特にしゃべることないので、どうぞ。
世話焼きな彼女とデート
Roseliaでの一件が落ち着いた数日後の話。休日の朝にリサからの連絡で目が覚める。
「うーん・・・。・・・ん?リサからか・・・。・・・どしたー?」
「やっほー、良哉。もしかして寝てた?」
「うん、まあ・・・。でも、気にしないでいいよ。で、どしたんだ?」
今日のRoseliaの練習は個人練習になったと思ったんだが・・・
「早速デートにいこうと思って☆」
「おー、デートな。そういえば、そんなこ・・・と・・・も・・・はい!?」
「とりあえず、10時にショッピングモールに集合ってことで!」
そのまま、じゃ!と言われて電話が切られる。
(いやいや、待て待て待て!そんなことも言ってたけども!そんな急に来るのか!?)
まさに寝耳に水であった。幸い、時間は少しあるのでなんとかなるだろう。内心は動揺しまくりだったが、とりあえず身支度を済ませてから少し急ぎめで家を出た。
「リサは・・・まだか」
約束の時間20分ほど前に来れたこともあり、リサよりは早く到着できたようだ。10分ほど経ってからリサが姿を現す。
「お待たせ、良哉☆」
「いや、そこまで待ってないから大丈夫なんだけど・・・」
「──────────?」
リサの私服姿は練習の時に何度か見たことはあるが、やはりいささか露出が多いのではないだろうか、と思わなくもない。さらにリサは美少女だ。そんなリサを連れている俺にさっきからやっかみの視線がすごくて、胃が痛くなってきた。まったく・・・紗夜の時もそうだったが、リサや紗夜みたいな美少女に俺なんか釣り合うわけがないだろうに。・・・いや、だから妬みの視線を一身に浴びてるのか。・・・なんて地獄だ。
「どしたの、良哉?」
「・・・いんや、なんでもない。リサは可愛いな、って思ってただけだから」
「へっ!?」
あれ?俺今、やばいこと言わなかった?
「・・・・・・その、アリガト」
「あ、ああ・・・」
え、やばいよ。これは心の声ももれちゃうよ。だってこんなに可愛いんだよ?そりゃあ、思考能力もいずこかに飛んでいくよね。
「・・・それで今日はどこ行くんだ?」
一つ咳払いをして、リサに問う。
「え、あ、き、今日はね〜、服を見にいこうと思ってるんだ☆」
「・・・服、ね。ウィンドウショッピングってやつ?」
「んー、気に入ったのがあれば買おうと思ってるケド・・・なかったら、そうなるかも」
「ん、了解。んじゃ、行くか」
おー!とリサが元気に返してくれたのを確認して、2人して歩き出した。
「えーっと、まずは・・・あそこ!」
ショッピングモールに足を踏み入れてから少し迷っていたようだが、気になるものでも見つけたのか、とある店へと入っていく。しかし、女性用の服ばかりで男の俺には少しばかりハードルが高い。よし、ここは店の外で・・・と思ったところでリサから声がかかる。
「なにやってんの、良哉も早く!」
「え、いや、俺は・・・」
「ほら、いーから!」
「ちょ、まっ──────────」
あっさりと引きずられてしまう。ていうか、なんか力強くない?この前も思ったけど、女の子って意外に力強いよな。
リサに連れられて入ったはいいが、周りを見回したらなんか肩が出た服やらショートパンツやらが陳列されており、正直に目線をどこに配ればいいのか迷ってしまう。
(え、これ、ホントやばいんだけど。なんか服ジロジロ見てたら変態みたいだし、なんなら入店した時点で他の女性客から見られてるし・・・こうなったらリサでも見てよう)
そう心に決めてリサを見ると、なんかほっぺたを膨らませていた。
「え、なに、どしたの」
「なんでもないっ・・・・・・良哉のバカ」
リサの反応の意味が分からず、首を傾げるしかなかった。そんな俺にリサは唐突に1枚のシャツを広げて自分に合わせ、どう?と聞いてくる。
「んー、似合ってるけど・・・」
「ケド?」
「その・・・なんというか・・・目のやり場に困るというか・・・」
俺の言葉の意味を理解しただろうリサは顔を真っ赤にし、罵倒してくる。
「〜〜〜っ!良哉のバカ!変態!」
そうは言われても今着ている服もそうだが、リサが好む服は基本的に露出部分がそれなりでいかんせん肌色が多い。年頃の男子高校生的には、目に毒だと思ったのだが・・・
「とりあえず、周りに人がいる状況で変態、はやめてくれ・・・」
そんなこんながありつつ、現在はゲームセンターに足を運んでいた。
「アタシ、ゲームセンターは友達とたまに来るケド、プリクラしかやったことないんだよね」
「俺もクレーンゲームはたまにやるんだけど、それ以外はなんとも・・・」
つまり、2人ともゲームセンター初心者、というわけなのだ。
「あ!アタシ、あれならできるかも!」
そう言ったリサが指さしたのは、ダンスゲームだった。画面の表示に合わせて、タイミングよく床のパネルを踏んでいくゲームのようだ。
「へぇ・・・リサ、ダンス得意なの?」
「あれ?言ってなかった?アタシ、ダンス部なんだよね☆」
それは初耳だ。それなりの時間、一緒に音楽やってきたけどメンバーのことあんまり知らないのかもしれない。他のメンバーとかは休日何してるんだろう。そんなことを考えていると、リサがまあ、見ててよ☆とウインクしてお金を払う。そして、ゲームが始まるとみるみるうちにリサはスコアを重ねていき、あっという間に1位に輝いた。ゲームを終えたリサを労おうと声をかけようとしたところで、辺りから拍手の音が聴こえてくる。
