転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。
早速1、2日ぶち抜いてしまい、申し訳ありません。エタるつもりはないので、これからもよろしくお願いします。

お気に入り220ありがとうございます。


『入賞』ではなく『優勝』で

 

 

「さあ、友希那もそろったし、ようやく本格的に合わせられるな」

友希那が戻ってきたことによって、ようやく5人そろった。

 

「もうコンテストまであんまり時間ないし、頑張んないと」

「当然よ。・・・さあ、いくわよ」

友希那の問いかけに4人が首肯する。

 

「──────────♪」

(やっぱり『Roselia』は『5人』そろって、だよな)

演奏を始める5人を見て、一人静かに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして迎えた、コンテスト当日。やはり有名なフェスに出場するためのコンテスト、というだけあり、数多くのバンドが揃い踏みなようだ。

 

(やっぱり始まる前に、お手洗い済ませとこ)

そう思い、玄関を通り過ぎようとしたところで、ふと外に見覚えのある淡藤色の髪の少女が目に入る。

 

(あれは・・・友希那か。なにしてんだろ?)

声をかけるべく、扉をくぐり友希那の元に向かう。すると、友希那がこちらに気づく。

 

「・・・あら、良哉じゃない」

「こんなとこでなにやってんの?もうすぐ本番だろ?」

「・・・『Roselia』が結成されてから今までのことを思い返していたの」

柄にもなく緊張しているのかと思ったが、どうやらそうではないみたいだ。

 

「そりゃまた、どうして」

「分からない。でも、ふと頭をよぎってしまったの」

本人に分からないことはうまく聞き出せないと思い、諦めることにし、別のことを訊くことにした。

 

「・・・じゃあ、今どんな気持ち?」

「そうね・・・。何も気にしなくていい、というのはとても身軽なものなのね」

「・・・なるほど」

心中を吐露した友希那の顔は、すごく晴れ晴れしていた。

 

「演奏、楽しみにしてる」

「ええ。これまでで最高の演奏にしてみせるわ」

そんなふうに会話していると、『CiRCLE』の中からリサが現れる。

 

「なんだ、良哉と一緒だったんだ」

「たまたま友希那を見かけてな」

「ところでリサはどうしたの?」

「あー!そうだ!友希那を探してたんだよ。みんなが『友希那は控え室で準備する』って言ってたのにいないから〜」

リサは友希那が心配だったのだろう。・・・ホント、世話焼きだよなぁ。

 

「・・・時間だから呼びに来てくれたの?」

「いや、それもあるんだケド・・・友希那、大丈夫かな〜って」

「──────────?」

ホント、友希那って鈍いところあるよなぁ。

 

「・・・その、お父さんのこととかあるだろうし、心配になっちゃって」

「そういうこと・・・。大丈夫よ。今はあなたたちと歌うことしか考えていないから」

少し意外だった。さっきまで普通そうに会話していたが、少なからずお父さんのことを気にしていると思ったのだが・・・

 

「・・・そっか。なら、いいんだ☆」

「・・・時間ね。行きましょうか、リサ」

「うんっ!」

2人してこちらを見て、声をかけてくれる。

 

「いってくるわね、良哉」「いってきます、良哉!」

「──────────!・・・ああ、いってらっしゃい」

去っていく2人の後ろ姿は、在りし日の2人を想像させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(いよいよ始まる・・・)

すでに多くのバンドの発表が終了しており、残りは友希那たち『Roselia』そして、数バンドとなっている。

 

「それでは、次は『Roselia』の皆様です!」

そして、ついに『Roselia』の順番が訪れる。

 

「『Roselia』です。それでは早速、一曲聴いてください」

友希那のMCの後に演奏を開始するメンバー。

 

「──────────♪」

 

(そういえば、今回はリサと白金さん、緊張してなかったんだろうか。さっきの感じではそんなこと感じなかったけど・・・)

リサを見やると、笑顔を浮かべながら紅色のベースを弾いていた。白金さんも微笑みながら、キーボードを弾いている。

 

(2人とも、演奏が始まれば大丈夫なんだろうか?・・・あこちゃんは相変わらず楽しそうだなぁ)

あこちゃんは、前回のライブと同じく満面の笑みでドラムを叩いている。

 

(紗夜も・・・・・・笑ってる)

あこちゃんやリサほどではないにしろ、紗夜も口元が綻んでいた。日菜ちゃんとのことはもちろんまだ解決されたわけではないだろうから、ほんの少しだけだろうが、それでも紗夜が笑顔でギターを弾いてくれるようになってよかった。

