転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。
ポピパ3章きましたね。Roseliaが先だと思ったんですが、やっぱり映画に合わせるんでしょうか。なんにせよ、どちらも楽しみです。



羽丘の王子様

 

こころに引っ張られてあちこち振り回されたあの日、結局ベーシストは見つからなかった。俺は振り回されている最中もギタリスト辞退の意志を伝えていたのだが、まったく聞き入れてもらえなかった。それに関しては花音も同じである。

 

(花音も俺も、昨日は災難だったなぁ)

4時限目が終わりを告げようとしており、お昼ご飯のことを考えながら昨日を思い返していると、授業終了のチャイムが鳴り響く。号令を済ませた後、花音に声をかけお昼に行こうとするのだが、なにやら教室の外が騒がしい。

 

「どうしたんだろうね?」

「さあ・・・」

2人して頭を傾げていたが、そんなことをしていても仕方ないと思いお昼を食べるべく中庭に移動しようとしたその時。

 

「あ、花音と良哉じゃない!」

「「え?」」

聞き覚えがありすぎる声に、意図せずとも2人の声が重なってしまう。

 

「あなたたちがいるなら、話が早いわっ。バンドのことについて一緒に考えましょ!」

「え、いやいや、これから俺たちお昼なんだけど・・・」

隣で花音もすごい勢いで頷いている。どうやら、昨日の件を引きずっているようだ。

 

「なら、一緒に食べましょ!そうした方が、ずっーーーと楽しいわ!」

こころに腕を掴まれる。嫌なデジャヴに冷や汗が流れる。花音も察したのか、ふぇぇ・・・!といつもの奇声をあげている。そうこうしているうちに片腕がすごい勢いで引っ張られる。

 

「またこれかよぉぉぉぉぉ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで現在俺たちは校門前にいた。予想通り、昨日と同様にこころに引っ張られてここまで連れてこられた次第だ。・・・もうちょっと、デリケートに扱ってくれないものだろうか。特に花音。今も隣で若干、目をまわしている。

 

「あたし、昨日雑誌で読んだの。ギターはバンドの華だって!その点、良哉は完璧ねっ。お顔も整っているし、なによりあなたと歌っているととーーーっても楽しいもの!!」

唐突にお褒めの言葉をいただいて気恥ずかしくなってしまうが、断るならここだ、と思いこころに告げた。

 

「こころ」

「───────?どうしたの?」

「俺はこころのバンドでギターを弾くことはできない」

真っ直ぐに彼女の目に合わせて俺の想いをぶつける。

 

「・・・・・・なぜかしら?」

「一応、他のバンドの面倒も見てるし、なにより・・・」

こころは俺の目をしっかりと見つめ、続きを待ってくれる。

 

「こころのバンドに相応しいギタリストは他にいる。そんな気がするんだ。ただの勘なんだけど・・・。それでも、俺はその人の方が俺よりもっと『世界を笑顔に』できると思うんだ」

「・・・・・・そう。わかったわ!なら、新しいギタリストを探さないといけないわね!」

「ごめん」

そんななんの根拠もない俺の話を信じ、笑顔でこころは言ってくれる。

 

「どうして謝るの?良哉が言うのだから、きっと間違いないわ!」

「なんで・・・」

花音も不思議がっているようだ。

 

「だって、あなたの音はとっても心が弾んだもの。そんな音を奏でられるあなたが嘘をつくはずがないわっ」

「──────────!そっか・・・。ありがと、こころ」

『弦巻こころ』という少女が少し分かった気がした。

 

「どういたしまして!・・・・・・とはいえ、どうしましょうか。良哉と同じくらい目立つ人っていえば・・・」

そんなふうに頭を悩ませていた俺たちに、とある情報が耳に入る。なにやら、羽丘で演劇発表会なるものが開催されるそうな。そして、その舞台に登壇する『瀬田薫』なる人物が王子様然としているそうな。確かに休み時間に教室で誰かがそういう話をしているのを盗み聞いていたのを思い出した。

 

「「瀬田・・・薫・・・」」

花音とこころの声が重なる。というか、花音はバンド辞退の意志を伝えていないが、いいのだろうか。

 

「・・・あたし決めたわ。あの『瀬田薫』をあたしたちのバンドのギタリストにする!」

「えぇ!?こころちゃん、瀬田薫さんと会ったことあるんですか・・・?」

もう決定事項かのような物言いだが、そこは俺も気になるところだ。他校の生徒である瀬田さんとこころに接点があったとは・・・

 