「いつの間に・・・」
「ア、アハハ〜、なんか恥ずかしいや」
辺りからは、すごかったよー!などもう1回やってー!など聞こえてくるが、恥ずかしさが頂点に達したのかリサが・・・早く行こ、と耳まで赤くして囁いてくる。それに了解、と苦笑いで返し、俺たちはその場を後にした。
あの後、ゲームセンターを出る前にリサからどうしてもプリクラを撮りたい、との要望があったのでそれだけこなし、俺たちはゲームセンターを離れていた。
(にしても、プリクラ強烈だったな・・・)
そう。本当に心臓が止まるかと思った。最初は普通だったのだ。2人並んで笑顔で、とかそんな感じだった。が、要求のハードルがどんどん上がっていき、最終的には彼氏が後ろから抱きついて〜などと要求してくるのだ。さすがにそれは無理だ、と思いリサに断ろうとしたのだが、リサの方は満更でもない感じだった。そもそも俺は彼氏ではないし、リサは彼女ではない。ヘタすれば、セクハラになる可能性もあったのでお互いの頬をくっつける形に落ち着いた。それも問題な気がしたのだが、あの時の俺は抱きつくか、くっつけるかの2択だったので、そちらを取ってしまった。今思い返すと、どちらもアウトだったような気がするが、リサが嬉しそうだったのが唯一の救いだ。
「ねえ、良哉。そろそろ、ご飯食べない?」
リサにそう問われ、時間を確認すると13時になろうとしていた。
「・・・ん。いい時間かもしれない。何食べる?」
「んー・・・とりあえず、フードコート行こっか」
「了解」
今すぐには決まらなかったようで、俺たちはとりあえずフードコートに移動することに決めた。
「いただきまーす!」
「いただきます」
あの後フードコートに移動して、リサが選んだ料理は意外なものだった。和食だったのだ。人は見かけで判断してはいけない、というのは分かっているが正直驚いた。
「ん?どしたの?」
そんな俺の心中が伝わったのか、瞳を瞬かせながら訊いてくるリサ。
「いや、ちょっと意外だったなって」
そう伝えると、リサは不機嫌そうに言った。
「・・・みんな、そう言うんだよね。そんなに意外なのかな」
「うん。正直、超ビックリ」
そのわりにはあんまりリアクションなくない・・・?と言われてしまったが、許容量を超えているだけです。そんなことも挟みながら、リサと会話していく。特に筑前煮が好きだとか、グリーンスムージーが苦手だとか。・・・なんか、逆な気がするんですけど。そう思っていたのがバレたのか、軽く睨まれてしまった。そんなこんなしていると2人ともご飯を食べ終わったので、少し休憩してから次の店を目指すために歩き始めた。
「んー!どれにしよっかなぁ・・・」
(そろそろ次に行きたいんだけど・・・)
かれこれ1時間近くはこのアクセサリーショップに滞在している。その間、リサは飽きることなく商品を見て回っていた。
(よっぽど好きなんだな・・・)
確かに彼女はよく、ウサギのイヤリングやネックレスを身につけている。さらに、年頃の女子高校生だ。無理もないだろう。
「ねえ!良哉はどっちがいいと思う?」
リサに聞かれ振り向くと、何かの鳥のようなストラップとネコのストラップを手に持っていた。
「うーん・・・こっち、かな」
そう言い俺が指さしたのは、ネコのストラップだ。
「そっか・・・アリガト!」
「──────────?」
なぜあんなに嬉しそうなのかは分からないが・・・まあ、リサが喜んでるならいっか。それよりさっきのストラップは、っと・・・
「今日はアリガトね、良哉☆」
「ううん、俺も楽しかったし。・・・はいこれ、リサ」
リサに差し出したのは、先程のアクセサリーショップにあった鳥のストラップだ。
「──────────?こ、これ、さっきの・・・なんで・・・」
「んー、せっかくの記念だし。なにかしてあげたくて」
「で、でも、アタシ何も・・・」
「いいんだよ。普段からリサには助けられてるんだから」
「そんな・・・アタシはなにも・・・」
まったく。ホントに・・・謙虚なのはいいことだけど、過ぎれば卑屈、だな。
「リサはそう思ってても、俺はそう思ってあげない。俺はリサにもう何度も助けられてるんだから」
「アタシだって・・・・・・そうだ!これ!」
そうリサが差し出したのは、ネコのストラップだった。
「いやでも、これは・・・」
「いーの!ほら、つけて!アタシもつけるからさ☆」
2人してスマホにストラップをつける。俺はネコの、リサは鳥のストラップを。
「これでバッチリ☆」
「バッチリ・・・なのか?」
「バッチリなの!・・・・・・良哉、今日はホント、アリガトね」
急にしおらしくなるリサ。
「──────────?ど、どういたしまして」
そんなリサに戸惑いながら返事をすると、不安げな顔でリサが訊いてくる。
「・・・・・・また、デートしてくれる?」
そんなの答えは決まってる。
「もちろん。いつでも、どこにでもいくよ。リサからのお誘いなら」
笑顔でそう告げると、リサは表情を綻ばせる。
そんなふたりの間では、互いのストラップが踊っていた。
頑張ったぁぁぁ・・・。過去最高の文字数でした。いやあ、リサ姉が好きすぎて頑張りすぎました。こんなんまだ全然だろ、って思われる方もいるかもしれませんが、私的には頑張ったので許してください。
それでは、次回までしばしお待ちを。