 

(そして、友希那は・・・っと)

友希那は笑ってこそいなかったが、その顔はどこか吹っ切れたような様子で彼女の歌も、今までより気持ちがのっているような気がした。

 

(これこそ、『Roselia』だよな)

 

こうして、大きな拍手に包まれて『Roselia』の演奏は終了した。

 

 


 

 

あのコンテストでのライブの後、俺たちはいつかのようにファミレスを訪れていた。

 

「ほらほら〜☆2人ともいつまで暗い顔してるの〜?」

「「・・・・・・・・・・・・」」

リサの言葉に反応を示さない、友希那と紗夜。

 

「・・・確かに、結果は残念だったけどさ」

そう。なんと『Roselia』は落選、という形に終わっていた。あの後、残りのバンドが演奏を終え、結果発表が行われた。しかし、入賞を有望視されていた『Roselia』の名は呼ばれることはなかった。審査員の方によると、今後に期待したい、のだそうだ。今『入賞』してFUTURE WORLD FES.に出場するより、来年『優勝』してフェスにのりこんでほしい、とありがたいお言葉をいただいたようだ。

 

「・・・とりあえず、お疲れ、みんな」

そんな感じでみんなを労いながら、リサから教えてもらった講評の内容を思い返していると、いつの間にか注文をまとめたのか、あこちゃんがとんでもない料理名を口にする。

 

「じゃあ、友希那さんと紗夜さん、それに良哉さんもWハンバーグ&エビフライ&チキンソテーのプレート、ご飯大盛りデザートのセットでいいですよねっ」

「・・・・・・へ?」

思わず変な声が出てしまったが、それで構わないのかあこちゃんに頷きで応える友希那と紗夜。・・・え、マジでいいの?なんかすごかったよ、今の。モリモリすぎて何がなにかよく分かんなかったし。とにかく、俺は絶対嫌だ。

 

「え、いやいや、俺は──────────」

「よしっ!じゃあ、燐子よろしく☆」

「いや、ちょ、まっ──────────」

「・・・はい・・・。スーパーやけ食いセット、6人前・・・ですね・・・」

ああ・・・。なんで俺まで・・・。

 

「当たり前じゃない。あなたも『Roselia』の一員なのだから」

「いやでも、俺は──────────」

「湊さんの言う通りだわ。まさかあれだけ関わっておいて、今更無関係だと?」

「・・・はい」

結局2人の圧に負ける形になってしまった。リサとあこちゃんには笑われるし、白金さんにはなんか温かい目で見られるし、散々だ。しかし・・・

 

(嬉しいもんだな・・・)

2人に、いや5人に認めてもらえた感じがして嬉しかったのも、事実だ。

 

「はい、おまたせしました!Wハンバーグ&エビフライ&チキンソテーのプレート、ご飯大盛りデザートのセットです!」

(いやでも、これはいらないんだけど・・・)

そんなことを思っていると、リサが口を開く。

 

「・・・確かに残念だったけどさ、アタシは・・・すっごく、楽しかった」

「あこも、悔しかったですけど、すっっごく楽しかったです!」

「わた、しも・・・悔しさは、もちろん・・・あります・・・けど・・・あこちゃんや、今井さんと・・・同じで・・・楽し、かったです・・・」

確かに、演奏中の3人を思い返してみても、みんな笑っていた。そしておそらく2人も・・・

 

「・・・私はこんなもので満足しないわ。来年こそは必ず、FUTURE WORLD FES.に出場してみせる」

「私も湊さんと同じ意見です。こんなところで立ち止まってはいられません」

そういう2人だが、表情は優しかった。

 

「もちろん、アタシたちだってこんなとこで満足はしないよ☆」

「あこはもーーーっと上手になって、『あこだけのカッコイイ』を見つけてみせますっ!」

「わたしも・・・自分を・・・少し、でも・・・変えられる・・・ように・・・なります・・・」

リサたちも今回の結果で満足はしていないようだ。まったく、ホント指導のしがいがあるよ。

 

「・・・じゃあ、全員の共通目標は『来年のコンテストで優勝して、FUTURE WORLD FES.に出場する』ということでいいわね?」

友希那の問いかけに4人が首肯する。

 

「・・・あなたもよ、良哉」

「ああ、みんなが目標を果たせるように全力でサポートするよ」

 

固い決意をもってメンバーに告げると、全員が微笑みながら頷いてくれた。

 




Roselia編、完となります。次はハロハピにいきたいんですけど、更新できるのがいつになるやら・・・

それでは、次回までしばしお待ちを。
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