「いいえ、今から会うわよっ」

「はい!?・・・いやいや、そんないきなり押しかけても」

「なぜ?あなたたちと歌ったとき、すーーーっごく楽しかったわ!だから、薫もきっとバンドに入ってくれるわ!!」

「そ、そんな理由で・・・?」

花音の戸惑いも当然だろう。突然押しかけられて、うちのバンドのギタリストにならないか、と言われて素直に入るやつなんて・・・

 

 


 

 

「──────────分かった、入ろう」

いたよ・・・いきなり押しかけられて、ギタリストにならないかって言われて素直に入るやつ・・・。俺はまさかの光景に呆然と立ちつくすしかなかった。こうなったのには、理由がある。・・・正直さっぱり分からんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、結局またこころに引っ張られて今は羽丘で瀬田さんの舞台を3人で観ているところだ。

(やっぱりあの人、昨日駅前にいた人だよな・・・)

 

まさかまさかの再会である。そして、現在もあの時と同じように周りの人たちは薫さま・・・と呟きながら、バタバタと倒れている。なんてデジャヴだ。人間こうも人が倒れるところに遭遇するものなのか?こころは瀬田さんを気に入ったようで、決定だわっ、と言っているし花音もボーッと瀬田さんを見つめている。というより、見惚れている、のか?そうこうしているうちに舞台は終了したようで、建物を出ていく人が増えていく。

 

「それじゃあ、行くわよ!」

「え?どこに?」

「決まってるじゃない!演劇部の部室よっ」

そして、3度目の『アレ』がくる。

 

「え、ちょっとこころちゃん・・・!?」

「おい、待て。・・・ねえ、お願い待って」

「さあ、行くわよ──────────!」

俺と花音の腕を両手で掴みながら、走り出す準備をするこころ。

 

「待ってって言ったのにぃぃぃぃぃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もはや定例化してきたこの移動法で、現在は演劇部の部室を探すために校舎内をウロウロしていた。

 

「ん〜、部室ってどこにあるのかしら?」

「こ、こころちゃん。今はまだいろいろ忙しいだろうし、日を改めた方が・・・」

「あ、あんなところにいたわ!待ちなさい、薫〜!」

そう言って走り去ってしまうこころ。

 

「・・・花音、人間流れに身を任せた方がいいこともあると俺は思うんだ」

「うん、そうかもしれない・・・」

2人してため息をつく。とりあえず、こころの後を追うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ、とりあえず廊下では人の往来も多い。場所を移そうか、小さな挑戦者さん」

 

こころに追いつくと、なにやら2人の間でなんらかの会話がされたようで、その結果場所を移すようだ。そして、校門前に移動してきた俺たち。

 

「かのシェイクスピア曰く、『行動は雄弁である』・・・。私はいままで多くのスカウトを受けてきたが、君のような強引なお姫様は初めてだ」

(どんな誘い方したんだよ・・・)

こころスカウト方法が気になったが、今は置いておくことにした。

 

「そうかしら?バンドってすっごく楽しいわよ!あたしは音楽と演技って少し似ていると思うのだけど、どうかしら?きっとこのバンドであなたはいろんな役を演じると思うわ。そう考えるとすっごくワクワクしないっ?」

「なるほど・・・。私が必要なのはそういうことか・・・。可憐な君たちを守る王子・・・は既にいるようだから、この世界を彩る役者が欲しい、ということだね」

瀬田さんは俺に軽く目線を向けてから、またこころの方へ向き直る。

 

(いや、俺王子って柄じゃないんですけど・・・しかも、2人とも言ってることわけわかんないし)

そんなことを思っていると、瀬田さんが了承の意を示す。

 

「──────────分かった、入ろう」

 

改めて思い返してみても、どうして瀬田さんがこころのバンドに入ることになったのかまったくもって謎なんだが・・・。その点は花音も同意のようだ。わけが分からない、とでも言いたげな表情をしている。

 

あの舞台からは想像もつかないけど、さっきのわけ分からん受け答えといい、もしかして瀬田さんってヤバイ人なんじゃないだろうか。このバンドに入るかもしれない花音のことが少し不憫に思えてきたお昼の出来事であった。




薫さん難しすぎるでしょ。あんなにキャラ立たれたら、どうしようも・・・。(褒め言葉)
バンドストーリー読み返しながら書いてますけど、相変わらずなんで薫さんがハロハピに入ったかわけわかんないですね。

それでは、次回までしばしお待ちを。
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