続ける。
「けど、それは友希那のほんの一部分に過ぎないんだ、って思い出したんだ」
「──────────!」
「それだけが友希那じゃない。リサやあこの演奏を褒めることもあるし、俺をバンドに入れようと意固地になったりする。決して口にはださないけど、リサを心配してるのも分かってる」
「・・・・・・・・・・・・」
「なによりお父さんのこと、そんなに一生懸命になれるんだ。そんな子が優しくないわけがない」
「──────────っ」
「だから、戻って──────────」
「そんなことない!!!」
突然の友希那の絶叫に驚いてしまう。
「私は、私は!!・・・あなたたちを利用していたのよ?『Roselia』に私情を持ち込まないで、と言っておきながら自分が一番私情を挟んでいた・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「『Roselia』を自分の夢を叶えるための道具としてしか思ってなかったのよ・・・」
そう言って俯く友希那に、俺は優しく問いかける。
「・・・じゃあ、どうしてスカウトの話を受けた時に即答しなかったんだ?」
「そ、れは・・・」
「自分でも知らないうちに『Roselia』を大切に思ってたんじゃないのか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「今度は俺から友希那に訊くよ。友希那・・・」
彼女の揺れる枯野色の瞳をまっすぐ見据えながら口を開く。
「・・・『Roselia』にすべてを賭ける覚悟はあるか?」
「──────────!!!私は・・・」
何かを思い返すように目を閉じる友希那。
「・・・・・・・・・・・・当たり前のことを聞かないでちょうだい。私が作った『Roselia』なのよ。当然、あるに決まっているじゃない」
そう言い不敵に笑う友希那。
「・・・それでこそ友希那だよ」
ホント、カッコいいにも程があるよ。
「さあ、行くわよ、良哉」
「・・・了解」
「・・・・・・・・・・・・ありがとう」
前を行く彼女の表情は窺いしれなかったが、決して悪いものではなかったように感じた。
「その、ごめんなさい・・・私・・・」
あの後、『CiRCLE』に戻った俺たちは今も練習を続けているだろう『Roselia』のスタジオにいた。全員の姿を認めた友希那は一呼吸つき、みんなに謝罪をした。
「・・・構いません。こうして戻ってきてくれたのなら」
「あこもこれからも友希那さんとバンド組めて嬉しいです!」
「・・・わ、たしも・・・友希那・・・さんと・・・これからも・・・演奏・・・したかった、ので・・・嬉しい・・・です・・・」
各々、友希那の謝罪に対して好意的な反応を返してくれる。
「・・・リサ」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・ごめんなさい。いつも心配をかけてしまって。・・・それと、いつもありがとう」
「ゆ、友希那〜!!!」
「リ、リサ、苦しいのだけど・・・」
リサも何か言いたいことがあったようだが、友希那の言葉でどこかへとんでいってしまったようだ。今は友希那に抱きついて大泣きしている。
「・・・みんな、改めて本当にごめんなさい」
「いいえ、もう──────────」
「いえ、言わせてちょうだい。・・・これが私なりのケジメだから」
友希那の言葉を止めようとした紗夜だが、友希那にそう言われて静かに聞く体勢にはいった。
「・・・私が元々『FUTURE WORLD FES.』に出場したいと思ったきっかけはお父さんのことがあったの」
「お父様の・・・?」
あこちゃんも白金さんも初めて聞くのだろう。首を傾げている。
「ええ。・・・お父さんは名のあるバンドのミュージシャンだったわ。そしてある日、事務所からスカウトされてメジャーデビューを果たした。けれど・・・」
みんな黙って友希那の話に耳を傾けている。
「お父さんのバンドはメジャーデビューする以前は楽曲を自分たちで作っていたのだけど、メジャーデビューをしてからは事務所が用意した楽曲を歌うことになったの」
みんな不穏な気配を感じ取ったのか、神妙な顔つきになる。
「・・・そうして事務所が用意した楽曲を歌ったお父さんのバンドはデビュー後、まもなく解散することになったわ」
「・・・なにが・・・あったん・・・ですか?」
「事務所が用意した楽曲がファンには届かなかったの。お父さんたちへの批判が相次いだわ。方向性が違うだとか、イメージに合っていないだとか」
「そ、そんな・・・」
絶句するメンバー。
「そのことがあって私はメジャーデビューがいいものだとは思えないし、『FUTURE WORLD FES.』にこだわるの。お父さんたちが夢見た舞台だから・・・」
「・・・そんなことがあったんですね。湊さんの考えはよく分かりました。・・・それで、これからどうするんですか?」
紗夜が友希那を真っ直ぐに見つめ、問う。嘘やごまかしは許さない、といった感じだ。
「私は・・・私は『Roselia』でいたいと思ってる・・・。自分からこんなことをして、都合がいいのも分かってる。でも・・・!私は、この5人で、『Roselia』でバンドを続けたいの・・・!だから・・・!」
「──────────はい、構いません」
「あこも!さっきも言いましたけど友希那さんともっとバンドしたいもんっ」
「わたしも・・・構い・・・ません・・・。『Roselia』・・・での・・・時間は・・・本当、に・・・楽し・・・かったですから・・・!」
「・・・アタシも、もちろんいいよ。元々友希那の力になりたくて『Roselia』に入ったんだし☆」
友希那の話を聞いても、さきほどと変わらない自分たちの気持ちを友希那にぶつけるリサたち。
「あなたたち・・・!」
「ほらほら、あとは良哉だよ〜?」
これで大団円と思って見守っていると、リサからとんでもないパスがくる。
「えっ、俺!?もうよくない!?」
「ダメダメ〜☆ほら、友希那も待ってるよ〜?」
目線をあちこちにさまよわせながらだが、体はこちらに向いている友希那。
(何を言えば・・・てか、さっき言いたいことは言ったしなぁ・・・)
そうこうしているうちも、ほらほら〜☆とリサが急かしてくる。
(うーん・・・ダメだ、これぐらいしか思いつかない)
頭に浮かんだ、ただ唯一の言葉を友希那に伝える。
「おかえり、友希那」
「──────────!・・・ええ、ただいま、良哉」
Roseliaが『Roselia』になった瞬間だった。
オリジナル展開が続いております。次回で『Roselia』回が終わればいいな、と思っております。
それでは、次回までしばしお待ちを。